インターネットアクセス ― 2014年03月29日 04:48
インターネットアクセス
インフラが整わないため、インターネットにアクセスできない状況を、抜本的に解決しようとする試みが始まっている。
(フェイスブックがネットインフラに衛星や無人機など活用)
http://ascii.jp/elem/000/000/879/879517/
人工衛星、高空域長期滞空無人機、そしてレーザー光線!。
男の子が喜びそうなアイテムが満載だな。
「新たなプラットフォームづくりには世界中から集結したトップエキスパートが参加。たとえば、高空域長期滞空無人機(HALE)の開発で定評のある英アセンタ(Ascenta)をはじめ、NASA(米航空宇宙局)のジェット推進研究所やエイムズ研究センター、米国立光学天文台(NOAO)などが名を連ねる。衛星や無人飛行機と地上をレーザー光線で結び、ネットワークを構築しようというわけだ。」
「米フェイスブックは一昨日の現地時間25日に、モバイルユーザーの月間アクティブユーザー数(MAU)が10億人を超えたと発表している。地球上に今ある27億の畑から10億の実りを得ている同社は、一方で、50億分を耕作地として新たに開拓しようとしている。」
日本でも、ちょっと市街地を離れると、携帯のアンテナが立たなくなる。
昔、廃棄物処理の最終埋め立て処分場(山の中です)に行ったことがあるが、全く通じなかった。
人口カバー率というのは、住民がいるところの話で、人里離れた場所で繋がって欲しい時には役に立たないのだ。
もっとも、フェイスブックが開拓しようとしている50億人の中には、わがままな浮沈子は入っていない。
衛星やドローンなどを使用しないとインフラが整わない環境にある砂漠とか、海上(島)とか、山岳地域の話なんだろう。
元々、人口が集まる都市には、通信インフラが整っている。
ラストワンマイルを確保すれば、それで足りるわけだ。
例えば、ワイマックスのような無線LANアクセスでもいい。
そういった事業は、既存の事業者に任せて、それではカバーできない地域を、一括して面倒見るための手法を編み出そうとしているわけだな。
通信衛星は、既存のインフラだし、衛星直接だと地上局が大きくなるし、中間にドローンを上げて何とかするという発想は、以前からあった。
(ドローンと人工衛星の機能を併せ持つ『成層圏バス』構想 タレス・アレニア・スペースが発表)
http://response.jp/article/2014/03/22/219630.html
「人工衛星よりもコストが低く、電波の送受信に遅延が少ない、打ち上げリスクが小さいなどのメリットから、成層圏プラットフォームは各国で研究開発が行われている。日本でも2000年代前半に宇宙航空研究開発機構、情報通信研究機構などが中心となって実証実験が行われているが、実用化には至らなかった。また、2013年には、Googleが飛行船ではなく気球を使った通信網構築構想「Project Loon」を発表している。」
ここで紹介されている気球型のドローンも、通信の中継機能があって、同じような用途にも使えるだろう。
グーグルのルーンについては、こんな記事がある。
(Google、成層圏気球インターネット計画 Project Loon を発表。ニュージーランドで試験開始)
http://japanese.engadget.com/2013/06/17/google-project-loon/
「遠隔地や途上国へのインターネット接続の話題では、ネットもないようなところは食うに困ってるんだからまず別の支援をすべきという、ある意味素朴な「ネットがないところにはネット不要」「インターネットぜいたく品」「無理にでも客を増やしたいのかGoogle」論が良く聞かれます。」
まあ、無理にでも客を増やしたいというのは当たってるだろうな。
「支援なり開発なりをどんな順序で進めることが最適か、というのは大きなテーマではありますが、インターネット接続が単純に通信インフラとしてきわめて重要で、農業をはじめとする産業や教育、医療 etc にとって意味を持つことはいうまでもありません。」
「電気も固定電話もろくに届いていない地域で、逆にラストワンマイルの要らない携帯電話が先に普及する例のように、先進国のような「衣食足りてインターネット」とはまた違った状況です。」
ラストワンマイル問題は、かなり根深い話で、都市部だけではなく、既存のインフラすらないところでは、端末から幹線へとダイレクトに繋ぐしかないところもあるわけだ。
フェイスブックやルーンの構想は、全地球的に展開するわけにはいかない。
ドローンや気球のメンテナンスが可能な人間がいるところでなければ運用できない。
所詮は部分的に接続を改善するに留まる。
しかも、実際には、その接続コストを払うのは、既にインターネットに接続している我々だということだ。
豊かな都市生活者の払う金で、ビンボーな過疎地のインフラを支えるわけだな。
結構、それはそれでいい。
もう少し、マシな接続方法を考えて、コストを下げることはできないのだろうか。
例えば、地電流を利用するとか。
地面に電極(アンテナ)を刺すと、そこからデータ通信が出来るとか。
(地電流)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E9%9B%BB%E6%B5%81
電力線通信というのが一時流行したが、まあ、あれのナチュラル版だな。
どのくらいの周波数を確保できるかというのがキモだろう。
あとは、当然、地絡対策ということになる。
他にも、インフラのコストを下げて、安定的な運用を可能とする方法はいくつかある。
レーザーにしても、ドローンを経由しないで、数キロ毎に設置された中継器を使うという手もある。
電力がスタンドアロンで賄えれば、電源も要らない。
単に直線的に接続するというのではなく、ネットワーク化することで、冗長性も確保できるというものだ。
なんか、空に浮かんでいるものに任せるというのはあまり好ましくないような気がする。
島とかは、インターネット以外の通信インフラを確保する方が先だろうし、サービスとして通信衛星を使ってしまうのが簡単だ。
どの道、バックボーンには何らかの方法で繋がなくてはならない。
StratoBusのように、多目的なインフラとして打ち上げて、相乗りするというのが現実的な姿だな。
飛行船方式なら、大きな太陽電池を搭載して、十分な電力を確保することが出来るだろう。
プレーン方式では、バランスを考えて、機能を絞るしかない。
インターネットアクセスを拡充するというのは、大変結構な話だ。
人工衛星の打ち上げ費用が安くなって、イリジウム衛星のようなサービスが低価格で使えるようになれば、その方がいいだろう。
(衛星電話「イリジウム Extreme」を3Gが圏外になる山中で実際に使ってみた)
http://gigazine.net/news/20120518-iridium-extream/
あっちゃーっ、2.4kbpsですか・・・。
(イリジウム衛星携帯電話)
http://www.kddi.com/business/cloud-network-voice/satellite/iridium/mobile/
こいつを高速データ通信に利用できるようにブラッシュアップするとか。
しかし、端末が特殊で、高くなりそうなのでバツだな。
いずれにしても、安定的な運用を確保するには、衛星軌道に上げてしまうのが正解ではないのか。
飛行船とかドローンとかが実用にならないのは、運用上の問題が大きいからと思われる。
衛星の受信局を山の上とかに置いて、地上ではワイファイで繋ぐというのがシンプルだな。
スペースXが、早いところ再利用ロケットを実現して、100分の1の打ち上げコストを達成すれば、宇宙の商業利用が加速度的に増えて、インターネットアクセスの問題にもドラスティックな解決方法がとられるかもしれない。
うーん、やっぱ、地電流かな・・・。
インフラが整わないため、インターネットにアクセスできない状況を、抜本的に解決しようとする試みが始まっている。
(フェイスブックがネットインフラに衛星や無人機など活用)
http://ascii.jp/elem/000/000/879/879517/
人工衛星、高空域長期滞空無人機、そしてレーザー光線!。
男の子が喜びそうなアイテムが満載だな。
「新たなプラットフォームづくりには世界中から集結したトップエキスパートが参加。たとえば、高空域長期滞空無人機(HALE)の開発で定評のある英アセンタ(Ascenta)をはじめ、NASA(米航空宇宙局)のジェット推進研究所やエイムズ研究センター、米国立光学天文台(NOAO)などが名を連ねる。衛星や無人飛行機と地上をレーザー光線で結び、ネットワークを構築しようというわけだ。」
「米フェイスブックは一昨日の現地時間25日に、モバイルユーザーの月間アクティブユーザー数(MAU)が10億人を超えたと発表している。地球上に今ある27億の畑から10億の実りを得ている同社は、一方で、50億分を耕作地として新たに開拓しようとしている。」
日本でも、ちょっと市街地を離れると、携帯のアンテナが立たなくなる。
昔、廃棄物処理の最終埋め立て処分場(山の中です)に行ったことがあるが、全く通じなかった。
人口カバー率というのは、住民がいるところの話で、人里離れた場所で繋がって欲しい時には役に立たないのだ。
もっとも、フェイスブックが開拓しようとしている50億人の中には、わがままな浮沈子は入っていない。
衛星やドローンなどを使用しないとインフラが整わない環境にある砂漠とか、海上(島)とか、山岳地域の話なんだろう。
元々、人口が集まる都市には、通信インフラが整っている。
ラストワンマイルを確保すれば、それで足りるわけだ。
例えば、ワイマックスのような無線LANアクセスでもいい。
そういった事業は、既存の事業者に任せて、それではカバーできない地域を、一括して面倒見るための手法を編み出そうとしているわけだな。
通信衛星は、既存のインフラだし、衛星直接だと地上局が大きくなるし、中間にドローンを上げて何とかするという発想は、以前からあった。
(ドローンと人工衛星の機能を併せ持つ『成層圏バス』構想 タレス・アレニア・スペースが発表)
http://response.jp/article/2014/03/22/219630.html
「人工衛星よりもコストが低く、電波の送受信に遅延が少ない、打ち上げリスクが小さいなどのメリットから、成層圏プラットフォームは各国で研究開発が行われている。日本でも2000年代前半に宇宙航空研究開発機構、情報通信研究機構などが中心となって実証実験が行われているが、実用化には至らなかった。また、2013年には、Googleが飛行船ではなく気球を使った通信網構築構想「Project Loon」を発表している。」
ここで紹介されている気球型のドローンも、通信の中継機能があって、同じような用途にも使えるだろう。
グーグルのルーンについては、こんな記事がある。
(Google、成層圏気球インターネット計画 Project Loon を発表。ニュージーランドで試験開始)
http://japanese.engadget.com/2013/06/17/google-project-loon/
「遠隔地や途上国へのインターネット接続の話題では、ネットもないようなところは食うに困ってるんだからまず別の支援をすべきという、ある意味素朴な「ネットがないところにはネット不要」「インターネットぜいたく品」「無理にでも客を増やしたいのかGoogle」論が良く聞かれます。」
まあ、無理にでも客を増やしたいというのは当たってるだろうな。
「支援なり開発なりをどんな順序で進めることが最適か、というのは大きなテーマではありますが、インターネット接続が単純に通信インフラとしてきわめて重要で、農業をはじめとする産業や教育、医療 etc にとって意味を持つことはいうまでもありません。」
「電気も固定電話もろくに届いていない地域で、逆にラストワンマイルの要らない携帯電話が先に普及する例のように、先進国のような「衣食足りてインターネット」とはまた違った状況です。」
ラストワンマイル問題は、かなり根深い話で、都市部だけではなく、既存のインフラすらないところでは、端末から幹線へとダイレクトに繋ぐしかないところもあるわけだ。
フェイスブックやルーンの構想は、全地球的に展開するわけにはいかない。
ドローンや気球のメンテナンスが可能な人間がいるところでなければ運用できない。
所詮は部分的に接続を改善するに留まる。
しかも、実際には、その接続コストを払うのは、既にインターネットに接続している我々だということだ。
豊かな都市生活者の払う金で、ビンボーな過疎地のインフラを支えるわけだな。
結構、それはそれでいい。
もう少し、マシな接続方法を考えて、コストを下げることはできないのだろうか。
例えば、地電流を利用するとか。
地面に電極(アンテナ)を刺すと、そこからデータ通信が出来るとか。
(地電流)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E9%9B%BB%E6%B5%81
電力線通信というのが一時流行したが、まあ、あれのナチュラル版だな。
どのくらいの周波数を確保できるかというのがキモだろう。
あとは、当然、地絡対策ということになる。
他にも、インフラのコストを下げて、安定的な運用を可能とする方法はいくつかある。
レーザーにしても、ドローンを経由しないで、数キロ毎に設置された中継器を使うという手もある。
電力がスタンドアロンで賄えれば、電源も要らない。
単に直線的に接続するというのではなく、ネットワーク化することで、冗長性も確保できるというものだ。
なんか、空に浮かんでいるものに任せるというのはあまり好ましくないような気がする。
島とかは、インターネット以外の通信インフラを確保する方が先だろうし、サービスとして通信衛星を使ってしまうのが簡単だ。
どの道、バックボーンには何らかの方法で繋がなくてはならない。
StratoBusのように、多目的なインフラとして打ち上げて、相乗りするというのが現実的な姿だな。
飛行船方式なら、大きな太陽電池を搭載して、十分な電力を確保することが出来るだろう。
プレーン方式では、バランスを考えて、機能を絞るしかない。
インターネットアクセスを拡充するというのは、大変結構な話だ。
人工衛星の打ち上げ費用が安くなって、イリジウム衛星のようなサービスが低価格で使えるようになれば、その方がいいだろう。
(衛星電話「イリジウム Extreme」を3Gが圏外になる山中で実際に使ってみた)
http://gigazine.net/news/20120518-iridium-extream/
あっちゃーっ、2.4kbpsですか・・・。
(イリジウム衛星携帯電話)
http://www.kddi.com/business/cloud-network-voice/satellite/iridium/mobile/
こいつを高速データ通信に利用できるようにブラッシュアップするとか。
しかし、端末が特殊で、高くなりそうなのでバツだな。
いずれにしても、安定的な運用を確保するには、衛星軌道に上げてしまうのが正解ではないのか。
飛行船とかドローンとかが実用にならないのは、運用上の問題が大きいからと思われる。
衛星の受信局を山の上とかに置いて、地上ではワイファイで繋ぐというのがシンプルだな。
スペースXが、早いところ再利用ロケットを実現して、100分の1の打ち上げコストを達成すれば、宇宙の商業利用が加速度的に増えて、インターネットアクセスの問題にもドラスティックな解決方法がとられるかもしれない。
うーん、やっぱ、地電流かな・・・。
次世代スパコン ― 2014年03月29日 06:00
次世代スパコン
2番じゃダメなスパコン。
スパコンといえば、蓮舫、じゃなかった、「京」。
その後継機種の開発が始まるという。
(理研、次世代スパコン開発に着手 能力「京」の100倍へ)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2805O_Y4A320C1CR8000/
(スパコン「京」後継機 「エクサ級」神戸で4月から開発)
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201403/0006814396.shtml
(エクサスケール・スーパーコンピュータ開発プロジェクトの開始について
-スパコン「京」の100倍の計算性能を目標に開発-:元記事)
http://www.riken.jp/pr/topics/2014/20140328_1/
(エクサスケール・スーパーコンピュータ開発プロジェクトの開始について:元記事)
http://www.aics.riken.jp/jp/new-pro/exa_project/140328.html
1400億円という金額が高いか安いかというのは、自分の懐具合とは一切関係ない話なので何ともいえない。
元々、公共事業的な色合いが濃いので、商業利用といっても限られた範囲でしか使われないんだろう。
今ある「京」の置き換えだという。
(京 (スーパーコンピュータ))
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%AC_(%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BF)
「2012年7月に完成、同年9月に共用開始。TOP500では、2011年6月および2011年11月に1位、2012年6月に2位、2012年11月に3位、2013年6月に4位となった。」
「開発中の2011年6月および2011年11月にTOP500で1位」とある。
まあ、出来た時には2位とか3位だったわけで、厳密な意味では1番にはなれなかったわけだな(現在は4位らしい)。
まあいい。
で、その100倍の性能を発揮するコンピューターを作ろうというわけだ。
そんな性能が必要なんだろうか?。
必要だから作るわけじゃないんだろう。
こういうものは、それがあることによって、需要が喚起されるという類の代物である。
ろくなもんじゃあない!。
どれほど計算能力を高めても、シミュレーションというのは一定の仮定を置いているので、現実の世界を再現できるわけではない。
マトリックスにもバグはあるのだ(猫とか?)。
これは、計算機科学の実証実験としての作成だと割り切らなくてはならない。
コンピューターが発展したのは、軍需によるところが大きい。
弾道計算から始まったそれは、今では作戦遂行に欠かせないツールになっている。
現実の戦闘をシミュレーションして、戦わずして勝ち負けが分かるようになっているのかもしれない。
ロジスティクスとかも含めて、戦略・戦術レベルで評価できるようになっているんだろう。
しかし、そういった歴史的な発展の枠組みを超えて、シミュレーションの世界は、人間の最大の欲求である、「未来を見る」ことへと繋がっている。
(シミュレーション)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3
天気予報は、未来を見るという意味でのシミュレーションの応用のいい例である。
全ての現象をモデル化し、計算機の中で再現できれば、マトリックスも夢ではないんだろうが、「京」の京倍の計算能力があっても無理だろうな。
計算機は、数理的に表現できるあらゆるものを見せてくれるようになったが、未来を見通す道具にはなっていない。
プロセッサやメモリなどのデバイスの能力が上がって、ノード間通信や、統合システムの改善が進んでも、枝から舞い降りるたった1枚の木の葉の動きですら、完全に予想することはできない。
その不可知性こそが、我々を謙虚にする。
もしも、その能力を計算機が得たとしたら、数年後には後継機に追われて撤去されてしまうという、自らの運命を受け入れることができるのだろうか。
それよりも、そんな予測には、スパコンは必要ないな。
2番じゃダメなスパコン。
スパコンといえば、蓮舫、じゃなかった、「京」。
その後継機種の開発が始まるという。
(理研、次世代スパコン開発に着手 能力「京」の100倍へ)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2805O_Y4A320C1CR8000/
(スパコン「京」後継機 「エクサ級」神戸で4月から開発)
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201403/0006814396.shtml
(エクサスケール・スーパーコンピュータ開発プロジェクトの開始について
-スパコン「京」の100倍の計算性能を目標に開発-:元記事)
http://www.riken.jp/pr/topics/2014/20140328_1/
(エクサスケール・スーパーコンピュータ開発プロジェクトの開始について:元記事)
http://www.aics.riken.jp/jp/new-pro/exa_project/140328.html
1400億円という金額が高いか安いかというのは、自分の懐具合とは一切関係ない話なので何ともいえない。
元々、公共事業的な色合いが濃いので、商業利用といっても限られた範囲でしか使われないんだろう。
今ある「京」の置き換えだという。
(京 (スーパーコンピュータ))
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%AC_(%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BF)
「2012年7月に完成、同年9月に共用開始。TOP500では、2011年6月および2011年11月に1位、2012年6月に2位、2012年11月に3位、2013年6月に4位となった。」
「開発中の2011年6月および2011年11月にTOP500で1位」とある。
まあ、出来た時には2位とか3位だったわけで、厳密な意味では1番にはなれなかったわけだな(現在は4位らしい)。
まあいい。
で、その100倍の性能を発揮するコンピューターを作ろうというわけだ。
そんな性能が必要なんだろうか?。
必要だから作るわけじゃないんだろう。
こういうものは、それがあることによって、需要が喚起されるという類の代物である。
ろくなもんじゃあない!。
どれほど計算能力を高めても、シミュレーションというのは一定の仮定を置いているので、現実の世界を再現できるわけではない。
マトリックスにもバグはあるのだ(猫とか?)。
これは、計算機科学の実証実験としての作成だと割り切らなくてはならない。
コンピューターが発展したのは、軍需によるところが大きい。
弾道計算から始まったそれは、今では作戦遂行に欠かせないツールになっている。
現実の戦闘をシミュレーションして、戦わずして勝ち負けが分かるようになっているのかもしれない。
ロジスティクスとかも含めて、戦略・戦術レベルで評価できるようになっているんだろう。
しかし、そういった歴史的な発展の枠組みを超えて、シミュレーションの世界は、人間の最大の欲求である、「未来を見る」ことへと繋がっている。
(シミュレーション)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3
天気予報は、未来を見るという意味でのシミュレーションの応用のいい例である。
全ての現象をモデル化し、計算機の中で再現できれば、マトリックスも夢ではないんだろうが、「京」の京倍の計算能力があっても無理だろうな。
計算機は、数理的に表現できるあらゆるものを見せてくれるようになったが、未来を見通す道具にはなっていない。
プロセッサやメモリなどのデバイスの能力が上がって、ノード間通信や、統合システムの改善が進んでも、枝から舞い降りるたった1枚の木の葉の動きですら、完全に予想することはできない。
その不可知性こそが、我々を謙虚にする。
もしも、その能力を計算機が得たとしたら、数年後には後継機に追われて撤去されてしまうという、自らの運命を受け入れることができるのだろうか。
それよりも、そんな予測には、スパコンは必要ないな。
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