356という選択 ― 2013年05月29日 20:38
356という選択
画像は、「ポルシェ データ ブック」という、そっけない題名の本である。
英語版なのだが、大部分が数字なので(データブックですから)、読むのに問題はない。写真も豊富で、眺めているだけで楽しくなる。
問題なのは、文字が小さくて、拡大鏡を掛けないと判読できないこと。
したがって、自動的に写真を眺めて楽しむことになる。
そのうち、このデータを表計算ソフトに入力して、ポルシェの傾向と対策を研究しようと考えている(考えるだけなら、めんどくさくないので・・・)。
まあいい。
この本を眺めていると、356のクーペも、996も(この本には、996までしか出ていない)、同じような車に見える。
外観のデザインを、しっかりと継承している。意識的に保持し続けているのだ、60年以上も・・・。
モーガンのように、そのことが特別の意味を持つようなクルマは別にして、このことは驚くべきことである。
それは、偏にRRという、今となっては特異なエンジン・駆動構成を維持し続けているということがある。
スーパーカーであるカレラGTにも、フロントにトランクがあるのだ・・・!。
まあ、脱着式トップを、どっかに納めないといけないので、仕方ないのかもしれないが、このフロント・トランクを、356からずーーーっと守っていることを考えると、涙が止まらない(おかしくって!)。
リアにはエンジン積んでいるので仕方ないのだが、ボクスターとか、ケイマンとか、リアに収納がある車種にも、フロントランクを設定している。
もう一つ、この本を見て感じたのは、FRモデルも含めて、角ばったデザインが少ないということだ。
異色に感じられたのは、914シリーズだけ。
これだけは、ポルシェのDNAを持たない感じがする。
さて、911だけではなく、広くポルシェ製品を俯瞰してみると、356という車の持つベーシックな魅力に強く惹かれる。
(ポルシェ・356)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%BB356
ついこの間は、ナローがいい!、などといっていたことは、すっかり忘れてしまっている。戦後のポルシェの復興を支え、名車911を生み出すマルクを稼ぎまくった中興の祖である。
最も新しい1965年製の356C型であっても、既に48年が経過していることを考えると、このクルマのオリジナルを購入して維持するという方は、最早、余程の物好き、クルマ好き、ヘンタイ、アホ、奇特なマニア、金余り、道楽者、エトセ、エトセであって、常人にはなし得ないことである。
乗って面白いクルマでもなかろうし、日常の用に供することはできない。馬掛けて、タイヤ外して屋内に展示しておくのがせいぜいである。
こんなページがあった。
(356A Speedster Classic Replica)
http://www.goodjob-jp.com/classic_Product.html
中身はVWビートルなのだが、カッコは356Aのスピードスターである。
ベースとなった車両も既に生産が中止されているので、レプリカとはいえ、れっきとしたレトロカーである。
保証も付いて安心して乗れるし、万が一その後に壊れたとしても、補修部品はまだまだ容易に入手できる。
ボディがFRPなので、そっちがやられると大変かもしれない。
屋根付き車庫は必須だし、ガレージがあるのが最低条件かもしれない。
もちろん、青空車庫でボディカバーで、これ一台で凌ごうという猛者もいるかもしれないが、浮沈子にそんな度胸はないし、レプリカとはいえ、新車を購入する予算もない。
(ポルシェ 356 レプリカ の中古車)
http://www.goo-net.com/cgi-bin/fsearch/goo_used_search.cgi?phrase=%83%7C%83%8B%83V%83F%20356%20%83%8C%83v%83%8A%83J&category=used&baitai=&page=1
今日の検索では、5台出ている(1965年製のレプリカもある!:十分クラシックカーだ!)。
148万円の中古(スピードスター)が出ており、食指をそそる。
買わないけど。
でも、純粋にオープンドライブを楽しもうとするなら、これでも十分であろう。
故障も少ないし(壊れるところがない)、エアコンなんて要らないし、何にも付いていないので(ラジオもない!)、何の不安もない。
ただし、このクルマのメンテナンスが出来るのは、ポルシェセンターではない。
空冷4気筒エンジンを初めとする足回りも含めた駆動系は、フォルクスワーゲン・タイプ1そのものだからだ。そちら方面のお店でお願いすることになる。
特別の構造ではなく、ビートルと同じつくりなので、エンジン下ろすのも簡単だろうし、安上がりである(たぶん)。
356レプリカ(もちろん中古!)との生活・・・。
酸いも甘いも噛み分けた歳になり、黙って隣に乗ってくれる人が出来たら、それも悪くはない。
まあ、たぶん、きっと、床まで踏むだろうけど・・・。
画像は、「ポルシェ データ ブック」という、そっけない題名の本である。
英語版なのだが、大部分が数字なので(データブックですから)、読むのに問題はない。写真も豊富で、眺めているだけで楽しくなる。
問題なのは、文字が小さくて、拡大鏡を掛けないと判読できないこと。
したがって、自動的に写真を眺めて楽しむことになる。
そのうち、このデータを表計算ソフトに入力して、ポルシェの傾向と対策を研究しようと考えている(考えるだけなら、めんどくさくないので・・・)。
まあいい。
この本を眺めていると、356のクーペも、996も(この本には、996までしか出ていない)、同じような車に見える。
外観のデザインを、しっかりと継承している。意識的に保持し続けているのだ、60年以上も・・・。
モーガンのように、そのことが特別の意味を持つようなクルマは別にして、このことは驚くべきことである。
それは、偏にRRという、今となっては特異なエンジン・駆動構成を維持し続けているということがある。
スーパーカーであるカレラGTにも、フロントにトランクがあるのだ・・・!。
まあ、脱着式トップを、どっかに納めないといけないので、仕方ないのかもしれないが、このフロント・トランクを、356からずーーーっと守っていることを考えると、涙が止まらない(おかしくって!)。
リアにはエンジン積んでいるので仕方ないのだが、ボクスターとか、ケイマンとか、リアに収納がある車種にも、フロントランクを設定している。
もう一つ、この本を見て感じたのは、FRモデルも含めて、角ばったデザインが少ないということだ。
異色に感じられたのは、914シリーズだけ。
これだけは、ポルシェのDNAを持たない感じがする。
さて、911だけではなく、広くポルシェ製品を俯瞰してみると、356という車の持つベーシックな魅力に強く惹かれる。
(ポルシェ・356)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%BB356
ついこの間は、ナローがいい!、などといっていたことは、すっかり忘れてしまっている。戦後のポルシェの復興を支え、名車911を生み出すマルクを稼ぎまくった中興の祖である。
最も新しい1965年製の356C型であっても、既に48年が経過していることを考えると、このクルマのオリジナルを購入して維持するという方は、最早、余程の物好き、クルマ好き、ヘンタイ、アホ、奇特なマニア、金余り、道楽者、エトセ、エトセであって、常人にはなし得ないことである。
乗って面白いクルマでもなかろうし、日常の用に供することはできない。馬掛けて、タイヤ外して屋内に展示しておくのがせいぜいである。
こんなページがあった。
(356A Speedster Classic Replica)
http://www.goodjob-jp.com/classic_Product.html
中身はVWビートルなのだが、カッコは356Aのスピードスターである。
ベースとなった車両も既に生産が中止されているので、レプリカとはいえ、れっきとしたレトロカーである。
保証も付いて安心して乗れるし、万が一その後に壊れたとしても、補修部品はまだまだ容易に入手できる。
ボディがFRPなので、そっちがやられると大変かもしれない。
屋根付き車庫は必須だし、ガレージがあるのが最低条件かもしれない。
もちろん、青空車庫でボディカバーで、これ一台で凌ごうという猛者もいるかもしれないが、浮沈子にそんな度胸はないし、レプリカとはいえ、新車を購入する予算もない。
(ポルシェ 356 レプリカ の中古車)
http://www.goo-net.com/cgi-bin/fsearch/goo_used_search.cgi?phrase=%83%7C%83%8B%83V%83F%20356%20%83%8C%83v%83%8A%83J&category=used&baitai=&page=1
今日の検索では、5台出ている(1965年製のレプリカもある!:十分クラシックカーだ!)。
148万円の中古(スピードスター)が出ており、食指をそそる。
買わないけど。
でも、純粋にオープンドライブを楽しもうとするなら、これでも十分であろう。
故障も少ないし(壊れるところがない)、エアコンなんて要らないし、何にも付いていないので(ラジオもない!)、何の不安もない。
ただし、このクルマのメンテナンスが出来るのは、ポルシェセンターではない。
空冷4気筒エンジンを初めとする足回りも含めた駆動系は、フォルクスワーゲン・タイプ1そのものだからだ。そちら方面のお店でお願いすることになる。
特別の構造ではなく、ビートルと同じつくりなので、エンジン下ろすのも簡単だろうし、安上がりである(たぶん)。
356レプリカ(もちろん中古!)との生活・・・。
酸いも甘いも噛み分けた歳になり、黙って隣に乗ってくれる人が出来たら、それも悪くはない。
まあ、たぶん、きっと、床まで踏むだろうけど・・・。
Porsche64 ― 2013年05月29日 23:15
Porsche64
日本語のウィキの中では、ベルリン・ローマ・レーサーとして紹介されているが、ドイツ本国のウィキにはベルリン・ローマ・ワーゲンとして出ている。
(Berlin-Rom-Wagen)
http://de.wikipedia.org/wiki/Berlin-Rom-Wagen
米国のウィキに、「ポルシェ64」として若干の記事があるが、ハンドメイドにより3台だけ生産された流麗なボディの詳細について触れたページは少ない。
(Porsche 64)
http://en.wikipedia.org/wiki/Porsche_64
ドイツ語のウィキのスペックを読むと、1100cc、空冷40馬力の4気筒ボクサーエンジンをぶん回して(3800回転)、525kgの車体を140kmまで加速したとある。
サスペンションは、もちろん、我らがトーションバー!。
トランスミッションは4速である。
中身はフォルクスワーゲン・タイプ1なのだが、このボディを纏っていると、とてもそうは見えない。
まんま、流星号である。空飛ぶクルマ。現代に甦ったとしても、十分すぎるほどアグレッシブなデザインといえる。
(実験車)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2013/05/16/6812680
現代の実験車(?)の方が、余程コンサバティブであるな。
リアの造形は、不気味なほど似ている。
(実験車のリアビュー)
http://jp.autoblog.com/photos/2014-volkswagen-xl1-first-drive-photos/#photo-5807062/
(ポルシェ64のリアビュー)
http://farm3.staticflickr.com/2690/4039920128_4314fa40a1_z.jpg
いや、あんま似てないか・・・。
まあいい。
この時期に、空気抵抗を低減するデザインが流行っていたことは、このページに記事があった。
(リアエンジン:リアエンジン車への再認識)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3#.E3.83.AA.E3.82.A2.E3.82.A8.E3.83.B3.E3.82.B8.E3.83.B3.E8.BB.8A.E3.81.B8.E3.81.AE.E5.86.8D.E8.AA.8D.E8.AD.98
「同時代には流線型ボディの研究も進展し、ツェッペリン社出身の元・航空技術者パウル・ヤーライ(Paul Jaray 1889年 - 1974年)によって1920年代前半に考案された「ヤーライ流線型」が、フロントエンジン車シャーシを利用しての顕著な実験結果により、空気抵抗を減少させて性能を高めるという第二次世界大戦以前の古典的流線型乗用車のコンセプトの基本となった(もっともそれが一般化するのは1930年代中期以降である)。」とある。
そのポルシェ64は、しかし、量産されることもなく、異名の元となったベルリン・ローマ・レースも戦争の勃発でお流れになり、幻のレーシングカーとなった。
このクルマが、ポルシェの名を冠した最初のクルマなのか。
生産車両ではなく、プロトタイプではあるが、社内の開発コード「64」が与えられていたので、ポルシェ初といっても過言ではない。
もう、このデザインを見れば、誰でもポルシェのクルマだと分かる。
いささかフロントが長いが、左右のフェンダーに埋め込まれたヘッドライト、スラントしたノーズから立ち上がる最小限の居住性を有するキャビン、リアクォーターウインドウの形、エンジンを搭載しながらも、流れるように落ちていくリアのライン・・・。
これぞ、ポルシェのDNA、紛れもないP社の遺伝子である。
しかし、純血ではない。
先のドイツ語のウィキには、タイプ64の「前に」、「VW Typ 60 K 10 bzw」という型式が表示されている。
まあ、この辺りについては、気が向けば調べてみよう。
356の量産に当たっては、フォルクスワーゲンからのロイヤリティや安定した部品の供給が、決定的な役割を果たしているので、356自体がVWとの共同制作のようなものかもしれないが、P社の独自設計という意味と、911に続く系譜を考えれば、356こそが初めてのポルシェ車であることに変わりはない。
スカイラインが、プリンス自動車工業製(正確には、富士精密工業製?)なのか、それとも日産自動車製なのかを語るようなもんかあ?。
まあいい。
しかし、良く見ると、タイプ64のリアフェンダー周りの造形には、ケイマンを髣髴とさせる盛り上がりも見て取れる。
うーん、形に宿るDNAの奥は、思いのほか深いようだ・・・。
日本語のウィキの中では、ベルリン・ローマ・レーサーとして紹介されているが、ドイツ本国のウィキにはベルリン・ローマ・ワーゲンとして出ている。
(Berlin-Rom-Wagen)
http://de.wikipedia.org/wiki/Berlin-Rom-Wagen
米国のウィキに、「ポルシェ64」として若干の記事があるが、ハンドメイドにより3台だけ生産された流麗なボディの詳細について触れたページは少ない。
(Porsche 64)
http://en.wikipedia.org/wiki/Porsche_64
ドイツ語のウィキのスペックを読むと、1100cc、空冷40馬力の4気筒ボクサーエンジンをぶん回して(3800回転)、525kgの車体を140kmまで加速したとある。
サスペンションは、もちろん、我らがトーションバー!。
トランスミッションは4速である。
中身はフォルクスワーゲン・タイプ1なのだが、このボディを纏っていると、とてもそうは見えない。
まんま、流星号である。空飛ぶクルマ。現代に甦ったとしても、十分すぎるほどアグレッシブなデザインといえる。
(実験車)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2013/05/16/6812680
現代の実験車(?)の方が、余程コンサバティブであるな。
リアの造形は、不気味なほど似ている。
(実験車のリアビュー)
http://jp.autoblog.com/photos/2014-volkswagen-xl1-first-drive-photos/#photo-5807062/
(ポルシェ64のリアビュー)
http://farm3.staticflickr.com/2690/4039920128_4314fa40a1_z.jpg
いや、あんま似てないか・・・。
まあいい。
この時期に、空気抵抗を低減するデザインが流行っていたことは、このページに記事があった。
(リアエンジン:リアエンジン車への再認識)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3#.E3.83.AA.E3.82.A2.E3.82.A8.E3.83.B3.E3.82.B8.E3.83.B3.E8.BB.8A.E3.81.B8.E3.81.AE.E5.86.8D.E8.AA.8D.E8.AD.98
「同時代には流線型ボディの研究も進展し、ツェッペリン社出身の元・航空技術者パウル・ヤーライ(Paul Jaray 1889年 - 1974年)によって1920年代前半に考案された「ヤーライ流線型」が、フロントエンジン車シャーシを利用しての顕著な実験結果により、空気抵抗を減少させて性能を高めるという第二次世界大戦以前の古典的流線型乗用車のコンセプトの基本となった(もっともそれが一般化するのは1930年代中期以降である)。」とある。
そのポルシェ64は、しかし、量産されることもなく、異名の元となったベルリン・ローマ・レースも戦争の勃発でお流れになり、幻のレーシングカーとなった。
このクルマが、ポルシェの名を冠した最初のクルマなのか。
生産車両ではなく、プロトタイプではあるが、社内の開発コード「64」が与えられていたので、ポルシェ初といっても過言ではない。
もう、このデザインを見れば、誰でもポルシェのクルマだと分かる。
いささかフロントが長いが、左右のフェンダーに埋め込まれたヘッドライト、スラントしたノーズから立ち上がる最小限の居住性を有するキャビン、リアクォーターウインドウの形、エンジンを搭載しながらも、流れるように落ちていくリアのライン・・・。
これぞ、ポルシェのDNA、紛れもないP社の遺伝子である。
しかし、純血ではない。
先のドイツ語のウィキには、タイプ64の「前に」、「VW Typ 60 K 10 bzw」という型式が表示されている。
まあ、この辺りについては、気が向けば調べてみよう。
356の量産に当たっては、フォルクスワーゲンからのロイヤリティや安定した部品の供給が、決定的な役割を果たしているので、356自体がVWとの共同制作のようなものかもしれないが、P社の独自設計という意味と、911に続く系譜を考えれば、356こそが初めてのポルシェ車であることに変わりはない。
スカイラインが、プリンス自動車工業製(正確には、富士精密工業製?)なのか、それとも日産自動車製なのかを語るようなもんかあ?。
まあいい。
しかし、良く見ると、タイプ64のリアフェンダー周りの造形には、ケイマンを髣髴とさせる盛り上がりも見て取れる。
うーん、形に宿るDNAの奥は、思いのほか深いようだ・・・。
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