CPR再び2014年07月25日 08:15

CPR再び
CPR再び


EFRIの講習を受けて、CPRについて改めて考える。

(CPR)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2011/11/12/6199515

3年近くも前の記事だが、もちっと詳しく書いておく。

現在のガイドライン2010では、胸骨圧迫が強調されているが、人工呼吸を行うことは、依然として有効とされている。

(プレスリリース)
http://eccjapanheart.org/pdf/Hands-Only_CPR_releaseFINAL.pdf

「ハンズオンリーCPRは,乳児や小児,呼吸器が原因で心停止を起こした成人(薬物過量または溺水),あるいは心停止が目撃されていない成人に行うべきではありません。
こうしたケースでは,胸骨圧迫と人工呼吸を組み合わせた従来のCPRが,傷病者に対して最も高い救命の効果をもたらすからです。」

「従来のCPRは依然として習得すべき重要なスキルであり,医療従事者が職務を遂行中の場合は従来のCPRを行うべきです。新しい勧告は病院外において心停止を起こした成人を救助しようとするバイスタンダーのみに適用されます。」

これは、米国の団体の勧告だが、我が国ではどうか。

(心肺蘇生の手順)
http://aed.jaam.jp/cpr_process.html

「心肺蘇生は、人工呼吸と胸骨圧迫(心臓マッサージ)の組み合わせが原則ですが、強く、速く、絶え間ない胸骨圧迫がもっとも重要で、胸骨圧迫だけでも実施することが強く勧められます。」

人工呼吸に抵抗があるために行われないCPRよりは、胸骨圧迫だけでも広く行われた方が救命効果は期待できるというわけだ。

AEDについては、こちら。

(AEDとは何でしょう?)
http://aed.jaam.jp/about_aed.html

「AEDとは自動体外式除細動器のことを言います。
A:Automated(自動化された)、
E:External(体外式の)、
D:Defibrillator(除細動器)です。」

まあ、こんな堅い話だけだと肩が凝ってしまうという向きには、ちょっとエッチなビデオがある。

(supersexycpr)
https://www.youtube.com/channel/UC6EOIqGQkTb8Dr5flkglSLg

いきなりビデオが再生されないように、配信元にリンクした。

これは、真面目なビデオである(年齢制限あるそうですが:60歳以上は、心臓に良くないからダメとかあ?)。

まあいい。

(FAQ)
http://aed.jaam.jp/faq.html

「Q:心肺蘇生やAEDを操作するのに何らかの資格は必要でしょうか?

A:特に資格は必要ありません。誰でも心肺蘇生やAEDの操作を行うことができます。いざというときあわてないように、是非心肺蘇生講習会への参加をお勧めします。」

行為自体は、誰でも、講習を受けた人でなくても、もちろん行える。

講習は、あくまでも普及させたり、躊躇なく行ったり、より効果的に行うためのものであって、救命行為を行うことの資格ではない。

「Q:もし、上手くいかなかったら、責任を問われることはありませんか?

A:責任を問われることはありません。救命処置は、基本的に義務のない第三者が他人に対して、傷病者の身体に対する「急迫の危害」を逃れさせるために実施するものであり、悪意または重過失がなければ心肺蘇生の実施者が救急患者から責任を問われることはないとされています。」

「悪意または重過失がなければ」というところがミソだな。

その挙証責任は、行為者にある。

グッドサマリタンローがない我が国では、法的にリスキーであることに変わりはない。

実際に、一般市民が救命行為を行った場合に損害賠償や刑事責任を問われたことはないというが、それはあくまでも「今までは」という条件付だ。

それでも、たとえば、家族に対して救命行為を行うという場合には、手順を知っていたり慌てずに(実際は慌てるでしょうが)実施できたりするわけで、CPRやAEDの使用について学ぶべきであることはいうまでもない。

この救命方法を普及させることが、社会的な認知を促進し、法的なリスクを減少させることにも繋がる(逆だ、という考えもあるかも)。

よくある誤解として、AEDだけ使えば助かるというのがある。

浮沈子も、実はそう思っていた。

「心停止には、電気ショックの適応となる「心室細動」と呼ばれる心臓のけいれん(こまかくふるえている状態)によるものと、適応でないものとがあります。AEDはこの電気ショックの適応の有無を自動的に判断してくれます。電気ショックが必要でない場合、「電気ショックは不要です」と指示をしてきます。」

「「電気ショックは不要です」=「心臓が動いている!回復した!」ではありません。」

「AEDが「電気ショックは不要です」と指示してきた時、倒れている人に反応がなかったら、必ず胸骨圧迫を行って下さい。」

CPRとAEDは、必ずセットになっている。

AEDによる除細動というのは、心停止に陥る原因の一つを治療することであって、AEDが心停止における万能治療器であるわけではないのだ。

胸骨圧迫による脳への酸素供給が絶たれれば、数分のうちに回復不能な障害が発生する。

それを防止するには、心停止後、直ちにCPRが行われる必要がある。

しかも、CPRで心臓が動き出したり、呼吸が再開したりすることは、一般的には有り得ない。

だから、CPRを行う場合には、救急機関への連絡が前提となる。

溺水などの例外を除いて、即座にCPRを始めても、誰も助けに来てくれなければ、やがて行為者が疲労困憊してCPRそのものを継続することが出来なくなる。

講習では、人形などを使って、およそ2分間のCPRを行うが、それがどれほどの労力を使うかも体験することが出来る。

こっちが労作性狭心症発作になりそうなほどである。

息は上がり、心臓がバクバクする。

たった2分で、もうたくさんという感じになる。

だから、まず連絡(119番)して、救急車を呼ばなければならない。

AEDも、誰かに持ってきてもらう手はずをして、それからCPRを始めるわけだ。

(Ken Jeong AHA Hands-Only CPR video)
https://www.youtube.com/watch?v=n5hP4DIBCEE&feature=player_detailpage

高コレステロールの食品をバカスカ食い、企業内ストレスや家庭内ストレス、過度な競争社会が内包する様々なストレスに晒され、心臓血管ボロボロの米国で流されているビデオだ。

やつらが、CPRに熱心なのは、それだけ松村邦洋のような人間が多いということでもある。

(松村邦洋)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BE%E6%9D%91%E9%82%A6%E6%B4%8B

先日の午後のまりやーじゅを聞いていたら、体重は108kgになったそうだ。

マックス140kgというから、大変なダイエットである。

まあ、適正体重が60kgくらいだから、先は長い・・・。

「2009年3月22日、再び『TokYo, Boy』の企画として「東京マラソン2009」に参加したが、スタート地点から約15kmの港区高輪2丁目付近で急性心筋梗塞による心室細動で倒れ、一時心肺停止状態となる。伴走していた国士舘大学の救護班がAEDを使用したり、医師団の処置により意識を回復、入院して順調に回復した」

(松村邦洋、東京マラソンで一時心肺停止)
http://www.nikkansports.com/entertainment/news/p-et-tp0-20090323-474214.html

「倒れた当時、松村は心臓の拍動と呼吸の停止を指す心肺停止状態だったが、その後呼吸を回復した。AEDによる処置が早かったとみられる。心停止先行の場合は3分、呼吸停止先行の場合は10分を経過すると死亡率が50%を超えるとされるだけに、早い措置に助けられた。松村は都内の病院に搬送され、そのまま入院した。」

九死に一生。

CPRのトレーニングで注意しなければならないことは、生身の人間で胸部圧迫を行わないこと。

心不全を起こす危険がある!。

じゃあ、心停止していた人間が、万が一回復したらどうなるのか。

そのまま続けていいのだろうか。

「Q心停止でない方に間違って胸骨圧迫をしてしまっても大丈夫でしょうか?

A:大丈夫です。心停止でない方に胸骨圧迫をしてしまっても支障はありません。心停止かどうか迷ったら、まずは胸骨圧迫を開始して下さい。もし、心停止でなければ手や足が動きます。」

これは、咽頭に異物が詰まった際も同じである。

生身では練習しないこと!。

ビデオなどでは、その危険がないような対応をしていることがわかる(人形と入れ替えたり、フレームを工夫たりしして、あたかも実際に行っているかのように見せている)。

その意味でも、講習に参加して人形での経験をしておくことは大切だろう。

自宅での練習では、大き目の枕を使ったり、クッションとかをタオルで巻いたりして代用することも出来る。

CPRは、あくまでも救急隊が到着するまでの繋ぎである。

まず、連絡。

そして、ARDの手配。

米国のAHAのビデオでは、今や懐メロとなったビージーズのステインアライブが流れる。

(Bee Gees - Stayin' Alive (1977):動画出ます)
https://www.youtube.com/watch?v=I_izvAbhExY

(ステイン・アライヴ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B4

「ステイン・アライブと胸骨圧迫:
この曲は平均のテンポが103/分ということで、心臓発作を起こして倒れた人に行う胸骨圧迫(心臓マッサージ)で推奨されている100/分の速さにほぼ近いということを、米イリノイ大学医学部の研究チームが発見した。そのため、胸骨圧迫の速さを覚えるためにもこの曲が使われることが多い。」

(サタデー・ナイト・フィーバー)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%BF%E3%83%87%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC

浮沈子が若かりし頃、一世を風靡した映画である。

ジョン・トラボルタの濃いー風貌、ディスコ(今じゃあ、死語ですな)、フィーバーするという流行語(これも、死語・・・)。

(Bee Gees Stayin Alive( Extended Remaster:動画出ます)
https://www.youtube.com/watch?v=YxvBPH4sArQ

若い、痩せてる・・・。

いや、ジョン・トラボルタのことなんだが。

浮沈子も、当時は若くて、痩せてたんだが。

まあ、どうでもいいんですが。

胸骨を圧迫した後に、しっかりと戻ることがポンピング効果を考えた時に大切だという。

「Q:胸骨圧迫の際に、胸の位置が元の位置に戻るまで力を抜くことが重要なのは何故ですか?

A:胸が元の位置に戻るまで力を抜くことで、全身から心臓へ戻ってくる血液を最大にして効率的な胸骨圧迫が可能となるからです。」

その一方で、なるべく早く押したいわけで、1分間に100回というのは、そのころあいを取った速さである。

PADIのEFRでなくても、消防署の講習でもいいから、CPRは知っておいた方がいい。

二次救急も、子供のEFRも習っておくに越したことはない。

そして、できれば周りの人に受講を勧めることだ。

誰のためでもない、CPRが社会に広まれば、いつかあなた自身がその恩恵を被ることになるかもしれないから。

脳への酸素を途切れさせない。

CPRの目的は、正にそこにある。

市民バイスタンダーが重要な役割を果たすことが出来るのも、その最初期の対応である。

呆然と立ってみているだけなのか、見てみぬ振りをして立ち去ってしまうのか。

うーん、浮沈子は実際の場で、どうするんだろうか。

法的リスクを負って、CPRを始めるんだろうか、AED探してきまーす!、とかいって、逃げ出すんだろうか(いやいや、ちゃんと探しに行きますけど)。

(Umpire Jim Joyce makes the best call of the year -- before the game!:追加)
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=403440353051140&set=a.335484749846701.78153.303892839672559&type=1&theater

「メジャーリーグベースボールのベテラン審判,ジム・ジョイス氏が試合開始前に「最高の判定」を下したニュースをAHAのFacebookAHAのFacebookで紹介しています。

ジョイス氏は球場で発作を起こし意識を失った女性に遭遇して,とっさの判断でCPRを実施しました。救急救命士が到着して除細動器を使用しましたが,最初のショックは失敗に終わりました。しかし,ジョイス氏はその後もCPRを止めず,救急救命士が再び除細動器を使用するまでCPRを続けたのです。この結果,女性は無事に呼吸を再開しました。この後,女性は病院に運ばれ,容態は安定していたと伝えられています。」

読了2014年07月25日 18:58

読了
読了


210ページのテキストを、とりあえず、読み終えた。

Rebreather and Advanced Rebreather Diver Manual・・・

とりあえず、読むことは読んだ。

理解したかといわれれば、書いてあることは分かったとしかいえない。

背景にある運用思想は、未知のままだ。

200ページには、次のステップについて迷いがあれば、テック40CCRのダイバーマニュアルを、ピックアップしてコピーして読め、と書いてある。

こんなこと書いてしまっていいんだろうか?。

違法コピーの助長なんじゃね?。

もちろん、浮沈子は正規に買い求めるつもりだが、何ページあるか分からない英文のマニュアルと、またまた格闘することになりそうである。

それこそ、日本語に翻訳される可能性は、皆無に近い・・・。

CCRのテクニカルコースは、テック40CCR、テック60CCR、テック100CCRとなっている。

(TecRecニュース)
http://www.padi.co.jp/visitors/program/tecrecnews.asp

内容については推測でしかないが、テック40CCRでは、ひたすらマニュアルインフレーションをやらされるそうだ。

テック60CCRでは、当然、ノーモキシックトライミックスを使用した減圧潜水、テック100CCRでは、ハイポキシックトライミックスを使用しての減圧潜水となると思われる。

ヘリウムが枯渇する前に、早いとこ習っておかないと(枯渇したら、習ったって、潜れないじゃん!?)

まあいい。

先は長いということである。

それぞれのコースには、漏れなくインストラクターレベルの認定も設定されているので、それぞれのインストラクタートレーナーに付いて教わることになるんだろう。

そんでもって、たぶん、ダイバー用よりも分厚いインストラクターマニュアルがあるわけだな・・・。

まあ、もう、どうでもいいんですが。

199ページに、リチャード・パイル(マーク6の開発者の一人でもある)の言葉が載っているのだが、50本でノービス、200本でビギナーだそうだ。

(Richard L. Pyle, Ph.D.)
http://hbs.bishopmuseum.org/staff/pylerichard.html

なんだ、本職は動物学者か。

浮沈子は、ビギナーに毛が生えたようなもんだな。

おそらく、テック40CCRで、初めてまともな運用を習うことになるんだろう。

ちゃんとマニュアルインフレーター付きのカウンターラングで。

ったく、最初っからこれで習っておけば良かったんだが、なんせ、インストラクターの養成中だったのと、セブンの出来を見極めたかったということがある(どうも、セブンも当たりはずれがあるようだな)。

仕方ない、浮沈子が生徒(人身御供)になって、インストラクターの慣熟に貢献しよう。

レクリエーショナルレベルのリブリーザーのマニュアルとして、PADIクオリティでどこまで書き込まれているのか、非常に興味があった。

リブリーザーという、オープンサーキットとは全く異なる潜水器について、その本質的なところはかなり端折っている。

実際の運用はこうしろ!、というところは、逆に、詳細に書かれている感じがした。

まあ、その運用自体が、省略されているということはあるんだが。

タイプRという、訳のわからないモデルで、市場拡大を図ろうというのだが、そううまくいくんだろうか。

とにかく、ハイパーオキシアをとことん嫌ったという感じだな。

そのくせ、酸素毒性に関しては、殆ど触れられていない。

そっちは、ナイトロックスの講習でやったからいいんだ、もう、十分知っているはずだから、CCRでは省略していいんだという発想である。

じゃあ、逆に、ハイポキシアについてどれ程書かれているというのか。

大した記述はない。

人間の脳が、僅かな範囲の酸素でしかまともに働かないということは、もっと強調されていい。

もっとも、そっちの方は、テック100CCR辺りでやればいいという発想なのかもしれない。

何かあったらベイルアウトとはいうものの、二酸化炭素を除去して、息苦しさを感じないままブラックアウトするCCRの特性を考えれば、ベイルアウトへの切り替えが出来るかどうかというのが、最大の問題だ。

ハイパーカプニアについては、殆ど触れられていない。

これは、そもそも、スクラバーの管理以外にどうしようもないということがあるんだろうが、リブリーザーの構造的な問題であるだけに、酸素の問題と関連付けて説明する必要がある。

さわりだけ書いて、それで終わりでは、生徒に伝わらないだろう。

最近のリブリーザーは、ベイルアウトに切り替えるのに、マウスピースを咥えたままでいいので、回路内への浸水が発生しにくい構造ではある。

それでも、オフボードシリンダーへの切り替えはあるわけだし、回路内への浸水の対策と、具体的な運用についてはもう少し手厚く書いておいて欲しいものだ。

パイポキシア、ハイパーオキシア、ハイパーカプニア、回路内の浸水・・・。

CCRの構造的、原理的なトラブルは、酸素分圧の計算が出来たくらいでは話にならず、オープンサーキットの原理とは、全く異なるところに由来する。

呼吸するガスが常に同一(もちろん、深度によってPO2などは変わりますが)のオープンサーキットと、人為的にコントロールして混合比を調整しているCCRなどを、同じように捉えるのは危険極まりない。

変動要素が大きく、故障したときの自動的なリカバリーが保証されていない。

水中というシビアな環境で、こんなものを運用しようということ自体が、とんでもない話だ。

医療関係者なら、プロフェッショナルな管理下での運用が必要で、完璧なメンテナンスと同等の機器のバックアップがなければ、怖くて潜れないだろう。

故障を検知すれば、自動的にバックアップに切り替わるというのが、命が懸った機械の常識である。

正・副・予備の3台体制が基本だ。

従来のリブリーザーが、レクリエーショナル市場に進出してこなかったのは、やはりこの辺りに理由があるからではないか(何かあったら、面倒だし)。

特殊な器材のまま、訳の分かったダイバー(器材のメンテナンスを完璧に行い、チェックを怠らず、保守的な運用に徹し、万が一のことがあっても、自己責任でメーカーや指導団体を訴えたりしない)だけが、命懸けで使ってちょうどいい。

昨日今日ダイビングを始めて、魚を追いかけながらコンデジで撮りまくっているミーハーなダイバーが手を出す代物ではない。

浮沈子は、どちらかというと、ダイビングの器材としてはリブリーザーの運用経験が長く、最近になって、改めてオープンサーキットを使い始めているが、現時点でレクリエーショナルレベルでリブリーザーを積極的に選択する理由が見当たらなくなってきた。

まあ、こっちの方(CCR)が慣れてるからということくらいか。

ナイトロックス詰めたサイドマウント2本持ちで、何の不足もないだろう。

これが、大深度潜水になると、ガス持ちとか、タンクの重量とか、効率的な減圧などの明らかなメリットがあって、CCR以外の選択がなくなってくる。

ベイルアウトガスの携行の問題で、浮沈子は60mまでのノーモキシックトラミックスを使用した減圧潜水で十分な気がする。

それ以上になると、大深度下で吸う酸素濃度を下げたベイルアウトガスを、浅場で間違えて吸った時に、イチコロの可能性がある。

うーん、そこまでして深場に行きたいかといえば、水温も下がるし、光も届きにくくなるし、魚も少ないし(場所と種類にもよりますが)、あんまり興味が湧かないな。

何年か前に、オープンサーキットでトライミックスを習っていた女性の話を聞いたが、ウミウシで深いところにしかいない種類があって、それをどうしても見に行きたいんだそうだ。

あんなナメクジのどこがいいんだか・・・(失礼!)。

浮沈子は、そこまでヘンタイではないので、ちゃんとした減圧ダイビングをして上がってくる中層程度のダイビングで沢山だ。

いや、そうすると、セブンじゃなくても、マーク6でもいいってことかあ?。

(Poseidon Mk6)
http://www.poseidon-j.com/#!mk-6/c241

「現在ではレクリエーショナルダイビングの限界、水深40mまでの無減圧潜水の範囲を超えて、水深60mまでの減圧潜水にも対応できるように発展を遂げたのです。」

(60M TRIMIX UPGRADE)
http://www.poseidon.com/products/rebreathers/60m-trimix-upgrade

(60m 減圧モデル アップグレード)
http://www.poseidon-j.com/#!news/nws5/42c94a2d-9356-43f8-83d8-34bab795e0d9/60m-%E6%B8%9B%E5%9C%A7%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB-%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%89

「アップグレード費用:254,100円(税込)
送料:お申込状況により別途スウェーデンへの送料が必要となる場合があります。
アップグレード内訳:電子モジュール/バッテリーのプログラム書き換え、60m用カウンターラング/ホース類の物品を含む。」

なんか、アップグレード費用の方が、セブンとの差額よりも高くつきそうだな。

早くも中古狙いかあ?。

セブンのの登場で、中古市場にマーク6が溢れ出すんじゃないだろうか。

しかし、ここは、初心貫徹で、ハードウェア毎新しくなったセブンを狙うのが正しいだろう。

特に電子デバイスは、進歩が早いので、それを入れ替えたセブンは、いろいろな意味で正しい選択になる。

まあ、初期不良とかは、そのうち解消されるだろうから、慌てることはない。

英文のマニュアルは、さすがによくチェックされていて、内容はともかくとして、誤植を見つけられたのは103ページの「diffe(r)ent」と163ページの「6. 6.」(6がダブり)の2箇所だけである。

内容的に読み込んでいけば、矛盾する記述があるかもしれない。

何か見つけてやろうと、これから精読するわけだが、それにしても読み応えのあるテキストだ。

このブログの更新ペースが落ちているのも、そのせいである。

PADIが、早く日本語版を出してくれれば、こんなに苦労をしなくても済んだんだろうが、どちらかというと言語の壁よりも、文字の大きさ(小ささ?)に悩まされている。

The Rebreather and Advanced Rebreather Diver Key Skills videoというのがあるらしいが、こっちも入手してみようかと考えている(もちろん、英語版・・・)。

まあ、とりあえず読了して、どんなことが書かれているかは分かった。

近々改定されるような話も聞いていないので、当分の間、これで商売するつもりなんだろう。

早いとこ読み込んで、心置きなく海洋実習に臨もう。

夢追い人2014年07月25日 19:57

夢追い人
夢追い人


ビッグニュースが飛び込んできた。

(シエラ・ネバダ、有人宇宙船『ドリームチェイサー』開発でJAXAと協力へ)
http://response.jp/article/2014/07/25/228477.html

(Sierra Nevada Corporation Announces Cooperative Understanding with Japanese Aerospace Exploration Agency for the Dream Chaser® Space System:元記事)
http://www.sncorp.com/press_more_info.php?id=624

「シエラ・ネバダ社とJAXAの協力の詳細はまだ公表されていないが、JAXA広報部によれば「将来の技術協力に向けた話し合いを開始する」段階とのことだ。」

「SNC発表では、日本の技術やミッションコンセプトをドリームチェイサーに適用する、ドリームチェイサーを日本から打ち上げ、着陸する運用の可能性といった内容が含まれるとしている。」

この微妙な温度差が、何ともいえないな。

「シエラ・ネバダ社はこのほか、ESA 欧州宇宙機関、DLR ドイツ連邦宇宙庁とも協力関係にある。」

当然、NASAとは開発についての契約関係にあるわけで、言ってみれば片っ端から協力関係を取り付けていこうと、そういうわけなんじゃないのかあ?。

まあいい。

この有翼宇宙船は、後ろから出入りする仕組になっている。

(Dream Chaser - Sierra Nevada Corporation (SNC))
http://spaceodyssey.dmns.org/missionsobservatories/private-commercial/dreamchaser-sierranevada.aspx

浮沈子には、どう考えてもスペースシャトルの小型版にしか見えない。

(Dream Chaser 'mini shuttle' targets 2016 launch from Cape)
http://www.floridatoday.com/article/20140123/SPACE/140123023/Dream-Chaser-mini-shuttle-targets-2016-launch-from-Cape

比較画像があるページ。

7人乗りとはいえ、大型バスがすっぽり入るスペースシャトルとは大違いだ。

ISSに人員を運ぶNASAの次期有人宇宙船は、熾烈な競争が行われている。

貨物用のシャトルはいろいろあるが、有人機は今のところソユーズしかなく、米国は大枚をはたいて運んでもらっているわけだ。

このままでは立つ瀬がない!。

早いとこ、新型の有人宇宙船を飛ばしたいのは山々だが、先行するスペースXも、試作機が出来たばかりで、本格的な試験はこれからという段階である。

スペースシャトルを退役させた時、こうなることは十分分かっていたはずだが、一刻も早く危ないシャトルを引っ込める必要があったわけだ。

その、同じ有翼宇宙船が、再び日の目を見ようとしている。

もちろん、緊急脱出用の非常ロケットを備えていたり、耐熱タイルの品質管理などに独自のノウハウがあるのだろうし、何といっても、滑走路に降り立つというカッコよさ(これ、重要です!)。

しかし、浮沈子的には、低軌道運用に限定される宇宙船で、使い捨てロケットでの打ち上げにしか対応していない現状で、NASAの有人シャトルの競争に勝てるかどうかはわからない。

民生用として、なんとか活路を見出したいのかもしれない。

ロケットで打ち上げてもらうことから、スッペースシップツーとは異なり、弾道軌道ではなく、地球周回軌道に上がることが出来る(じゃないと、ISS行けないんで)。

ピンポイントで再利用しようというドラゴン2とは異なり、滑走路を必要とする。

緊急時のための複数の滑走路の確保が必要で、JAXAとの協定は、そのための布石かもしれない。

打ち上げは、安いロケットで沢山だ。

いざというときに降りられて、打ち上げ場所まで運んでもらえればいい。

それには大した技術は必要ないのだ・・・。

今回の協定には、背後に様々な要因が絡んでいるように思える。

まだ、海のものとも山のものともわからない(まあ、そら(宙)のものですが)。

有翼式の宇宙船には、翼に乗って宇宙に駆け上がるという人類の夢が込められている。

どこまでも夢を追いかけていくドリームチェイサーに、今日は1票を投じよう。

アクエリアス2014年07月25日 23:38

アクエリアス
アクエリアス


(みずがめ座)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%BF%E3%81%9A%E3%81%8C%E3%82%81%E5%BA%A7

「みずがめ座(水瓶座、Aquarius)は、黄道十二星座の1つ。」

「この星座には2等星以上の明るい星は無い。」

(宝瓶宮)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%9D%E7%93%B6%E5%AE%AE

「標準的な期間 - 1月20日-2月18日」

(アクエリアス-AQUARIUS)
http://www.aquarius-sports.jp/

(アクエリアス)
http://www.cocacola.co.jp/brands/aquarius/

ああ、あれってコカコーラだったんですね!。

知らなかったなあ。

で、今回のお題は、これ。

(星出彰彦宇宙飛行士が海底から会見…惑星探査のチャレンジに向けて)
http://response.jp/article/2014/07/24/228427.html

「NEEMOは、アメリカ、フロリダ沖水深20mに設置された海底の研究施設。「アクエリアス」の愛称で呼ばれている。海底の施設からは外に出ることが容易ではなく、機械を使って安全を維持し、常に安全を意識しなくてはならない。こうした環境でミッションをこなす環境は宇宙飛行と似ているとされる。宇宙探査で使用する機器の開発、運用に向けた実証なども行っている。」

(海底で宇宙飛行士の訓練! NEEMO:ビデオでも見られます)
http://www.jaxaclub.jp/cgi-bin/index2f09.html

(NASA returns to Aquarius for first of 2 missions this year)
http://news.fiu.edu/2014/07/nasa-returns-to-aquarius-for-first-of-2-missions-this-year/79745

今年は、2回の訓練が予定されている。

JAXAのビデオでも紹介されていたが、3つの点で宇宙と海中は似ている。

・無重力環境
・空気がない
・簡単に出られない

まあ、正確には似て非なるものだ。

宇宙空間(といっても地球低軌道)は、自由落下によって、遠心力と重力とが釣り合って、無重力状態となっている。

しかし、水中は重力と浮力の釣り合いでふわふわしているが、無重力というわけではない。

手に持ったスパナを離せばわかる。

宇宙では、その辺をふわふわしているが、水中ではてきめんに落下する。

空気がないというのは確かに似ているな。

アクエリアスのような、周囲環境と同じ圧力にした海底基地では、基地の構造物は耐圧設計である必要はない。

環境圧と釣り合っているので、潜水艦のように圧壊するようなことはない(もっとも、20mじゃあね・・・)。

それに対して、宇宙空間は気圧ゼロである。

構造は、気圧の差に耐える構造であることが求められる(もっとも、1気圧じゃあね・・・)。

どちらも、空気を閉じ込めておくために、気密性(水密性)が求められる。

宇宙船から地球に戻るのは極めて困難である。

ゼログラビティという映画があるが、破壊された人工衛星の破片が元で、大変な状況に陥ったサンドラ・ブロック演じる女性科学者が、数々の難関を乗り越えて、地球への帰還を果たすというストーリーで、消火器が大活躍する。

消火器って、こういう使い方もあるんだ・・・。

まあ、どうでもいいんですが。

水深20mの飽和潜水状態での滞在は、17時間掛けて減圧しないといけない。

3分間の安全停止程度では、浮上できないのだ。

(Aquarius (laboratory))
http://en.wikipedia.org/wiki/Aquarius_(laboratory)

ここは、元々、NOAAの施設である。

(アメリカ海洋大気庁)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E6%B5%B7%E6%B4%8B%E5%A4%A7%E6%B0%97%E5%BA%81

日本でいえば、気象庁なんだろうか。

「日本語圏ではアメリカ海洋大気局と表記されることも多い」

この施設は現在はフロリダ国際大学に移管されているが、建造当時はカリフォルニアにあった。

紆余曲折を経て、この地に落ち着いているが、2009年にはリブリーザーダイビングによる事故が起こっている。

「A diver named Dewey Smith died during a dive from Aquarius in May 2009. A subsequent investigation determined that Smith's death was caused by a combination of factors, including the failure of the electronic functions of his Inspiration closed circuit rebreather due to hydrodynamic forces from a hydraulic impact hammer being used nearby.」

ハイドロリック・インパクト・ハンマーというのが、何のことやらさっぱりだが、CCRのインスピのエレキがイカレタことは確かなようだ。

ははあ、それでみんなオープンサーキットで潜っているんだ・・・。

(Hydraulic impact hammers)
http://www.junttan.com/products/hydraulic_impact_hammers

こんなもん、近くで使うなよな。

まあいい。

極限環境では、事故はつきものである。

確かに宇宙と似ていなくもないが、アパートに外から鍵掛けてしまうのと、どこが違うかを考えると、何ともいえない。

1か月の家賃は、共益費含めて5万9千円だが、アクエリアスはこれよりは高いに違いない・・・。

南の島の暖かい海で、のんびりと水中生活を楽しむ。

ビデオでは命懸けで取り組んでいるといってたが、まあ、確かに死亡事故とか起きてはいるが、浮沈子から見ると、バカンス以外の何物にも見えない。

ワントリーで、岩石採取の訓練とかいわれてもなあ・・・。

(水深20メートル サンゴ礁に広がる小さな宇宙)
http://globe.asahi.com/feature/article/2012053100009.html

「「地上との交信の遅れに慣れたり、機械操作を習得したりするのにも、海の中はうってつけだ」。宇宙飛行士は、魚の数を数えたり、サンゴのサンプルを写真に撮ったりする。小惑星で岩石を調査する練習だ。宇宙から帰った宇宙飛行士たちは「水中と宇宙はそっくりだった」と話すという。」

そんなら、宇宙になんか行かないで、アクエリアスで実験とか研究してればいいじゃん?。

浮沈子のアパートよりは高いだろうが、ISSよりは安いんじゃね?。

(国際宇宙ステーションへの日本参加、2024年まで延長の方向性)
http://response.jp/article/2014/07/25/228535.html

ISSといえば、ロシアは2020年までに撤退するんだそうだ。

「また、ロシアが2020年以降はISSに参加しないとの表明したことも報告された。」

ということは、いよいよ中国が乗り込んでくるのかあ?。

ソユーズのデッドコピーの宇宙船だから、ドッキングモジュールなんかも共通で、そのままドッキングできんじゃね?。

我が国の核心的利益とかいって、将来はISSごと乗っ取られるかもしれない。

もともと、ISSは中国が打ち上げたものだとかいって・・・。

歴史の捏造は、覇道の常道である。

このところ、米国はISSには殆ど関心を示さずに、火星とか、小惑星捕獲とか、浮世離れしたことばかりいっている。

地球低軌道を周回するISSだって、十分浮世離れしてるんだが。

「将来の火星有人探査に繋がる有人宇宙技術の獲得の意義など、参加延長に向けての意見があった。」

そりゃあ、推進派で固めた有識者会議なんて、賛成意見ばっかしで、米国のお下がりもらって喜んでたって仕方ないじゃんなんていう意見が出るわけがない。

2020年からの5年間は、米国民間企業の有人シャトル(ドリームチェイサーかも!)でいったりきたりして、莫大なコストを掛けて打ち上げたISSを維持していくことになるんだろう。

有人火星探査なんて、本当に実現できるんだろうか。

現在の技術では、片道しか無理だということになっている。

生理学的にも、ロケット技術的にも、往復は困難だ。

そんな海のものとも山のものとも付かない(だから、宙(そら)のものだって)探査のために、大枚はたいてISSを維持する必要があるんだろうか。

(欧州宇宙機関、補給機最後の打ち上げへ…日本時間7月30日午前8時44分)
http://response.jp/article/2014/07/24/228425.html

「ATV5フライトは、今回が最後のATVの飛行ミッションとなる。」

「将来、ISSを大気圏へ再突入させる飛行経路を計画するため、ミッションを終えたATV5は、過去のATVフライト時とは異なる飛行経路で大気圏へ再突入する予定。」

ISSは、既に廃棄に向けて動き出している。

我が国は、そんなクズの宇宙ステーションに予算を投入しようとしている。

無駄金を使うことを、海に穴を掘って捨てるようなものだという例えがあるらしいが、宇宙に捨てた方が捨て甲斐があるとでもいうんだろうか。

アクエリアスでの実験が、結局そこに繋がっていると考えると、なんだかやりきれなくなる。