デブリ対策もないICPSで有人飛行するのかあ?2019年12月11日 04:32

デブリ対策もないICPSで有人飛行するのかあ?
デブリ対策もないICPSで有人飛行するのかあ?


SLSの初期のスケジュールと、構成の関係がこんがらがっている。

ハッキリ言って、混乱の極みだな。

変更に次ぐ変更、アルテミス計画が突如立ち上がったりして、ミッションの名称が変わったりしている。

エウロパクリッパーが絡んで来たりして、その混乱に拍車をかける。

スケジュールが遅れるのには慣れているとはいえ、その見直しが行われるのは直前になってからだ。

ネガティブな発表は、先送りしたいのが人情だしな。

SLSが、政治絡みで弄られやすいというのも困ったものだ。

米国の選択は、4年毎の大統領選挙でころころ変わる。

少し、現状を整理しておかないとな。

というわけで、ICPS(暫定極低温推進ステージ)から始めよう。

(ボーイングはSLSの上位段階への変更を計画:2018年10月5日)
https://spacenews.com/boeing-plans-changes-to-sls-upper-stages/

「当初、2番目のSLSミッションである探査ミッション(EM)2で使用する予定でした。代わりに、SLSのブロック1B構成として知られるものの最初の飛行は、4番目のSLS打ち上げまで遅れました。」

「EUSの導入を遅らせるという決定は、元の暫定極低温推進ステージ(ICPS)で2つの追加のSLSブロック1ミッションを飛行することを意味します。これらのミッションの1つはオリオンの最初の乗組員飛行であるEM-2に対するものであり、もう1つはNASAのエウロパクリッパー宇宙船を木星の月エウロパに打ち上げるために予約されています。」

「ICPSは元々、人間が評価することを計画していませんでしたが、EM-2ミッションで使用するためにいくつかの変更を行う予定です。最大の変更点は、商業乗組員のミッションでアトラス5のケンタウルス上段で使用されているものと同様の緊急検出システムの追加です。冗長性とオリオンの宇宙飛行士にステージのステータスに関する詳細情報を提供するために、追加のセンサーと計装がステージに追加されます。」

この時点では、まだ、エウロパクリッパーは2回目の飛行ということになっている。

フライトナンバー:ミッション名:打ち上げ予定:ロケット構成:上段:(2018年現在)
・1:EMー1:2020年6月:ブロック1:ICPS
・2:エウロパクリッパー:2022年以降:ブロック1:ICPS
・3:EMー2:2023年:ブロック1:ICPS
・4:ー:2024年:ブロック1B:EUS

たぶん、こんな感じか(テキトーです!)。

今日現在のウィキでは、こうなっている。

フライトナンバー:ミッション名:打ち上げ予定日:ロケット構成:上段:(2019年現在)
・1:アルテミス1:2020年11月以降:ブロック1:ICPS
・2:アルテミス2:2022年第4四半期:ブロック1:ICPS(有人仕様)
・3:アルテミス3:2024年:ブロック1B:EUS
・4:エウロパクリッパー:2025年:ブロック1貨物:ICPS

(Space Launch Systemの起動リスト)
https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_Space_Launch_System_launches

「暫定極低温推進段階(ICPS)として知られるデルタ極低温第2段階、または探査上段(EUS)を備えたそのブロック1B構成。」

(The Boeing-built @NASA_SLS Exploration Upper Stage will fly on Artemis-3.)
https://twitter.com/BoeingSpace/status/1156655836514738177

「ボーイング製の@NASA_SLS探査アッパーステージは、Artemis-3で飛行します。」

完全に整合性があるとは言えないが、とりあえず書いてみた。

ウィキではアルテミス3がブロック1となっているが、EUS上段の構成は1Bが正しいからな(って、開発は間に合うのかあ?)。

エウロパクリッパーは、2025年に追いやられただけではなく、下手したら民間ロケットに追いやられる可能性もある。

まあ、議会の決定(SLSで上げること!)があるから、そうはならないと見ているけどな。

問題なのは、元々有人飛行用として設計されていないICPSを、アルテミス2で有人飛行させようという話だ。

「最大の変更点は、商業乗組員のミッションでアトラス5のケンタウルス上段で使用されているものと同様の緊急検出システムの追加です。冗長性とオリオンの宇宙飛行士にステージのステータスに関する詳細情報を提供するために、追加のセンサーと計装がステージに追加されます。」(再掲)

アトラス5のケンタウロス上段と言えば、もちろん、N22(スターライナー打ち上げ用)のことだ。

それが、最大の変更だってえ!?。

浮沈子は、以前、トランプ政権が有人月周回軌道飛行(EM-2)を前倒しして、無人のEM-1のスケジュールに乗せられないかとNASAに検討を依頼した際の記事を探した。

(2019年の乗組員SLS /オリオンミッションを調べるNASAの研究:2017年2月24日)
https://spacenews.com/nasa-study-to-examine-crewed-slsorion-mission-in-2019/

「乗組員のEM-1ミッションで検討されているコンセプトは、すでにEM-2で考慮されているものと同様の軌道で2人の乗組員をオリオンで飛行させることです。打ち上げ後、地球軌道で1日過ごした後、オリオンは月の周りを自由に戻る軌道を飛行し、打ち上げ後8〜9日後に戻ります。」

「このミッションは、EM-2以降のミッションで計画されているEUSではなく、EM-1で使用される、より強力ではない暫定極低温推進ステージ(ICPS)上段で飛行できます。」

「しかし、デルタ4上段から派生したICPSには、乗組員のオリオンを飛行させるための修正が必要です。」

「それには、おそらくステージに微小流星体のデブリ保護を追加することが含まれます。」

最後の変更点は、ゲスティンマイヤーの言葉ではないが、当然考慮されてしかるべきだ。

微小流星や宇宙デブリがヒットすれば、ICPS自体の機能が失われるだけでなく、最悪の場合、オリオン宇宙船に被害が及ぶ場合も想定される。

そんなこたあないだろうと、高を括ってはいけない。

多少構造は異なるが、アポロ13号の事故は、似たような状況になった。

機械船の爆発で電源が失われ、月着陸船の資源を食いつぶして凌いだ。

アルテミス2には、月着陸船は付いていないからな。

ICPSにデブリがヒットして、その余波で機械船(サービスモジュール)がやられてしまえば、オリオンだけで何とかして地球に戻らなければならない。

もちろん、NASAはその点も考慮しているんだろう。

地球高軌道へ放り込むための噴射を行えば、ICPSは切り離される。

オリオンだけの旅路になる(月へ向かう軌道への投入は、オリオンのメインエンジンで行うようだ)。

そのリスクをどう評価するかだな。

デブリのリスクは受け入れて、ミッションに命かけることになるのか。

(アルテミス2)
https://en.wikipedia.org/wiki/Artemis_2

「2018年現在、アルテミス2のミッションプランでは、最初の乗組員のオリオンカプセルに入れられた4人の宇宙飛行士を最大21日間月面フライバイに送ります。」(飛行期間は概ね10日を予定しているみたいだがな:画像参照)。

アルテミス計画自体が、大統領選挙の行方次第ではどうなるか分からないしな。

ICPSなんて、しかも、そのデブリ対策なんてジミーな話題だが、ミッションの成否を握る鍵だ。

緊急検出システムだけ追加して、むき出しのタンクはそのままにして飛ばすことになれば、マーフィーの法則通りになるかもな。

ただ1度だけのミッションのリスクだけどな。

NASAは、懲りないなあ・・・。

(NASAの乗組員による初飛行、長期的な月への帰還、火星へのミッションの重要なステップ:ページ最終更新日:2019年9月27日:追加)
https://www.nasa.gov/feature/nasa-s-first-flight-with-crew-important-step-on-long-term-return-to-the-moon-missions-to

「打ち上げ後、SLSロケットの宇宙船と上段は、最初に地球を2回周回し、システムが正常に動作することを確認します。オリオンは100海里の高度で90分間、円軌道に到達します。」(軌道挿入)

「最初の軌道に続いて、RL10エンジンを搭載したロケットの暫定極低温推進ステージ(ICPS)が軌道上昇を行い、オリオンを地球の高度楕円軌道に配置します。」(部分半月面注入)

「ICPSはオリオンから分離し、乗組員は宇宙船の重要なシステムのユニークなテストを行います。彼らは、Orionのサービスモジュール を使用して、トランスルーナーインジェクション(TLI)バーンと呼ばれる2回目の最後の推進動作を完了する前に、1日の軌道からエンジニアリングデータを収集して評価し ます。」

ICPSは、高い軌道に投入したら比較的早期に切り離し、そこから月へ向かう軌道へはオリオン側で行うことでリスクの低減を図っているようだ。

宇宙船の機能チェック(1日がかり)は、切り離しの後で行っている。

ケプラーの法則を知らなくても恒星間空間に飛び出すことは可能だあ?2019年12月10日 23:26

ケプラーの法則を知らなくても恒星間空間に飛び出すことは可能だあ?
ケプラーの法則を知らなくても恒星間空間に飛び出すことは可能だあ?


もう、記憶の彼方に霞んでしまっているケプラーの第二法則(面積速度一定の法則)。

(ケプラーの法則:第二法則を参照)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B1%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87

「惑星と太陽とを結ぶ線分が単位時間に描く面積(面積速度)は、一定である。」

「第2法則は、太陽に近いところでは惑星は速度を増し、太陽から遠いところでは惑星は速度を落とすことを意味している。」

そう、太陽に近づくと、速度が増加する点に注目だな・・・。

(ヴォイジャーよりも早く「太陽系の外」へ。新たな恒星間探査ミッションの実現に、NASAが動きだした:TEXT BY DANIEL OBERHAUS TRANSLATION BY CHISEI UMEDA/GALILEO WIRED(US):元記事リンク先)
https://wired.jp/2019/12/10/nasa-is-getting-serious-about-an-interstellar-mission/

「太陽を利用できれば都合がいい。というのも、木星を使う場合よりはるかに速い速度に到達できるからだ。しかしその場合、太陽にかなり接近する必要がある。先ごろ史上最も太陽に接近した人工物になった「パーカー・ソーラー・プローブ」より、太陽に数倍近いところを通過しなければならない。」

「そのためには、かなり厳重な熱シールドが必要になる。しかし、熱シールドが大きすぎると、探査機が太陽に近づくにつれてスピードが落ちてしまう。」

はあ?。

一応、元記事も当たった。

「This requires some serious heat shielding, but at a certain point the heat shield becomes so bulky that it reduces the spacecraft’s speed the closer it gets to the sun.」

翻訳上の問題はあるかもな。

探査機の質量の増加が、同じ軌道を描いた場合に速度の低下をもたらすということなら正しいかも知れない(未確認)。

少なくとも、邦訳の方は誤解を招く。

確認しておこう。

太陽に近づくほど、探査機の速度は増加する。

逆に、太陽から離れていくにつれて、探査機の速度は減少する。

まあいい。

この記事のポイントは、そういう些末な所ではない(些末かあ?)。

人類が宇宙に目を向けて以来、空想に過ぎないと思われてきた恒星間探査に、具体的なメスが入ろうとしている点だ。

しかし、注意しなければならないのは、別の恒星に行こうなどと考えてはならないという点だな。

最も近い恒星であるプロキシマ・ケンタウリまで、約4.2光年(ざっと、40兆km)。

時速16万kmとして、年間に進むことができる距離は、たったの140億km程度だ(合ってますう?)。

しかも、離れるにつれて遅くなっていくしな。

ここでは、それは考えないことにする。

で、プロキシマケンタウリ目がけてひたすら飛んだとして、到着までにかかる時間はべらぼーだ。

2万8千年余り。

ボイジャーが同じ距離を進むということになれば、7万年以上かかるわけだからな。

速くなったことには違いない・・・。

が、しかし、浮沈子に言わせれば、目くそ鼻くそを笑う類だ。

APLが検討している探査機の目的は、太陽圏の外に出て、恒星間空間を観測することにある。

「このミッションは、人類が明確な意図をもって恒星間空間に踏み出す最初の一歩です」

身の程を知る、健全な発想と言えよう。

「それどころか、そのミッションがNASAに採用されれば、早ければ2030年にも飛び立てるという。」

SLSの今後の遅延を考えれば、このくらいが妥当な線だろうな。

せめて、その時期には探査機を飛ばせる程度に完成させてもらいたいものだ。

太陽圏を出て恒星間空間を生きているうちに観測するなら、SLSでも不足するかもしれない。

もっと強力なロケットによって打ち上げられ、加速し、ぶっ飛んでいかなければ追いつかない。

まして、他の恒星系へと探査機を送り込むためには、ブレークスルースターショットのような、荒唐無稽な仕掛けが必要になる。

「宇宙に向けて次なる大きな一歩を踏み出すときをじりじりしながら待つ時間は終わった」

そうなのかあ?。

そう断言するのは早過ぎるような気がする。

恒星を隔てる宇宙空間は、人類にとって十分過ぎるほど果てしない広がりを持っている。

しかしだ、天文観測の技術が発達し、恒星間空間を飛行する人工天体が増えてくると・・・。

どこかで聞いたような話が再び出て来るかもな。

恒星間探査機は、天体観測の妨げになるから規制すべきだとかなんとか・・・。

もちろん、その頃には、月の裏側とかに直径1km位の望遠鏡を設置してるに違いないからな。

冥王星の先を飛ぶ探査機が、眩しすぎて支障をきたすとか。

まあ、どうでもいいんですが。

恒星間空間の観測の話が具体的になってきたのは喜ばしい話だ。

SLSらしい使い道のような気もする。

木星圏まで7年掛かるところを3年以内に行けるとか言われても、説得力に欠けると思ってたが、ヘリオポーズまで40年掛かるところを15年で行けるということになれば、新たな天文学の分野が開かれることになるかも知れない。

探査機の寿命(50年くらいだそうです)、観測装置、サンプル採集と分析など、検討すべきことは多い。

早ければ2030年というのも、このくらい先だと微笑ましい気もする(力抜けるし)。

がんばってね・・・。

コアだけが出来たとジムが言ったから12月9日はアルテミスの日2019年12月10日 19:22

コアだけが出来たとジムが言ったから12月9日はアルテミスの日
コアだけが出来たとジムが言ったから12月9日はアルテミスの日


仰天するニュースが飛び込んできた!。

(NASA、大出力ロケットSLS完成 2024年の有人月面着陸目指す)
https://www.afpbb.com/articles/-/3258860

「米航空宇宙局(NASA)は9日、米宇宙飛行士を再び月へ向かわせるために開発された大出力ロケット「スペース・ローンチ・システム(SLS)」が完成したと発表した。」

ええっ?、聞いてないんだけど・・・。

(Highlighting the Most Powerful Rocket Ever Built at Artemis Day:動画出ます。)
https://www.youtube.com/watch?v=fCpnQYYas0c&feature=youtu.be

「メディアおよびソーシャルメディアのフォロワーは、ルイジアナ州ニューオーリンズのミチョードアセンブリーファシリティで開催された「Artemis Day」(2019年12月9日)で、強力な新しいSpace Launch Systemロケットの完成したコアステージを間近で見ました。 2024年までに最初の女性と次の男性を月面に着陸させる準備をする中で、管理者のジムブリデンスティーンがロケットステージの前で話し、月への最初のアルテミス飛行を推進します。」

動画のキャプションだが、完成したと言われているのはSLSのコアステージだけ。

自動翻訳のトラップに引っかからないように、面倒くさいけど、字幕から文字起こしする。

Dec.9,2019 Michoud Assembly Facility, New Orleans, Lousiana Artemis Day.

"Thank you for being here on this very important day when we got to announce core stage complete for, in fact, the SLS rocket, the most powerful rocket ever built in human histry."

Media got an un-close view of Artemis hardware.

"We are making significant progress. By the end of the year we're going to be moving it out of the Michoud Assembly Facility.We are going to take it to the Stennis Space Center. We are going to do green run test. We're going to prove its capability. We're going to teke it to Cape and we're going to be ready to launch American astronauts to the Moon again. And getting our first woman a next man to the South Pole of the Moon in 2024. This time when we go to the Moon, we're going to go to stay, with the purpose of learning how to live and work on another world, so we can take that knowledge and information to Mars.
Thank you so much for being here.
Hppy Artemis Day!"
(2019年12月9日、ルイジアナ州アルテミスのニューオーリンズにあるMichoud Assembly Facility。

  「実際に、これまで人類史上最も強力なロケットであるSLSロケットの完全なコアステージを発表した非常に重要な日にここに来てくれてありがとう。」

  メディアは、Artemisハードウェアの詳細なビューを取得しました。

  「私たちは大きな進歩を遂げています。年末までにミチョード組立施設から移動します。それをステニス宇宙センターに持って行きます。グリーンランテストを行います。 「その能力を証明するつもりです。ケープに着いて、再びアメリカの宇宙飛行士を月に向けて発射する準備をします。そして、最初の女性を月の南極点の次の男性にする」 2024.今月に行くとき、私たちは別の世界で生きて働く方法を学ぶことを目的として滞在しに行くので、その知識と情報を火星に持っていくことができます。
  ここに来てくれてありがとう
  Hppy Artemis Day!」)

あんま、スッキリしない自動翻訳だ。

まあいい。

出来たのは、もちろんSLSのコアステージだけ。

アッセンブリして総合的にテストするグリーンランテストは、これからになる(やっぱ、やることにしたんだな・・・)。

(NASAは2020年に8分間のホールドダウンテストを実施します)
https://www.nextbigfuture.com/2019/08/nasa-will-have-8-minute-hold-down-test-in-2020.html

「NASAの管理者であるジムブリデンスティーンは、7月25日、 Artemis 1の月面ミッションに先立ち、宇宙発射システムロケットの「グリーンラン」コアステージテストを実施すると発表しました。」

それからフロリダへ運んでロケット全体を組み立てるわけだ。

それで終わりじゃない。

そこから、更に、延々とテストが続いて、ようやく打ち上げられるのは早くて来年後半。

(アルテミス1)
https://en.wikipedia.org/wiki/Artemis_1

「発売日:NET 2020年11月」

やれやれ・・・。

これだって、全てが予定通りにいって、何の問題も起こらなかったと仮定した時の、最大限楽観的なスケジュールであって、関係者は誰一人として信じてないだろうな。

「これは、月の周りの実際の最初のミッションの打ち上げが2021年まで行われないことを明確に意味します。テスト結果を分析するには数ヶ月必要です。クリーンアップして実際の打ち上げの準備をするには、数ヶ月必要です。」(グリーンランテストの記事より)

どこが、アルテミスの日なもんか!。

まあいい。

NASAが、コアステージだけをSLSとして印象付けたい気持ちは分かる。

アルテミス1で使用される上段は暫定的なものだし、その上に乗るオリオン宇宙船は、SLSにとっては貨物(ペイロード)に過ぎない。

もちろん、両側に付く固体燃料ブースターは、文字通り取って付けたもんだからな。

将来的には、発展型に置き換えられることになっている。

しかし、コアステージだけは変わらない。

(SLS:現在のSLS)
https://en.wikipedia.org/wiki/Space_Launch_System#Current_SLS

「2019 時点で、3つのSLSバージョンが計画されています:ブロック1、ブロック1B、およびブロック2。それぞれ4つのメインエンジンで同じコアステージを使用します」

「ロケットはさまざまなミッション目標のために時間とともに進化するように設計されていますが、コアステージの設計は基本的に同じままです。」(グリーンランテストの記事より)

「ブロック1Bは、Exploration Upper Stage(EUS)、およびBlock 2は、EUSとアップグレードされたブースターを組み合わせます。」

このEUSという上段も曲者だ。

(探査上段)
https://en.wikipedia.org/wiki/Exploration_Upper_Stage

「2016年4月、NASAは4つのRL10 -C3エンジンに基づく設計をEUS に使用することを選択したことが報告され、2016年10月にNASAは10のエンジンを注文したことを確認しました。」

こいつが付かないと、SLSはオリオンに人間を乗せて飛ばすことができないのだ(中間極低温推進段階(ICPS)を有人で使えるようにするという話もあったけどな。

(NASAは最初の有人飛行のためにあまり強力ではない宇宙発射システムを使用します:2018年4月13日の記事:追加)
https://www.extremetech.com/extreme/267461-nasa-will-use-less-powerful-space-launch-system-for-first-manned-flight

「NASAの管理者ロバート・ライトフットによると、NASAは現在、初期の有人飛行に暫定的な極低温推進ステージを使用する予定です。」

「当初、中間極低温推進ステージ(ICPS)を使用したブロック1の構成は、最初の無人打ち上げのテーブルでしかありませんでしたが、より強力な上部ステージ(ブロック1Bおよびブロック2)の準備が遅れています。」

「ブロック1Bの上部ステージが完了するまでに4〜5年かかる可能性があります。」

まあ、どうでもいいんですが。

ハッキリさせておこう。

とりあえず組んでみました状態のコアステージだけでは、無人のアルテミス1ですら実行できない。

解析を含めれば、これから1年以上に渡るコアステージのテストを経て、更に、ICPSやらオリオン宇宙船やら固体燃料ブースターやらをくっ付けて、ようやくSLSは完成する。

その段階での地上テストも行われるだろうな(未確認)。

おそらく実際の初飛行は、2021年半ば以降・・・。

何事も起こらず、全てが上手くいき、何の変更も生じないという有り得ない過程のうえでの話だ。

2021年としても、浮沈子的には相当楽観的な気がする。

何らかの変更が生じれば、既に制作に入っている2号機や3号機にも影響が及び、2024年の有人月面着陸なんて夢のまた夢になる(当初予定通り、2028年が妥当か?)。

「Hppy Artemis Day!」

ったく、おめでたい話だな・・・。

(The Boeing-built @NASA_SLS Exploration Upper Stage will fly on Artemis-3.と書いてあるツイッター:追加)
https://twitter.com/BoeingSpace/status/1156655836514738177

「ボーイング製の@NASA_SLS探査アッパーステージは、Artemis-3で飛行します。」

(宇宙発射システム(SLS)の概要:ページ最終更新日:2019年11月21日:追加)
https://www.nasa.gov/exploration/systems/sls/overview.html

「SLSの次の計画された進化であるブロック1B乗用車は、より強力な新しい探査アッパーステージ(EUS)を使用して、より野心的なミッションを可能にします。ブロック1Bビークルは、1回の打ち上げで、深宇宙生息地モジュールなどの探査システムとともにオリオン乗組員ビークルを運ぶことができます。」

アルテミス3(有人月着陸)は、ブロック1Bの構成で行われる公算が高い。

「NASAは、最初と2番目のミッションに必要なロケットを構築しています。コストと開発時間を削減するために、NASAはスペースシャトルやその他の探査プログラムの実績のあるハードウェアを使用しながら、最先端のツールと製造技術を利用してSLSを構築しています。ロケットの一部は完全に新しいものです。ロケットの他の部分は、他の既存のロケットを使用した場合よりも高い打ち上げロケット性能レベルを必要とする、困難な深宇宙ミッションのニーズを満たす最新の機能でアップグレードされています。」

さらに、この記述からは、アルテミス2がICPSで行われることをうかがわせる。

この概要では、上段に関する記述を意図的に避けているしな。

(アルテミス2:追加)
https://en.wikipedia.org/wiki/Artemis_2

「ミッションタイプ:クルーの月面フライバイ」

添付されている画像には、ICPSを使用することが明記されている。

有人飛行だけどな。

「アルテミス2は、10日間で4人の乗組員とともに月のそばを飛行します。」(画像のキャプションより)

浮沈子は、ICPSを使う限り、この有人飛行がキャンセルされて貨物だけになる方に1票だな・・・。

想定内とはいえなかなか終息しない我が国の風疹の山鳥の尾は冬になっても長々し風情2019年12月10日 14:44

想定内とはいえなかなか終息しない我が国の風疹の山鳥の尾は冬になっても長々し風情
想定内とはいえなかなか終息しない我が国の風疹の山鳥の尾は冬になっても長々し風情


(2. 週別風しん報告数 2019年 第1~48週 (n=2274))
https://www.niid.go.jp/niid//images/idsc/disease/rubella/2019pdf/rube19-48.pdf

48週目報告数は8人(北海道1、埼玉県1、千葉県2、東京都2、神奈川県1、奈良県1)。

毎週火曜日に確認している全国の風疹感染情報。

この他に、東京都の報告数も見ている。

(風しんの流行状況(東京都 2019年))
http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/rubella/rubella/

こっちは、水曜日くらいに更新。

一週間早い。

なかなか終息しない感じだが、4年前の西アフリカのエボラもそうだったな。

(スピード69)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2015/07/30/7720350

「垂れ下がった山鳥の尾羽のような長い長いこの秋の夜を、離ればなれで寝るという山鳥の夫婦のように、私もたった一人で寂しく寝ることになるのかなあ。」

もう真冬だけどな。

感染症流行末期のロングテイル状態が続いている。

このまま終息してくれる保証はない。

首都圏での感染は継続的に続いているし、お持ち帰りの他県での感染も散発的に出ている。

が、まあ、概ね終息の感じだ。

年内決着は難しいだろうけどな(あと4週分)。

先天性風疹症候群(CRS)の報告は、まだ出る可能性が高い。

5千人を超える今回の感染規模から推測すると、10人程度発生する可能性もある(現在4人)。

(風疹流行に関する緊急情報:2019 年 12 月 4 日現在)
https://www.niid.go.jp/niid/images/epi/rubella/2019/rubella191204.pdf

図3を見ると、前回の大規模流行では、流行が収まってきてからCRSの報告が増えている(生まれてくるまでのタイムラグや症状が確認されるまでの時間もあるし)。

やりきれない話だ。

オヤジワクチン(!)の普及が進んで、風疹自体の抑え込みに持って行かない限り、CRSは無くならない。

図3の範囲でも、大規模流行期の間に、散発的に発生している様子が見て取れる。

ワクチン接種の効果が期待できるのは、次回の大規模流行の時ではないのだ。

その意味で、時間との闘いになっている。

クーポン券貰える人は、一刻も早くワクチン接種すべきだ。

クーポン券は費用対効果を考えて、限られた年代の男性だけが対象とされているが、感染の実態を考えれば、女性を排除する理由は見当たらない。

せめて、抗体検査くらいは、全員対象としてもいいのではないか。

定期的に行えば、ワクチン効果の経年劣化の確認にもなる。

自然感染によるブースト効果がなくなり、地球上から風疹ウイルスが消えてなくなるまでの間は、感染症管理的にはむしろ困難な時代になる。

ワクチン忌避の問題もあるしな。

のど元過ぎれば熱さを忘れるのは人情というものだ。

それでなくても、風疹は病気自体が軽症で済んだりすることが多いために、ワクチン接種のインセンティブが低い。

新生児への接種の効果がいきわたるためには、あと半世紀くらい掛るだろう。

難しいところだ。

限られた資源をどう振り向けていくか。

CRSを根絶するための方法は分かっているし、そのための手段もある。

足りないのは、この疾患を無くそうとする意志だけかもしれない。

そして、それがいつまでも無くならない現状は、この国の姿を映している。

西アフリカ地域でのエボラ流行の際に世界が取った行動は、21世紀初頭の人類の真の姿だった。

DRCで続いている流行もそうだな。

感染症に対する態度は、社会の在り様をまざまざと反映する。

半世紀後に、2019年がCRSの最後の年として記憶されることになるかは、今、我々が決めることになる。

まあ、2020年くらいになっても仕方ないか・・・。

個体か液体か、それが問題なロケットエンジンと液体にもいろいろあるというよくできた映像2019年12月09日 18:23

個体か液体か、それが問題なロケットエンジンと液体にもいろいろあるというよくできた映像
個体か液体か、それが問題なロケットエンジンと液体にもいろいろあるというよくできた映像


我々は、北朝鮮のロケット開発技術を正しく理解しているのだろうか?。

(テポドン2号:技術的特徴)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%83%9D%E3%83%89%E3%83%B32%E5%8F%B7#%E6%8A%80%E8%A1%93%E7%9A%84%E7%89%B9%E5%BE%B4

「推定される推進剤は、非対称ジメチルヒドラジンなどの燃料を注入したまま即応発射体制がとれる常温保存可能なものであると推定されていたが、2012年12月12日の銀河3号の発射実験においては予想に反して灯油(ケロシン)が用いられていた。」

(北朝鮮「重大実験」は液体燃料ロケットエンジン燃焼試験の可能性)
https://news.yahoo.co.jp/byline/obiekt/20191209-00154255/

「発表主体は国防科学院なので兵器に関連したものであり、長距離弾道ミサイル用の新型ロケットエンジン燃焼試験だったと考えられます。」

「東倉里にある施設は衛星打ち上げロケット発射台と液体燃料ロケットエンジン燃焼試験棟です。なお固体燃料ロケットエンジンの製造と試験は東部の咸興にある施設で行われているので、今回の東倉里で行われた「重大実験」は固体燃料ではなく液体燃料ロケットエンジンの試験であった可能性が高いでしょう。」

一方、NHKは固体燃料エンジン(ロケットモーター)の可能性を伝えている。

(北朝鮮「重大な実験」 固体燃料使ったエンジン実験の可能性)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191209/k10012207541000.html

「韓国メディアはICBM=大陸間弾道ミサイル用の固体燃料を使ったエンジンの実験の可能性があると伝えています。」

同じ資料を見ながら、異なる分析が行われていることに注意だな。

どちらかが真実で、もう一方はスカだ。

「また「人工衛星の開発」の名目で新たな液体燃料を使ったエンジンの実験を行ったとの見方も出ています。」

北朝鮮は、2012年に光明星3号2号機を軌道投入している。

(光明星3号2号機)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%89%E6%98%8E%E6%98%9F3%E5%8F%B72%E5%8F%B7%E6%A9%9F

「NORADは光明星3号2号機と、それに付随するスペースデブリの計4物体が衛星軌道に到達し、人工衛星となったことを確認した」

打ち上げは、初出の銀河3号で行われている。

トンチャンリで行われたということから、液体燃料エンジンの開発が強く推察されるが、まあ、北朝鮮のことだから、そう見せかけた個体燃料モーターということも、十分考えられる。

「わが国としては常日頃から北朝鮮をめぐる動向について、重大な関心を持って情報収集と分析に努めている。政府として引き続きアメリカなどとも緊密に連携を取りながら、必要な情報収集、分析、そして警戒監視に全力を挙げて、わが国の平和と安全を確保していきたい」

我が国政府の発言は慎重だな。

迂闊なことを言うと、また突っ込まれるしな。

(北朝鮮「弾道ミサイル近くで見ることに」新たな発射を示唆)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191130/k10012196991000.html?utm_int=word_contents_list-items_022&word_result=%E5%8C%97%E6%9C%9D%E9%AE%AE%E6%83%85%E5%8B%A2

「日本の海域に落ちてもいない砲弾をめぐって『日本のみならず国際社会に対する深刻な挑戦だ』と述べており、ぶざまだ」

「談話では、28日発射したのは「ロケット砲」で弾道ミサイルではないとしていて、日本政府が弾道ミサイルの発射は国連の安保理決議に違反すると指摘していることを念頭に、こうした批判をかわしたい思惑もありそうです。」

発射したのはこれ・・・。

(北朝鮮から弾道ミサイル発射か EEZ外に落下と推定 政府)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191128/k10012194691000.html?utm_int=word_contents_list-items_028&word_result=%E5%8C%97%E6%9C%9D%E9%AE%AE%E6%83%85%E5%8B%A2

「高度およそ100キロ、距離にしておよそ380キロ飛しょうして、日本のEEZ=排他的経済水域の外側の日本海に落下」

ロケット砲って、380kmも飛ぶのかあ?。

(ロケット砲)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88%E7%A0%B2

「これらの兵器は本格的な誘導装置を持った地対地ミサイルの実用化により退役が進んでいるが、一部の国では現役である。」

いくつか見てみたが、せいぜい数kmから数十kmくらいだからな。

そういい逃れたい気持ちも分からなくはない。

これ以上、制裁が続く事態は避けたいところだ。

一方、米朝協議を活性化させたい気持ちもあるに違いない。

ロケットエンジンやロケット砲、弾道ミサイルなどを政治のツールとして使うことにかけては、手慣れた感じがする。

昨日から、エブリデイアストロノートというユーチューブの番組に嵌っている。

(Everyday Astronaut:動画出ます。)
https://www.youtube.com/channel/UC6uKrU_WqJ1R2HMTY3LIx5Q

このブログでも、いくつか引用しているが、ラプターエンジンのやつは力作だな。

(Is SpaceX's Raptor engine the king of rocket engines?)
https://www.youtube.com/watch?v=LbH1ZDImaI8

「SpaceXの新しいラプターエンジンは、メタンを燃料とするフルフロー式の燃焼サイクルエンジンであり、開発が非常に難しいため、これまでに飛行したことのないエンジンはありません。」

「このトピックは本当に恐ろしいので、Raptorエンジンをコンテキストに取り込むために、いくつかの一般的なタイプのロケットエンジンサイクルの概要を説明し、RaptorをSpaceXの現在のような他のいくつかの一般的なロケットエンジンと比較します作業馬、マーリン、スペースシャトルのRS-25、RD-180、ブルーオリジンのBE-4、F-1エンジン。」

「それだけでは不十分な場合、SpaceXはクレイジーなエンジンサイクルを使用するだけでなく、液体ロケットを燃料として使用することになります。これも軌道ロケットでは使用されていません。そのため、ロケット燃料としての液体メタンのユニークな特性についても検討し、SpaceXがRaptorエンジンにメタンを使用した理由を理解できるかどうかを確認します。」

「また、すべての異なるエンジンサイクルタイプを分析し、説明するので、フルフローの段階的な燃焼サイクルとは何か、どのように機能するか、他のサイクルと比較する方法がわかります。」

「したがって、このビデオの終わりまでに、ラプターエンジンが特別である理由、他のロケットエンジンと比較する方法、メタンを使用している理由、およびRaptorエンジンがロケットの新しい王になるかどうかを知るコンテキストが得られることを願っていますエンジン…」

話としては分かっているつもりだったが、映像で見せられると納得する。

なぜ、米国では燃料としてRP-1ではなく、水素が選択されたかということも明確にされている(プレバーナー内を燃料リッチにした際に、その排気を主燃焼室内に送り込むことによるエンジンの損傷を避けるため)。

浮沈子は、BE-4もフルフロー二段燃焼エンジン (Full Flow Staged Combustion Cycle: FFSCC) だとばっか思ってたけどな。

酸素リッチだったわけだ。

(BE-4)
https://ja.wikipedia.org/wiki/BE-4

「サイクル:一軸式酸素リッチ二段燃焼サイクル」

(BE-4:英語版)
https://en.wikipedia.org/wiki/BE-4

「BE-4は、灯油などのより一般的に使用されるロケット燃料ではなく、液体メタンを使用します。このアプローチでは、気体燃料を使用して残りの液体燃料を加圧する自己加圧が可能です。これは、ヘリウムなどの加圧ガスの貯蔵を必要とする高価で複雑な加圧システムの必要性を排除するため、有益です。」

「BE-4は、酸素リッチプレバーナー 1 つと、燃料ポンプと酸素ポンプの両方を駆動するタービン1つを備えた段階燃焼エンジンです。このサイクルは、単一の燃焼室とノズルのみを使用していますが、現在アトラスVで使用されている灯油燃料RD-180に似ています。」

まあ、どうでもいいんですが。

北朝鮮のロケットエンジンは、マーリンエンジンと同じく、オープンタイプなのかもしれない(未確認)。

大陸間弾道弾などに使うことなく、平和裏に開発してもらいたいもんだな・・・。