文民統制2013年11月28日 21:34

文民統制
文民統制


スタートレックという、テレビとか映画のシリーズものがある。

(スタートレック)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%AF

このSFシリーズの中に、文民統制について考えさせられるシーンがあった。

カーク船長が、外交官に任せていては、相手との交渉の中で、味方の権益が妥協の産物になってしまうので、戦闘でケリをつけようと主張する。

そう、彼は、軍人なのだ。

(ジェームズ・T・カーク)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%BA%E3%83%BBT%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%82%AF

「地球人男性で身長は177センチ。瞳の色は薄茶~褐色を帯びた緑。宇宙艦隊識別番号は「SC 937-OI76 CEC」。TOSでの階級は宇宙海軍大佐」とある。

まあ、この後、出世したり、降格させられたりと忙しいのだが、エンタープライズ大好き人間で、ひょっとしたら、彼こそが、最高のトレッキーかもしれない。

外交官として登場していたのは、確か、スポックのオヤジだったような記憶がある。

軍人は、命を掛けて戦い、勝利を目指すが、少なくともスタートレックの世界では、外交官は、せっかく獲得した勝利を、相手にくれてやってしまう軟弱で狡猾な役柄として描かれている。

実際の外交官は、国家を代表し、国益を賭けて、相手国との外交ゲームという戦争を戦う戦士なのだが、まあ、部外者には分かりづらい。

特に、スタートレックというのは、西部開拓の歴史を宇宙でなぞるという、米国人好みの、単細胞的、分かりやすさ重視の設定なので仕方ない。

非常に単純なので、喩えに出したまでで、浮沈子はトレッキーではないので、悪しからず。

陸幕の別班が、文民統制を受けずに、軍の指揮下で対外諜報活動を、しかも、外地で行っていた(いる?)という報道があった件については、様々な意見がネット上に上がっている。

もちろん、この中には、自国や外国の諜報組織からのカキコもあるかもしれない。

浮沈子の名を騙り、投稿している輩がいるかもしれない(浮沈子は、この手の板にカキコすることはありません)。

中には、このことを報道すること自体がケシカランという意見もあった。

文民統制されず、軍人自身が軍隊の行動を決めていいということなのだろうか(戦闘行為中の部分的裁量権ではない)。

米国でも北朝鮮でも、どんな国家の軍隊でも、軍人は、ある意味で、最も平和を望んでいる人々だといってもいい。

彼らは、戦争に行けば、死ぬ運命に晒されるのだ(最近の無人機の操縦者とか、大陸間弾道弾のスイッチ押すだけの人は別ですが)。

それでも、困難で複雑な世界情勢の中で、実力を行使して問題を解決したいと、心から願う人がいたとしても不思議ではない。

彼だって、きっと、できれば戦争は避けたいと願っているに違いないのだ。

しかし、守るべきものがそこにあり、自らの意思で守ることが出来ると思えば、そして、守るための手段を持っていると思えば、行動に出ることを留めることはできない。

(文民統制:米国)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%87%E6%B0%91%E7%B5%B1%E5%88%B6#.E7.B1.B3.E5.9B.BD

「ベトナム戦争において現地の総司令官ウェストモーランドは「政治がガイダンスを示さないために軍人が政治に介入せざるを得なかった」として国家戦略の不在のために軍事作戦の目的が曖昧化していたと述べており、また当時のアメリカ第7空軍司令官は政府の指令を30回も破っていたことに示されるように、常に文民統制が効率的に機能していたわけではない。」

文民統制が、歴史的に機能しているといわれる米国でさえ、軍人が政治的な判断を行う場合はあるのだ(ホントは、いけないんですが)。

しかし、文民統制だから平和が保たれるなどという幻想は捨てた方がいい。

「第二次世界大戦時は、ドイツ国防軍は文民統制に従い、国民によって選ばれた文民であるヒトラー総統の統制下で戦うことを余儀なくされた。ドイツ国防軍の軍人達はヒトラー暗殺未遂事件を引き起こすなど文民統制に叛くことがしばしばあった。また、イタリア軍は文民統制に従い国民によって選ばれた文民であるベニート・ムッソリーニ首相の統制下で戦った。」

わが国は、歴史的には、天皇に統帥権があるという憲法を有していたことから、いささか複雑な経緯を辿っているが、もちろん、現在は内閣総理大臣(文民)が、最高指揮官(指揮監督権を有する)となっている。

浮沈子は、自衛隊や他国の軍隊については、CCRやポルシェに関することよりも、遥かに疎いが、それでも、たとえ、戦争になることがあるとしても、軍人の始めた戦争で死ぬよりは、選挙で選んだ政権の始めた戦争で死ぬ方がマシだと思っている(もちろん、戦争ないのが一番です!)。

自動運転の自動車事故で死ぬのと、自分の手動運転で死ぬのの違いのようなもんか(事故のないように、安全に運転しましょう!)。

人類は、長い歴史の中で、このしょうもない民主主義という妥協の産物を発明した。

戦争の方法や兵器の発達で、専門的に軍事力を扱う軍隊が政治から分離されていくのは、近代になってからだ。

(カール・フォン・クラウゼヴィッツ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%82%BC%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%83%E3%83%84

(戦争論)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%88%A6%E4%BA%89%E8%AB%96

「戦争についての記述はこの著作の最も注目すべき箇所であり、定義・本質・性質・現象など戦争に関する幅広い事項が議論されている。「戦争とは他の手段をもってする政治の継続である」という記述はこの著作の戦争観を端的に表したものの一つである。クラウゼヴィッツにとって戦争とは政治的行為の連続体であり、この政治との関係によって戦争はその大きさや激しさが左右される。」

「この研究は国民国家が成立する近代において、戦争の形態がそれまでの戦争とは異なる総力戦の形態への移行期に進められたものである。そのため本書の叙述では、同時代的な軍事問題についての叙述を多く含むものでもある。近年の研究において重要視されるのは戦争の本質や政治との関係を論じた第一編「戦争の本性について」とより明確に戦争と政治との関係を取り上げた第八編「戦争計画」であり、戦争の本質についての分析は現在でも高く評価されている。」

まあ、クラウゼヴィッツは、文民優位のポリティカルコントロールというよりは、政軍一致の国家体制を理想としていたようだな。

王様に仕えていた軍人さんだから、そこは限界があったのだろう。

今となっては、歴史の一部かもしれない。

朝鮮民主主義人民共和国に於いては、先軍政治という、怪しげなイデオロギーがまかり通っているらしい。

(先軍政治)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%88%E8%BB%8D%E6%94%BF%E6%B2%BB

いずれにしても、我が国は、軍事組織としての自衛隊を、文民である政治家がコントロールする政軍関係にあるポリティカルコントロールの意味での文民統制(政治統制)の国家である。

「三島由紀夫は『檄』において、自衛官らに対し、「諸官は任務を与へられなければ何もできぬといふ。しかし諸官に与へられる任務は、悲しいかな、最終的には日本からは来ないのだ。シヴィリアン・コントロールが民主的軍隊の本姿である、といふ。しかし英米のシヴィリアン・コントロールは、軍政に関する財政上のコントロールである。日本のやうに人事権まで奪はれて去勢され、変節常なき政治家に操られ、党利党略に利用されることではない」と述べている。」

そうじゃないんだよ、三島君!。

「自衛隊を名誉ある国軍とするためには、もはや議会制度下ではむずかしく・・・」といっているが、40数年を経て、もう間もなく、憲法改正も、国防軍の設立も行われようとしているんだから。

「変節常なき政治家に操られ、党利党略に利用されること」に違いはないんだが・・・。

三島事件は、今でも自衛隊にとって汚点であり、アンタッチャブルになっているらしい。

それは、軍事クーデターのアジテーションを自衛隊内で許したからであり(ハラキリまでやっちゃったし!)、文民統制という、近代民主国家における軍隊の基本を汚したからでもある。

国民を愛し、国民に愛される軍隊でなくて、どうやって国民を守るっていうんだあ?。

まあいい。

(防衛相、陸自「別班」再確認する 陸幕長は消極的)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/506986.html

「小野寺五典防衛相は28日の参院国家安全保障特別委員会で、陸上自衛隊の秘密情報部隊「別班」が独断で海外での情報活動をしていたとの報道に関し「再度しっかり確認していきたい」と述べた。一方、岩田清文陸上幕僚長は調査に消極的で食い違いを見せた。」

「岩田陸幕長は28日夕の記者会見で「報道にあったような組織は過去も現在も存在しない」と発言。別班をめぐる調査には「部下から(別班が)存在しないと確認でき、大臣にも報告した。歴代の担当には聞いていない」と話した。」

(文民統制:西日本新聞)
http://www.nishinippon.co.jp/wordbox/word/5418/10081

「軍事に対し政治が優越するという民主主義国家の大原則で、シビリアンコントロールの訳語。旧憲法下で「天皇の統帥権」を盾に軍部が暴走した結果、第2次世界大戦の惨禍をもたらした反省から、自衛隊を国民の意思で整備、運用する制度。憲法66条2項は「内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない」と規定している。国の防衛に関する事務は内閣の行政権に属し、首相が内閣を代表して自衛隊に対する最高指揮権を持ち、防衛相が隊務を統括する。(2013年11月28日掲載)」

やっぱ、これが一番分かりやすい。

スタートレックよりは、はるかにマシだな。

それにしても、全国紙が一斉に沈黙しているのは、不気味だ。

主要6紙(毎、朝、読、日経、産経、東京)は、何も出していない。

地方紙も、共同通信からの配信だけで、独自取材はない。

これって、ひょっとして、報道規制ってヤツかあ?(共同は、いつまで存続できるんだあ?)。

まあ、どうでもいいんですが。

実は、浮沈子の心配は、ロシアとか、中国とか、韓国とか、ポーランドとか、その辺なら、まだいいんだが(よかあないですが)、陸幕は米国にスパイを送り込んでるんじゃないかって・・・。

そっちの方が、よっぽど影響があるんじゃないかと・・・。

これが当りだったとしたら、絶対に報道規制かかるだろうって・・・。

マサカね・・・。

(マキャべリ、チャーチル、キッシンジャー【地政学名言集】)
http://ilovetoritani.seesaa.net/article/159366606.html

「国家に真の友人はいない」(ヘンリー・アルフレッド・キッシンジャー:1973年ノーベル平和賞受賞者:ベトナム戦争の和平交渉)。

「我が国以外は全て仮想敵国である」(サー・ウィンストン・レナード・スペンサー=チャーチル)。

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