930タルガの研究(その11)「続・謎のエンジン」2013年04月10日 23:58

930タルガの研究(その11)「続・謎のエンジン」
930タルガの研究(その11)「続・謎のエンジン」


さっき、(その10)を書いている時に、気が付いたことがある。

(プリズム11の乗り物(ポルシェ資料館):原動機 水平対向6気筒:3.2空冷SOHC)
http://homepage2.nifty.com/prism11/porschef6enginedatabase.htm#32acsohc

「原動機形式:930/64」とある。

ははあ、83タルガを買った横浜オートで言っていた「64エンジン」というのは、この「930/64」のことなのかもしれない(M64ってこたぁ、ありっこねえよなぁ!)。

「内径×行程=排気量:φ95.0×74.4=3164.2
圧縮(比):9.5
燃料供給:ボッシュLジェトロニック
出力:215PS/5800rpm
トルク:26.0kgm/4800rpm」とある。

ひょっとして、このエンジンに換装したのか。

それなら、排気量が3.2リットルというのも納得がいく。

空冷ファンのSC2.7リットルのプレートが気になるけど。

まあいい。

点検から戻ってくれば、明らかになる。

ところで、引用したエンジンのページを見ていて、面白いことに気付いた(このパターン、多くね?)。

「2.0空冷SOHC:φ80.0×66.0(ボア×ストローク:以下、同じ)
2.2空冷SOHC:φ84.0×66.0
2.4空冷SOHC:φ84.0×70.4
2.7空冷SOHC:φ90.0×70.4
3.0空冷SOHC:φ95.0×70.4
3.2空冷SOHC:φ95.0×74.4」とある。

ボア(内径)とストローク(行程)が、ほぼ交互に拡大されている。

エンジンのことは詳しくないのだが、高回転型のエンジンは、ショートストロークだと聞いている。

ポルシェのエンジンは、一貫してショートストロークだ。

ナローの時代(2.0から2.4リッター)は、「シリンダーはTがクローマル(鋳鉄一体+クロムメッキ)、それ以外はバイラル(鋳鉄ライナー+アルミフィン)」であったが、ビッグバンパー(2.7リッター以上)になると、「シリンダーはニカジル(フィン付きアルミ鋳物シリンダー内側にニッケルシリコン合金メッキ)で薄肉を実現しボアφ90を可能とした。程なく安価なアルシル(ライナーレスアルミ鋳物シリンダー+鉄メッキピストン)に切り替えた」とある。

元々、エンジンを設計したフェルディナント・ピエヒは、かなり余裕をみてブロックを設計したといわれている。

(ポルシェ・911:Oシリーズ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%BB911#O.E3.82.B7.E3.83.AA.E3.83.BC.E3.82.BA

「排気量は大きなマージンを取りかつ手の届きやすい価格にするため排気量1,991ccになったものの、後の市場の要求次第で2.7Lくらいまで拡大できるようになっていた。」とある。

実際に2.7リッターにしたときには、「917からフィードバックされた技術でアルミニウムシリンダーにニッケルとシリコンの化合物を付着させた「ニカシル」シリンダーによりこの大径ボアを実現している。」とある(その後、アルシルになったのは前出のとおり)。

911カレラRS2.7(1973年限定生産:いわゆる「ナナサンカレラ」)のときだな。

ポルシェ乗りの憧れ、911の中の911、究極の選択である。

「カレラ」といえば、このクルマのことであり、他は後光におすがりしているだけである(74カレラRS3.0もあるが、別格!)。

このクルマを目の前にしているだけで、911フリークはヨダレたらたらで、ご飯3杯はいけるだろう!!!。

浮沈子は、あんまり気にならない。縁(円)がないから(なんちゃって!)。

エンジンの話に戻る。

引用した、ボアの拡大とストロークの拡大が交互に行われているのは、ショートストロークに拘っただけでは、もちろん、ない。

コンロッドがシリンダーに当らないように、内径を拡大しておかないとストロークが伸ばせないわけだな(クランク側を小さくするという手もあるらしいが)。

排気量の拡大の際には、確かに内径の拡大の後に、ストロークが伸びていることが分かる。

理に適っているわけだ。

まあ、しかし、何だな、911って、毎年のように改良を続けていて、そんでもって50年も続いているんだから、薀蓄を傾ける対象としては、相手にとって不足はない。

これでもまだ、930までに留めているからいいようなものの、964以降に足を踏み入れると際限なく続いていきそうである。

ターボは敢えて無視しているが、これはこれで、一家を成している。

レーシングマシンの世界まで考えると、もう、頭が爆発する!。

今回で「930タルガの研究」は打ち止めにするが、気が向いたら、また書くかもしれない。

(ポルシェのエンジン一覧:空冷水平対向6気筒:←これだけで32種類だと!)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%81%AE%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3%E4%B8%80%E8%A6%A7#.E7.A9.BA.E5.86.B7.E6.B0.B4.E5.B9.B3.E5.AF.BE.E5.90.916.E6.B0.97.E7.AD.92

良く見ると、68度バンクのカレラGTのV型10気筒エンジンはないなあ!。

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