上質な走り ― 2013年06月24日 22:53
上質な走り
昨日、83タルガを3回目の整備に出すに当って、03ボクスターとの入れ替えを行った。
排気管のクレーム(?)の関係があるので、今回もプレステージさんへ。
今回の整備は、なんと、運転席側の鍵の修理。
ある日、鍵を開けて引っこ抜いたら、オヨヨ!、シリンダーごと抜けてしまった!。
まあ、こういうこともあるさ・・・(ふつー、ねえよ!)。
30年物のクルマだから、何が起こっても驚かないが、ちょっとビビった。
また、オドメーター(トリップメーター?)の調子が悪い。
全く動かないか、2kmほどで止まるか、フツーに動くか。
日替わりなのである。大した仕掛けではないので、交換しちまったほうがいいかもしれない。
他には、例の高速ブレーキングのハンドルの取られの調整(原因の究明と対策:要打ち合わせ)。
排気管のモレ(ポルシェセンターの指摘で、再検査。修理した箇所ならクレーム扱い)。
その他、1000km点検という感じか。
エンジンや、トランスミッション、クラッチなどの感触は極めて満足のいく状態。
アクセルも問題はない。
浮沈子的には、床まで踏み抜いても大したことはないので、あと3倍位踏めると有り難いんだが・・・。
そうそう、ヒールアンドトウが出来るように、アクセルペダルにゲタを履かせる話をするのを、すっかり忘れてしまった。
あとで、メールしておこう。
さて、入れ替えて、疎開先から手元に戻ったボクスターに乗ってみた。
昨日の今日なので、乗り比べになる。
うーん、ダイレクト感というか、操っている感じは83タルガに軍配だが、その他全ては03ボクスターの「圧勝」である。
両車の間の、20年の隔たりは、宇宙空間的距離感を持っていると浮沈子は断言する。
これは、好みの問題とか、味のレベルではない!。
自動車工学的な、明確な技術の差である。
素材、設計、組立精度、電子工学的技術(といっても、83タルガには、そもそもそんなものは、ない!)、どれを採っても、83タルガに勝ち目はない。
03ボクスターは、異次元の走りである。
最早、83タルガを比較の対象として語ることも憚られる、上質の走りだ。
そりゃ、最新の981ボクスターに比べれば、ボディ剛性や、スタビリティ、パワー、最高速、注目度、洒落た後姿、涙目ではないヘッドランプ、完全自動ロックのフタなしキャンバストップの開閉速度、その他、ドライバーを喜ばせる小ジャレた仕掛けの数々において、多少見劣りすることは確かだが、浮沈子に言わせれば、それは、好みの問題、味のレベルである。
せいぜい、東京から横浜程度の距離感で語れる。
宇宙空間に飛び出してしまうような、アットーテキ距離感ではない。
もう、十分以上の走りである。
今日も、夕暮れの第三京浜を、宵の明星となってキラめく。
3車線を縦横無尽に、右に左に車線変更しながら、150kmアベレージで駆け抜ける。
もちろん、オープン!。
ティプトロSなので、アクセルを踏み込んだときのツキの良さは、さすがにマニュアルの83タルガには及ばないが、そのスムーズな加速感、リニアなハンドリング、余裕の走り、華麗なる身のこなしは、紛れもなく21世紀のクルマである。
いつかは、こいつと別れる日が来る。
毎回、そう思ってハンドルを握る。
絶対的な速さでもなく、怒涛のパワーでもない。
そこそこのボディ剛性との絶妙なバランスを見せる、たった2700ccのNAエンジンのスムーズな吹け上がりを、耳と身体で堪能する。
10年前のクルマだ。
この10年間、ポルシェは、何をやってきたのだろう?。
この、五感に沁みるような、上質の走りの上に、何を付け加えて来たのだろう?。
カイエンを投入し、ケイマンを放ち、パナメーラをラインナップに加え、さらに、新車種を模索する。
しかし、そこに、83タルガと03ボクスターが見せる、異次元のワープ感はない。
瀟洒になり、パワフルになり、先進的にはなっても、本質的な飛躍は感じられない。
まあ、20年間と、10年間とを比較するのは公平ではなかろう。
あと10年経てば、03ボクスターと比較することすら憚られる上質な乗り味のポルシェが誕生しているかもしれない。
いや、きっと誕生している!。
保土ヶ谷のスタミナ丼を平らげ(今日は、ホウレン草が少なかったぞ、オヤジ!)、夕闇迫る上り車線を戻る。
多摩川の料金所を抜けると、そこは、ペースカー(今日は、軽のワンボックス)がいなくなったばかりのサルテ・サーキットになる!。
床も抜けよとばかりに踏み込むガスペダル!、7000回転を超えて、回転計の針がレッドゾーンに飛び込もうと駆け上がる!。
アドレナリンが駆け巡り、ボクサーシックスの鼓動が乗り移る。
わずか十数秒のカタルシス!。
絶対的な加速性能は、83タルガ(3164cc空冷)よりも高いことを再確認する。
ブレーキを踏み、きつい右コーナーを安全に曲がれるスピードまで十分に減速する。
そう、これがポルシェのブレーキ、エンジンの性能を極限まで引き出すことが出来る、速く走るために与えられたブレーキである。
絶対的な制動力はもちろん、どんな状況でも、どんなスピードでも、ドライバーの意に適う強さ、利き具合でタイヤを止めにかかる秀逸なデバイスである。
03ボクスターを買ったばかりの頃、このブレーキの利き味を堪能するために、ただ、そのためだけに加速した・・・。
浮沈子が求めるポルシェのブレーキは、これだ!。
いつもより、20km程高い速度で進入する右コーナー。
いともたやすく、余裕カマしてクリアするミッドシップポルシェのコーナーリングにシビレる。
いったい、このクルマにない、何を求めて83タルガに乗るのだろうか。
ヒューンという乾いた吸気音を立てる3.2リッターに換装したエンジンなのか、強烈なキックバックをお見舞いしてくるハンドルなのか、ファイナルオーバーステアになるという(なったことは、まだありませんが)、普段は「どアンダー」のサスなのか、使い手になると、そのシナリを利用して走ることが出来るという、ちょっとヤワイSCボディなのか・・・。
たぶん、どれも違うだろうし、どれも正しい。
ネガな要素の集積が、ネガな総体になるとは限らない。
そのネガな要素をクリアし、スムーズな走りをしたい、官能を引き出したいと思わせる何か、俺に乗ってくれ!と、強く語りかけてくる魔性の魅力が83タルガにはある。
986初代ボクスターは、万人が認める名車である。
ポルシェが作った傑作だ。
996以降の911や、ケイマンも、その系譜に連なる。
どれも、誰もが、いいクルマだというだろう(値段はともかく・・・)。
しかし、30年前の911には、噛めば噛むほど味が出る、本物のクルマの良さがある。
一見さん、お断り!。
乗り手を選ぶ、高ビーなクルマなのだ。
こいつから、上質な走りを引き出せるかどうかは、乗り手次第なのである(ま、とりあえず、ちゃんと整備しないと・・・)。
昨日、83タルガを3回目の整備に出すに当って、03ボクスターとの入れ替えを行った。
排気管のクレーム(?)の関係があるので、今回もプレステージさんへ。
今回の整備は、なんと、運転席側の鍵の修理。
ある日、鍵を開けて引っこ抜いたら、オヨヨ!、シリンダーごと抜けてしまった!。
まあ、こういうこともあるさ・・・(ふつー、ねえよ!)。
30年物のクルマだから、何が起こっても驚かないが、ちょっとビビった。
また、オドメーター(トリップメーター?)の調子が悪い。
全く動かないか、2kmほどで止まるか、フツーに動くか。
日替わりなのである。大した仕掛けではないので、交換しちまったほうがいいかもしれない。
他には、例の高速ブレーキングのハンドルの取られの調整(原因の究明と対策:要打ち合わせ)。
排気管のモレ(ポルシェセンターの指摘で、再検査。修理した箇所ならクレーム扱い)。
その他、1000km点検という感じか。
エンジンや、トランスミッション、クラッチなどの感触は極めて満足のいく状態。
アクセルも問題はない。
浮沈子的には、床まで踏み抜いても大したことはないので、あと3倍位踏めると有り難いんだが・・・。
そうそう、ヒールアンドトウが出来るように、アクセルペダルにゲタを履かせる話をするのを、すっかり忘れてしまった。
あとで、メールしておこう。
さて、入れ替えて、疎開先から手元に戻ったボクスターに乗ってみた。
昨日の今日なので、乗り比べになる。
うーん、ダイレクト感というか、操っている感じは83タルガに軍配だが、その他全ては03ボクスターの「圧勝」である。
両車の間の、20年の隔たりは、宇宙空間的距離感を持っていると浮沈子は断言する。
これは、好みの問題とか、味のレベルではない!。
自動車工学的な、明確な技術の差である。
素材、設計、組立精度、電子工学的技術(といっても、83タルガには、そもそもそんなものは、ない!)、どれを採っても、83タルガに勝ち目はない。
03ボクスターは、異次元の走りである。
最早、83タルガを比較の対象として語ることも憚られる、上質の走りだ。
そりゃ、最新の981ボクスターに比べれば、ボディ剛性や、スタビリティ、パワー、最高速、注目度、洒落た後姿、涙目ではないヘッドランプ、完全自動ロックのフタなしキャンバストップの開閉速度、その他、ドライバーを喜ばせる小ジャレた仕掛けの数々において、多少見劣りすることは確かだが、浮沈子に言わせれば、それは、好みの問題、味のレベルである。
せいぜい、東京から横浜程度の距離感で語れる。
宇宙空間に飛び出してしまうような、アットーテキ距離感ではない。
もう、十分以上の走りである。
今日も、夕暮れの第三京浜を、宵の明星となってキラめく。
3車線を縦横無尽に、右に左に車線変更しながら、150kmアベレージで駆け抜ける。
もちろん、オープン!。
ティプトロSなので、アクセルを踏み込んだときのツキの良さは、さすがにマニュアルの83タルガには及ばないが、そのスムーズな加速感、リニアなハンドリング、余裕の走り、華麗なる身のこなしは、紛れもなく21世紀のクルマである。
いつかは、こいつと別れる日が来る。
毎回、そう思ってハンドルを握る。
絶対的な速さでもなく、怒涛のパワーでもない。
そこそこのボディ剛性との絶妙なバランスを見せる、たった2700ccのNAエンジンのスムーズな吹け上がりを、耳と身体で堪能する。
10年前のクルマだ。
この10年間、ポルシェは、何をやってきたのだろう?。
この、五感に沁みるような、上質の走りの上に、何を付け加えて来たのだろう?。
カイエンを投入し、ケイマンを放ち、パナメーラをラインナップに加え、さらに、新車種を模索する。
しかし、そこに、83タルガと03ボクスターが見せる、異次元のワープ感はない。
瀟洒になり、パワフルになり、先進的にはなっても、本質的な飛躍は感じられない。
まあ、20年間と、10年間とを比較するのは公平ではなかろう。
あと10年経てば、03ボクスターと比較することすら憚られる上質な乗り味のポルシェが誕生しているかもしれない。
いや、きっと誕生している!。
保土ヶ谷のスタミナ丼を平らげ(今日は、ホウレン草が少なかったぞ、オヤジ!)、夕闇迫る上り車線を戻る。
多摩川の料金所を抜けると、そこは、ペースカー(今日は、軽のワンボックス)がいなくなったばかりのサルテ・サーキットになる!。
床も抜けよとばかりに踏み込むガスペダル!、7000回転を超えて、回転計の針がレッドゾーンに飛び込もうと駆け上がる!。
アドレナリンが駆け巡り、ボクサーシックスの鼓動が乗り移る。
わずか十数秒のカタルシス!。
絶対的な加速性能は、83タルガ(3164cc空冷)よりも高いことを再確認する。
ブレーキを踏み、きつい右コーナーを安全に曲がれるスピードまで十分に減速する。
そう、これがポルシェのブレーキ、エンジンの性能を極限まで引き出すことが出来る、速く走るために与えられたブレーキである。
絶対的な制動力はもちろん、どんな状況でも、どんなスピードでも、ドライバーの意に適う強さ、利き具合でタイヤを止めにかかる秀逸なデバイスである。
03ボクスターを買ったばかりの頃、このブレーキの利き味を堪能するために、ただ、そのためだけに加速した・・・。
浮沈子が求めるポルシェのブレーキは、これだ!。
いつもより、20km程高い速度で進入する右コーナー。
いともたやすく、余裕カマしてクリアするミッドシップポルシェのコーナーリングにシビレる。
いったい、このクルマにない、何を求めて83タルガに乗るのだろうか。
ヒューンという乾いた吸気音を立てる3.2リッターに換装したエンジンなのか、強烈なキックバックをお見舞いしてくるハンドルなのか、ファイナルオーバーステアになるという(なったことは、まだありませんが)、普段は「どアンダー」のサスなのか、使い手になると、そのシナリを利用して走ることが出来るという、ちょっとヤワイSCボディなのか・・・。
たぶん、どれも違うだろうし、どれも正しい。
ネガな要素の集積が、ネガな総体になるとは限らない。
そのネガな要素をクリアし、スムーズな走りをしたい、官能を引き出したいと思わせる何か、俺に乗ってくれ!と、強く語りかけてくる魔性の魅力が83タルガにはある。
986初代ボクスターは、万人が認める名車である。
ポルシェが作った傑作だ。
996以降の911や、ケイマンも、その系譜に連なる。
どれも、誰もが、いいクルマだというだろう(値段はともかく・・・)。
しかし、30年前の911には、噛めば噛むほど味が出る、本物のクルマの良さがある。
一見さん、お断り!。
乗り手を選ぶ、高ビーなクルマなのだ。
こいつから、上質な走りを引き出せるかどうかは、乗り手次第なのである(ま、とりあえず、ちゃんと整備しないと・・・)。
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