責任の問題? ― 2012年12月15日 21:39
責任の問題?
だったらいいな、と思いつつ、冷静になれば本当かなあ?、と首を傾げる記事を見つけた。
(リブリーザーがダイビングの主流になる!? ~レクリエーション専用のタイプRリブリーザーが意外と売れている~)
http://oceana.ne.jp/equipment/33427
「いずれダイビングはリブリーザーでも普通のオープンサーキットでも、ダイブコンピューターがコントロールするようになり、結局はリブリーザーがダイビングの主流になるだろうと想像しています。」とある。
現在でも、ダイブコンピューターの指示による減圧症が発生している中で、機械にお任せのダイビングで、本当に大丈夫なんだろうか。
自動車の運転とは違うような気がする。
ダイビングという行為は、免許制ではない。自分の意志で潜るのなら、自由である。どんな器材で潜っても、罰せられるようなことはない。
水中で酸素を吸うことだって、業として行うのでなければ自由である。
その代わり、死ぬことも含めて、全ては自己責任である。
その原則の上で成り立っているレジャーなのだ。
実際、今までもリブリーザーを使用していたダイバーが、事故で亡くなることがあったが、それは、本人が承知の上で使用しただけのことである。
そのトレーニングや、その後のダイビングについて、訴訟になったという話は聞かない。
原因については、知る限り、明らかになった事例はない。
国内では、4例ほどだが、海外ではもっと多いのだろう。そんな情報も殆ど入ってこない(ワタクシが知らないだけかも)。
今までは、個人輸入に近い程の件数(200人くらい?)で、マン・ツー・マンで教えられていたリブリーザーが、PADIのプログラムの中で教えられようとしている(この意味、分かる方だけ、分かってください)。
4年がかりで身につけたリブリーザーでの中性浮力、器材が故障した時の様々な対処方法、器材の特性やメンテナンスに関する知識と経験。それらを、器材の自動化の中に放り込んで、何かあったら、僅かのディリュエントでベイルアウトすることだけを教えて、サーティフィケートを発行する(に決まっている!)。
リブリーザーの普及に反対しているわけでは、決してない。
むしろ、大いに普及してもらって、より安全で楽しいダイビングを行ってもらいたいと願って止まない。そのために、レジャーダイビングで使える器材が開発されて、実際に投入されることも大歓迎だ。
ただ、教育プログラムが貧弱すぎないか(時間、短すぎ!)、必要なスキルを完全に身につける前に、数をこなすことにとらわれて、安易にCカードを発行するのではないか。
そして、そのために事故が増え、リブリーザーの普及が妨げられ、結果として、またまた日本のダイビングのガラパゴス化が進むのではないか(未だに、ナイトロックスは純酸素扱いである)。
世間は、ダイビングなんていうレジャーがなくなったって、痛くも痒くもない。その程度の市場であり、警察や保安庁やお役所にしてみれば、ほかのレジャーをしてくれたほうが嬉しいに違いない。
ダイビングしたいなら、日本から出てってやってくれ、と。
潜水は、業務潜水だけで沢山だ、と。
そういう環境の中で、これ以上、リブリーザーの事故を増やすわけにはいかんでしょう?。
むしろ、リブリーザーの事故が、シビアアクシデントだけでなく、インシデントも含めて1件もなくなり、なるほど、オープンサーキットに比べて、安全で、身体にも優しい、という評価を受けるようにならなければならない。
そうなって欲しいと願ってはいるのだが、内心、やっぱ無理だな、と思ってしまう。
ハッキリと書いておこう。リブリーザーは、難しい。操作は複雑で、中性浮力が取りにくく、器材は、オープンサーキットとは比較にならないほど頻繁に故障する(修理費も高い:ヘッドユニットオーバーホールで20万円以上)。
ランニングコストは、毎週末に潜っていたら、ソフノライムとセンサーだけで、年間30万円以上になるだろう。そのほかに、酸素とディリュエント代がかかる(これは、あまり高くない)。
カンタンに使えるなんて言っている人がいたら、その人は間違いなく詐欺師である(保障します)。
そりゃ、べったりと足を水底に着いて、ミニマムボリュームも維持出来ずに、ただ呼吸するだけということなら、使うことはできるかもしれないが、ダイビングとして成立しないような使い方じゃあ、何にもならないでしょ?。
21世紀なんだから、ダイビングの形も新しくなってくる。ダイコンなんて、最近の話だ。リブリーザーもその一つだろう。
しかし、人間の体と心は、残念ながら変わっていない。水中という特異な環境で動き回るには、それなりの訓練が必要であることは、20世紀と何も変わっていない。
「リブリーザーをエキスパートダイバーの特権にしておきたいダイバーグループも少なくありません。」とあるが、そんな人は日本にはいないでしょう。
だいたい、「少なくない」ほどのユーザーもいなければ、ダイバーグループもないですから。
海外のリブリーザーダイバーと潜った経験がないので、直接は知らないが、リブリーザーで潜ることを「特権」だなんて考えている人は、いないんじゃないか(高価なリブリーザーを買うことは、確かに「特権」かも・・・)。
オープンサーキットでのレジャーダイビングの経験が20本しかなく、その後、200時間を越えるダイビングの全てをリブリーザーで行ってきた、未だにエキスパートダイバーでないワタクシにとっては、まあ、どうでもいいんですが。
タイプRという器材についても、疑問に感じる点が多い。
特に、マニュアルインフレーションが出来ない構造を「義務付けている」点については、「欠陥商品」といわれても仕方がないんじゃないか。
実にPADIらしいんだが、水中で酸素をユーザーが注ぎ足すなんてことは、レジャーダイバーには危なくてさせられない、ということなのだろう。そんな器材を使ってダイビングさせ、酸素中毒になった時の法的責任を取りたくない、というのが本音と思われる。
しかしながら、ソレノイドバルブの故障で、酸素が送られなくなった時、タイプRに許容されている40mの深さから、2リットルタンクのクウキ(ボトムに降りるまでにも、けっこう使っちゃってるし)をオープンサーキットで呼吸しながら浮上する勇気は、ワタクシにはない。
自分の命は、自分で守る。
ダイビングのスタイルや、器材の選択も何もかも、自己責任の世界である。
ダイビングの世界の鉄則であり、それが受け入れられないのなら潜るべきではない。
新しいリブリーザーは、決してその責任を取ってくれる器材ではないのだ。
だったらいいな、と思いつつ、冷静になれば本当かなあ?、と首を傾げる記事を見つけた。
(リブリーザーがダイビングの主流になる!? ~レクリエーション専用のタイプRリブリーザーが意外と売れている~)
http://oceana.ne.jp/equipment/33427
「いずれダイビングはリブリーザーでも普通のオープンサーキットでも、ダイブコンピューターがコントロールするようになり、結局はリブリーザーがダイビングの主流になるだろうと想像しています。」とある。
現在でも、ダイブコンピューターの指示による減圧症が発生している中で、機械にお任せのダイビングで、本当に大丈夫なんだろうか。
自動車の運転とは違うような気がする。
ダイビングという行為は、免許制ではない。自分の意志で潜るのなら、自由である。どんな器材で潜っても、罰せられるようなことはない。
水中で酸素を吸うことだって、業として行うのでなければ自由である。
その代わり、死ぬことも含めて、全ては自己責任である。
その原則の上で成り立っているレジャーなのだ。
実際、今までもリブリーザーを使用していたダイバーが、事故で亡くなることがあったが、それは、本人が承知の上で使用しただけのことである。
そのトレーニングや、その後のダイビングについて、訴訟になったという話は聞かない。
原因については、知る限り、明らかになった事例はない。
国内では、4例ほどだが、海外ではもっと多いのだろう。そんな情報も殆ど入ってこない(ワタクシが知らないだけかも)。
今までは、個人輸入に近い程の件数(200人くらい?)で、マン・ツー・マンで教えられていたリブリーザーが、PADIのプログラムの中で教えられようとしている(この意味、分かる方だけ、分かってください)。
4年がかりで身につけたリブリーザーでの中性浮力、器材が故障した時の様々な対処方法、器材の特性やメンテナンスに関する知識と経験。それらを、器材の自動化の中に放り込んで、何かあったら、僅かのディリュエントでベイルアウトすることだけを教えて、サーティフィケートを発行する(に決まっている!)。
リブリーザーの普及に反対しているわけでは、決してない。
むしろ、大いに普及してもらって、より安全で楽しいダイビングを行ってもらいたいと願って止まない。そのために、レジャーダイビングで使える器材が開発されて、実際に投入されることも大歓迎だ。
ただ、教育プログラムが貧弱すぎないか(時間、短すぎ!)、必要なスキルを完全に身につける前に、数をこなすことにとらわれて、安易にCカードを発行するのではないか。
そして、そのために事故が増え、リブリーザーの普及が妨げられ、結果として、またまた日本のダイビングのガラパゴス化が進むのではないか(未だに、ナイトロックスは純酸素扱いである)。
世間は、ダイビングなんていうレジャーがなくなったって、痛くも痒くもない。その程度の市場であり、警察や保安庁やお役所にしてみれば、ほかのレジャーをしてくれたほうが嬉しいに違いない。
ダイビングしたいなら、日本から出てってやってくれ、と。
潜水は、業務潜水だけで沢山だ、と。
そういう環境の中で、これ以上、リブリーザーの事故を増やすわけにはいかんでしょう?。
むしろ、リブリーザーの事故が、シビアアクシデントだけでなく、インシデントも含めて1件もなくなり、なるほど、オープンサーキットに比べて、安全で、身体にも優しい、という評価を受けるようにならなければならない。
そうなって欲しいと願ってはいるのだが、内心、やっぱ無理だな、と思ってしまう。
ハッキリと書いておこう。リブリーザーは、難しい。操作は複雑で、中性浮力が取りにくく、器材は、オープンサーキットとは比較にならないほど頻繁に故障する(修理費も高い:ヘッドユニットオーバーホールで20万円以上)。
ランニングコストは、毎週末に潜っていたら、ソフノライムとセンサーだけで、年間30万円以上になるだろう。そのほかに、酸素とディリュエント代がかかる(これは、あまり高くない)。
カンタンに使えるなんて言っている人がいたら、その人は間違いなく詐欺師である(保障します)。
そりゃ、べったりと足を水底に着いて、ミニマムボリュームも維持出来ずに、ただ呼吸するだけということなら、使うことはできるかもしれないが、ダイビングとして成立しないような使い方じゃあ、何にもならないでしょ?。
21世紀なんだから、ダイビングの形も新しくなってくる。ダイコンなんて、最近の話だ。リブリーザーもその一つだろう。
しかし、人間の体と心は、残念ながら変わっていない。水中という特異な環境で動き回るには、それなりの訓練が必要であることは、20世紀と何も変わっていない。
「リブリーザーをエキスパートダイバーの特権にしておきたいダイバーグループも少なくありません。」とあるが、そんな人は日本にはいないでしょう。
だいたい、「少なくない」ほどのユーザーもいなければ、ダイバーグループもないですから。
海外のリブリーザーダイバーと潜った経験がないので、直接は知らないが、リブリーザーで潜ることを「特権」だなんて考えている人は、いないんじゃないか(高価なリブリーザーを買うことは、確かに「特権」かも・・・)。
オープンサーキットでのレジャーダイビングの経験が20本しかなく、その後、200時間を越えるダイビングの全てをリブリーザーで行ってきた、未だにエキスパートダイバーでないワタクシにとっては、まあ、どうでもいいんですが。
タイプRという器材についても、疑問に感じる点が多い。
特に、マニュアルインフレーションが出来ない構造を「義務付けている」点については、「欠陥商品」といわれても仕方がないんじゃないか。
実にPADIらしいんだが、水中で酸素をユーザーが注ぎ足すなんてことは、レジャーダイバーには危なくてさせられない、ということなのだろう。そんな器材を使ってダイビングさせ、酸素中毒になった時の法的責任を取りたくない、というのが本音と思われる。
しかしながら、ソレノイドバルブの故障で、酸素が送られなくなった時、タイプRに許容されている40mの深さから、2リットルタンクのクウキ(ボトムに降りるまでにも、けっこう使っちゃってるし)をオープンサーキットで呼吸しながら浮上する勇気は、ワタクシにはない。
自分の命は、自分で守る。
ダイビングのスタイルや、器材の選択も何もかも、自己責任の世界である。
ダイビングの世界の鉄則であり、それが受け入れられないのなら潜るべきではない。
新しいリブリーザーは、決してその責任を取ってくれる器材ではないのだ。
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