「物体X」2013年02月24日 04:31

「物体X」
「物体X」


まだ、世界に一台も存在しない(浮沈子調べ)サイドマウント化したインスピレーションリブリーザーについては、当然のことながら、どこにも参考になる資料がない。

目の前に転がっている、怪しげな「物体X」だけが全てである。

まだ、組み立て途中で、形を成していないが、中身は世界で最も売れているCCRである、APD製の極々普通のvisionコンピューター版のインスピレーション(または、エボリューション・プラス)である。

だから、仕組み的に新しい物を作ったわけではなく、各パーツの配置を変更して、サイドマウントのコンフィギュレーションにしただけである。ホース類も既存の純正のものは全てそのまま利用し、蛇腹ホースも純正を取り寄せた。

フローストップを付けたり、酸素やディリュエントガスのタンクからのホースを分割するために、若干の追加のホース類を使用しただけである。

それでも、「物体X」は元のインスピレーションには見えない。

最大の理由は、黄色と黒の箱がないからであるが、それをとっぱずしてサイドマウント用のケースに入れようとしているのだから、当然といえば当然である。

ガスの回路は基本的には同じだし、そもそものコンセプトが、ユーザーのスキルを変えないで使えることを第一にしているので、形こそ似ても似つかないが、オリジナルと同じリブリーザーである。

「物体X」の最大の特徴は、タンクの仕様に関わらず、サイドマウント化したリブリーザー運用が可能であるということである。

通常市販されているサイドマウントリブリーザーは、スフィアタンク(球状のタンク)や、筐体の中に納まるサイズのタンクを使用する。使用するタンクが限定されるわけだ(そうでないものもあります)。

「物体X」は、タンクを本体と切り離して使用することができるため、本体と平行にぶら下げても、本体の後方にぶら下げても使用できる。

酸素タンクだけを本体の近くに置いて、ディリュエント側は本体と離して逆サイドに置くこともできるし、両方束ねて、本体と同じ側に置くことも可能だ。

想定はしていないが、酸素だって本体と反対側に置くことすら可能である。プリズムと同じ配置にもできる。

さらに、実際に使い物になるかどうかの検証はこれからだが、酸素やディリュエントガスのタンクを切り離して運ぶことができる。

ゆくゆくは、カウンターラングもブラダーから切り離して、本体と一緒に運ぶことができるようにしようと考えている。そうすれば、他の人に運んでもらう時に、ダイバーはブラダーだけ身に付け、カウンターラング付きの本体と、ファースト付きのタンクを別々に運んでもらうことができるわけだ。

美味しい!(こういう不埒なことを考えているのは、浮沈子だけか?)。

この構成では、オリジナルのカウンターラングをそのまま使用するために、ダイビング中の運用スキルは変わらない。今までに習ったことを、そのまま使えるわけである。

ソレノイドバルブが開きっぱなしになった時の酸素バルブの開閉によるリカバリー手順を、マニュアルインフレーションボタンのプッシュで出来るようにしたので、むしろ扱い易くなっているとさえいえる。

この仕掛けは、サイドマウント化によって、酸素バルブの位置が手の届きにくいところへ行ってしまっても、安全な運用が出来るようにするためには必要と思われる。

もちろん、酸素バルブを手元に近いところにして、この仕組みをとらないという選択肢も存在する。それはそれで、十分有りだと思う。

浮沈子が、この仕組みを必須としたのは、酸素タンクを本体の後方に直列に置き、水の抵抗を受けにくい配置にしたかったからである。同時に、タンクを分離した時に、中圧ホース内の海水をソレノイドバルブへ送り込みたくなかったからでもある。

基本的には、酸素とディリュエントのタンクを束ねて本体の後方に置く(詳細検討中)。こうすることによって、水の抵抗を最小限にすることが出来る。そのメリットとデメリットは、今後検証していくことになるが、現段階では、如何様な配置にも対応できる中圧ホースの長さになっている。

「物体X」だから、まだ何もフィックスしていない訳だな。

蛇腹ホースの取り回しにしても、決定はしていない。今は首の後ろを通すようにして、Tピースをオリジナルのままの向きにする方がいいような気がしている。カウンターラングの水のトラップが使えたほうが安心だからだ。蛇腹ホースが2本余るが、デュアル化するときの材料として使える。

「物体X」は、サイドマウントにするので、当然、サイドマウント化のあらゆるメリットを享受できる。

何より、目立つ!。

自己顕示欲の旺盛なダイバーには、ひょっとすると、これこそが最大のメリットである。

内気な浮沈子は、ちょっと気恥ずかしいが・・・。

バックマウントカウンターラングとの相性はどうなのだろうか。

近い将来(?)デュアル化するときには、前後にカウンターラングが来るようにすればいいのではないかと考えている。

「物体XX」になるのかあ?。

課題整理2013年02月24日 06:06

課題整理
課題整理


「物体X」をサイドマウントインスピに進化させるためには、まだ乗り越えなければならない課題がいくつか存在する。

頭の中だけに入れておいても、忘れてしまったり、例によって「まあ、どうでもいいや」と無視してしまうことになりかねないので、課題整理をしておく。

といっても、メモのようなものだ。

<BC周り>
1 バックプレート(ブラダーの上からサンドイッチにする、亀の子プレートを作成する(発注済)。

2 尾ひれのような、サイドマウント用の尻尾を付けるかどうかを検討する(運用開始後)。

<カウンターラング周り>
1 ディリュエント側のマニフォールドを取り付ける方法を考えておく。現在は、ブラダー側にゴムバンドで縛ってあるが、余りにダサい。将来、カウンターラングを分離することを考えると、ブラダー側から切り離しておく必要がある。マニフォールドからは、ADVに中圧ホースが結合されているので、どの道、カウンターラングとは分離できない。ブラダーのインフレーターは通常のカプラーである(運用前)。

2 酸素側のマニフォールド(分岐)を取り付ける方法を考えておく。当面は、カウンターラング内側のベルクロで包んでおくが、フローストップが不用意に動いてしまわないような仕組みを考えて置く(運用前)。

3 カウンターラングをブラダーから取り外す仕組みを考えておく。ハーネスとの兼ね合いもあるので、シンプルに脱着出来るような方法を検討する(そのうち)。

4 呼吸回路の蛇腹ホースの接続の向きを考えておく。確定後、長さを調節する(運用後)。

<本体周り>
1 本体ケースを作成する(発注済)。

2 本体ケースをブラダーに付ける方法を考えておく。当面はロープとフックでハーネスに付ける(運用前)。

3 ディスプレイ、ブザー、HUDの取り付けを考えておく(運用後)。

<タンク周り>
1 タンク2本の束ね方を考えておく。当面は、バックル付きのベルトで締め付け、間にゴムを挟んでおく(作成予定)。バルブ下のところを固定する方法を考えておく。当面は、ロープで縛って置く(運用前)。

2 タンクをブラダーに付ける方法を考えておく。当面は、バルブ下のロープを本体ケースに結び、バックル付き述べるとにロープを挟んでフックでバックプレートに固定する(運用前)。

3 各タンクのファーストから伸びるホース類の整理方法を考えておく。当面は、本体にバンジーを付けて、そこを通す(運用前)。

4 フィッティングしながら、各ホースの長さを調節する(運用後)。

<その他>
1 中圧ホースを繋いでいるカプラーのスナップが動いて、中圧ホースが外れてしまわないような方法を考えておく(運用前)。

2 オス側のカプラーから浸水しないようなキャップを考えておく(運用前)。

3 カプラーの流量が十分かを確認する(運用後)。

4 ゲージの高圧ホースをマイフレックスに交換する(そのうち)

こうして書いてみると、思いの他多い。

というか、ようやく課題が見えてきたということだ。インスピ補完計画が形になってきた段階で、その課題を解決する知恵とやる気が試される。

まあ、大方は、イントラに聞きながら知恵を借り、神田のお店や100均などに通って、小物を仕入れれば何とかなりそうではある。

ただ、ここから先は、ある意味で楽しい作業になる。骨格となる部分は出来たわけだし、システムとして成立することは、ほぼ間違いない。

1点だけ気になるのが、カプラーの通過流量が十分かどうかだけである。

酸素側は大して流量を必要としないが、ディリュエントは、首からぶら下げるセカンドステージのオープンサーキット呼吸を確保する必要がある。オス側アダプターの通過流量が不安である。

ここだけは、確実にクリアしなければならない。ダメなら、純正のコネクターを手配するしかない。オートエア用のオス側のアダプターがあれば、メス側は手元にある(オートエアは、リークが多いので、換えてしまった)。

今回、いろいろな方々の知恵と、協力に支えられて、プロジェクトを進めている。イントラを初めとして、誰一人として「そんなアホなことは、止めたほうがいい!」とは言わない。

自己責任で改造しているとはいえ、暖かく見守ってくださる方々の優しさ(と、無責任さ?)がなければ、世界初の器材は完成しない。

皆さんの協力に、感謝である。

大観山詣2013年02月24日 19:19

大観山詣
大観山詣


明け方まで、「物体X」と格闘を続ける(ウルトラマンは、3分しか戦わなくっていいからいいなあ!)。

力尽きて、明るくなってから寝た。

目が覚めると午前10時である。明るい日差しに、すっきりと目覚めた。

活動を始める。

ボクスターを転がして、箱根ターンパイクに赴く(すみません、トーヨータイヤ・・・というのが、どーしても馴染めないので)。

道端に雪が残る中速ワインディングを、3速5000回転をキープして駆け上がる。横Gに耐えながらラインを探してハンドルを切る。

頂上は、雪が積もって白かったが、道路は綺麗に除雪してあり、メンテナンスの方の苦労が有難い。

富士山が白い山体を堂々と見せている。

ここから見る富士は、芦ノ湖の向こうに少し離れて見える。

長尾峠のトンネルを出たところから見える富士が好きだ。

お茶屋さんには、ずいぶん行っていない。どうしているのだろうか。

バイクに乗らなくなってから、長尾峠に上がる道幅の狭い、低速ワインディングには行っていない。

たまには走ってみるのも、悪くないかもしれない。

大観山のレストハウスで、お約束のごろごろチキンカレーを頂く。コーヒーとセットで1060円。

同行した弟が、蕎麦屋のメニューを見ながら、「富士には月見蕎麦がよく似合う・・・」と、ボソッと呟いた。

コーヒーをこぼすところであった。

(月見草)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2012/09/10/6569492

帰りに秋葉原に寄って来たが、めぼしい物はなく、日曜大工店で買い物をして帰ってきた。

平凡なドライブと、いつも変わらぬ富士の姿に癒される。

課題に挑戦2013年02月24日 20:15

課題に挑戦
課題に挑戦


タイラップとチューブで、課題の解決を試みる。

とりあえず、この2つでなんとかする。

タイラップは幅が広すぎたので、鋏で切ってフローストップのスライドバルブが動かないように、溝の中にはまるようにする。

繰り返し使えるタイプのものを買ってきたが、付け外ししなくても緩めたり締めたりはできる。

緩めてシャットオフし、締めてオープンにする。

別の方法も考えてはいるが、これでも十分実用になる。

もう一つの方は、シリコンゴムのチューブによるオス側アダプターのキャップ(?)である。少し径が小さかったが、このアイデアは使えそうだ。画像のようにチューブを中圧ホースに結んでおくだけで、外してもなくならない。

さらに、先端が緩くなったら、鋏で少し切れば新鮮な先端になる!。そう、カッターの刃の原理であるな。

径がちょうど合うやつを探してきて付ければいい。我ながらいい方法を思いついた。

しかし、考えてみれば、BCのインフレーター用の先端なので、市販のインフレーターにはキャップが付いているのが普通なのではないか?(浮沈子のオープンサーキット用のBCにも付いていた)。

せっかく、安上がりで確実に浸水を防ぐことが出来る方法を思いついたのに・・・。

まあ、機能が果たせればそれでいい。見栄えはショボくても、形態は機能に従うのだ!。

そのオス側アダプターの、通過流量チェックも行った。

何のことはない、ディリュエントガスのタンク(クウキなどという水中では毒ガスになるものが入っている)に、ファーストステージを付けて、カプラーをカチャリと繋ぎ、マニフォールド経由でセカンドステージのレギュレーターから吸ってみただけ。

十分呼吸が可能である。

試しに、オートエアーから外したメス側のコネクターに、オートエアのレギュレーターをバラして外したオス側のコネクターを差し込んでバルブを開かせて、息を吹き込んだり吸い込んだりしてみる。

今付けている黒いオス側のアダプターの呼吸抵抗と、殆んど変わらない。

一番気になっていたことが解決して、次の難関はディリュエント側のマニフォールドを、どうやって固定するかということになった。

この辺りは、イントラに知恵を借りるのが正解だろう。

何らかのベースに固定して、そのベースをバックプレートかハーネスの適当な場所に、脱着可能な方法で取り付けるというのがいいだろう。カウンターラングを切り離した時の固定方法と、併せて考えておく必要がある。

あるいは、ADVへの中圧ホースの長さを変更して、全く別の場所に付けるという方法もある。

最終的なコンフィギュレーションは、ああでもない、こうでもないと試行錯誤しながら決めていきたい。

APDのケースとおさらばすると、自由度が極端に上がってしまい、収拾つかなくなっている。こういうときこそ、経験がものをいうのだろう。浮沈子にはそれがない。

場所として最も安定しているのは、バックプレートということになるのだが、取り付けを考えると、背中側になってしまうという欠点もある。一方、あまりぶらぶらさせたくないので、しっかりと固定できる方がいい。

現状のホースの長さにはこだわらずに、ベストの位置を探そう。

前代未聞!2013年02月24日 23:24

前代未聞!
前代未聞!


スクラバーの後ろにタンクを束ねて付けるというアイデアは、必要から生まれた。

浮沈子のインスピは、国内ではダイビングプール、セブでは当然海の中と、使用する環境が異なる。今までは、純正のスチールタンクを使用していたが、買い換えてKHKの刻印付きのものにする予定である。

(2.5L O2タンク(DINバルブ))
http://www.ex-scuba.com/equipment/tank/TS001.html

(2.5L Air+O2タンク(DINバルブ))
http://www.ex-scuba.com/equipment/tank/TS003.htm

セブでは、オリジナルのタンクか、6リットルの細身のアルミタンクになる。

タンクの長さも太さも材質も、異なるタンクをサイドマウントしなければならないとしたら、解決方法は2つしかない。

本体と平行にサイドマウントするか、本体の後ろにサイドマウントするかである。インスピの場合、ヘッドユニットとキャニスターが一体になっており、こいつを他の位置に動かすことができない。

まあ、酸素とディリュエントガスを、本体と逆側で束ねて持つというのも有りだ。

しかし、平行にしても逆側にしても、水の抵抗は増えてしまう(背中にある時と変わらない)。これでは、浮沈子がサイドマウントにする目的の過半が失われる。

陸上では楽をしているが、水中でも楽をしたいわけだな。

そこで、必然的に本体の後方(前って、ないでしょ?)に吊るして直列繋ぎとし、水の抵抗を減らすと同時に、基本構成を片側に纏めることにしたわけだ。

このブログで何度も表明しているとおり、ゆくゆくはデュアルCCRに発展させようという目論見があるので、そのためにも、ユニットを片側に纏めるという構成には、本質的な意味がある。

で、画像のように縦に繋げて置いてみた。

なっ、ながーーーーーーい!。

タンクの底は、なんと、ヒザよりも下に来る。

こんなもんを、どうやってぶら下げればいいのか。

前代未聞の状況に、さすがに焦りまくる!。

毎度お馴染みのPADIのサイドマウントのページにも、デメリットとして、次のように書いてある。

「①陸上で全器材を装着すると扱いにくい
陸上で一般的な10リットルのタンクを2本装着すると、立って移動するのはかなりの負担です。そのため、通常は水に入ってからタンクを装着します。上で紹介した6リットルのアルミタンクのように、小さいタンク2本なら非常に楽になります。」

(Q サイドマウントで注意すべき点は?)
http://www.padi.co.jp/visitors/program/spcon/smd_4.asp

まあ、セブの環境では、ウエイト込みで総重量40キロになるユニットを片側にぶら下げたまま、階段を上り下りするということになる。絶対に有り得ない!。

そこで、水中でタンクを付けるという方法を模索した。

そして、畏れ多くも、リブリーザーの酸素タンクを本体から切り離すという、文字通りの「離れ業」を編み出したわけだ。

リブリーザーに詳しい方なら、これが、どれほどヤバイことであるかをご理解いただけると思う。

それでも、水中では浸水が避けられないので、せいぜい水面での装着を前提に運用を行う。ディリュエント側については、ある程度の浸水は止むを得ないと覚悟を決める。

それでも、ヒザ下になる長大なユニットの固定やハンドリングには、それなりのノウハウが必要になるだろう。

おまけに、浮沈子はサイドマウント初心者である!。

サイドマウントオタクのイントラに教わっているので、何とかしてもらうしかない。他力本願である。

中圧ホースの取り回しも、悩んだところだ。

以下は、以前にも紹介したページである。

(Spy photos of Rob’s Sidemount Prism Rebreather.)
http://www.quietdiver.com/106/spy-photos-of-robs-sidemount-prism-rebreather.html

このページの下のほうに、二人が並んで写っている写真があるが、中圧ホースがスパゲッティのようになっている。ドライスーツということもあるので多少は目をつぶるとしても、かなりややっこしい状況になっている。

この状況は、一つには、マニフォールドを使わずに、ファーストステージから直接各コネクターに繋いでいる構成だからだと思われる。

色々なデバイスが繋がり、一つでもリークが起これば、全てのガスを失うマニフォールドを嫌ったのかもしれない。

浮沈子の今回の構成では、オリジナルをベースに、なるべくシンプルな取り回しになるようにした。酸素側のマニフォールド(分岐)も、メーカーオリジナルのパクリである。

余計なことはしていない。

とにかく、サイドマウント・インスピレーションが、成立することを確認することが第一の目標である。

全てはそこへ向かって動いていて、さらに、全てはそこから始まるのだ。