種明かし?2013年02月03日 08:34

種明かし
種明かし?


ボーイングがリチウムイオン電池にこだわり、早期再開の切り札として画策しているマジックの種明かしが、これだとしたら、笑ってしまう。

(SpaceX 社の CEO Elon Musk 氏、787 のバッテリー問題で協力を表明)
http://www.zaikei.co.jp/article/20130201/123626.html

(UPDATE 1-Tesla CEO extends help to Boeing on battery issue:ロイターの元記事)
http://www.reuters.com/article/2013/01/29/boeing-tesla-idUSL1N0AY11R20130129

飛行継続時間も負荷も異なるシステムを、ただ電池の種類が同じだからといってすんなり移行できると思ったら大違いである。

ただ、仮にこのアイデアが本当に有効なら、米国は総力を挙げて取り組む必要がある。

(Boeing Strike Looms As Company Deals With Dreamliner Controversy)
http://www.huffingtonpost.com/2013/02/02/boeing-strike_n_2606096.html?utm_hp_ref=business

ボーイングがストライキの危機を抱えている。

内憂外患というやつか。

(全日空、777の前倒し確保検討 787停止の代替)
http://plaza.rakuten.co.jp/news10b/diary/201302030005/

いよいよ、キャリアの方も痺れを切らしてきたようだ。

今後、同様の動きが加速する可能性もある。

完全に時間との戦いになっている。

(米運輸安全委、787バッテリー正常品で異常見つからず)
http://www.aviationwire.jp/archives/15209

原因の究明の方は、「進展があった」という謎の情報にも拘らず、明確な発表のないままに難航している様子。

(米運輸安全委、ボーイングバッテリー問題で調査に進展=広報担当:メーカーCEOに続き、米運輸安全委員会からも謎の発表)
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYE91100B20130202

分からないということが、分かってきたということか?。

(国交省、B787型機バッテリー調査で米国に調査官派遣)
http://jp.reuters.com/article/jp_boeing/idJPTYE91002920130201

「3日に出発する予定で、米連邦航空局(FAA)の調査担当者などに会う予定」とある。

前にも書いたが、リチウムイオン電池の特性から、発火のリスクは常に内在している。制御技術がどれほど安定しているのかは、あくまで相対的なものだ。

スペースXの実績がいかほどのものかは不明だが、ロケットの打ち上げ実績は、時間に換算したらB787の累計飛行時間の数千分の1程度以下である。それをもって、安全性が確立されていると考えるのなら、楽観的過ぎはしないか。

この問題は、いよいよ長期化の様相を呈してきた。

原因の解明無くして、飛行なし。

1000パーセント(?)の確証無しには、飛ばさない。

ボーイングや、キャリアの収益に影響が出ようが、原則を捻じ曲げて、リスクを抱えたままでの飛行再開だけは、断じて止めてもらいたい。

午後の散車(?)2013年02月03日 17:08

午後の散車(?)
午後の散車(?)


まあ、散歩があるのだから、散車があってもいいだろう。

昼過ぎに起き出して、画像の山王さんに行く。首相官邸の裏手である。物々しい警備が敷かれていて、街宣車などに警戒怠り無い。

(CoCo壱番屋:ハッシュドビーフ)
http://www.ichibanya.co.jp/menu/detail.html?id=119

500Eを道端に止め、ハッシュドビーフ(当然、大盛り:CoCo壱番屋のメニュー:オススメかも)で腹ごしらえして、目的地へ。

ここに、ウアイラの輸入元であるビンゴスポーツの東京ショールームがある。

(東京ショールーム)
http://pagani.jp/showroom/

フェラーリ(F40もある)とか、アヴェンタドール(オープンタイプ)とか、ポルシェのカレラGTが無造作に展示されている。もう、何億円になるのだか、見当もつかない・・・。

残念ながら、ウアイラの実車はない。

店員に、いつ頃入るか聞くと、3月くらいだろうとのこと。

その頃、また来て見よう。

駐車場に戻って、ボクスターに乗り換えて第三京浜で踏み抜く。昨日に続いて、雄叫びが聞こえる。

当然、オープンである。

フォォォォォォォォーーーーーー・・・・・・・・。

5千回転以上の円やかな回転音、エグゾーストノートが、「ゴーーーーッ」という風切音の彼方に聞こえている。

抜群の安定感、ブレーキを踏んだときの岩のような剛性感、高速での確かなハンドリングに酔いしれる。

スポーツカーの真髄、走りの基本、そして、オープンであることの喜び。

気温は13度と、昨日に比べれば低いが、絶好のオープンカー日和である。

下道に戻って、流した走りも気持ちよい。

1億円を超えるウアイラのようなクルマは、庶民とは縁遠いクルマである(サラリーマンでも買える、ポルシェの中古とは違う)。

それには、それなりの喜びがあるのだろうが、庶民は、分相応の喜びで満足しなければならない。

それだって、十分贅沢な話だ。

鉄とアルミと炭素2013年02月03日 19:39

鉄とアルミと炭素
鉄とアルミと炭素


自動車など、移動体の素材が鉄になってから久しい。

船や列車など、今でも概ね鉄が主体である。

しかし、ここにきて、軽量で加工しやすいことから、一部の部材や、丸ごとをアルミニウムや炭素繊維強化樹脂(CFRP)で成形することが行われ始めてきた。

もちろん、まだまだ鉄の需要はアットーテキで、そうそう簡単に主役の座を渡さないとは思うが、飛行機などは、その構造的な制約(軽くないと、「飛行」機にならない・・・)から、早くからアルミ合金(ジュラルミン)が使用されてきた。

自動車の話をすれば、今や高級車といえども、環境性能に配慮しないわけにはいかず、車体の軽量化や、エンジンのダウンサイジングに余念が無い。

スポーツカーになると、さらに軽量化を進めるために、CFRPの使用も増えてきた。

レーシングカーでは、とっくの昔にCFRPが導入され、F1では全てがそうなっている。

軽くて強くて、いうことはない。高いけど。

アルミニウムも悪くないけど、浮沈子は、鉄にとってかわることは難しいと考えている。

(高張力鋼)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E5%BC%B5%E5%8A%9B%E9%8B%BC

超ハイテン鋼の場合、アルミニウムよりも比強度が高くなり、価格が安いこともあって、有利になる。

二代目の出光丸も、ハイテン鋼で作られたそうだ。

CFRPは、どうなのだろうか。

(早く、安くを現実に CFRPでクルマを造る)
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/HONSHI/20120329/210430/

(自動車におけるCFRP技術の現状と展望)
http://www.nisri.jp/jisedai/docs/lecture_20120312_kageyama.pdf

一口にCFRPといっても、プリプレグ、レジン・トランスファー・モールディング(RTM)、カーボンファイバー・シート・モールディング・コンパウンド(C-SMC)などがあり、性能、加工性、成形時間などが異なる。

また、アルミや鉄など、熱で変形する部材との締結方法にも工夫が必要だ。

LFAの開発においては、異なるCFRPを組み合わせて使っているが、今後、改良が施されれば、クルマ1台丸ごと成形することも可能になるかもしれない。

さらに、炭素繊維にカーボン・ナノ・チューブ(CNT)を使用できるようになれば、片手で持てる自動車(ボディだけですが)を作ることも可能だ。

(材料の未来を 支えるCNT )
http://tia-nano.jp/events/2012/pdf/k_12.pdf

アルミニウムは、どうしてもCFRPでは困難な部分に、補助的に用いられることになるだろう。

ポイントは、早い成形、安い価格、美味しい性能ということに尽きる。

早い、安い、うまい。

(吉野家のコア・コンセプトが書いてあるページ)
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/special/331/index1.html

これを読むと、「うまい」が最後に来る時期はなかったことに気付く(しまった・・・)。

まあ、どうでもいいんですが。

しばらくは、鉄とアルミと炭素が混在して、自動車の構造部材を成形していくことになるんだろう。

画像は、山王のショールームで見かけたMP4-12Cのオープンタイプである。当然、CFRPとアルミニウムのボディになっている。

(BMW i コンセプト)
http://www.bmw-i.jp/ja_jp/concept/carbon-fibre-super-light-super-strong/66/#carbon-fibre-super-light-super-strong

「自動車用の軽量素材として、カーボン・ファイバー強化プラスチック(CFRP)が最良の選択であることは明らかです。この素材は極めて丈夫で軽量、スチール素材と同じくらい丈夫でありながら、約50%も軽量です。かなり軽量なアルミニウム素材でさえ、カーボン・ファイバー強化プラスチック(CFRP)には遠くおよびません(比較すると、アルミニウムは30%軽量であるに過ぎません)。」とある。

「遠く及びません」というほどの差ではないような気もする。だいたい、車台には、その「遠く及ばない」アルミニウムを使っているんだから。

まあ、いい。

世界初のCFRP製量産車を売り出そうとしているBMWは、既に生産段階に入っているかもしれない。

(BMW社、流麗ボディのEVコンセプト『i3』と『i8』)
http://wired.jp/2011/11/17/bmw%E7%A4%BE%E3%80%81%E6%B5%81%E9%BA%97%E3%83%9C%E3%83%87%E3%82%A3%E3%81%AEev%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%97%E3%83%88%E3%80%8Ei3%E3%80%8F%E3%81%A8%E3%80%8Ei8%E3%80%8F/2/

「i3は2013年、i8は2014年に発売される計画だという。」とある。

(【ビデオ】来年発売予定のBMW「i3 コンセプト・クーペ」のプロモビデオが公開!)
http://jp.autoblog.com/2012/12/19/bmw-i3-video-wants-to-help-you-make-more-sense-of-the-coupe-conc/

(【レポート】エンジンのパワーアップが決定! BMW「i8」の最新情報(ビデオ付))
http://jp.autoblog.com/2012/03/27/bmw-nixes-plan-for-m-version-of-i8-but-production-car-to-have-m/

レンジ・エクステンダー・エレクトリック・ビークル2013年02月03日 21:45

レンジ・エクステンダー・エレクトリック・ビークル
レンジ・エクステンダー・エレクトリック・ビークル


三菱のアウトランダーに、その車種の設定はある。

現在、世界で唯一のレンジ・エクステンダー・エレクトリック・ビークル(LEEV)である。

(アウトランダーPHEV)
http://www.mitsubishi-motors.co.jp/outlander/

シボレー・ボルトは、エンジンが直接駆動力を補うので、厳密にはプラグインハイブリッドである。

(シボレー・ボルト)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%9C%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%9C%E3%83%AB%E3%83%88

スズキ自動車が、スイフトを改造してLEEVを作ろうとしている。

(スイフト レンジ・エクステンダー)
http://www.suzuki.co.jp/about/csr/environmental_technology/#swift

LEEVの解説は、このページが分かりやすい。

(第188回 プラグイン・ハイブリッドと進化する電気自動車)
http://www.tdk.co.jp/techmag/knowledge/201206/index.htm

この件に興味を持ったのは、BMWのⅰ3がレンジエクステンダーをオプションで装備するとあったからだ。

(BMW i3 Concept:一番下にあります)
http://www.bmw-i.jp/ja_jp/bmw-i3/#bmw-i3-concept-coupe-electricity-meets-intelligence-

「レンジ・エクステンダーが航続距離を延長」とある。

実は、マツダもロータリーエンジンを活用して、参入しようとしている。

トヨタ、日産、ホンダは、ハイブリッドを開発して販売しているが、三菱、マツダ、スズキは、ハイブリッドを持たない(ついでに、スバルはガソリンだけ)。

高度な技術を要求されるハイブリッドを展開するよりも、簡単で、分かりやすいLEEVの方がメリットがあるということだ。

今後、純粋な電気自動車のインフラが普及するまでの繋ぎなんだが、プラグインハイブリッドを展開できないメーカーとしては、現実的な解決方法だろう。

エンジンを使っているので、エンジン技術を持たないと開発できないが、既存の自動車メーカーであれば、何の問題もないだろう。電池の充電に関しての技術にしても、元々、ガソリン車のバッテリーの充電技術は持っているわけだから、電気自動車の開発さえできればいいわけだ。

三菱は、世界に先駆けて、本格的な電気自動車を実用化したメーカーだし、スズキもマツダも、その位のことはできるだろう。

(デミオEV:マツダは、もうやってました)
http://www.mazda.co.jp/philosophy/tech/env/ev/

電気自動車の開発で難しいのは、そもそもの「自動車」技術のノウハウなのだ。

さて、今後、安価なLEEVが登場してくると、従来のプラグイン・ハイブリッドは売りづらくなる。素人には、どこが違うか分からないわけだし、電池容量の小さい「普通のハイブリッド」などは、少々燃費のいい「ガソリン車」ということになる。

水素ステーションが普及して、炭素社会から水素社会へと転換していく過程の中で、電気自動車さえも過渡的な技術になってしまうかもしれない。

電池という重量物を、常時余分に積んで走るということは、それだけで環境に優しくないのだ(燃料電池は、発電機なので、厳密には電池ではない)。

そんな未来を見つめる中で、LEEVがどんな展開を見せるか、注目である。