グローマー拒否2013年11月16日 02:48

グローマー拒否
グローマー拒否


「何が秘密?、それは秘密!」

(「何が秘密?それは秘密?」 秘密保護法案反対標語を考える (東京新聞):の抜粋?)
http://asumaken.blog41.fc2.com/blog-entry-10086.html

なかなか、傑作なキャッチなのだが、情報公開については、「存在応答拒否」という対応が存在することは、関係者にはよく知られている。

(グローマー拒否)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%BC%E6%8B%92%E5%90%A6

浮沈子は、法律関係には詳しくないので、こういう呼び方があるということは、ツワネ原則について、国会図書館のレポートを読んだ時に知った。

米国では、よく、議員の名前とか、当事者の名前が法律の呼び名として使われることがあるようだが、この「グローマー」の由来も、個人ではないが固有名詞である。

(プロジェクト・ジェニファー)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%8B%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC

「プロジェクト・ジェニファー (Project Jennifer) とはアメリカ合衆国中央情報局(CIA)が特殊サルベージ船グローマーエクスプローラーを用いて、1974年に太平洋に沈没したソビエト連邦のゴルフ級潜水艦K-129を極秘裏に引き上げた際に用いられたコードネームである。」

正式には、USNS Glomar Explorer (T-AG-193)といったらしい(通称は、Hughes Glomar Explorer)。

(GSF Explorer:英語:ちなみに、この船名は現在のもの)
http://en.wikipedia.org/wiki/Hughes_Glomar_Explorer

(The Historic Naval Ships Association:The Glomar Explorer:当時の記事が豊富です!)
http://hnsa.org/doc/glomarexplorer/

日本語の記事を読むと、冷戦の最中、当時世界に例のない(たぶん、今でもないだろう)、5000メートルからの原子力潜水艦のサルベージという、前代未聞、古今未曾有の一大プロジェクトが行われたのである。

それも、極秘裏に・・・。

浮沈子の興味は、国家機密保護法案がどうのこうのというよりも、1974年という今から40年も前に、こんな大それたことをやってのけた米国のテクノロジーの凄まじさに、ゾクゾクした(まあ、月に行ってましたからね)。

ちなみに、同年の大統領令において、グローマー拒否(存在応答拒否)が明文化されたようだ。

(諸外国における国家秘密の指定と解除:P.5「3 情報の開示との関係」参照)
http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_8331133_po_0806.pdf?contentNo=1

そんでもって、これって、たぶん、ソ連の潜水艦を、(当時)敵国の米国がネコババしちゃうっていう話なので、当然、落し物を拾った時は、持ち主に返しましょう!、ということにはならないわけで、たぶん、今でも、米国に保管されているんだろうな。

タイタニック号は、大西洋の約4000mの海底に沈んでいる。

それよりも、深いところにあったわけだ。

見つけたこともすごいと思うが、それを引き上げようというのは、とんでもなくスゴイ話だ。

この話は、最近本になった。

(Project Azorian: The CIA and the Raising of the K-129)
http://www.amazon.co.jp/Project-Azorian-The-Raising-K-129/dp/1591146682

内容説明には、CIAの抵抗にも拘らず、2010年に情報開示が行われたとある。

さて、ロシアは、返してくれって言うんだろうか?。

もう、廃棄物だから、いらないってことなのかも。

この本については、こんな紹介ページもある。

(Noted naval historian Norman Polmar co-authors definitive book on the raising of the K-129)
http://www.examiner.com/article/noted-naval-historian-norman-polmar-co-authors-definitive-book-on-the-raising-of-the-k-129

だれか、映画に仕立ててくれないかなあ!。

共著者のマイケル・ホワイトは、映画プロデューサーとあるので、映画化の期待が高まる!。

なんか、DVDにはなっているようだ(テレビ映画になったらしい)。

このページから、予告編などを見ることが出来る。

(Azorian The Raising of the K-129)
http://www.projectjennifer.at/

プロジェクト名の違いについては、日本語のウィキにも解説があった。

「この名称は、プロジェクトを担当した CIA の部署名からマスコミが名付けたものだが、政府内ではプロジェクト・アゾリアン(Project Azorian、アゾレス諸島プロジェクト)と呼ばれた」

ユーチューブには、細切れのビデオがいくつか出ていて、フルセットを見ることは無料では出来ないのだが、ロシア語に堪能な方には嬉しいページを見つけた。

(Азорские острова: поднятие К-129 / Azorian: The Raising of the K-129 - Фильм 1/2:)
http://kiwi.kz/watch/vkt27zyt2mn9/

(Азорские острова: поднятие К-129 / Azorian: The Raising of the K-129 - Фильм 2/2)
http://kiwi.kz/watch/4ovcobqxkume/

どうせ、英語のヒアリングなんて大して出来ないのだから、ロシア語でも同じようなものである。

映像を観ているだけでも、如何にとてつもないプロジェクトであったことが分かる(トランスポンダーとスラスターを使った、船位保持システムも出てくる)。

しかし、米国(ネコババされた当の相手)のテレビ映画を、ロシアが翻訳してインターネットで世界中に発信するなんてことは、1974年には想像も出来ないことであったに違いない。

著作権とか、大丈夫なんだろうか?。

まあいい。

プロジェクト・アゾリアン(ジェニファー)については、英語版のウィキが詳しい。

(Project Azorian)
http://en.wikipedia.org/wiki/Project_Azorian

ハワード・ヒューズの映像も出てくる。

(ハワード・ヒューズ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%92%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BA

我が国には、「ちきゅう」という、地球深部探査用の船舶がある。

(「ちきゅう」)
http://www.jamstec.go.jp/chikyu/jp/CHIKYU/

どっかの国の潜水艦が沈没して、引き上げなければならないときは、こいつに鍵爪の仕掛けを付けて、引き上げればいいんだろうが、そん時は、国家機密になるんだろうか?。

そんでもって、時の政権は、「その情報があるとも、ないともお答えできません」とかいって、それ以後は、存在応答拒否のことを「ちきゅう拒否」ということになるんだろうか?。

まあ、どうでもいいんですが。

国家機密の開示に対して、その名を残したグローマーエクスプローラーは、トランスオーシャンという会社の船(船名はGSF Explorer)として、現在も存在している。

(GSF Explorer)
http://www.deepwater.com/fw/main/GSF-Explorer-147C14.html?LayoutID=17

掘削能力は、3万フィート(9.144 キロメートル)とされている。

政府が、「その情報があるとも、ないともお答えできません」と回答し続ける限り、我々は、この船の建造時の「船名」を、「鮮明」に思い出すのだ(なんちゃって!)。

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