核心的利益2013年06月12日 21:40

核心的利益
核心的利益


「①国家主権と領土保全
②国家の基本制度と安全の維持
③経済社会の持続的で安定した発展」

これらが、核心的利益だと書いてあるのはこのページ。

(核心的利益)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A0%B8%E5%BF%83%E7%9A%84%E5%88%A9%E7%9B%8A

お隣の国の政府が、「これだけは、譲れない!」と歯を食いしばって死守することを、自他共に宣言している事柄だ。

特に、領土保全については、戦争も辞さない。

中国は、平和国家ではないのだ。

(中華人民共和国憲法)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E8%8F%AF%E4%BA%BA%E6%B0%91%E5%85%B1%E5%92%8C%E5%9B%BD%E6%86%B2%E6%B3%95

具体的記述に乏しいが、平和主義に繋がる記述もない。

(意外と知られていない中国の憲法―中華人民共和国憲法 前文)
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0905&f=column_0905_018.shtml

「我が国において、搾取階級は既に消滅している。しかしながら、階級闘争は、一定の範囲内で長期的に存在しうる。中国人民は、我が国の社会主義制度を敵視し、破壊する国内外の敵対勢力および敵対分子に対する闘争を継続しなければならない。」とある。

まあ、闘争と「戦(いくさ)」とは概念が異なるが、血の気の多い国ではある。

それでも、有名な5原則というのがあって、「1.主権・領土の相互尊重、2.相互不侵犯、3.相互の内政不干渉、4.平等互恵、5.平和共存」を堅持する、ことになっている。

「帝国主義・覇権主義・植民地主義に反対し、世界各国人民の団結を増強し、抑圧されている民族を支持し、民族の独立を勝ち取り維持し、民族の経済的な正義の闘争を発展させ、世界平和を維持し、人類を進歩させる事業促進のために努力する。」とあるが、これだけ闘争的な態勢によって維持される平和というのは、さぞかし強固であろうと思われる。

イヤミじゃなくって、ホントに・・・。

さすがに5原則の堅持を謳っているだけのことはあって、核心的利益であると国家元首が明言した尖閣諸島を、長期に渡って実効支配している我が国に対して、実力でこれを「奪回」しようとするようなことはない(今のところ・・・)。

平等互恵、平和共存である。めでたし、めでたし。

かつての日本は、そうではなかった。帝国主義、覇権主義、植民地主義で、拡張主義、冒険主義、敗北主義であったわけだな。

まあいい。

本日のお題は、どちらかというと、こっち!。

(米政府が電話会社から全国民の全通話記録を毎日回収している疑惑発覚。元NSA職員「全社やってる」(動画あり))
http://www.gizmodo.jp/2013/06/post_12501.html

「発信・着信電話番号、IMSI(加入者識別子番号)、IMEI(端末識別番号)など通話が特定できる情報を含めた通話経路情報、トランク識別情報、テレカの番号、通話時刻、通話の長さなど」という、「通話のメタデータ」を集めているんだそうだ。

そんなもん、集めて何に使うのか。

「ホワイトハウスからは、米国内の通話記録回収は「テロリストの脅威から国家を守る上で必要不可欠な手段だ」との反論が出ました」とある。

はっきり言っちゃえばいいのに。

「国家の核心的利益を守るためには、米国国民たるもの、このくらいの権利侵害でガタガタいってんじゃねえ!」って。

浮沈子が驚いたのは、キャリアが何の抵抗もなく、すんなりと全データーを渡してしまうということ。

さすが、自由の国である。

えーと、トランク識別情報って何だろう?。

(回線単位(TGN):これのことかあ?)
http://www.ntt-review.jp/yougo/word.php?word_id=2776

いずれにしても、いつ、誰が(どの端末が)、どこから、どこの、誰に(どの端末に)、何秒間(何時間!?)電話したかがわかるということだな(焦っているあなた!、大丈夫ですか?)。

相互の接続が分かるので、壮大な相関図が手に入るわけだ(芸能界もビックリですな)。

例えば、浮沈子が、都内「某」ポルシェセンターとか、極秘にしている情報も、当局には筒抜けで、○○PCでしょ?、ってことになっちゃうわけだな(まあ、大方バレバレですが)。

「テロリストの脅威」というのは、もちろん9・11のようなテロ行為による直接的な被害のことであるが、統治者にとっては、時の体制を脅かすという意味の「脅威」でもある。

「②国家の基本制度と安全の維持」というのは、どこの国にあっても、核心的利益である。

「誰も盗聴なんてしてない。通話主の名前も知らない。通話のメタデータを見てるだけだ」と、オバマ大統領は火消しに懸命だが、政権に対する傷は深いと見た。

NSAといえば、「カッコウはコンピューターに卵を産む」にも登場している。

(カッコウはコンピュータに卵を産む::CIA、NSA、二人のボブ・モリスとポール・グレアム)
http://d.hatena.ne.jp/interdb/20100501/1272679354

「NSA(国家安全保証局)」とあるのは、ご愛嬌か・・・。

(NSA:National Security Agency:国家安全「保障」局が正解:「保障」は守るという意味)
http://www.nsa.gov/

(アメリカ国家安全保障局)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E5%9B%BD%E5%AE%B6%E5%AE%89%E5%85%A8%E4%BF%9D%E9%9A%9C%E5%B1%80

はたまた、国家の安全なんて、誰も「保証」(賠償の責任を負うという意味)できるわけはないという、痛烈な皮肉か・・・。

まあ、どうでもいいんですが。

銃の規制に熱心なオバマ大統領も、自らの銃は守りたいのだ。

安全を守るのは、リアルな世界では銃であり、バーチャルな世界では盗聴である。

国家の核心的利益を守るために、中国も、米国も、必死なのだ。

そんな中、我が国では、国民総背番号制が敷かれようとしている。

(国民総背番号制)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E6%B0%91%E7%B7%8F%E8%83%8C%E7%95%AA%E5%8F%B7%E5%88%B6

(危険? 便利? 「マイナンバー制度」の是非)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130524-00010000-wordleaf-pol

徴税や社会保障制度の効率化を図るため(脱税防止、年金不正受給や不支給の是正など)、国家が導入する「社会保障・税番号制度」のことである。

「管理社会」という言葉が死語になって久しいが(なぜなら、我が国では、それが空気のように当たり前になったから)、いよいよ、息が詰まる究極の管理が始まるのだ。

これは、核心的利益なのか。

統治の効率性、個人識別のバーチャル化の促進、そして、いつかは民間に開放され、社会全体の個人識別コストを軽減する(に、決まってるじゃん!)。

この番号がないと、買い物が出来ない(レジ、動かない)。電車にも乗れない(改札、通れない)。自分のクルマにも乗れない(ドア、開かない。エンジン、掛からない:83タルガは乗れるかも)。死んでも、埋葬できない(埋葬許可が出ない?)。

逆に、これさえあれば、我が国では大きな顔をしていられるわけだな(免許の減点も、バレバレですが・・・)。

企業や役所に、全ての行動を把握される。

もちろん、通話のメタ記録も、簡単に収集できるようになる。

米国のNSAの盗聴なんかよりも、マイナンバー制度の行く末の方が、余程不気味だ。

まあ、100年もすれば、こんなことがブログネタになったことが、笑い話になるんだろう。

「ツー、今、No.31415926535が笑った。記録。ツー、ガチャ!」・・・。