カイゼン2014年02月27日 00:03

カイゼン
カイゼン


H2Aロケットは、我が国が(三菱が?)世界に誇る打ち上げシステムの中核である。

(H-IIAロケット)
http://ja.wikipedia.org/wiki/H-IIA%E3%83%AD%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88

いろいろ問題を抱えていたH2ロケットを改善し、世界市場でなんとか太刀打ちできるロケットとして、開発された。

現状においても改善を続け、さらなる高度化を目指している。

(H-ⅡAロケットの継続的な改良への取組み状況について)
http://www.jaxa.jp/press/2012/01/20120125_sac_h2a_j.pdf

商業衛星を打ち上げて、金儲けしたいところだが、ちょうどいい衛星を打ち上げるチャンスがなかった。

(テレサット社(本社カナダ)の通信放送衛星打上げ輸送サービスを受注 商業衛星の打上げ受注は初めて)
http://www.mhi.co.jp/news/story/1309265425.html

「今回のロケットは、独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)において開発を進めているH-IIAロケット第2段機体を改良する高度化開発の成果を活用するもので、衛星をより静止軌道に近い軌道に投入することが可能となります。今回は、その初号機となります。」

「今回TELSTAR 12Vの打上げを三菱重工に発注するのは、他の打上げ事業者との広範囲な比較検討の結果です。具体的には、三菱重工が提供するサービスが、技術・運用面での経験、打上げスケジュールの柔軟性、ロケットの性能、取引条件等のテレサット社の選定基準において、他の打上げ事業者より優れていました。テレサット社は、今回の三菱重工との協働が我々にとって新たな一歩を刻むものであると確信しています。 テレサット社と三菱重工の協働関係が成功し、我々の最新の衛星が計画通り打ち上がることを楽しみにしています。」

なんか、怪しい感じもするが、うまく上がるといいな。

絶対的な性能や、価格だけでは、太刀打ちできないので、細かいところを寄せ集めて勝負しようというところだ。

「衛星需要へのマッチング
a. 大型化・長寿命化が進む静止衛星需要への対応
b. 衛星分離時の衝撃低減
c. 高度の異なる地球周回軌道への2機相乗り
打上げへの対応 」

しかし、改良を施したH2A204であっても、静止軌道に5トンの衛星を上げる能力はない。

(H2A204型の開発と初号機打上げ成功)
https://www.mhi.co.jp/technology/review/pdf/441/441046.pdf

この資料には、6トンまでいけると書いてあるのだが・・・。

まあいい。

初号機は、技術試験衛星「きく8号」を打ち上げたが、重量は5.8t(打ち上げ時)であった(静止軌道到達時、2.8トン)。

(きく8号)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8D%E3%81%8F8%E5%8F%B7

低雑音増幅器(LNA)の異常、イオンエンジン異常と、トラブルを抱えながらの運用になった。

これらのトラブルと、H2A204ブロックの関係についての記述はない(だろうな・・・)。

2015年打ち上げのTelstar 12Vの質量は、5トン程度と見積もられている。

(Telstar 12V (Telstar 12 Vantage))
http://space.skyrocket.de/doc_sdat/telstar-12v.htm

「Nation: USA
Type / Application: Communication
Operator: Telesat
Contractors: EADS Astrium → Airbus Defence and Space
Equipment: 52 Ku-band transponders
Configuration: Eurostar-3000
Propulsion: ?
Power: 2 deployable solar arrays, batteries
Lifetime: 15 years
Mass: ~5000 kg
Orbit: GEO」

改良されたH2Aのお披露目になるわけだ。

さらに、衛星分離の際の衝撃緩和によるメリットも強調されているが、それは単純に、ようやく世界レベルの水準に達したということに他ならない。

さて、来年後半の初の純民間衛星打ち上げの前に、全球降水観測計画主衛星(GPM)の打ち上げが、今月末(もう、明後日)に迫っている。

この衛星については、このブログでも既に書いた。

(地球アメッシュ)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2013/12/06/7094823

打ち上げロケットのブラッシュアップはこれからなので、枯れた技術での打ち上げになる。

H2Aは、1年以上、打ち上げがなかった。

イプシロンのような、既存技術を組み合わせて、開発リスクを減らし、思い切った運用方法の採用によってコストを削減する方法ではなく、少しずつ改善を加えて、地道にギャップを詰めていくという、日本式カイゼンの見本のようなアプローチである。

打ち上げ技術の基盤を確立するという意味では、失敗が許されないプレッシャーもあるし、着実な前進がなければ、世界市場で取り残されたままになる。

スペースXに比べたら、まだまだ高い(ファルコン9は、50億円台)。

しかも、来月行われる1段目の回収実験が成功すれば、再び大きく突き放されることになる。

技術の継承というだけで、飛ばし続ける意味があるのか。

日本は、打ち上げ技術を断念して、より付加価値が高い衛星製造ビジネスに特化した方がいいのではないか。

ISSの運用から、徐々に撤退する方向も検討されようとしている。

宇宙を舞台に国威発揚する時代は、既に過去のものだ。

ビジネスに勝ち続けるためには、我が国独自の立ち位置を明確にしなければならない。

何でも自前で揃えていかなければいけないということはない。

コアな技術を提供して、相応の見返りを得るということでいいのではないか。

それは、有人宇宙飛行でもなければ、ローンチ技術でもないだろう。

ロボットとか、リモートセンシングとか、我が国にとって、他の分野との関連が深く、裾野も広い分野があるはずだ。

三菱とか、石播とか、川重とか、いつも出てくる軍需産業ではなく、もっと相乗効果を見込める分野で勝負すべきだ。

宇宙産業は、軍需に近い。

情勢の変化で、予算が削減されれば、産業基盤自体が崩壊する。

そして、コストはきわめて高くつく。

カイゼンの効果が現れるのは、10年くらいの時間もかかる。

それでうまくいくとしての話で、失敗するリスクだって、低くはないだろう。

世界の宇宙関連予算の伸びは頭打ちだ。

(世界の宇宙予算20年ぶり縮小)
http://response.jp/article/2014/02/18/217440.html

火中の栗を拾ってみたら、中は空っぽだったという話だって、ないわけじゃあない。

「現在は厳しい予算縮小に直面している国も、今後は宇宙関係の支出が回復してくるものと予想しています」

そうあって欲しいが、実際には、新興国が伸びてこなければ全体の拡大は望めない。

ここは一つ、「エリジウム」でも作っていただくしかないですかな。

GPM2014年02月27日 11:28

GPM
GPM


JAXAの資料に目を通す。

(GPMスペシャルサイト)
http://www.satnavi.jaxa.jp/gpmdpr_special/index.html

もともと分かりづらい話を、余計分かりづらくしている。

従来の衛星から精度を向上させたマイクロ波レーダーと、雨雲スキャンレーダーを組み合わせて、GPM主衛星としての観測精度を向上させるというのが第一のキモだ。

もう一つのキモは、衛星コンステレーションを活用して、広範囲のデータを即時収集すること、及びそのデータを主衛星の観測データを元に補正することだ。

新しい衛星観測網の実現で、美味しい話は2つある。

このシステムは、各国の降雨観測衛星の基盤となるので、予算獲得の明確な理由付けになる。

精度向上を図るためには、衛星群全体の性能向上が、相乗的に寄与するため、一点豪華主義でもよし、チマチマと性能向上を積み重ねていってもいい。

こういう仕掛けを考え出すというのは、宇宙関連予算の獲得に悩む先進各国の知恵というものだろう。

どこかの衛星の更新が遅れたとしても、システムとしての性能が極端にダウンすることがなく、観測インフラとしての安定性が図られる。

もう一つのメリットは、リアルタイム全地球観測の可能性を秘めているということだ。

今回のコンステレーションでは、3時間前のデータしか得られない。

日本のように河川の長さが短い国では、3時間前の降水情報では遅すぎる。

タイムリーに情報を得るには、更なる観測網の充実が必要になる。

将来的なビジョンを実現するための要素を内包しているというわけだな。

実に頭がいい。

単なる科学衛星ではなく、宇宙を舞台にしたインフラ産業として、打って出たわけだ。

もちろん、このシステムだけでは、十分な情報を得ることは出来ない。

我が国のように、数百メートルメッシュでの降水量を観測するインフラがあるところはともかく、陸上や海上の観測点を充実することによって、衛星データの補正や補完を行うことも必要になる(今回のGPMの精度は、0.1度メッシュ:90度で1万キロだから、約11km:極めて荒い・・・)。

浮沈子は、気象データや海象データを総合的に取り込んだ、地球環境データバンクを作ってもらって、インターネット経由で、いつでも必要なデータを切り出して、好きなアプリで加工・表示できるようにしてもらいたいと考えている。

アニメの中に出てくるような、特定の場所が明日は晴れるかどうかというピンポイントデータを、誰もが利用できるようになればいい。

そのためには、これからも、様々な仕掛けが必要だし、そのコストをどのように負担していくかという合意も必要になる。

お天気屋というのは、気分が変わりやすく、当てにならない人物の例えだが、そのうち、意味が変わるかもしれない。

(打ち上げ中継)
http://www.youtube.com/jaxachannel

問題は、リアルタイムに全てが明らかになった時に、人間がどう行動すべきかという点だろう。

全知ではあっても全能ではない状態というのは、いささか運命的な状況に陥ることになる。

たとえば、タイの洪水について、事前に分かっていたとしても、何か有効な手立てが打てたかといえば、いささかこころもとない。

行政の責任というものを、どこまで追求できるだろうか。

50年に1回起こるか起こらないかという事象に、どこまで備えることが出来るのか、あるいは、備えるべきなのか。

それは、どのレベルで行うべきか。

国家か、地方政府か、町会(コミュニティ)なのか、個人なのか。

企業だって、対策が打てるところもあれば、そうでないところもある。

行政が用意したインフラの能力を超えて、何らかの手を打てる企業は限られているだろう。

リアルタイムに全ての情報が手に入ったからといって、それで全てが解決するわけではないし、むしろ、そこからが問題解決のスタートになる。

また、完全な情報が手に入らなくても、有効な対策が全く取れないわけでは、もちろんない。

現実には、限られた情報の中で、限られた対策を状況に応じてとっていくしかないのだ。

プライオリティを付け、切り捨てるものを慙愧の思いで決めて、救うべきものを必死に守るしかない。

それは時に、財産であり、人の命であるわけだな。

もちろん、水害というのは集中豪雨などだけではなく、津波のようなものもあるわけで、GPMの対象外である。

地球温暖化による海水面上昇なども、間接的には関係するかもしれないが、GPMが稼動したからといって直接的な情報が得られるわけではない。

人の世の憂いは絶えず、その結果は水に流すしかないのか。

2月13日のコラムに、「筑波山神社に打ち上げ祈願」という項がある(画像参照)。

(筑波山神社に打ち上げ祈願)
http://www.satnavi.jaxa.jp/gpmdpr_special/column/2014/post0213.html

独立行政法人の場合は、やはり、公費でお参りというわけにはいかないんだろうな。

休暇を取って、と、わざわざ断り書きを入れているのが何ともいえない。

21世紀になっても、ロケットの打ち上げというのは、やっぱ神頼みということになる。

人間の力には限りがあり、自然の前では謙虚に振舞わなければならない。

何でも思い通りにいくわけはないのだ・・・。

(GSマップ:追加)
http://sharaku.eorc.jaxa.jp/GSMaP/index_j.htm

トリチウム2014年02月27日 16:17

トリチウム
トリチウム


(垂れ流し)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2013/10/04/7000234

今後、核融合が始まり、また、原発の廃棄物処理の過程の中で生じる(取り除けない)核種として、トリチウムが問題になってくることは明らかだ。

既に、福一の汚染水処理では、その処分について問題になっている。

(福島第一原発、新型浄化装置ALPS を9月中旬に稼働へ)
http://blog.knak.jp/2013/08/alps-9.html

「トリチウムは、三重水素からなる水と同型の分子構造からなる液体の放射性物質で、半減期は約12年。
水の形態で存在するため、分離は困難である。

東電ではトリチウムの除去方法について調査しているが、現在のところ使える技術はないとしている。
(別途引用)

同社はまた、本年2月28日に「福島第一原発のトリチウムについて」という発表をし、安全だとの主張をしている。」

半減期(12.32 年)が短いので、保管場所さえ確保すれば、管理コストは嵩むが、排出基準である現状の22分の1まで減らすのは物理的には可能だ。

60年くらい管理してから放出すれば、十分に放射能は落ちている(96年で2の5乗分の1=32分の1)。

希釈して放出することに対する抵抗はあるだろうが、まんま放出できるレベルになれば、文句はあるまい。

しかし、この排出基準というのも、胡散臭いな。

「トリチウムの排出規制値は、経産省告示では6万ベクレル/リットル であるが、福島第一原発の汚染水には130万ベクレル/リットル 以上が含まれ、ALPS処理水も同様である。

地下水の流入は1日400トンで、流入は止まらず、汚染水は増える一方で、タンク設置も限界に達しようとしているが、ALPSでほとんどの種類の放射性物質を除去できても、トリチウムが残る限り、この問題の解決策にはならない。

政府と東電は恐らく、ALPS処理水を海洋投棄することを考えていると思われる。

仮にALPS処理水のトリチウムが130万ベクレル/リットル (規制値の22倍)とすると、ALPS処理水を汚染されていない地下水と22対1の割合で混ぜ 、規制値以下にして放出するということである。」

(多核種除去設備について)
http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/pdf/120227_03k.pdf

(三重水素)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E9%87%8D%E6%B0%B4%E7%B4%A0

(トリチウム(水素-3、3H))
http://www.cnic.jp/knowledge/2116?cat_id=1

(福島第一原発のトリチウム汚染水)
http://www.cnic.jp/files/20140121_Kagaku_201305_Kamisawa.pdf

(福島第一原子力発電所のトリチウムの状況について)
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/roadmap/images/c130426_06-j.pdf

「① 水蒸留法
・ H20、HT0、T2Oの蒸気圧の違いにより分離する方法
・ 理論的に環境レベルまで除去することが可能だが、比揮発度がほぼ「1」に近いため、単位段数あたりの分離性能は小さく、建屋を含め、非常に大規模な設備になる。
・ エネルギー消費が大きいことに加え、故障時の対策に十分な留意が必要。
② 深冷蒸留法
・ 水素ガス(H2、HT、T2)の沸点の違いにより分離する方法
・ 極低温にする必要があり、エネルギー消費が大きく、処理量も小さい
・ 冷媒喪失時のガス漏洩対策に十分な留意が必要
③ 水-水素交換法(気層法)
・ 触媒を用いて高温下で水素原子の置換反応を行う方法
・ 高濃度トリチウムを対象とした技術で、ガス-ガス反応であることから多段効果を得ることはできない。
④ 水-水素交換法(液層法)
・ 触媒を用いて低温で水素原子の置換反応を行う方法
・ 高濃度トリチウムを対象とした技術で、塔内に液を均一に分散させるための内部構造が複雑なため、処理流量に上限がある。
⑤ 電解法
・ カソードで発生する水素ガスには電解液中の同位対比に比べ重成分が少なくな
ることを利用
・ エネルギー消費量が大きく、多段カスケードを構築するとその消費量は甚大になる他、不純物の影響を受けやすく、当手法単独では不利。
⑥ 水-水素交換法(液層法)+電解法
・ 二種類の技術を組み合わせたもの
・ 高濃度トリチウムを対象とした技術で、処理量に上限がある
・ 「ふげん」で採用されたアルカリ電解槽はアルカリを取り除く工程が必要
⑦ 二重温度交換法
・ 高温状態と低温状態の同位体化学平衡シフトを利用した方法
・ 重水製造を目的としたもので、トリチウムに適用する場合は濃度の制御や操作性に難点を持つ」

「その他、GS法(Girdler-Sulfide法)、アンモニア法、アミン法などの化学交換法や極低温における吸着材による分離などがあるが、取り扱いが困難であり、処理可能量も少ない。」

「福島第一に適用できるものは見つかっておらず、今後も引き続き調査を行う」とある。

この報告は1年近く前のものだが、その後の進展はあったのだろうか。

浮沈子は、遮水壁を作って地下水の流入を食い止め、周辺の敷地を買収するか、海岸を埋め立てて用地を確保し、60年間管理するのが最も現実的だと思うんだが。

トリチウムの扱いを複雑にしているのが、生体内における影響の評価だ。

遺伝子損傷に有意な統計も出ているが、こんなもんを認めた日には、核融合を含めた原子力そのものの屋台骨が揺らぎかねない。

現実的には、環境中から隔離しておいて、十分線量が下がったときに放出するという方法しか手がないのではないか。

しかし、こんな話は、とっくの昔に分かっていたことで、福一に限った話ではなかったのに、おかげでクローズアップされてきたわけだ。

もちろん、アルプスの廃棄物だって、相当の期間管理しなければならず、その後の処理だってどうなるか分からない。

折も折、こんなニュースが飛び交っている。

(放射性物質取り除くALPSが停止…福島第一)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20140226-OYT1T01104.htm

「東京電力は26日午後、福島第一原子力発電所の汚染水から大半の放射性物質を取り除く装置「ALPS※(アルプス)」で、3系統ある処理ラインのうち一つの故障警報が鳴り、水を流すためのポンプが自動停止したと発表した。」

(浄化装置で警報、処理停止=汚染水対策の「切り札」—福島第1)
http://jp.wsj.com/article/JJ10389739841482714285816997110900339039709.html

「同原発にあるアルプスは現在3系統。残りの1系統は停止中で、処理をできるのは1系統のみとなった。1系統当たりの処理量は1日最大250トン。東電は今後アルプスの増設などを行い、現在約34万トンあるタンクの汚染水と、建屋への地下水流入によって毎日追加発生する汚染水を、2015年3月までに処理すると表明している。」

確かに、順調に稼動すれば、トリチウムを別にすれば、汚染水処理の切り札になって、あとは薄めて放水すればいいということになる。

漁業者への補償の範囲とか、韓国を初めとする世界中の国々への説明責任を果たせば、青森県の再処理工場や、今後建設される核融合炉の立地の問題にも絡んで、一気に解決ということになろう。

今の政権が続いているうちに、ケリをつけてしまいたいのは山々だ。

経済産業省は、原発を今後も重要なベース電源と位置づけて、新規の建設を含めて推進していく立場を鮮明にしている。

(原発は「ベースロード電源」に 「ベース電源」とは何が違うのか)
http://www.huffingtonpost.jp/2014/02/25/nuclear-power-base-load-energy-source_n_4852262.html

我が国は、福一の事故を、無かった事どころか、良い教訓にして、原発中心のエネルギー政策を今後も堅持していく意思を、世界に対して明確に発信したわけである。

何より、国民の多くも、これを止むを得ない事と受け入れつつある。

確かに、福一の事故は重大だが、影響は限定的に押え込まれ、各地の原発の安全性も向上するなら、やむをえない、仕方ないじゃあないか、というわけだな。

原発が稼動しないと、貿易赤字になるとかいっても、それで直ちに我が国が崩壊するわけではないことは、既にばれてしまったし、そのことを争点に掲げる政治かもいることはいるが、喉もと過ぎれば何とやらである。

今、国民投票をして、原発を全面的に停止しましょうという選択をする国民がどれほどいるのか。

福一の廃炉処理が進むにつれて、その割合は、下がっていくに違いない。

万が一のときでも、なんとかなるじゃあないの・・・。

まあ、制御棒が突っ込まれていて、まだ良かったんだろうとは思うが、それでも、とてつもない量の放射性廃棄物をばら撒いた罪は消えない。

今後数千年経っても、日本人は世界に謝罪し続けなければならない宿命を負ってしまったのだ。

その罪の深さは、戦争犯罪とかそういうレベルではなく、遺伝子汚染という種の存続に係るレベルである。

もう、原罪といったほうがいい。

トリチウムの放出に対する対応を誤れば、さらに上塗りをすることになるわけだな。

安易な解決に流されることなく、放射性物質と人類あるいは生態系全体との関わりを考えた、本質的な対応を求められているのだから、そこんとこをしっかりと考えて欲しい。

環境中に一度でも放出してしまえば、二度と回収することはできない。

今なら、まだ、間に合うのだ。

(トリチウムの環境動態と人体影響:追加)
http://anshin-kagaku.news.coocan.jp/a_index_tritium.html

飛翔体2014年02月27日 23:57

飛翔体


北朝鮮がまたまたミサイルを発射した。

(UPDATE 1-北朝鮮、短距離ミサイル4発を発射=韓国国防省当局者)
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL3N0LW3T220140227

「聯合ニュースによると、発射された短距離ミサイルの射程距離は約200キロメートルで、日本は含まれていない。」

まあ、米軍と韓国軍の合同軍事演習に対する反発というのが妥当な観測だろうが、陸軍も何かやらかすんじゃないかと、韓国側は緊張を高めているわけだ。

(一からわかるミサイル防衛)
http://www.jiji.com/jc/v4?id=20120327ballistic_misile_defense0001

8ページに渡るいい記事なので引用した。

コピペは出来ないが、全文に目を通す価値がある。

この中で、気になったのは、終末期高高度地域防衛(THAAD)というやつだ。

(THAADミサイル)
http://ja.wikipedia.org/wiki/THAAD%E3%83%9F%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%AB

「パトリオットPAC-3は、比較的小規模で展開しやすいかわりに、射程が短いため、高速で突入してくる中距離弾道ミサイルなどへの対処が難しく、また、迎撃に成功した場合でも地上への被害が大きくなるという問題があった。このことから、パトリオットPAC-3よりも高高度、成層圏よりも上の高度で目標を迎撃するために開発されたのがTHAADである。」

「THAADは大気圏外での交戦に特化しており、低高度での弾道ミサイル、あるいは通常航空機との交戦は、パトリオットPAC-3など、従来型のHIMAD用ミサイル・システムに任せることとなる。また、大気圏外での交戦を重視していることから、洋上配備のSM-3と同様の中間段階(ミッドコース・フェイズ)対処も可能と誤解されることがあるが、THAADはその名前のとおりに終末段階での迎撃用」とある。

わかりづらいが、このフェーズを通り越したら、最早、盾となるシステムはない。

「大気圏外でブースターから切り離された迎撃体は飛来する弾道ミサイルを赤外線画像シーカーで捉え、外周に配置された10個のスラスターで自らの姿勢と軌道を制御し、標的の最適部位に直撃して運動エネルギーでこれを破壊する。」

「日本も北朝鮮が2009年に行ったミサイル発射実験を受け、全国瞬時警報システム(Jアラート)に加えて、ミサイル防衛力強化の為にTHAADの導入を検討していると毎日新聞が報じたが、防衛省は導入の具体的な検討はしていないと発表している」とある。

PAC3は、拠点防御しか出来ないし、打ち漏らしの可能性もある。

多段階での防御としては、THAADは、検討の余地はあるな。

大体、Xバンドレーダーだけ米軍に配備させて、どーすんの?。

「なお、このXバンドレーダーのみをミサイル防衛用の地上レーダーとしてアメリカ国外への前方展開することが実施・検討されており、その最初の1台が2006年6月青森県の車力分屯基地に配備された。2013年2月、近い将来京都府の航空自衛隊レーダーサイト・経ヶ岬分屯基地に2台目となる地上レーダーを配備することで日米は合意した。」

まあいい。

米国を守る不沈空母として、身体を張ってミサイルを打ち落とそうという、集団的自衛権の発動には欠かせないシステムだからな。

米国向けの飛翔体が上がったら、バンバン打ち落としてみせまっせ!。

データリンクでも、一体運用でも、何でも引き受けて、アンダーセン基地(グアム)なんかには、指一本触れさせないという固い決意なのであるな。

ハワイとかも、射程に入ってくるだろうから、そっちの方も任せておけということだ。

米国本土はもう少し北よりのコースになるから、これはもう、カナダとかそっちの方にがんばってもらうしかない。

西太平洋に弾道弾の雨を降らそうという暴挙だけは許さん!。

台湾とかフィリピンとか、オーストラリア(仲いいんだよね!)は、自前で何とかしてもらわないとな。

中国とか韓国、そして我が国は、たぶん、時間的に対処のしようがないだろう。

韓国なんか、首都が大砲の射程内にあるわけだし、一触即発の状況が、もう何十年も続いていて、艦船を撃沈されたり大砲で滅多打ちにされたりしているわけだ。

我が国だって、民間人を誘拐されたり、工作員が潜入したり、工作船が跳梁跋扈したりして、やりたい放題じゃないの。

もう、何があってもおかしくない状況になっているのに、今日ものんびりと衛星打ち上げの生中継をネットで見ようとかしている。

平和だなあ・・・。

(韓米合同軍事訓練始まる…北は非難も離散家族再会を継続)
http://japanese.joins.com/article/185/182185.html?servcode=500&sectcode=510

「韓米連合軍事訓練キー・リゾルブ(Key Resolve)およびトクスリ(Foal Eagle)演習が24日、予定通り始まった。キー・リゾルブ演習には米軍5200人が、トクスリ演習には7500人が参加し、それぞれ3月6日、4月18日まで行われる。」

離散家族再開は予定通りということだが、北朝鮮だって何もやらないわけにはいかないだろうから、ミサイルの4発くらいは大目に見なけりゃいけないんじゃないかあ?。

そうはいっても、何をやらかすか訳のわからん国だから、万全の体制を敷くぞというところか。

どうも、飛翔体が重なって、縁起が悪い。

あと数時間でGPMが上がるんだから、何かやるにしても、それからにしてもらいたいな。