啓示 ― 2014年08月19日 00:51
啓示
今日は、もうエボラネタはないだろうと、ネットをチェックしたら、とうとう出た!。
(エボラ感染疑われる女性 アブダビの空港で死亡)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140818/k10013898731000.html
「17日、ナイジェリアからインドに向かっていたナイジェリア人の35歳の女性が飛行機の乗り継ぎのためにアラブ首長国連邦の首都アブダビの空港にいたところ、突然体調を崩し、治療を受けましたが、死亡しました。」
「地元の保健当局は、女性はエボラウイルスへの感染が疑われる症状だったとしています。
これを受けて当局は、飛行機で隣に座っていた女性の夫のほか、治療にあたった5人の医療スタッフを隔離」
まあ、今回は仮に感染していたとしても、乗り継ぎ先がしっかりしているので、大丈夫だろうが、とうとうこのパターンが出たという点で、浮沈子の衝撃はデカイ。
ナイジェリアは、感染者に接触した人々を、監視してるんじゃなかったのかあ?。
まあいい。
掟破りの逃避行とか、あっさり起きちゃったりしてるし・・・。
新華社は、もう少し詳しく伝えている。
(ナイジェリア人女性がUAEの空港で死亡、エボラ出血熱に似た症状-新華網)
http://www.xinhuaxia.jp/social/43980
「アブダビ保健庁(HAAD)は声明で、ガンになった35才の女性はナイジェリアから治療を求めインドに行くため、空港で乗り継ぎの手続きをとっていたが、病状が急に悪化し、応急手当を受けたが死亡した。この女性はエボラ出血熱に似た症状が出ていたと声明を出した。」
「HAADによると、医者は世界保健機関(WHO)の伝染病予防標準に基づき、感染予防措置を取った。今までに死者に接触したことがある夫と医療スタッフ5人は健康状況が良好であり、如何なる症状も出ていないが、念のため、検査結果が出るまで彼らは隔離される状態だ。」
問題は、症状末期の感染者が、どうして航空機に乗れたかということと、機内感染のリスクは、隣の席だけでいいのかということだ。
だって、末期だったら、猛烈に排菌してるでしょうが!。
(感染か…35歳女性がUAEの空港で死亡)
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140818/mds14081822160011-n1.htm
「AP通信によると、女性はがんの治療のためナイジェリアからインドに向かっていた。」
うーん、本当だとすると、今後の対応が気になるところだ。
こんな記事もある。
(対応後手とWHOに批判高まる)
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140818/mds14081800510002-n1.htm
「世界保健機関(WHO)の対応が後手に回っているとの批判が欧米メディアや国際非政府組織(NGO)の間で高まり始めた。現地で医療支援をする国境なき医師団(MSF)は「WHOはもっと指導力を示すべきだ」といらだちをあらわにしている。」
「現地のWHOアフリカ地域事務局が「無力で統制が取れていない」と指摘。「ようやく重い腰を上げたジュネーブの本部も予算不足に阻まれ、有能な人材も不足している」と付け足した。」
「WHO幹部は4月上旬に「完全に封じ込めるまであと2~4カ月かかる」との見解を示したが、感染はむしろ拡大の一途をたどっている。」
正しい感染者の報告が行われていない状況の中で、まともな対応を取ることはできないだろう。
(地元住民が医療従事者を脅迫・嫌がらせ WHOが懸念示す)
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140818/mds14081819510009-n1.htm
「WHOは「医療従事者は危険を冒して重要な医療を行っているにもかかわらず、脅迫されたり疎まれたりしている」と指摘した。」
「感染地域では、エボラ熱が欧米諸国から持ち込まれた病気と信じる人もいるほか、医療従事者が遺体を盗んだり故意に感染させたりしているとの根も葉もないうわさも出ているとされる。」
こんな状況の中で、効果的な感染対策などできっこない!。
(世界の航空会社がエボラを怖がらない理由)
http://jp.ibtimes.com/articles/60060/20140805/946865.htm
「エボラウイルスにさらされ、症状の現れた人が、誰にも知られぬままに普通の飛行機や他の交通機関などに乗り込む可能性もあります。そのような患者は、到着と同時に、すぐに医師の診断を求める可能性が非常に高い。そして、更なる感染を防ぐため、隔離されるでしょう。このような状況の中で、同乗した旅行者への(感染)リスクは非常に低いですが、接触者追跡は、このような状況下で推奨されています」
つまり、リスクはあるということだ。
その患者は、機内でトイレに行くだろう。
そこで吐いているかもしれない。
我々は、トイレから出るときに手を洗う習慣がある。
便器を使用している(便座にふれたりする)時には、普通、手は洗わないのではないか?。
用を足している間、その手で、鼻や口の近くを触ることは絶対ないか?。
ああ、鼻がむずむずする・・・。
アウトである。
発症している患者が搭乗していれば、機内の「誰もが」感染の危険に有意に晒されているのだ。
エボラウイルスが、室温で数日生存していけることも考慮しなければならない。
機内だけではなく、空港や周辺施設も問題である。
トランジットの際に、長時間の待ち時間があれば、レストランにいくこともあるだろう。
そのレストランには、町中の人々が訪れるのだ。
接触感染は、飛沫感染や飛沫核感染に比べれば遥かにリスクは小さいが、エボラを舐めてはいけない(喩えです、もちろん!)。
(EBOLA VIRUS)
http://www.phac-aspc.gc.ca/lab-bio/res/psds-ftss/ebola-eng.php
「INFECTIOUS DOSE: 1 - 10 aerosolized organisms are sufficient to cause infection in humans.」
ウィキが参照しているカナダの公式のページだが、確かに1-10個のエアロゾル化した病原体で感染すると書いてある。
これって、飛沫感染じゃね?。
まあいい。
一応、接触感染ということになっている。
このアブダビのケースは、ちと厄介だな。
同様の事例が、今後増えてくるようだと、同乗者や空港関係者、空港近隣の施設などにも影響が出る恐れがある。
そして、トランジットする国では、何か良からぬことが起こるというわけだ。
ケニアは、この事態を警戒したのだろうし、WHOもそのリスクをケニアに警告していたわけだ。
UAEは、ちぇっ、とか言っているのではないか?。
ウチかよ!?。
そう、ババ抜きのババを引いてしまったわけだな。
今まで、同様のケースは何件かあって、発表されている限り、全て陰性(マラリアなど他の疾病)ということになっている。
今回は、症状が急変したことも含めて、怪しいといえば怪しい(マラリアでも急変はあります)。
今後の推移を見守るしかないが、航空関係者は肝を冷やすことだろう。
(WHO、エボラ感染国に出国者全員の検査実施を要請:追加)
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPKBN0GI21T20140818
今日は、もうエボラネタはないだろうと、ネットをチェックしたら、とうとう出た!。
(エボラ感染疑われる女性 アブダビの空港で死亡)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140818/k10013898731000.html
「17日、ナイジェリアからインドに向かっていたナイジェリア人の35歳の女性が飛行機の乗り継ぎのためにアラブ首長国連邦の首都アブダビの空港にいたところ、突然体調を崩し、治療を受けましたが、死亡しました。」
「地元の保健当局は、女性はエボラウイルスへの感染が疑われる症状だったとしています。
これを受けて当局は、飛行機で隣に座っていた女性の夫のほか、治療にあたった5人の医療スタッフを隔離」
まあ、今回は仮に感染していたとしても、乗り継ぎ先がしっかりしているので、大丈夫だろうが、とうとうこのパターンが出たという点で、浮沈子の衝撃はデカイ。
ナイジェリアは、感染者に接触した人々を、監視してるんじゃなかったのかあ?。
まあいい。
掟破りの逃避行とか、あっさり起きちゃったりしてるし・・・。
新華社は、もう少し詳しく伝えている。
(ナイジェリア人女性がUAEの空港で死亡、エボラ出血熱に似た症状-新華網)
http://www.xinhuaxia.jp/social/43980
「アブダビ保健庁(HAAD)は声明で、ガンになった35才の女性はナイジェリアから治療を求めインドに行くため、空港で乗り継ぎの手続きをとっていたが、病状が急に悪化し、応急手当を受けたが死亡した。この女性はエボラ出血熱に似た症状が出ていたと声明を出した。」
「HAADによると、医者は世界保健機関(WHO)の伝染病予防標準に基づき、感染予防措置を取った。今までに死者に接触したことがある夫と医療スタッフ5人は健康状況が良好であり、如何なる症状も出ていないが、念のため、検査結果が出るまで彼らは隔離される状態だ。」
問題は、症状末期の感染者が、どうして航空機に乗れたかということと、機内感染のリスクは、隣の席だけでいいのかということだ。
だって、末期だったら、猛烈に排菌してるでしょうが!。
(感染か…35歳女性がUAEの空港で死亡)
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140818/mds14081822160011-n1.htm
「AP通信によると、女性はがんの治療のためナイジェリアからインドに向かっていた。」
うーん、本当だとすると、今後の対応が気になるところだ。
こんな記事もある。
(対応後手とWHOに批判高まる)
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140818/mds14081800510002-n1.htm
「世界保健機関(WHO)の対応が後手に回っているとの批判が欧米メディアや国際非政府組織(NGO)の間で高まり始めた。現地で医療支援をする国境なき医師団(MSF)は「WHOはもっと指導力を示すべきだ」といらだちをあらわにしている。」
「現地のWHOアフリカ地域事務局が「無力で統制が取れていない」と指摘。「ようやく重い腰を上げたジュネーブの本部も予算不足に阻まれ、有能な人材も不足している」と付け足した。」
「WHO幹部は4月上旬に「完全に封じ込めるまであと2~4カ月かかる」との見解を示したが、感染はむしろ拡大の一途をたどっている。」
正しい感染者の報告が行われていない状況の中で、まともな対応を取ることはできないだろう。
(地元住民が医療従事者を脅迫・嫌がらせ WHOが懸念示す)
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140818/mds14081819510009-n1.htm
「WHOは「医療従事者は危険を冒して重要な医療を行っているにもかかわらず、脅迫されたり疎まれたりしている」と指摘した。」
「感染地域では、エボラ熱が欧米諸国から持ち込まれた病気と信じる人もいるほか、医療従事者が遺体を盗んだり故意に感染させたりしているとの根も葉もないうわさも出ているとされる。」
こんな状況の中で、効果的な感染対策などできっこない!。
(世界の航空会社がエボラを怖がらない理由)
http://jp.ibtimes.com/articles/60060/20140805/946865.htm
「エボラウイルスにさらされ、症状の現れた人が、誰にも知られぬままに普通の飛行機や他の交通機関などに乗り込む可能性もあります。そのような患者は、到着と同時に、すぐに医師の診断を求める可能性が非常に高い。そして、更なる感染を防ぐため、隔離されるでしょう。このような状況の中で、同乗した旅行者への(感染)リスクは非常に低いですが、接触者追跡は、このような状況下で推奨されています」
つまり、リスクはあるということだ。
その患者は、機内でトイレに行くだろう。
そこで吐いているかもしれない。
我々は、トイレから出るときに手を洗う習慣がある。
便器を使用している(便座にふれたりする)時には、普通、手は洗わないのではないか?。
用を足している間、その手で、鼻や口の近くを触ることは絶対ないか?。
ああ、鼻がむずむずする・・・。
アウトである。
発症している患者が搭乗していれば、機内の「誰もが」感染の危険に有意に晒されているのだ。
エボラウイルスが、室温で数日生存していけることも考慮しなければならない。
機内だけではなく、空港や周辺施設も問題である。
トランジットの際に、長時間の待ち時間があれば、レストランにいくこともあるだろう。
そのレストランには、町中の人々が訪れるのだ。
接触感染は、飛沫感染や飛沫核感染に比べれば遥かにリスクは小さいが、エボラを舐めてはいけない(喩えです、もちろん!)。
(EBOLA VIRUS)
http://www.phac-aspc.gc.ca/lab-bio/res/psds-ftss/ebola-eng.php
「INFECTIOUS DOSE: 1 - 10 aerosolized organisms are sufficient to cause infection in humans.」
ウィキが参照しているカナダの公式のページだが、確かに1-10個のエアロゾル化した病原体で感染すると書いてある。
これって、飛沫感染じゃね?。
まあいい。
一応、接触感染ということになっている。
このアブダビのケースは、ちと厄介だな。
同様の事例が、今後増えてくるようだと、同乗者や空港関係者、空港近隣の施設などにも影響が出る恐れがある。
そして、トランジットする国では、何か良からぬことが起こるというわけだ。
ケニアは、この事態を警戒したのだろうし、WHOもそのリスクをケニアに警告していたわけだ。
UAEは、ちぇっ、とか言っているのではないか?。
ウチかよ!?。
そう、ババ抜きのババを引いてしまったわけだな。
今まで、同様のケースは何件かあって、発表されている限り、全て陰性(マラリアなど他の疾病)ということになっている。
今回は、症状が急変したことも含めて、怪しいといえば怪しい(マラリアでも急変はあります)。
今後の推移を見守るしかないが、航空関係者は肝を冷やすことだろう。
(WHO、エボラ感染国に出国者全員の検査実施を要請:追加)
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPKBN0GI21T20140818
希望 ― 2014年08月19日 14:53
希望
泥沼のようなエボラの記事の中に、宝石のような話があった。
(エボラ対策最前線、カギは完治患者 正しい情報の伝達役に期待)
http://www.afpbb.com/articles/-/3023360
「突然、義父の点滴管がはずれ、痩せ衰えた血管から飛び散った血液がハワさんの目や口に飛び込んだ。」
恐怖の一瞬・・・。
「エボラウイルスは、けし粒よりも小さな血液1滴に最大で1億個も含まれている。人ひとりの命を奪うには十分な量だ。」
「私の体のあちこちに血が飛び散った。みんな逃げてしまったので、自分でバケツ1杯の消毒液をかぶった」
「帰宅したハワさんはこの騒動を忘れてしまっていたが、1週間ほど経って発熱と頭痛が始まった。エボラ出血熱の初期症状だ。」
「夫のナロ(Nallo Idrisa)さんは感染していた。夫妻は東部カイラフン(Kailahun)地区の中心都市カイラハン(Kailahan)にある国際医療支援団体「国境なき医師団(Doctors Without Borders、MSF)」の治療施設に入院した。」
「エボラ出血熱は早期に患者を特定し、解熱剤を投与しつつ脱水症状を治療して栄養を補給するなど適切な処置を行えば、生存率が著しく上昇する。」
「多くの地元民はエボラ出血熱の予防法も治療法も知らない。病気の存在を認めない人も少なくない。」
「感染拡大への対策としても、非常に効果がある。回復した元患者が帰宅して治療施設での体験を話せば、感染しても治る希望があることを人々に知ってもらえる。地域社会とMSFとの信頼醸成にもつながる」
「患者たちが食事を与えられ、ソフトドリンクは飲み放題で、シャワーやトイレも完備した施設で治療してもらえる上、家族たちも見舞いに来ていいと知ると、人々は驚くという。」
国境なき医師団は、面会を認めているのか・・・。
これは、浮沈子にとっても驚きだな。
ハワさんが感染したのも、義父の面会に行った時だった。
面会者の防護についても、適切な処置が取られるべきだな。
回復して帰宅できるようになったということは、非常に喜ばしい!。
その一方で、こんなニュースも。
(カメルーン、ナイジェリアとの国境封鎖 エボラ熱で)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM19016_Z10C14A8EAF000/
「カメルーン政府が感染者の流入を防ぐため、隣国ナイジェリアとの国境を封鎖したと報じた。航空便や船便での入国も禁止する。」
「カメルーンのチロマバカリ情報相は「(感染者が出て)治療に当たるより、予防措置を講じる方が良いという考えだ」と述べた。」
まあ、気持ちはわかるような気がする。
(エボラ熱封じ込めで連携=監視強化でWHOなど)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int&k=2014081900008
「世界保健機関(WHO)、国際航空運送協会(IATA)、世界観光機関(UNWTO)など六つの国際機関は18日、西アフリカで広がるエボラ出血熱の感染拡大を連携して封じ込めるため、対策本部を設置したと発表した。」
経済に影響を与えずに、感染者だけを封じ込めようというわけだが、そううまくいくのだろうか。
経済には既に打撃が与えられているだろう。
そして、(潜伏期間中の出国による)感染者の流出は止まらない・・・。
最悪の事態が待っているのだ。
(国境を越えるエボラウィルス)
http://japanese.ruvr.ru/2014_08_18/276088976/
「リベリアではエボラ出血熱の患者が横たわる建物の周囲は軍人が警備している。ごろつきどもから患者を守るために、政府がとった対策である。先日リベリア首都で、隔離病棟が襲撃される事件があった。」
「前例のないことではない。たとえばコレラの流行があったハイチでは、現地住民が、やはり白人たちが感染させたのだ、と考えていた。果たして彼らはWHO職員を襲い、医師らを襲った。ハイチの文化環境はリベリアのそれと同程度であった。人々は学がなさ過ぎるのだ。いずれにせよ蔓延に打ち勝つことは出来る。問題はただ、どのような力で勝利を手にするのか、ということだ。国家をまるごと閉鎖する仕儀に立ち至った場合、より高くつくことになる」
「エボラの死者は先週末時点で1145人に達し、感染者はこの2倍。死亡率は9割に上っている。」(???、計算合わないんだけど)
まあ、例によって、記事の内容についてはアバウトなことになっているが、ロシアの声は、エボラに対する別の角度からの情報を提供してくれる貴重な存在だ。
「どのような力で勝利を手にするのか」
VORの問いかけに、初出の記事は明確に答えている。
人間の知性だ。
人間だけが持ち、人間だけがそれによって行動することが出来る、この素晴らしい特性によってのみ、この危機は終息に向かわせることが出来る。
しかし、それはたやすい話ではない。
「問題を深刻化させているのは、今回の流行で特に重大な被害を蒙っているギニア、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネなど西アフリカ諸国で、医師の言いつけがろくに守られておらず、病院に行かずに自宅にとどまって自宅で死に、周囲の人間を感染のリスクにさらしているということである。また、死病の原因がウィルスにあることを認めず、神の怒りや悪霊のしわざと同定する人々も多くある。あまつさえ西側文明の陰謀だなどと口にする非文明人もいる。これで感染拡大防止の取り組みが何倍にも難しくなっている」
「非文明人」なんて、おまえに言われたくない!、と思っている人は多いだろうが、西欧文明を押し付けてきた側にも、大きな責任があるだろう。
本来なら、長い時間を掛けて信頼を醸成できれば一番いいのだろうが、今回は待ったなしである。
「元患者が地元に帰って初めて、人々はエボラ出血熱の治療施設が「死ぬのを待つだけの場所」ではないことを理解し始めるのだそうだ。」
使える資源は、全て使って、一刻も早く感染の連鎖を断ち切らなければならない。
それでも、先日の襲撃騒ぎのようなことは今後も起こるだろう。
一刻を争うことに間違いはないが、その戦いは、残念ながら長くならざるを得ない。
回復する患者がいるというのは、長い戦いの中の小さな、しかし、確かな希望だ。
泥沼のようなエボラの記事の中に、宝石のような話があった。
(エボラ対策最前線、カギは完治患者 正しい情報の伝達役に期待)
http://www.afpbb.com/articles/-/3023360
「突然、義父の点滴管がはずれ、痩せ衰えた血管から飛び散った血液がハワさんの目や口に飛び込んだ。」
恐怖の一瞬・・・。
「エボラウイルスは、けし粒よりも小さな血液1滴に最大で1億個も含まれている。人ひとりの命を奪うには十分な量だ。」
「私の体のあちこちに血が飛び散った。みんな逃げてしまったので、自分でバケツ1杯の消毒液をかぶった」
「帰宅したハワさんはこの騒動を忘れてしまっていたが、1週間ほど経って発熱と頭痛が始まった。エボラ出血熱の初期症状だ。」
「夫のナロ(Nallo Idrisa)さんは感染していた。夫妻は東部カイラフン(Kailahun)地区の中心都市カイラハン(Kailahan)にある国際医療支援団体「国境なき医師団(Doctors Without Borders、MSF)」の治療施設に入院した。」
「エボラ出血熱は早期に患者を特定し、解熱剤を投与しつつ脱水症状を治療して栄養を補給するなど適切な処置を行えば、生存率が著しく上昇する。」
「多くの地元民はエボラ出血熱の予防法も治療法も知らない。病気の存在を認めない人も少なくない。」
「感染拡大への対策としても、非常に効果がある。回復した元患者が帰宅して治療施設での体験を話せば、感染しても治る希望があることを人々に知ってもらえる。地域社会とMSFとの信頼醸成にもつながる」
「患者たちが食事を与えられ、ソフトドリンクは飲み放題で、シャワーやトイレも完備した施設で治療してもらえる上、家族たちも見舞いに来ていいと知ると、人々は驚くという。」
国境なき医師団は、面会を認めているのか・・・。
これは、浮沈子にとっても驚きだな。
ハワさんが感染したのも、義父の面会に行った時だった。
面会者の防護についても、適切な処置が取られるべきだな。
回復して帰宅できるようになったということは、非常に喜ばしい!。
その一方で、こんなニュースも。
(カメルーン、ナイジェリアとの国境封鎖 エボラ熱で)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM19016_Z10C14A8EAF000/
「カメルーン政府が感染者の流入を防ぐため、隣国ナイジェリアとの国境を封鎖したと報じた。航空便や船便での入国も禁止する。」
「カメルーンのチロマバカリ情報相は「(感染者が出て)治療に当たるより、予防措置を講じる方が良いという考えだ」と述べた。」
まあ、気持ちはわかるような気がする。
(エボラ熱封じ込めで連携=監視強化でWHOなど)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int&k=2014081900008
「世界保健機関(WHO)、国際航空運送協会(IATA)、世界観光機関(UNWTO)など六つの国際機関は18日、西アフリカで広がるエボラ出血熱の感染拡大を連携して封じ込めるため、対策本部を設置したと発表した。」
経済に影響を与えずに、感染者だけを封じ込めようというわけだが、そううまくいくのだろうか。
経済には既に打撃が与えられているだろう。
そして、(潜伏期間中の出国による)感染者の流出は止まらない・・・。
最悪の事態が待っているのだ。
(国境を越えるエボラウィルス)
http://japanese.ruvr.ru/2014_08_18/276088976/
「リベリアではエボラ出血熱の患者が横たわる建物の周囲は軍人が警備している。ごろつきどもから患者を守るために、政府がとった対策である。先日リベリア首都で、隔離病棟が襲撃される事件があった。」
「前例のないことではない。たとえばコレラの流行があったハイチでは、現地住民が、やはり白人たちが感染させたのだ、と考えていた。果たして彼らはWHO職員を襲い、医師らを襲った。ハイチの文化環境はリベリアのそれと同程度であった。人々は学がなさ過ぎるのだ。いずれにせよ蔓延に打ち勝つことは出来る。問題はただ、どのような力で勝利を手にするのか、ということだ。国家をまるごと閉鎖する仕儀に立ち至った場合、より高くつくことになる」
「エボラの死者は先週末時点で1145人に達し、感染者はこの2倍。死亡率は9割に上っている。」(???、計算合わないんだけど)
まあ、例によって、記事の内容についてはアバウトなことになっているが、ロシアの声は、エボラに対する別の角度からの情報を提供してくれる貴重な存在だ。
「どのような力で勝利を手にするのか」
VORの問いかけに、初出の記事は明確に答えている。
人間の知性だ。
人間だけが持ち、人間だけがそれによって行動することが出来る、この素晴らしい特性によってのみ、この危機は終息に向かわせることが出来る。
しかし、それはたやすい話ではない。
「問題を深刻化させているのは、今回の流行で特に重大な被害を蒙っているギニア、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネなど西アフリカ諸国で、医師の言いつけがろくに守られておらず、病院に行かずに自宅にとどまって自宅で死に、周囲の人間を感染のリスクにさらしているということである。また、死病の原因がウィルスにあることを認めず、神の怒りや悪霊のしわざと同定する人々も多くある。あまつさえ西側文明の陰謀だなどと口にする非文明人もいる。これで感染拡大防止の取り組みが何倍にも難しくなっている」
「非文明人」なんて、おまえに言われたくない!、と思っている人は多いだろうが、西欧文明を押し付けてきた側にも、大きな責任があるだろう。
本来なら、長い時間を掛けて信頼を醸成できれば一番いいのだろうが、今回は待ったなしである。
「元患者が地元に帰って初めて、人々はエボラ出血熱の治療施設が「死ぬのを待つだけの場所」ではないことを理解し始めるのだそうだ。」
使える資源は、全て使って、一刻も早く感染の連鎖を断ち切らなければならない。
それでも、先日の襲撃騒ぎのようなことは今後も起こるだろう。
一刻を争うことに間違いはないが、その戦いは、残念ながら長くならざるを得ない。
回復する患者がいるというのは、長い戦いの中の小さな、しかし、確かな希望だ。
狭い世界 ― 2014年08月19日 17:06
狭い世界(画像は、宇宙博で見たCCR)
こんな記事を見つけた。
(リブリーザー講習)
http://xpapayax.exblog.jp/15641025
ちょっと前の記事だが、東浦さんと松石さんがポセイドンの講習を受けていた時に、現地で通訳をしていた方のブログである。
で、浮沈子的には、リブリーザーのダイバーがオープンサーキットダイバー(まあ、いわゆる、フツーのダイバー)から見て、どう見えるかということが気になる。
「もう私たちが今やってるオープンサーキットとCCRは別世界なんだなー。
安全停止が無いと言うのもなんか不思議だし。」
おいおい、しなくていいのかあ?。
まあいい。
「プーケットでリブリーザー。と考えると、まだまだ道は狭そうだ。
先ず器材から準備からスクーバダイバーとは全く違う。今回はDive Asiaで3日間海洋実習したから、まだダイブデッキを余裕で使えたけど、これが例えばシミランクイーンだったら。普通の乗り合いのデイトリップ船だったら。まず、スクーバダイバーから苦情がいっぱい来るだろうなあ。現金なもので、今回私はリブリーザーのお手伝いで船に乗ってたから、CCRサイドのグループだけど、例えば私がガイドで、CCRのグループと便乗したら「邪魔っ!!!」と毒の1つの出てしまうだろう。」
そういうもんかなあ?。
「だって今現在、テックが乗って来ても「こんなにタンクスペース取って。おかげで私は横のスペアタンクのとこにセットしなくちゃいかんじゃん。」と思ってるもん。」
まあ、浮沈子がピピでサイドマウントで潜った時も、完全にお邪魔虫だったからなあ。
「そして潜る前に必ず5分間のリブリーズチェック。」
って、「プレブリージング」のことかあ?。
「でも泡がでないのってある意味怖い。簡単に見失うから。」
「今回私だけオープンサーキットで皆の海洋実習ついて行ったけど、素人目にかっこいい。
1歩先の未来を行ってる感じで、「あなた達、まだ泡出してるの??」みたいな感じがすごいするよ。」
この辺は、想定の範囲内だな。
講師はJasonという方だそうだ(20歳だって!)。
早いとこ、浮沈子もセブンのインストラクターにならなければならないのだが、その前には、オープンサーキットでのダイブマスターにならなければならない。
CCRダイバーとしては、オープンサーキットは鬼門である。
今週辺りから、ダイブマスターのテキストの方も読み始めようと思う。
苦手の座学(老眼なので)だが、なんとかこなさなくてはならず、その後のスキルではスタミナテストやシュノーケリングなどもある。
普通のダイバーとして研鑽してこなかったツケを、一気に払うことになるわけだな。
この間のCCR講習で、オープンサーキットの安定感が今一だったと指摘されたことがトラウマになっている。
自分でも分かっているのだが、他人から言われると堪える。
そう、苦手意識があるのだ。
息を吸うと浮かび、息を吐くと沈む・・・。
その感覚を身に着けるのは、ほとんど自動車の運転で右ハンドルから左ハンドルに切り替えるようなもんだろう(浮沈子は、今は3台とも左ハンドルなので、いいんですが)。
ちょっと真剣に取り組まなければならない。
引用した記事には、ピピ島近辺の地名が出てきて、懐かしかったな。
ビダノックとか。
タイは、また行ってみたい所だ。
服部さんや鵜飼さんに、また、会いたいな。
こんな記事を見つけた。
(リブリーザー講習)
http://xpapayax.exblog.jp/15641025
ちょっと前の記事だが、東浦さんと松石さんがポセイドンの講習を受けていた時に、現地で通訳をしていた方のブログである。
で、浮沈子的には、リブリーザーのダイバーがオープンサーキットダイバー(まあ、いわゆる、フツーのダイバー)から見て、どう見えるかということが気になる。
「もう私たちが今やってるオープンサーキットとCCRは別世界なんだなー。
安全停止が無いと言うのもなんか不思議だし。」
おいおい、しなくていいのかあ?。
まあいい。
「プーケットでリブリーザー。と考えると、まだまだ道は狭そうだ。
先ず器材から準備からスクーバダイバーとは全く違う。今回はDive Asiaで3日間海洋実習したから、まだダイブデッキを余裕で使えたけど、これが例えばシミランクイーンだったら。普通の乗り合いのデイトリップ船だったら。まず、スクーバダイバーから苦情がいっぱい来るだろうなあ。現金なもので、今回私はリブリーザーのお手伝いで船に乗ってたから、CCRサイドのグループだけど、例えば私がガイドで、CCRのグループと便乗したら「邪魔っ!!!」と毒の1つの出てしまうだろう。」
そういうもんかなあ?。
「だって今現在、テックが乗って来ても「こんなにタンクスペース取って。おかげで私は横のスペアタンクのとこにセットしなくちゃいかんじゃん。」と思ってるもん。」
まあ、浮沈子がピピでサイドマウントで潜った時も、完全にお邪魔虫だったからなあ。
「そして潜る前に必ず5分間のリブリーズチェック。」
って、「プレブリージング」のことかあ?。
「でも泡がでないのってある意味怖い。簡単に見失うから。」
「今回私だけオープンサーキットで皆の海洋実習ついて行ったけど、素人目にかっこいい。
1歩先の未来を行ってる感じで、「あなた達、まだ泡出してるの??」みたいな感じがすごいするよ。」
この辺は、想定の範囲内だな。
講師はJasonという方だそうだ(20歳だって!)。
早いとこ、浮沈子もセブンのインストラクターにならなければならないのだが、その前には、オープンサーキットでのダイブマスターにならなければならない。
CCRダイバーとしては、オープンサーキットは鬼門である。
今週辺りから、ダイブマスターのテキストの方も読み始めようと思う。
苦手の座学(老眼なので)だが、なんとかこなさなくてはならず、その後のスキルではスタミナテストやシュノーケリングなどもある。
普通のダイバーとして研鑽してこなかったツケを、一気に払うことになるわけだな。
この間のCCR講習で、オープンサーキットの安定感が今一だったと指摘されたことがトラウマになっている。
自分でも分かっているのだが、他人から言われると堪える。
そう、苦手意識があるのだ。
息を吸うと浮かび、息を吐くと沈む・・・。
その感覚を身に着けるのは、ほとんど自動車の運転で右ハンドルから左ハンドルに切り替えるようなもんだろう(浮沈子は、今は3台とも左ハンドルなので、いいんですが)。
ちょっと真剣に取り組まなければならない。
引用した記事には、ピピ島近辺の地名が出てきて、懐かしかったな。
ビダノックとか。
タイは、また行ってみたい所だ。
服部さんや鵜飼さんに、また、会いたいな。
スピード10 ― 2014年08月19日 22:18
スピード10
報告されている限りだが、今回の流行によると思われる死者の数が、ある数字に近づいている。
(エボラ出血熱:概要)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%9C%E3%83%A9%E5%87%BA%E8%A1%80%E7%86%B1#.E6.A6.82.E8.A6.81
「「エボラ出血熱」の恐怖が知られるようになってから30年以上が経つが、これまでの死者数は1,590人(2012年12月現在)で、これは今日でも年間10万~数10万人の死者を出しているマラリアやコレラと比較しても格段に少ない」
今回の流行が発生するまでに確認されている累計死者数は、1590人である。
間もなく、その数字に達する。
(エボラ熱死者、1200人超=一部で「明るい兆し」-WHO)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2014081900775
「世界保健機関(WHO)は19日、西アフリカで感染が広がっているエボラ出血熱について、16日時点の死者が1229人に達したと発表した。」
(Ebola virus disease update - West Africa Disease outbreak news 19 August 2014)
http://www.who.int/csr/don/2014_08_19_ebola/en/
(2014 West Africa Ebola virus outbreak:Timeline of the outbreak)
http://en.wikipedia.org/wiki/2014_West_Africa_Ebola_virus_outbreak#Timeline_of_the_outbreak
8月の更新を見てみると、ギニアの新規の感染者数は、今回の報告で、減少から増加に転じたと見るべきだろう(日付は発表日)。
・19 August 2014:24
・15 August 2014:9
・13 August 2014:4
・11 August 2014:11
・8 August 2014:0
・6 August 2014:10
・4 August 2014:13
何を根拠にWHOの担当者が、楽観視しているかは不明だが、浮沈子には納得いかない。
5月のギニアの数字を見てみよう。
・30 May 2014:10
・27 May 2014:23
・23 May 2014:5
・18 May 2014:5
・15 May 2014:15
・14 May 2014:-3(確定数が減ったため)
・7 May 2014:5
・5 May 2014:5
・2 May 2014:5
この時も、一旦は終息の気配を見せながら、その後も感染は拡大した。
5月末頃の感染者は291人だが、今回の発表では543人となっている。
ギニアの状況は、リベリアやシエラレオネに比べればマシかもしれないが、感染は拡大し続けているといえる。
ナイジェリアについては、死者はゼロだが、新たな感染が起こっているのはどういうわけか。
当局が監視していた人々の中からなのか、そうではない人なのか。
WHOは、感染者のプロファイルを明かさないので、この辺りは不明だが、アブダビで死亡した患者がどうだったのかは気になるところだ。
最悪の状態が続いているリベリアとシエラレオネは、相変わらずの勢いである。
しかし、感染者数については、実態を反映した数字でないことは、WHOも認めているので、絶対数には意味がない。
それでも、数字の上では、極端な増加傾向は見られない。
コンスタントに増えている。
英語版のウィキには、1日辺りの増加数がグラフ化されているが、傾向としては爆発的な増加を示しているわけではない。
それが、過少報告によるものか、感染抑止の効果と見るべきかは分からない。
感染症は、放置すれば、ある程度等比級数的に増えるので、増加数が一定ならば、何らかの抑止力が働いていると見るのが普通だ。
それが、過少報告というなら、何をかいわんやである。
まあいい。
(エボラ急拡大に潜む細菌兵器の可能性(1))
http://www.data-max.co.jp/politics_and_society/2014/08/13482/post_0818_hmd_01/
(エボラ急拡大に潜む細菌兵器の可能性(2))
http://www.data-max.co.jp/politics_and_society/2014/08/13611/post_0819_hmd_02/
(エボラ急拡大に潜む細菌兵器の可能性(3):追加)
http://www.data-max.co.jp/politics_and_society/2014/08/13754/post_0820_hmd_03/
(エボラ急拡大に潜む細菌兵器の可能性(4):追加)
http://www.data-max.co.jp/politics_and_society/2014/08/13806/post_0821_hmd_04/
挑発的な標題につられて読んでしまったが、まあ、比較的良く纏まった記事だ。
しかし、米国が何のためにワクチン開発に金を出しているかという点では、てんで分かっていない(なんちゃって!)。
別に、米国が細菌兵器を開発しようとしているとか、そういう話では(たぶん)ない。
むしろ、エボラのような致死性の高いウイルスが細菌兵器として用いられた場合の対抗策として開発されているわけだ。
記事は、続きがあるようなので、期待しないで待つことにしよう。
しかし、ウイルスを細菌兵器として使うというのは、言葉的にはややっこしいな。
(生物兵器)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%9F%E7%89%A9%E5%85%B5%E5%99%A8
用語としては、生物兵器というらしい(どっちにしても、ウイルスは一般的には生物じゃない)。
(ウイルス)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9
(ジュネーヴ議定書 (1925年))
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%8D%E3%83%BC%E3%83%B4%E8%AD%B0%E5%AE%9A%E6%9B%B8_(1925%E5%B9%B4)
「正式名称は、「窒息性ガス、毒性ガスまたはこれらに類するガスおよび細菌学的手段の戦争における使用の禁止に関する議定書」(Protocol for the Prohibition of the Use in War of Asphyxiating, Poisonous or other Gases, and of Bacteriological Methods of Warfare)。」
「1919年のヴェルサイユ条約では、ドイツの化学兵器の保有禁止が盛り込まれた。ジュネーブ議定書は、この制限を国際的なものとし、化学兵器の使用禁止を定めたものである。フランスにより提唱され、ポーランドによって生物兵器を対象に加えることが提案された。」
「ただし、この議定書において制限されたのは使用のみで、開発、生産、保有が制限されない点で化学兵器・生物兵器の包括的禁止の観点からは不充分なものであった。」
「これらの点を含めた包括的な制限は、1972年作成の生物兵器禁止条約と、1993年に作成された化学兵器禁止条約を待たなければならなかった。」
(生物兵器禁止条約)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%9F%E7%89%A9%E5%85%B5%E5%99%A8%E7%A6%81%E6%AD%A2%E6%9D%A1%E7%B4%84
「正式名称は「細菌兵器(生物兵器)及び毒素兵器の開発、生産及び貯蔵の禁止並びに廃棄に関する条約」。」
「生物兵器の使用は1925年のジュネーヴ議定書(窒息性ガス、毒性ガス又はこれらに類するガス及び細菌学的手段の戦争における使用の禁止に関する議定書)で禁止されているため、BWC本文には使用禁止規定は明記されていない。」
「署名国(13カ国):批准してない国:
シリア、ネパール、ミャンマー、ハイチ、ガイアナ、エジプト、コートジボワール、ソマリア、タンザニア、中央アフリカ、ブルンジ、マラウイ、リベリア」
「未署名国・地域(19カ国・地域):
イスラエル、キリバス、ツバル、サモア、ニウエ、ナウル、ミクロネシア、マーシャル、アンドラ、アンゴラ、エリトリア、カメルーン、ギニア、コモロ、ジブチ、チャド、ナミビア、モーリタニア、モザンビーク」
未署名国に、ギニアがあるのは皮肉だな。
リベリアも、批准はまだのようだ。
シエラレオネ、ナイジェリアは批准済み。
まあ、どうでもいいんですが。
(生物兵器禁止条約(BWC)の概要)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/bwc/bwc/gaiyo.html
「対象となるもの:
・防疫の目的,身体防護の目的その他の平和的目的による正当化ができない種類及び量の微生物剤その他の生物剤又はこのような種類及び量の毒素
・微生物剤その他の生物剤又は毒素を敵対目的のために又は武力紛争において使用するために設計された兵器,装置又は運搬手段(原料又は製法の如何を問わない)」
「条約の主な内容:
・生物兵器の開発・生産・貯蔵・取得及び保有の禁止(第1条)
・生物兵器等の廃棄及び平和的目的への転用(第2条)
・生物兵器等の不拡散(第3条)
・条約の国内実施措置の確保
(以下、略)」
この手の条約の活動としては、結構活発に議論しているようだ。
浮沈子は、浜田和幸氏がどんな問題を提起するにせよ、生物兵器を開発して環境にぶちまけることの国際的なリスクを負ってまで、エボラを改造したりするなどということは有り得ないと考えている。
もちろん、防疫上の研究とかは認められているし、そういうところから事故で放出されてしまったということがないとは言い切れないが、極めて根拠に乏しい。
しかし、感染の急速な拡大が、過去の事例と異なると感じている点については、何となく分かる気がする。
そこには、様々な要因が絡んでいる可能性があるので、断定的なことはいえないが、地域の医療機関が機能せず、それどころか、感染拡大の温床になっていたかもしれないという話もある。
医療従事者の異常なまでの感染については、初めの頃、浮沈子も首を傾げた。
感染の形態が変わったわけではなく、医療従事者が適切なガードをせずに診療に当たったことが原因とされている。
いずれにしても、今のところ、感染拡大のスピードが抑制されたと思われる根拠は何もない。
1590人を超える死者数を計上することは、ほぼ確実な情勢である。
仮に2240人の感染者がいたとして、7割が死亡するということになれば、1568人になる。
今後、一切の感染者が出なかったとしても、過去の累積の死者数を上回る可能性は高い。
そして、もちろん、感染者はまだまだ増加し続けるということだ。
(エボラ出血熱感染地域への運航継続を、孤立防止へ-IATA)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140819-00000025-bloom_st-bus_all
「IATAは18日、航空機の利用について、エボラウイルス感染に関連する「リスクは低い」とする世界保健機関(WHO)の勧告を引用し、航空業界が乗客を対象とした検査を実施する必要があるのは感染地域の空港のみであり、そこでは感染の疑いのあるケースについて隔離を含めた厳格な措置を適用し、その後、機内を消毒すべきだと指摘した。」
妥当な措置だろうな。
しかし、乗り継ぎは大丈夫なのかあ?。
「「WHOは旅行と貿易を禁止する必要はないとの認識を非常に明確に示している」と説明。「この勧告が変更されない限り、エボラウイルス感染の根絶に向け懸命に取り組んでいる国々が引き続き航空機利用の恩恵を受けることができるよう望んでいる」」
そうあって欲しいものだ。
報告されている限りだが、今回の流行によると思われる死者の数が、ある数字に近づいている。
(エボラ出血熱:概要)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%9C%E3%83%A9%E5%87%BA%E8%A1%80%E7%86%B1#.E6.A6.82.E8.A6.81
「「エボラ出血熱」の恐怖が知られるようになってから30年以上が経つが、これまでの死者数は1,590人(2012年12月現在)で、これは今日でも年間10万~数10万人の死者を出しているマラリアやコレラと比較しても格段に少ない」
今回の流行が発生するまでに確認されている累計死者数は、1590人である。
間もなく、その数字に達する。
(エボラ熱死者、1200人超=一部で「明るい兆し」-WHO)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2014081900775
「世界保健機関(WHO)は19日、西アフリカで感染が広がっているエボラ出血熱について、16日時点の死者が1229人に達したと発表した。」
(Ebola virus disease update - West Africa Disease outbreak news 19 August 2014)
http://www.who.int/csr/don/2014_08_19_ebola/en/
(2014 West Africa Ebola virus outbreak:Timeline of the outbreak)
http://en.wikipedia.org/wiki/2014_West_Africa_Ebola_virus_outbreak#Timeline_of_the_outbreak
8月の更新を見てみると、ギニアの新規の感染者数は、今回の報告で、減少から増加に転じたと見るべきだろう(日付は発表日)。
・19 August 2014:24
・15 August 2014:9
・13 August 2014:4
・11 August 2014:11
・8 August 2014:0
・6 August 2014:10
・4 August 2014:13
何を根拠にWHOの担当者が、楽観視しているかは不明だが、浮沈子には納得いかない。
5月のギニアの数字を見てみよう。
・30 May 2014:10
・27 May 2014:23
・23 May 2014:5
・18 May 2014:5
・15 May 2014:15
・14 May 2014:-3(確定数が減ったため)
・7 May 2014:5
・5 May 2014:5
・2 May 2014:5
この時も、一旦は終息の気配を見せながら、その後も感染は拡大した。
5月末頃の感染者は291人だが、今回の発表では543人となっている。
ギニアの状況は、リベリアやシエラレオネに比べればマシかもしれないが、感染は拡大し続けているといえる。
ナイジェリアについては、死者はゼロだが、新たな感染が起こっているのはどういうわけか。
当局が監視していた人々の中からなのか、そうではない人なのか。
WHOは、感染者のプロファイルを明かさないので、この辺りは不明だが、アブダビで死亡した患者がどうだったのかは気になるところだ。
最悪の状態が続いているリベリアとシエラレオネは、相変わらずの勢いである。
しかし、感染者数については、実態を反映した数字でないことは、WHOも認めているので、絶対数には意味がない。
それでも、数字の上では、極端な増加傾向は見られない。
コンスタントに増えている。
英語版のウィキには、1日辺りの増加数がグラフ化されているが、傾向としては爆発的な増加を示しているわけではない。
それが、過少報告によるものか、感染抑止の効果と見るべきかは分からない。
感染症は、放置すれば、ある程度等比級数的に増えるので、増加数が一定ならば、何らかの抑止力が働いていると見るのが普通だ。
それが、過少報告というなら、何をかいわんやである。
まあいい。
(エボラ急拡大に潜む細菌兵器の可能性(1))
http://www.data-max.co.jp/politics_and_society/2014/08/13482/post_0818_hmd_01/
(エボラ急拡大に潜む細菌兵器の可能性(2))
http://www.data-max.co.jp/politics_and_society/2014/08/13611/post_0819_hmd_02/
(エボラ急拡大に潜む細菌兵器の可能性(3):追加)
http://www.data-max.co.jp/politics_and_society/2014/08/13754/post_0820_hmd_03/
(エボラ急拡大に潜む細菌兵器の可能性(4):追加)
http://www.data-max.co.jp/politics_and_society/2014/08/13806/post_0821_hmd_04/
挑発的な標題につられて読んでしまったが、まあ、比較的良く纏まった記事だ。
しかし、米国が何のためにワクチン開発に金を出しているかという点では、てんで分かっていない(なんちゃって!)。
別に、米国が細菌兵器を開発しようとしているとか、そういう話では(たぶん)ない。
むしろ、エボラのような致死性の高いウイルスが細菌兵器として用いられた場合の対抗策として開発されているわけだ。
記事は、続きがあるようなので、期待しないで待つことにしよう。
しかし、ウイルスを細菌兵器として使うというのは、言葉的にはややっこしいな。
(生物兵器)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%9F%E7%89%A9%E5%85%B5%E5%99%A8
用語としては、生物兵器というらしい(どっちにしても、ウイルスは一般的には生物じゃない)。
(ウイルス)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9
(ジュネーヴ議定書 (1925年))
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%8D%E3%83%BC%E3%83%B4%E8%AD%B0%E5%AE%9A%E6%9B%B8_(1925%E5%B9%B4)
「正式名称は、「窒息性ガス、毒性ガスまたはこれらに類するガスおよび細菌学的手段の戦争における使用の禁止に関する議定書」(Protocol for the Prohibition of the Use in War of Asphyxiating, Poisonous or other Gases, and of Bacteriological Methods of Warfare)。」
「1919年のヴェルサイユ条約では、ドイツの化学兵器の保有禁止が盛り込まれた。ジュネーブ議定書は、この制限を国際的なものとし、化学兵器の使用禁止を定めたものである。フランスにより提唱され、ポーランドによって生物兵器を対象に加えることが提案された。」
「ただし、この議定書において制限されたのは使用のみで、開発、生産、保有が制限されない点で化学兵器・生物兵器の包括的禁止の観点からは不充分なものであった。」
「これらの点を含めた包括的な制限は、1972年作成の生物兵器禁止条約と、1993年に作成された化学兵器禁止条約を待たなければならなかった。」
(生物兵器禁止条約)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%9F%E7%89%A9%E5%85%B5%E5%99%A8%E7%A6%81%E6%AD%A2%E6%9D%A1%E7%B4%84
「正式名称は「細菌兵器(生物兵器)及び毒素兵器の開発、生産及び貯蔵の禁止並びに廃棄に関する条約」。」
「生物兵器の使用は1925年のジュネーヴ議定書(窒息性ガス、毒性ガス又はこれらに類するガス及び細菌学的手段の戦争における使用の禁止に関する議定書)で禁止されているため、BWC本文には使用禁止規定は明記されていない。」
「署名国(13カ国):批准してない国:
シリア、ネパール、ミャンマー、ハイチ、ガイアナ、エジプト、コートジボワール、ソマリア、タンザニア、中央アフリカ、ブルンジ、マラウイ、リベリア」
「未署名国・地域(19カ国・地域):
イスラエル、キリバス、ツバル、サモア、ニウエ、ナウル、ミクロネシア、マーシャル、アンドラ、アンゴラ、エリトリア、カメルーン、ギニア、コモロ、ジブチ、チャド、ナミビア、モーリタニア、モザンビーク」
未署名国に、ギニアがあるのは皮肉だな。
リベリアも、批准はまだのようだ。
シエラレオネ、ナイジェリアは批准済み。
まあ、どうでもいいんですが。
(生物兵器禁止条約(BWC)の概要)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/bwc/bwc/gaiyo.html
「対象となるもの:
・防疫の目的,身体防護の目的その他の平和的目的による正当化ができない種類及び量の微生物剤その他の生物剤又はこのような種類及び量の毒素
・微生物剤その他の生物剤又は毒素を敵対目的のために又は武力紛争において使用するために設計された兵器,装置又は運搬手段(原料又は製法の如何を問わない)」
「条約の主な内容:
・生物兵器の開発・生産・貯蔵・取得及び保有の禁止(第1条)
・生物兵器等の廃棄及び平和的目的への転用(第2条)
・生物兵器等の不拡散(第3条)
・条約の国内実施措置の確保
(以下、略)」
この手の条約の活動としては、結構活発に議論しているようだ。
浮沈子は、浜田和幸氏がどんな問題を提起するにせよ、生物兵器を開発して環境にぶちまけることの国際的なリスクを負ってまで、エボラを改造したりするなどということは有り得ないと考えている。
もちろん、防疫上の研究とかは認められているし、そういうところから事故で放出されてしまったということがないとは言い切れないが、極めて根拠に乏しい。
しかし、感染の急速な拡大が、過去の事例と異なると感じている点については、何となく分かる気がする。
そこには、様々な要因が絡んでいる可能性があるので、断定的なことはいえないが、地域の医療機関が機能せず、それどころか、感染拡大の温床になっていたかもしれないという話もある。
医療従事者の異常なまでの感染については、初めの頃、浮沈子も首を傾げた。
感染の形態が変わったわけではなく、医療従事者が適切なガードをせずに診療に当たったことが原因とされている。
いずれにしても、今のところ、感染拡大のスピードが抑制されたと思われる根拠は何もない。
1590人を超える死者数を計上することは、ほぼ確実な情勢である。
仮に2240人の感染者がいたとして、7割が死亡するということになれば、1568人になる。
今後、一切の感染者が出なかったとしても、過去の累積の死者数を上回る可能性は高い。
そして、もちろん、感染者はまだまだ増加し続けるということだ。
(エボラ出血熱感染地域への運航継続を、孤立防止へ-IATA)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140819-00000025-bloom_st-bus_all
「IATAは18日、航空機の利用について、エボラウイルス感染に関連する「リスクは低い」とする世界保健機関(WHO)の勧告を引用し、航空業界が乗客を対象とした検査を実施する必要があるのは感染地域の空港のみであり、そこでは感染の疑いのあるケースについて隔離を含めた厳格な措置を適用し、その後、機内を消毒すべきだと指摘した。」
妥当な措置だろうな。
しかし、乗り継ぎは大丈夫なのかあ?。
「「WHOは旅行と貿易を禁止する必要はないとの認識を非常に明確に示している」と説明。「この勧告が変更されない限り、エボラウイルス感染の根絶に向け懸命に取り組んでいる国々が引き続き航空機利用の恩恵を受けることができるよう望んでいる」」
そうあって欲しいものだ。
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