無駄飯食い2013年08月23日 23:04

無駄飯食い
無駄飯食い


「やはらかに柳あをめる
北上の岸辺目に見ゆ
泣けごとくに」

「柔らかに柳の新芽が青々と色づいている、北上川の岸辺が目に浮かんでくる。まるで泣けとでもいうかのように。」

「石川啄木が、故郷を思い出して歌った短歌です。」

(北上川)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E4%B8%8A%E5%B7%9D

いまや、世界遺産になった、奥州平泉。

その義経を祭っている高館義経堂(たかだちぎけいどう)の裏手に、悠々と流れる北上川の雄姿を眺めて感動したのは、数年前のことになる。

この義経堂に上がる階段が、急なんだなこれが。

まあ、暇な人は、点在する平泉の名所を巡られるとよろしい。

(平泉)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B3%E6%B3%89

浮沈子は、毛越寺(もうつうじ)の宿坊(ユースホステルになっている)に泊まったのだが、2段ベッドの上のヤツが、おおいびきかきやがって、うるさくてかなわなかった・・・。

まあ、どうでもいいんですが。

この、お寺の庭(境内)は、一見の価値がある。

お泊りすると、朝のお勤めに出なければならないようなので(強制はされませんが)、お参りするだけでも心が洗われるような緑の境内を、できれば朝早く散策したい。

宿坊に安い値段で宿泊して、朝飯を食うと、さっさと散歩に出てしまった浮沈子には、きっと天罰が下るであろう・・・。

まあいい。

中尊寺の金色堂なんぞは、観光地ズレして期待以下に終わることは間違いないが、毛越寺(の庭)は、期待以上であった。

その平泉を掠めるように流れる北上川は、北上高地ともいわれる北上山地に発している。

(北上山地)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E4%B8%8A%E5%B1%B1%E5%9C%B0

「北上山地は新生代を通じて陸地であったため長く浸食にさらされ。加えて最終氷期に周氷河作用によって斜面がなさられた結果、今あるようななだらかな地形ができあがった。」とある。

地図を見るとわかるが、まあ山地というか、高原というか。

この地域は、昔は赤道直下にあったらしく、アンモナイトの化石が、様々な年代に渡って発見されている。

付加体が多いのだ。

(日本列島最古の化石海洋プレート -早池峰帯の古生代付加体)
http://strati.sci.hokudai.ac.jp/topics/hayachine_ud/hayachine_ud.htm

(北上山地のアンモナイト -繁栄から絶滅まで-)
http://www.museum.tohoku.ac.jp/past_kikaku/ammonoidea/kitakami/

大変な惨事となった東日本大震災だが、地質学的時間でみれば、ごく日常の出来事、つまり、付加体を運んでくる太平洋プレートの沈み込みによる振動に過ぎない。

千年に一度、こうして動いた海洋底が少しずつ運んできた海山のてっぺんなどが、大陸辺縁に形成された島弧に粘土細工のようにぺたぺたとくっ付いてできたのが北上山地というわけである(はしょりすぎかあ?)。

この只中には、ダイバーにとって気になる洞窟もある。

(龍泉洞)
http://www.town.iwaizumi.iwate.jp/~ryusendo/index.php?option=com_content&view=article&id=4&Itemid=32

120mの深度、バツグンの透明度を誇る第4地底湖。

今に、きっと潜ってやっからな!(その、「今」が、なかなか来ないんだが)。

龍泉洞を唯一の観光資源にしている岩泉町が、酸素日本一を謳っているとは、知らなかったな。

柳田國男の「遠野物語」で有名な遠野も、北上山地にある。

この、何の変哲もない、北上山地が、今、話題沸騰である。

(ILC候補地「北上山地が最適」と正式発表)
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20130823-OYS1T00612.htm

そんなに安定した地盤なら、核廃棄物を格納するトンネルでも掘った方が、お国のためになると思うんだが・・・。

それにしても、ILCって、何なんだ?。

ILOなら国際労働機関、PLCなら電力線搬送通信だが、ILCなんて、聞いたこともない。

(国際リニアコライダー)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E3%83%AA%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%82%B3%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%80%E3%83%BC

ちっこい素粒子の束(ビームバンチとかいうんだそうだ)をバシバシと高速でぶつけて、あんなんなったり、こんなんなったりした素粒子の航跡を、ああでもない、こうでもないと分析し、なんだかんだと議論した挙句、やっぱり、もっと大きい実験装置を作らないと、何がなんだか分からないという結論(?)になることだけは分かりきっている大型線形加速器のことらしい(うーん、我ながら、的確な説明だな)。

「TeVクラスの重心系エネルギーを実現するためには、30kmを超える直線トンネルが必要となる。」とあるが、このくらいのトンネルを掘りぬくくらいは、我が国の優秀な土木技術を持ってすれば、朝飯前である。

「国際リニアコライダーは、2004年8月に" 国際技術勧告委員会(International Technology Recommendation Panel (ITRP))" が加速器の基本技術を一本化する勧告を行ったのを受け、これらの構想が世界で一つの計画、"International Linear Collider" (ILC) に統合されたものである。」とあるように、紆余曲折を経て一本化された悲願の計画、伝家の宝刀、最後の晩餐(もはや、意味不明)である。

「第一期計画完成時に国際リニアコライダー加速器施設の主体をなすのは、相対するそれぞれ11.3kmの直線状の二本の主線形加速器(Main Linacs)である。」

「これに延長約4.5kmの最終収束部(Beam Delivery Systems)、同じく約2.6kmのビームバンチ圧縮部(Bunch Compressors)、ビームエミッタンス減衰リング(Damping Rings)などを加えて、加速器施設で必要な立地は総延長約31kmの細長いものである。」

いままで、山手線のようなリング状の加速器だったのが、もともと直進しかしないものを無理矢理曲げるために生じるエネルギーロスを押さえるために、直線加速に賭けることにしたわけだな(自動車だって、コーナーなんか、早いとこ脱出して、ストレートでぶっちぎりたいって気持ちは、何となく分かる)。

「加速器施設全体の所要電力は約240MWに上ると見積もられる。」

いや、どれだけの電力量になるのか、比較の対象が見当たらない。

(「キロワット」「メガワット」などワットの単位がわかりません)
http://taiyoseikatsu.com/faq/faq088.html

「400万キロワットは4000メガワット」とあるので、240メガワットは、24万キロワットとなる。

大型原発の発電量は、100万キロワット級が多いので、それらには及ばないが、東北電力が泣いて喜ぶ大口需要家の登場である(まだ、作ると決まったわけじゃあない)。

一体全体、何の役に立つのか。

物理の真理を解き明かすと、ワープ航法で、アンドロメダ星雲までひとっ飛びで行けるようになるのか。

タイムワープして、永遠の命を授かることが出来るのか。

ほんとは、リニア実験線のトンネルを掘りたいだけなんじゃないのかあ?(どきっ!)。

まあいい。

「無駄飯食いとはなんの役にも立たない人や日々を無駄に過ごしている人のことで、無駄飯食らい(むだめしぐらい)ともいう。また、ここから報酬に見合あうだけの働きをしない人、組織の中で居なくても特に問題ないような人のことも無駄飯食いという。前者は毎日何をするわけでもなく、ダラダラと過ごす息子がこれにあたり、後者は主に政治家への皮肉や、悪い成績が続くプロ野球選手への野次に聞くことが出来る。ただし、非常に語感の荒い言葉なので、会社の部下など、身近な他人への使用は避けたほうがよい。」

(無駄飯食い)
http://zokugo-dict.com/33mu/mudamesikui.htm

「組織の中で居なくても特に問題ないような人」(どきっ!)。

人類は、戦争とか、巨大開発とか、とにかく自然の摂理に逆らうことが大好きで、何かにつけては規模が大きいことを誇る傾向がある。

戦艦大和、石油タンカー、ユーロトンネル、サターンロケット、ドバイタワー・・・。

そんでもって、ILCだと!。

新生代の期間中は、概ね安定していたとはいえ、元々付加体から構成されているということは、海洋底プレートの沈み込み帯にあるってことだし、1000年経てば、また大規模地震と津波が来ることは分かっているし、安定陸塊であるヨーロッパとかに作るのが人類のためってもんじゃあないのか。

(クラトン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%88%E3%83%B3

地元の地域振興のためなら、純粋科学も利用する、ご当地主義。

何か、西洋の文化であるオリンピックに綾かって、一儲けしようというどこかの国の首都(今回は、最終選考で残った3つの都市が、全部首都だったりする)と、重なって見える。

日本みたいに不安定な島弧に、数十km単位の大規模な構造体を設置するというのは、誰がどう考えても不適当だ。

青函トンネルを掘るのとは、訳が違う。

ミクロンオーダーの精度が要求される、超精密機械が置かれるのである。

「現在の計画では建設費だけで8300億円、土地買収費や測定器製造費、人件費を含めると総額1兆270億円と試算される。」とあるのは、このページ。

(東北・北上山地が候補=次世代加速器で物理学者ら―巨額建設費、文科省が判断へ)
http://news.toremaga.com/nation/nnews/511109.html

ITER(イーター)をフランスに取られた日本としては、ここで一矢報いたいところだが、産業界がうんと言わないのだろう。

(ITER)
http://ja.wikipedia.org/wiki/ITER

未来の発電システムと、科学者のオモチャの違いである。

最終的に決める政治家にしても、国際社会で見得を張れる以上の効果は期待していないに違いない。

前回の誘致失敗で、全額支払ってもらえない電通に、大儲けさせるために誘致する(?)オリンピックに比べれば、リニア実験線のトンネルに転用できる(どきっ!)ILCの方が、まだ救いがあるような気もするが・・・。

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