聖戦 ― 2014年09月30日 06:18
聖戦
ちっと目を離していると、世界ではイスラム国とか香港の民主化デモとか、大変なことが起こっている(今回は、イスラム国)。
(焦点:次世代見据えるイスラム国、シリア北東部で「国家モデル」構築)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0H007W20140905?sp=true
「バグダディ指導者は、自らを預言者ムハンマドの後継者だとし、「カリフ国家」を樹立すると宣言した。」
「支持者らによれば、この宣言には多くの人が反応し、世界中の裕福なイスラム教徒からはラッカに支援金が寄せられた。」
「バグダディ指導者が「カリフ国家」樹立を宣言して以降、その数は大幅に増えたという。」
「戦闘員の1人は「3日おきに少なくとも1000人は迎えている。宿泊施設は聖戦戦士であふれており、彼らを受け入れる場所が足りなくなっている」と語った。」
これが、蛇蝎のように嫌われているイスラム国の実態だという。
「戦闘員や組織のメンバーには、財務省と銀行を合わせたような部門から給与が支払われている。また戦闘員には、非スンニ派や政府関係者から押収した住居のほか、1カ月当たり約400─600ドルの手当ても与えられる。シリア北東部で日常生活を送るには十分な額だ。」
「貧困家庭への支援もあり、母子家庭には1人につき100ドルが支払われることもあるという。」
「物価も低く抑えられている。価格操作を行う業者は罰せられ、警告に従わない場合は店舗を閉鎖させられる。」
「一方で、組織は裕福な人には「イスラム税」を課している。また専門家らは、イスラム国は、誘拐で集めた身代金のほか、シリアやイラクで支配する油田からの石油をトルコなどの業者に売ることで数千万ドルの資金を得ていると試算している。」
浮沈子は、このロイターの報道を鵜呑みにしているわけではないが、話半分としても驚きを感じる。
で、カリフ国家って、なに?。
(カリフ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%AA%E3%83%95
「預言者ムハンマド亡き後のイスラーム共同体、イスラーム国家の指導者、最高権威者の称号である。」
「イスラーム共同体の行政を統括し、信徒にイスラームの義務を遵守させる役割」をもっている。
なんか、ちんぷんかんぷんだな。
(イスラム国家)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%83%A0%E5%9B%BD%E5%AE%B6
「イスラームによって統治される国家。即ち唯一全能の神(アッラーフ)が預言者ムハンマドに下した神勅たるクルアーン、預言者の言行録たるハディース、そしてそれらを基礎として成立したイスラーム法(シャリーア)に基づきムスリムの指導者が統治を行い、ムスリムの同胞としての緊密な結合とすべての政治や社会秩序はイスラームに基づくという理念によりアッラーフの祝福が永久に約束されるとする国家のこと。」
降参だ、かんべんしてくれ。
浮沈子にはさっぱりわからん。
(イスラーム国)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%A0%E5%9B%BD
「イラクとシリアで活動するサラフィー・ジハード主義組織である」
「国家と自称するものの、日本・欧米諸国などに留まらず、周辺のスンニ派イスラム教諸国からも国家として承認されていない」
「イラク、シリアなどの中東諸国を、サイクス・ピコ協定に代表されるヨーロッパの線引きにより作られた「サイクス・ピコ体制」だとしてこれを否定し、武力によるイスラーム世界の統一を目指している。」
サイクス・ピコ協定なんて、アラビアのロレンスの世界だな。
(サイクス・ピコ協定)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%94%E3%82%B3%E5%8D%94%E5%AE%9A
「第一次世界大戦中の1916年5月16日にイギリス、フランス、ロシアの間で結ばれたオスマン帝国領の分割を約した秘密協定。イギリスの中東専門家マーク・サイクスとフランスの外交官フランソワ・ジョルジュ=ピコによって原案が作成され、この名がついた。」
百年近くも前の話である。
今さら、それをご破算にして、中国から欧州にまで版図を広げようという稀有壮大な話である。
浮沈子は、この記事(ロイター)を読んだ時、チンギス・ハーンの話を思い出したものだ。
バグダディとかいう指導者は、少し誇大妄想が過ぎるんじゃないかと思うんだが。
我が国にも、変な宗教団体があって、サリン撒いたりしたけど、ちゃんとパソコン作って売ってたし(!)、共同生活とかして、ベースになるものは持っていた。
まあ、あれの大規模なヤツで、もうちっと現実的な組織なんだろう。
支配下に置いた地域の統治も心得ている。
世界から頭脳が集まるわけだし。
金はうなるほどあるというし、まあ、支持者にしてみれば理想国家を作るわけだから、そこそこやっているのだろう。
例えが適切かどうかは別にして、イスラエルの建国みたいなもんかもしれない。
まあ、場所がないんで、よその家で作るより仕方ないとしてもだ(イスラエルも、パレスチナを追っ払って作った国だ)。
そういえば、イスラエルは、どうするんだろうな。
よく聖戦と訳されるジハードについては、本来は広い意味で使われるようだ。
(ジハード)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%83%89
結局、カリスマ性のある指導者に率いられた戦闘集団が、金づるを得て、多少うまく立ち回っているだけじゃないのかあ?。
広大な地域を支配しているとはいえ、経済的に孤立すれば、消えてなくなるしかないだろう。
3万人ともいわれる勢力も、大半は、最近参加したようだし。
ロシアや中国は、例によって米国主導の対応に反対しているというが、うかうかしていると、自国の領土の中にイスラム国を建設されるかもしれない。
(「イスラム国」空爆の背景 明治大特任教授・山内昌之)
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140929/mds14092907300001-n1.htm
この記事によれば、石油市場に影響を与え始めたことが、米国の介入をエスカレートさせているという。
武力で周辺国の領土を切り取り、収奪するだけでは国家としての存続は出来ないし、聖戦を叫んで突撃する兵士だけでは、戦争はできない(空爆だけでもできませんが)。
いくらでも流入してくる兵士にはことかかないわけで、武器の調達も思いのまま、やりたい放題の感はあるが、長期的にはその活動が衰えていくのは間違いない。
しかし、問題は、第二、第三のイスラム国が生まれる土壌があるという点だ。
石油という資源があり、民主主義とは程遠い国家が統治する現状がある限り、中東の混乱はなくならない。
その体制を作って、維持容認してきたのは、欧米各国だし、その構造は今も変わっていない。
欧米(我が国を含め)は、そのツケを払い続けるしかないのだ。
ちっと目を離していると、世界ではイスラム国とか香港の民主化デモとか、大変なことが起こっている(今回は、イスラム国)。
(焦点:次世代見据えるイスラム国、シリア北東部で「国家モデル」構築)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0H007W20140905?sp=true
「バグダディ指導者は、自らを預言者ムハンマドの後継者だとし、「カリフ国家」を樹立すると宣言した。」
「支持者らによれば、この宣言には多くの人が反応し、世界中の裕福なイスラム教徒からはラッカに支援金が寄せられた。」
「バグダディ指導者が「カリフ国家」樹立を宣言して以降、その数は大幅に増えたという。」
「戦闘員の1人は「3日おきに少なくとも1000人は迎えている。宿泊施設は聖戦戦士であふれており、彼らを受け入れる場所が足りなくなっている」と語った。」
これが、蛇蝎のように嫌われているイスラム国の実態だという。
「戦闘員や組織のメンバーには、財務省と銀行を合わせたような部門から給与が支払われている。また戦闘員には、非スンニ派や政府関係者から押収した住居のほか、1カ月当たり約400─600ドルの手当ても与えられる。シリア北東部で日常生活を送るには十分な額だ。」
「貧困家庭への支援もあり、母子家庭には1人につき100ドルが支払われることもあるという。」
「物価も低く抑えられている。価格操作を行う業者は罰せられ、警告に従わない場合は店舗を閉鎖させられる。」
「一方で、組織は裕福な人には「イスラム税」を課している。また専門家らは、イスラム国は、誘拐で集めた身代金のほか、シリアやイラクで支配する油田からの石油をトルコなどの業者に売ることで数千万ドルの資金を得ていると試算している。」
浮沈子は、このロイターの報道を鵜呑みにしているわけではないが、話半分としても驚きを感じる。
で、カリフ国家って、なに?。
(カリフ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%AA%E3%83%95
「預言者ムハンマド亡き後のイスラーム共同体、イスラーム国家の指導者、最高権威者の称号である。」
「イスラーム共同体の行政を統括し、信徒にイスラームの義務を遵守させる役割」をもっている。
なんか、ちんぷんかんぷんだな。
(イスラム国家)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%83%A0%E5%9B%BD%E5%AE%B6
「イスラームによって統治される国家。即ち唯一全能の神(アッラーフ)が預言者ムハンマドに下した神勅たるクルアーン、預言者の言行録たるハディース、そしてそれらを基礎として成立したイスラーム法(シャリーア)に基づきムスリムの指導者が統治を行い、ムスリムの同胞としての緊密な結合とすべての政治や社会秩序はイスラームに基づくという理念によりアッラーフの祝福が永久に約束されるとする国家のこと。」
降参だ、かんべんしてくれ。
浮沈子にはさっぱりわからん。
(イスラーム国)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%A0%E5%9B%BD
「イラクとシリアで活動するサラフィー・ジハード主義組織である」
「国家と自称するものの、日本・欧米諸国などに留まらず、周辺のスンニ派イスラム教諸国からも国家として承認されていない」
「イラク、シリアなどの中東諸国を、サイクス・ピコ協定に代表されるヨーロッパの線引きにより作られた「サイクス・ピコ体制」だとしてこれを否定し、武力によるイスラーム世界の統一を目指している。」
サイクス・ピコ協定なんて、アラビアのロレンスの世界だな。
(サイクス・ピコ協定)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%94%E3%82%B3%E5%8D%94%E5%AE%9A
「第一次世界大戦中の1916年5月16日にイギリス、フランス、ロシアの間で結ばれたオスマン帝国領の分割を約した秘密協定。イギリスの中東専門家マーク・サイクスとフランスの外交官フランソワ・ジョルジュ=ピコによって原案が作成され、この名がついた。」
百年近くも前の話である。
今さら、それをご破算にして、中国から欧州にまで版図を広げようという稀有壮大な話である。
浮沈子は、この記事(ロイター)を読んだ時、チンギス・ハーンの話を思い出したものだ。
バグダディとかいう指導者は、少し誇大妄想が過ぎるんじゃないかと思うんだが。
我が国にも、変な宗教団体があって、サリン撒いたりしたけど、ちゃんとパソコン作って売ってたし(!)、共同生活とかして、ベースになるものは持っていた。
まあ、あれの大規模なヤツで、もうちっと現実的な組織なんだろう。
支配下に置いた地域の統治も心得ている。
世界から頭脳が集まるわけだし。
金はうなるほどあるというし、まあ、支持者にしてみれば理想国家を作るわけだから、そこそこやっているのだろう。
例えが適切かどうかは別にして、イスラエルの建国みたいなもんかもしれない。
まあ、場所がないんで、よその家で作るより仕方ないとしてもだ(イスラエルも、パレスチナを追っ払って作った国だ)。
そういえば、イスラエルは、どうするんだろうな。
よく聖戦と訳されるジハードについては、本来は広い意味で使われるようだ。
(ジハード)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%83%89
結局、カリスマ性のある指導者に率いられた戦闘集団が、金づるを得て、多少うまく立ち回っているだけじゃないのかあ?。
広大な地域を支配しているとはいえ、経済的に孤立すれば、消えてなくなるしかないだろう。
3万人ともいわれる勢力も、大半は、最近参加したようだし。
ロシアや中国は、例によって米国主導の対応に反対しているというが、うかうかしていると、自国の領土の中にイスラム国を建設されるかもしれない。
(「イスラム国」空爆の背景 明治大特任教授・山内昌之)
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140929/mds14092907300001-n1.htm
この記事によれば、石油市場に影響を与え始めたことが、米国の介入をエスカレートさせているという。
武力で周辺国の領土を切り取り、収奪するだけでは国家としての存続は出来ないし、聖戦を叫んで突撃する兵士だけでは、戦争はできない(空爆だけでもできませんが)。
いくらでも流入してくる兵士にはことかかないわけで、武器の調達も思いのまま、やりたい放題の感はあるが、長期的にはその活動が衰えていくのは間違いない。
しかし、問題は、第二、第三のイスラム国が生まれる土壌があるという点だ。
石油という資源があり、民主主義とは程遠い国家が統治する現状がある限り、中東の混乱はなくならない。
その体制を作って、維持容認してきたのは、欧米各国だし、その構造は今も変わっていない。
欧米(我が国を含め)は、そのツケを払い続けるしかないのだ。
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