CCRのコツ2014年07月01日 01:43

CCRのコツ
CCRのコツ


(POSEIDON MKVI USER MANUAL:PDFのページで67ページ目)
http://www.poseidon.com/sites/all/files/user_manual_mkvi_ver_26_0.pdf

・カウンターラングの配置
・カウンターラングのストラップ調整
・呼吸のコツ
・浮力コントロールのコツ
・ループからの排水
・浮上のコントロール
・ダイビングの終了
・マーク6での安全な潜水

これらの項目は、PADIが提供する教育・訓練と、メーカーが提供する器材の操作方法の説明が重なる部分である。

「A complete discussion of buoyancy control with closed-circuit rebreathers is beyond the scope of this Manual.」
(閉回路リブリーザーと浮力コントロールの完全な説明は、このマニュアルの範囲を超えています。:自動翻訳のまま)

浮上コントロールのコツでは、そう断りながら、これらの項目は、既にリブリーザーダイバーである浮沈子にも、非常に参考になる。

マーク6をプールで体験した時には、ADVの作動が、インスピに比べて渋いように感じた。

通常の呼吸抵抗は、インスピと大差ないが、この辺は誤差の範囲である。

CCRのビギナーが、最も混乱するのは、浮力のコントロールだろう。

オープンサーキットのベテランであればあるほど、吸っても浮かない、吐いても沈まないというCCRの特性は、天動説から地動説に変わる、正にコペルニクス的展開に他ならない。

それどころか、浮沈子の経験からは、息を吐くと浮き上がり、息を吸うと沈むという現象が観察されている。

ダイバーの肺とカウンターラングの位置関係によって、トリムが変化して、水平に前進している時には前述のような現象が起こり得るのだ。

こうなると、コペルニクスもびっくりの、アルキメデス的展開になる(意味不明・・・)。

中性浮力を確保するためには、浮力の変化を事前に想定して、予防的な手段を講じていかなければならない。

特に浅い水深では、それこそ経験がものをいう。

自動中性浮力維持装置を実用化して、一儲けしようかと考えたこともある(構想のみ)。

OC(オープンサーキット)でもCC(クローズドサーキット)でも、静的に中性浮力を取ることはできない。

OCの場合は、動的変化が大きいことを逆手にとって、浮力変化の逆位相の呼吸をしてバランスさせる手法をとる。

CCも、発想は同じなのだが、原理的に動的変化がないので、非常に狭い範囲の中で自ら動的変化を起こしてやる必要がある。

ADV(マニュアルインフレーターでもいいですが)からの給気と鼻からの排気によって、カウンターラングの容積を調整するのだ。

もちろん、その前に、BCで適正な浮力を確保し、カウンターラングの容量をミニマムボリュームにしておかないと、少ない変化の中でのコントロールに失敗して、浮力の振動を誘発し、それが発散することによる吹き上げや墜落を引き起こす。

もちろん、その前にBCの調節で回避することになるのだが、それは、最後の手段である。

カウンターラングの浮力変化(正確には呼吸回路の容積変化)を利用した微妙な浮力調整は、その範囲を非常に狭く追い込んでおくことでしか成立しない。

BCでの中性浮力を、どれだけ正確に行うことが出来るかにかかっている。

BCでの動的な調整は、CCRの場合不可能に近い。

浮力の変動が大きすぎるのだ。

もちろん、泳いでいる場合には、推進力での調整(トリムの変化で、見かけ上の浮力(揚力?)を得たりすること)もできるが、ホバリングしているときにはそれは使えない。

BCでのその深度での可能な限りの正確な中性浮力の確保と、カウンターラングの動的な容積調整だけが、唯一の方法である。

浮上、潜行に対する感覚を鋭くすることも必要だが、それ以上に、変化を予測して適切なタイミングで最適な投資をするという頭脳プレイが必要だ。

水深3mの淡水プールで苦節5年、浮沈子が会得したCCRのコツである。

3mの水底から、10cm刻みで浮上し、水深1mで停止、安全確認してさらに10cm刻みで浮上するなんて、CCRを始めた頃は、絶対不可能に思えた。

今でも、毎回成功するわけではない。

深度を変えるということは、当然呼吸回路内の気体の容積が変化することであり、それを考慮して適切に投資(鼻からのガス抜きを)しなければならない。

未だ修行中である。

しかし、完全に中性浮力を得て、自分の呼吸の音しか聞こえず、それも、呼吸回路内での音で、排気音はせず、どうかすると、安全管理の為に一緒に潜っているイントラの呼吸音(オープンサーキット)がうるさく感じられるような状態で、脱力し、バランスを保っている時の浮遊感というのは、実にリラックスできる(眠気を感じる)。

それが出来たから、何かいいことがあるのか、そんなダイビングが楽しいのかと言われれば、それは人それぞれだろう。

ひたすら海の中を泳ぎまくって、魚を追いかけているダイビングが楽しいのか(きっと、楽しいだろうな!)、ダイビングの後に、打ち上げと称して飲んだり食べたりワイワイするのが楽しいのか(絶対、楽しいだろうな!!)。

まあ、どうでもいいんですが。

CCRでそんなことばっかしやってきたおかげで、サイドマウントの講習でオープンサーキットにした時、中性浮力が取れないのには困った(なんで息を吐くと沈むのか、どうして息を吸うと浮くのか)。

CCRでも、ベイルアウトの練習でオープンサーキットに切り替えることはあって、確かに短時間の浮力調整はしていたが、ずーっとオープンということはなかった。

ここ半年くらい、CCRから離れてサイドマウントや、レスキューの講習でバックマウントでのシングルタンクを数年ぶりに体験して、ようやくオープンでの浮力調整が出来るようになってきた。

それでも、まだ、CCRの方がやりやすい。

伊豆の某ダイビングプールには、時々テクニカル系の練習に来るダイバーがいて、オープンサーキットでプールの壁に張り付いて動かないでいるのを見ることがある(呼吸調整による中性浮力の練習のようだ)。

浮沈子からすると、神技のように見える。

水中での安定した呼吸、浮力の変化に対する感覚の鋭さ、弛まぬ努力と研鑽に頭が下がる。

そういうダイビングが楽しいという感覚は、何となく分かるような気がする。

洞窟に潜ったり、沈船に潜ったりするには、その程度の浮力のコントロールを朝飯前に出来るようにならなければ、危なくって仕方がなかろう。

中性浮力の維持、正しいトリム、正しいフィンワーク。

それは、OCでもCCでも、ダイビングの基本だ。

浮沈子は、海の楽しさもいいと思うし、プール(コンファインドウォーターでもいい)での楽しさもあると考えている。

水中という環境の中で、いろいろな楽しみ方があっていい。

マニュアルにもあるように、CCRでの浮上は特に呼吸回路内の気体の容積が増え、BCからのエア抜きもしなければならず、場合によってはドライスーツからのエア抜きも重なり、かなり難しい操作になる。

特に、浮上直前の安全停止辺りの深度でのホバリングは、ハッキリ言って地獄である。

どんなにベテランのダイバーであっても、いや、逆に、ベテランのダイバーだからこそ、CCRで、この深度での中性浮力の維持はシンドい(なんちゃって!)。

吹き上げは、たとえCCRであっても、非常に危険であり、深度変化による浮力の調整を十分に練習してからでなければ、実海面におけるダイビングは行うべきではない。

PADIのCCR講習が、その辺りをどの程度考慮しているのか、実際に講習を受ける時にはよく吟味するつもりだ。

わずか2ダイブで、海洋実習に連れて行ってしまうというのは、浮沈子からすると無謀というか、無茶というか、メチャクチャというか、ありえねーというか・・・。

幸い、ディスカバリーは、ADVが少し渋い感じはするものの、回路内の容積調整での管理された浮上はなんとか出来たので、器材のコントロール性は悪くない。

最近のCCRは、20世紀の製品であるインスピと違って、コントロール性がいいのかもしれないし、浮沈子が知らない、秘密の裏技があるのかも知れない。

まあ、浮沈子だって、初めてのCCRの体験ダイビングの際は、獅子浜にいきなり行って、インスピ背負って泳いじゃったんだから、何とかなるんだろう。

ADV付いてなかったんで、呼吸が出来なくなって、死ぬかと思ったけど(マニュアルインフレーター押すのを、けちっただけ)。

まあいい。

慣れてしまえば、CCRは特に難しい器材ではない。

レクリエーショナルでも、十分使える器材だ。

そこにダイビングショップがなくても、タンクをしこたま車に積んで持っていかなければならないということもないし、インスピはともかく、ディスカバリーくらいの重さなら、陸上で背負っても苦にならない。

日本のダイビングシーンに使えるかといえば、それは、これからの問題だと答えるしかない。

酸素の問題さえ解決できれば、刻印つきのタンクも使えるし、問題はないだろう。

事故さえ起こさなければ。

器材の性質上、システムが正常でなければダイビングはできないようになっている。

手順を誤っても潜れてしまうインスピとは、一線を画している(まあ、敢えて潜ろうとすれば、ディスカバリーだって潜れますが)。

レクリエーショナルで使うならば、インスピにはないメリットがある。

いや、インスピだって、十分メリットはあるのだが。

ベーシックなつくりと、未だに改良を重ねているハードやソフト、アットーテキな実績と市場占有率、国内での正規の販売とメンテナンス、メーカーの誠実な対応。

老舗のCCRとして、その地位が揺らぐことはない(今のところ)。

それに比べると、ディスカバリーは、21世紀のCCRだ。

可能な限り自動化し、ユーザーフレンドリーなインターフェースを意識して設計、製造されている。

全てのリブリーザーは、セブンみたいになると豪語するだけのことはある。

(POSEIDON SE7EN)
http://www.poseidon.com/products/rebreathers/se7en

「The POSEIDON SE7EN – one day, all rebreathers will be like it.」

いま気付いたんだが、ディスカバリーって書いてないんだ!。

(poseidon product range 2014:カタログには、MK6だけにDiscoveryとある)
http://www.poseidon.com/sites/all/files/productrange_2014-140424-low.pdf

(POSEIDON MKVI:このページには、ディスカバリーのDの字もない)
http://www.poseidon.com/products/rebreathers/mkvi

今後は、マーク6とか、セブンとか書かなけりゃならんのかあ?。

まあ、インスピも、昔はバディとか呼んでいたが、最近その呼称を止めたようだし。

ディスカバリーという呼び名が、なくなりつつあるということを発見(ディスカバー)したところで、今日はおしまい。

次世代CCR2014年07月01日 07:10

次世代CCR
次世代CCR


(POSEIDON SE7EN The Next Generation Rebreather)
http://www.poseidon.com/products/rebreathers/se7en

浮沈子が習うのはマーク6(MKⅣ)だが、お買い求めは、こちらのセブン(se7en)の予定である。

マーク6とは、具体的にどこがどう違うのだろうか。

上記のページでは、いくつかの違いをアピールしている。

・G7 Inside:
Generation 7 electronics open up endless possibilities for interaction, accessories and apps. Entirely new internal hardware driven by a new generation of firmware makes the SE7EN faster, flexible and reliable in any diving environment.

エレクトロニクスのハードウェアを入れ替えて、デバイスの拡張性、アプリケーションの可能性を高めたということ、新しいハードウェアと、新世代のファームウエアによって高速化したことなどを挙げている。

・Bluetooth Connectivity:
Download your dive logs in seconds, update your settings and interact effortlessly with your POSEIDON SE7EN, all using Bluetooth

ブルートゥースが使えるようになったとある。

・Dive Management System
Enjoy enhanced interaction with your rebreather. The upgraded configuration tool interacts with your POSEIDON SE7EN via Bluetooth, allowing you to make configuration changes in moments. See your dive logs in far greater detail and much more. Better still, it’s now Mac compatible!

管理ソフトが使いやすくなったということだ。

ダイブログのデータも詳細になったという。

マックユーザーにとっては、対応したというのは嬉しいに違いない。

・Recreational or 100M Technical Rebreather:
The POSEIDON SE7EN can be whatever you want it to be! You can use the SE7EN as a Recreational Rebreather or as a 100M-rated Technical Rebreather; it’s your choice! Poseidon’s industry-leading upgrades give you the ultimate recreational and technical rebreather flexibility

100mまでのテクニカルダイビングへの対応を果たした。

構成によって、レクリエーショナルにも使えるという、商売重視の器材になったわけだ。

・Enhanced Service & Support:
Poseidon already has class-leading reliability and technical support, but the POSEIDON SE7EN makes service and support even easier and more convenient. Automatic dive log downloads to support via Bluetooth, combined with detachable displays and sensors mean that support is even faster and more convenient than before!

これは、良く分からないのだが、脱着可能なディスプレイとセンサーとは何なのか。

・Upgraded Mouthpiece:
The best rebreather mouthpiece just got even better! A new system keeps the bail-out valve locked in place in closed or open circuit, while still enabling simple switches from closed to open circuit

OC/CCのポジションに、ロック機能が付いたとある。

・Cover:
Protective, desirable and functional in equal measures, the cover on the Poseidon SE7EN has a built-in handle and trim weight system, along with grab and lighting rails.

カバーのほかに、取っ手も付いて、とっても素敵!(なんちゃって!)。

取扱説明書では、どこが違っているのだろう?。

(POSEIDON SE7EN USER MANUAL)
http://www.poseidon.com/sites/all/files/se7en_user_manual_eng.pdf#overlay-context=products/rebreathers/se7en

・19:HUD LED
・23:Intro Test(Mouthpiece Closed-Circuit Position)

チェック項目が2個増えただけで、大きな変更はない。

マウスピースのLEDに緑のLEDが増えたことに対する対応と、CCポジションに切り替えることを促すテスト項目を加えただけだ。

ぱっと見で、違いが分かるのは取っ手とカバー、細かいところを見てマウスピースだけだ。

使って分かるのは、100mまでの対応と、ブルートゥース、スピード、マック対応くらいか。

器材としては、ユーザーインターフェースを殆ど変えずに、エレクトロニクスの中身をごっそり入れ替えた感じだな。

基本設計の確かさと、柔軟性を感じる。

というより、ようやく使えるようになったのではないか。

今までマーク6を買った人へのバージョンアップサービスもしたらしい(ブルートゥースはなし)。

ということは、セブンこそ、本当の本命なのだろう。

イラストを見ると、カウンターラングが微妙に変わっている。

肩に紐がついて、ベルクロのデザインも変わった。

今後も、細部の改良は続いていくだろうが、今回の改訂を見る限り、大枠のところは余り変わらないのではないか。

初物のマーク6に手を出して、人柱になっていただいた奇特なCCRダイバーの方々には、本当に心から感謝している。

おかげで、浮沈子は、なんとかものになったセブンを、安心して買うことが出来る。

それでも、今後、ポセイドンは、さらに次世代のCCRを出してくるかもしれない。

画期的なコンセプトを引っさげ、たとえば、バキュームポンプも付属でつけて、ネガティブチェックまで全自動でやってくれるようになるに違いない(希望的観測)。

断言しよう、そのCCRのネーミングは、Poseidon 「ei8ht」で決まりだな。

浮力調整装置2014年07月01日 10:30

浮力調整装置
浮力調整装置


CCRの浮力調整が、特に困難ということはないのだが、オープンサーキットの呼吸による浮力調整に慣れたダイバーにとっては、器材運用の最大のネックの一つであることは間違いない。

さらに、ダイバーの高齢化や、ビギナーダイバーがいきなりCCRを使い始めることを想定すると、自動浮力調整装置の実現が待たれる。

本稿は、CCRの基本機能を発展させて、浮力調整をコンピューター制御によって行おうとする仕組の概要を記す。

CCRは、深度を検知するセンサー、ディリュエントガス、手動で深度を調整するBC、各種の情報を表示する液晶モニターなどを構成要素として持っている。

また、これらのデバイスを監視し、一部を制御するコンピューターを備えている。

実際のリブリーザーの浮力調整の操作に於いては、BCへの給気またはBCからの排気を行って凡その中性浮力を得た後、呼吸回路内のガスの体積を微妙に増減させて動的に浮力調整を行っている。

今回、考察するのは、この呼吸回路内の微調整に係る部分を自動調整し、機械的に中性浮力を維持することである。

その前提としては、BCによって、概ね適正な浮力調整が行われていることが必要である。

また、浮上や潜行など、BC内のガスを出し入れしなければならない大きな浮力の変化を伴う場合は、この機能を実現することはできない。

微小浮力調整に必要なデバイスは、ディリュエントガスのソレノイドバルブ、呼吸回路から排気を行うための電磁弁、コントロールに必要な演算を行うプロセッサー及びそのためのアプリケーション等であるが、コンピューターに自動浮力調整の開始及び解除を指示するための何らかのスイッチが必要となるかもしれない。

あるいは、デフォルトで条件を設定し、ある条件(深度の変化が少ない状況が一定時間以上経過するなど)を満たすと、自動で浮力調整が起動し、ダイバーのBC操作等により深度の変化が生じると解除されるといった仕組もあり得る。

ともあれ、浮力調整が起動すると、深度センサーの変化を元に、コンピューターは呼吸回路内の適切なガスの量を維持するために、ディリュエントガスを噴射、または電磁弁を開いて呼吸回路内のガスを水中に排出する。

通常、深度が一定ならば、環境圧と呼吸回路内の圧力はバランスしているため、排気に当たっては何らかの方法で能動的な加圧を行う必要がある。

ダイバー自身が行うマニュアルの操作では、排気は、ダイバーの肺を胸筋の動きによって加圧し、鼻腔から、マスクという逆止弁を介して行う。

仮に排気のための装置が複雑高価になるようなら、この部分はダイバーによるマニュアル操作とし、そのための指示をヘッドアップディスプレイのライトの点滅等でダイバーに知らせることによって行うことも考えられる。

微小浮力調整の必要な浮力の変化は、CCRの場合、消費された酸素の加給、二酸化炭素の除去、呼気中の水蒸気の凝結により、連続的または断続的に起こっていて、動的に管理しなければならない。

BCによる浮力調整は、ガス量の変動が大きく、浮力の変化を動的にコントロールすることが困難である。

カウンターラング内のガスの体積を調整する方法は、そのガス源をディリュエントガスに依存するので、PO2の変化を招き、酸素側のソレノイドバルブの作動を引き起こす。

呼吸ガスの管理上も好ましくない。

したがって、可能ならば、BC内のガスの体積を変化させるのが上策である。

元々、BCのガスはディリュエントを使用しているので、ガスの量の管理には問題はない。

排気についても、BC内のガスは、常に上方へは排気可能であり、さらに多少の浸水は許容する。

微小な給気を可能とするソレノイドバルブからのガスをBCへと送り込み、小径の電磁弁を作動させて排気すれば、呼吸回路で調整するよりも良好な結果が得られる可能性がある。

さらに、呼吸回路やBCとは別個の浮力体を携行し、中圧ホースと制御信号(及び動作電力)を送る形にすれば、オプション品としての販売も可能となる。

繰り返しになるが、この仕組は、あくまで微小浮力の調整が目的であり、使用するシーンは限られている。

潜水プロファイル全ての浮力を管理するには、給気側に電磁弁を配する必要があり、誤作動等によるリスクが高まることを考慮しなければならない。

別体型の浮力調整機の場合、バンジー等によって、排気時の動作をスムーズに行うことも考えられる。

これらの方式に共通する設計思想は、コントロールをCCRのコンピューターに依存する点である。

深度計やガス源、計算資源、電力源をCCR側と共用し、最小限のデバイスを追加して、限られた条件の下で実装を図ろうということである。

コアの技術は、これまで経験と勘に頼っていた浮力コントロールを、コンピューターに外部化し、中性浮力近傍のダイバーの労力を軽減して、その注意力を他の危険回避に振り向けることによって、総合的な安全強化を図るものである。

この機能を実現するために、既存の資源を侵害枯渇させることがないように、電源、コンピューターの計算能力、メモリー、その他のデバイスには、必要な増強を施す。

実装方法については、さらに詳細な検討が必要であるが、浮沈子は十分実現可能であると考えており、将来は潜行浮上を含めたトータルな浮力調整を、ジョイスティックを操作するだけで実現することも想定している(DPVとの連動もありか)。

3次元加速度センサー、水圧センサー等を利用して、水中での現在位置を推定することは現段階でも可能である。

現在位置を3次元的に特定して、水中マップのデータと照合し、行きたい場所を指示すれば、そこへ自動的に移動する仕組を構築することもできるだろう。

そんなダイビングの、どこが面白いのか、そんなもんが、ファンダイビングといえるのか。

それは、現在のダイバーが判断することではない。

現在のダイバーは、経験を積み、勘を磨き、必死こいて泳げばいいのだ。

かつて、BCが登場する前、ハーネスだけで潜り、フィンキックと肺の容積のコントロールで浮力調整をしたように。

我々がかつてのダイビングを見るように、未来のダイバーは、現在の我々を見ることだろう。

BCに手動で給気したり、水面を仰いで安全確認しながら浮上したり(これは、変わらないだろうが)、中性浮力に悩んだり、浮上速度や潜行速度を気にしたりするダイビングを見て、なんと思うだろうか。

それらは、ダイビングの楽しさの本質ではない。

美しい、珍しい魚を見たり、水中での浮遊感を味わったり、3次元の空間を、自由に移動したりすることが楽しいのだ。

光の殆ど届かない深い海の底へ行ったり、どこまで続くか想像もつかない水中洞窟を探検したり、巨大な沈船の中を彷徨ったりすることが楽しいのだ。

ダイビングの安全、危機管理を、コンピューターに委ね、潜水技術も可能な限り委ねて、レジャーとしての楽しみの本質だけ追求して、なぜ悪いのか。

BCに浮力の調整を頼るのと、何がどう違うというのか。

覚えが悪く、直ぐに忘れ、過ちを犯し、あろうことか、都合が悪くなると他人のせいにする(ん?、誰のことかなあ?)。

そんな、人間などという不安定なデバイスに、安全管理や危機管理を期待して、本当にいいのか。

本気で安全を追求する気があるのか。

実際問題として、当面の対策としては、人間を教育・訓練していくしか手立てはないだろう。

しかし、同時並行で、安全に繋がる器材の開発や、ゲレンデの整備も必要だ。

電波法の規制で、小型のダイバ-用電波発信機が使えないと聞いた。

水中で酸素(21パーセントを超える酸素濃度のナイトロックス含む)を吸うことについて、当局の規制が未だにあるという。

電波発信機はともかく、CCRは水中で純酸素とディリュエントガスから、ナイトロックスやトライミックスなどをブレンドしてダイバーに吸わせる機械だ。

本来なら、取締りの対象となってもおかしくない、グレーゾーンの器材である。

ちょっとアウトローな気分になりながら、先進の器材でダイビングするのもいいかも知れない。

浮力調整装置は、日の目を見ないで終わる可能性が高い。

浮沈子は、CCRの浮力調整に苦心したが、今思えば、楽しい日々でもあった。

ダイビングの安全確保や危機管理にしても、限られた資源の中で、どうやりくりして実現するかを考えたり、試してみたりすることが楽しいのだ。

こんなニッチで儲からない商売に、投資をしようなどという日本企業が出てこないのは、ある意味で健全であるな。

水中という隔絶した世界に、限られたガスしか持ち込めないことに慣れているダイバーは、きっと、浮力調整装置なんかには見向きもしないだろう。

それはそれでいい。

CCRの可能性は、きっと他にもある。

浮沈子には、まだ見えていないだけかもしれない。

CCRの未来は輝いている。

眩しくて、見えないだけなんだろうな。

手動操作2014年07月01日 21:31

手動操作
手動操作


ポセイドン・セブンでテクニカル・インストラクター講習を受講中の柏崎さんと、電話で話す。

浮沈子のEFRIコースの件だったのだが、IDCを受講中の方がいて、その方との同時受講でよければ、可能ということであった。

もちろん、OK。

浮沈子の関心は、そんなことより、CCRのマニュアル運用で苦労している柏崎さんの講習の進展の方にある。

PO2を、マニュアルインフレーターやタンクのバルブを操作しながら、一定に保つ。

口で言うのは簡単だが、実際やってみるととてつもなく難しい。

悔しいんだが、コンピューターには適わない。

浮沈子はインスピなので、液晶に表示されるPO2の値は、3つである。

酸素センサーのキャリブレーションをしても、微妙にズレがある。

反応速度にも差があり、マニュアルで酸素をぶち込んだ時、一体、3つのうち、どの値を目安にするかを決めておかなければならない。

まあ、20世紀のCCRなので、そこんとこは、いささかレトロなのである。

セブンは、もちろん表示される値は1つだけだ。

常時、診断プログラムが走っていて、センサーの信頼性をチェックしている。

最近のCCRの流行である。

インスピだって、人間が常時信頼性のチェックをしていて、最近3番のセンサーが低めに出るから、そろそろ交換時期だな、などと適当に評価しているのである。

3個のセンサーの多数決だからレトロだという方もいるが、人間系に依存して、どこが悪いんだあ?。

まあ、どうでもいいんですが。

本来、全自動洗濯機のようなセブンを、マニュアルでコントロールする狙いは、システムの一部が故障しても、CCRの物理的な構成を遺憾なく発揮して、ダイビングを継続したり、安全に浮上するためのスキルを養うことにある。

しかし、浮沈子はそれだけではないと考えている。

IANTDや、PADIがどんな目論見でマニュアル操作をやらせているかは、インストラクターではないので知る由もないが、副次的効果として、CCRをより深く理解するということがあるのではないか。

ソレノイドバルブの故障(開放での固着と、閉鎖での固着、あるいは、メチャクチャな作動!)の際の対応だけではなく、コンピューター殿が何をやっているのか、本来、人間が行うべき操作を、補佐しているに過ぎないのだということの認識、それでも、人間が行う操作より、遥かに洗練されていて無駄がなく、おかげでダイビングに集中できる有り難さを身をもって知ることが出来る。

また、SCR運用では、呼吸循環回路における二酸化炭素除去の優れた機能を使って、単にディリュエントガスをオープンサーキットで水中にぶちまけるよりも、遥かに効率的に呼吸出来ることを身体で学ぶ。

回路内への多量の浸水で、ソフノライムがドブ漬けにならない限り、CCRはオープンサーキットより安全な潜水器であり、自信を持って使用できることを、徹底して学習するのだ。

機械任せにしないマニュアル操作が出来るからこそ、安心して機械に任せることが出来る。

CCRの潜水器としての優れた仕組や、脅威的な性能が単に電気仕掛けだけで成り立っているわけではないことを思い知るのだ。

浮沈子は、ポセイドン(シスルナーでもいい)が、レクリエーショナルレベルのCCRを開発した時、喝采を送ると同時に、一抹の不安を感じた。

CCRのマニュアル操作を教えないままに、この器材をダイバーに使わせていいんだろうか?。

カウンターラングには、マニュアルインフレーションを行うための仕組はない。

何かあったら、ディリュエントをオープンサーキットモードにして、ベイルアウトするだけだ。

ステージボトルを持ち込んでいれば、それを使用するという。

まあ、レクリエーショナルだから、それでいいといえば、そういう割り切りもあるだろうが、もったいない話である。

ダイバーの誤った操作によるハイパーオキシアの危険を、構造的に排除するためというが、むしろきちんと教えて使いこなせるようにした方が安全性は高まると思うんだが。

その心は、CCRがしょっちゅう壊れるから。

その故障率は、残念ながらオープンサーキットの器材のトラブルなどより、遥かに多い。

完全な故障に見舞われたことはないが、結露による酸素センサーの不良の警告は日常茶飯事だし、バッテリーの消耗も経験がある。

インスピは、そのためにコンピューター、バッテリー、酸素センサー、モニターを多重化し、決定的なトラブルへと発展することを防ごうとしている。

それでも、事態がさらに悪化して、マニュアル操作が必要な事態が発生する確率は皆無ではない。

その時に、自信を持って、キッチリしたマニュアル操作で安全に浮上できれば、へなちょこな電子機器のトラブルなんて恐れるに足らない。

まあ、確かに、無限圧限界時間内の40m未満のダイブプロファイルでは、オープンサーキットで浮上しても、大した問題はないだろう。

それなら、リスクを低減するために、酸素を手動でぶち込むなんて恐ろしいことを可能にするバルブなんて、さっさととっぱらっちまえ!、というのも分からないではない。

どーしても、マニュアル操作がしたいというなら、テックコースを受講してくれという、商魂逞しいコース設定も、まあ、PADIのことだから有り得る話ではある。

確かに、言われてみればその通りなんだが、CCRが泣いている。

タイプRからタイプTへの改造は、SCRを除けば、現在市場に出回っているCCRの全てが対応している。

というか、マーク6やセブンを除けば、タイプTをデチューンしてタイプRに仕立てている。

テックレック戦略を考えれば、一粒で二度美味しい話ではある。

スモールステップでの教育で、リスク管理も合理的になる。

まあいいか。

減圧を要するテクニカルダイビングであっても、オープンサーキットのガスだけでベイルアウトできるような計画は立てるわけで、そんなら、テックだってマニュアル操作なんて出来なくてもいいじゃないかといえば、理屈の上ではそうなるかもしれないが、そうは問屋が卸さない。

減圧ダイビングだからこそ、きっちりとマニュアル操作を身に着けていただきましょう!。

マスタリーですな。

リスク管理上も、バディが二人とも同時にトラブった時のベイルアウトは、想定の範囲外だ。

CCRのマニュアル操作、柏崎さんの格闘は、今週いっぱい続くようだ。

人ごとながら、大いに気になる。

カード、ゲット!2014年07月01日 23:00

ガード、ゲット!
カード、ゲット!


苦節10か月、とうとう浮沈子の手元に送られてきた、PADI2枚目のカード。

「サイドマウントダイバー スペシャルティダイバー」

(PADIレクリエーショナル・サイドマウントダイバー・スペシャルティ・コース)
http://www.padi.co.jp/visitors/program/cu_psm.asp

「講習を修了すると・・・
・流線型をとり、環境に配慮して潜ることができる
・エア切れなどのトラブルにスムーズに対応できる
・腰への負担が軽減
・ダイビングスキルが向上する」

流線型、エア切れ、腰への負担はともかく、ダイビングスキルが向上するというのは、このスペシャルティを取ったからかあ?。

浮沈子には、ピーク・パフォーマンス・ボイヤンシー・スペシャルティ・コースの方が、余程ダイビングのスキルが向上するような気がするんだが。

(ピーク・パフォーマンス・ボイヤンシー・スペシャルティ・コース)
http://www.padi.co.jp/visitors/program/cu_ppb.asp

「講習を修了すると・・・
浮力コントロールにみがきをかけることによって、無駄な動きがなくなり、エアの消費も少なくなります。」

この間、ダイバー向け安全セミナーの村上講師は、オープン・ウォーター・ダイバー・コースで中性浮力のスキルを手抜きして、ピークパフォーマンスを取らせて補うなんて、詐欺だといっていたが、言い方はともかく、うまい商売を考えたものだ。

初めから、サイドマウントでダイビングを始めることもできるようになったというから、そのうち、バックマウントダイバー・スペシャリティ・コースができるようになるだろう。

ったく、ふざけた指導団体だぜ!。

まあいい。

人様に、ものを教えて食っていくためには、いろいろあるわけだな。

レクリエーショナルダイビングで、ダブルタンクの運用を可能にするサイドマウントスペシャルティは、その意味で、他のスペシャルティとは一線を画している。

PADIがあまり宣伝に積極的ではないセルフリライアントスペシャルティよりも、そのインパクトは大きい。

このブログでは何度も書いているが、PADIのテックレック戦略の中で、レクリエーショナルダイビングの世界に打ち込まれた楔である。

体験ダイビングから、テックディープインストラクターまで、一貫教育の体系を構築したPADIにとって、レクリエーショナルからテクニカルに、どうやって繋ぎを付けていくかというのは、戦略上も営業上も極めて重要なテーマだ。

一つには、Discover TEC (ディスカバーテック)のように、テックの世界をのぞいてみるというアプローチ、もう一つは、CCRという、史上最強のテクニカルダイビング御用達の器材を導入するアプローチ、そして、片側2本の計4本のフルタンクを携行可能なサイドマウントをパスとする方法である。

PADIのことだから、この辺りのビジネスモデルの構築に抜かりはない。

残念ながら、サイドマウントのCCRというコースは、ない(器材、ないので)。

まあ、どうでもいいんですが。

CCR以外のテクニカルダイビングは、潜水時間と深度が増加する関係で、水中に多くのガスを持ち込む必要があることから、ダブルタンク以上の構成となる。

バックマウントの場合、足がめり込む重さのダブルタンクを導入することに対する抵抗はかなり大きい(浮沈子は、かついだことはありません)。

サイドマウントの場合、ここのところをなんとかクリアする可能性が出てくるわけだ。

(「第11回/テック・サイドマウント -1-」)
http://www.padi.co.jp/visitors/column/tecrec11.asp

「本題に入る前に - 未だにあるサイドマウントに対する誤解:
残念なことに、現役のインストラクターでさえも、「背中にシングルタンクを背負う以外のダイビングはテクニカル・ダイビング」だと勘違いしている人が多いようです。例えば・・・
・ダブルタンクを背負っているからテクニカル・ダイビング
・タンクを2本抱えているからテクニカル・ダイビング
・リブリーザー(どのタイプでも)を使うのはテクニカル・ダイビング」

例によって、イントラの記事だが、何でサイドマウントに対する誤解の中に、リブリーザーが出て来るんだあ?。

まあ、ここで突っ込んでも仕方がないんだが・・・。

(「第6回/サイドマウントでのテック・ダイビング」)
http://www.padi.co.jp/visitors/column/tecrec6.asp

「基本的にテック・ダイビングの装備は重いです。特に重いのはメインのシリンダー2本であり、この運搬、装着等のストレスは誰もが軽減したいと思います。サイドマウントの場合、数は同じでも1本ずつ持ち運べるので、重さのストレスは劇的に小さくなります。」

「バルブの開閉が非常にしずらいバックマウントに対し、サイドマウントの場合はすべてのバルブが脇から胸の辺りにあるので、誰でも手が届きます。また視界にも入り易いので、バルブ回りのリークも発見しやすく、安全性も高いと言えます。」

「入手し易いことも利点の1つでしょう。マニホールドの付いたダブル・シリンダーはどこのダイビング・サービスでも準備されているわけではなく、特に日本国内では数えるほどしかありません。シングル・シリンダーであれば世界中どこのダイビング・サービスでもレンタルが置かれています。」

これからのテックレックを支えていくのは、サイドマウントであることは間違いない(って、CCRはどこいっちゃったんだあ?)。