ミュー「中間子」2015年03月21日 20:20

ミュー「中間子」
ミュー「中間子」


浮沈子は、ミュー中間子として覚えてたんだがなあ・・・。

(ミュー粒子)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%BC%E7%B2%92%E5%AD%90

「発見当初はその質量が湯川秀樹によって提唱された核力を媒介する粒子である中間子と非常に近かったため、ミュー中間子と呼ばれていた。」

「しかし、ミュー粒子は核力を媒介しないことが分かり、中間子の性質を持たないことが判明した。」

「ミュー中間子は1947年にミューオンと改名され、現在ではミュー中間子という旧称はほとんど使用されない。」

浮沈子が生まれる10年以上も前に、既に改名されていたということは、単なる記憶違いということになる。

(中間子)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E9%96%93%E5%AD%90

「中間子はもともと陽子と中性子を原子核中で束ねている力を伝達していると予想されていた。ミュー粒子が最初に発見されたとき、質量が近いことから中間子と考えられ、「ミュー中間子」と名付けられた。しかし、核子を強く引き付ける力がないことから、実はレプトンであったと判明した。後に、本当に力を伝達するパイ中間子(ミュー粒子に崩壊する)が発見された。」

パイ中間子と混同していたのかもしれない。

(パイ中間子)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%82%A4%E4%B8%AD%E9%96%93%E5%AD%90

「その線量分布の特性から負電荷のパイオンはスイスやカナダでがん治療に用いられている。」

ちなみに、ミュー粒子は素粒子だが、パイ中間子は複合粒子なんだそうだ。

(素粒子)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%A0%E7%B2%92%E5%AD%90

「素粒子はそれが従う統計によって二種類に分類され、フェルミ統計に従う粒子をフェルミ粒子、ボース統計に従う粒子をボース粒子と呼ぶ。」

「フェルミ粒子はクォークとレプトンとに分類される。」

「ボース素粒子には、素粒子間の相互作用を伝達するゲージ粒子と、素粒子に質量を与えるヒッグス機構に関連して現れるヒッグス粒子とがある。」

(レプトン (素粒子))
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%83%97%E3%83%88%E3%83%B3_(%E7%B4%A0%E7%B2%92%E5%AD%90)

「レプトンは、電荷を持つ荷電レプトンおよび中性のニュートリノと大きく分類することができる。」

「荷電レプトンである電子・ミュー粒子・タウ粒子、およびニュートリノである電子ニュートリノ、ミューニュートリノ、タウニュートリノの6種類があり、それぞれに反粒子が存在する。」

こんな感じかあ?。

・素粒子
・・フェルミ粒子
・・・クォーク
・・・レプトン
・・・・荷電レプトン
・・・・・電子
・・・・・ミュー粒子(←お目当て!)
・・・・・タウ粒子
・・・・ニュートリノ
・・・・・電子ニュートリノ
・・・・・ミューニュートリノ
・・・・・タウニュートリノ
・・ボース粒子
・・・ゲージ粒子
・・・ヒッグス粒子

浮沈子が習った頃は、電子と陽子と中性子だけで、シンプルだったんだがなあ・・・。

(複合粒子)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A4%87%E5%90%88%E7%B2%92%E5%AD%90

「素粒子の複合体である粒子の総称である。それ以上分割できない粒子である素粒子(または基本粒子)と対をなす概念である。素粒子物理学の進展によって、素粒子と考えられていたものが複合粒子であると判明することがある。」

はあ、そうですか。

「複合粒子の代表的なものには、ハドロン、原子核、原子および分子などがある。」

「ハドロンは強い相互作用によって結合したクォークの複合体である。ハドロンは、フェルミ粒子であるバリオンとボーズ粒子である中間子に別れる。」

(ハドロン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%89%E3%83%AD%E3%83%B3

「ハドロンはバリオンと中間子(メソン)の2つに大別される。」

・ハドロン
・・バリオン(フェルミ粒子)
・・・陽子
・・・中性子
・・・(その他大勢)
・・中間子(ボース粒子)
・・・パイ中間子(←湯川英樹が予言した粒子)
・・・K中間子
・・・(その他大勢)

セルンに建設されたLHC(Large Hadron Collider)というのは、このハドロン(実際は陽子同士)をぶっつける仕掛けのようだ。

(大型ハドロン衝突型加速器)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E5%9E%8B%E3%83%8F%E3%83%89%E3%83%AD%E3%83%B3%E8%A1%9D%E7%AA%81%E5%9E%8B%E5%8A%A0%E9%80%9F%E5%99%A8

「CERNが建設し、2000年に実験を終了したLarge Electron-Positron Collider (LEP) の地下トンネルに、陽子-陽子衝突のための加速器を新たに設置して建設された。」

「全周は約27kmある巨大なもので、日本のマスメディアは規模を山手線に例える事がある(山手線は全周34.5km)。」

「LEP実験で用いられた、加速器(加速空洞)などは、全て超伝導型に置き換えられた。これは、電子に比べて陽子の質量が1836倍のため、強力な磁場を要することによる。」

「陽子ビームの衝突点には、地下100メートルの地点に6階建てのビルに相当する観測点4箇所に観測装置5台を設置し、高エネルギー物理現象から生じる粒子を観測する。」

「巨大な予算を必要とするため、一部の特権的科学者の利権であるとか、実用的な研究ではないという批判もある。」

まあ、否定は出来ないだろうな。

今回、こんなことを調べているのは、この記事が出たから。

(核燃料「ほぼ溶け落ちた」 福島第一原発1号機 ミュー粒子で観測)
http://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/9/4/9474.html

「東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、1号機原子炉でメルトダウン(炉心溶解)によって溶けた核燃料を把握するために東電が宇宙線「ミュー粒子」を利用して内部調査した結果、原子炉内の核燃料がほとんど溶け落ちていることを確認したと19日発表した。」

「「ミュー粒子」は宇宙から降り注ぐ宇宙線が地球の大気に衝突して生じる素粒子の1つ。物質を通り抜ける透過力が強いが、ウランなど高密度の物質にぶつかると吸収されたり、進む方向を変えたりする性質があるため、レントゲンのように火山の内部を観測する際などに利用されている。」

「溶け落ちた核燃料が溜まっているとみられる容器の底の部分は今回の装置では観測できなかった。」

浮沈子が疑問に感じるのは、なぜ最初から地面に穴掘って、格納容器の底が写るようにしなかったのかという点なんだが・・・。

穴掘るのが面倒くさかったってのは、分かるんですがねえ・・・。

まあいい。

(核燃料 ほぼ全量溶融 宇宙線利用調査で確認)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015032002000126.html

「<ミュー粒子> 宇宙から地球に無数に降り注ぐ宇宙線が大気に衝突して生じる「2次宇宙線」に含まれる素粒子の一つで、ミューオンとも呼ばれる。1930年代に発見された。地上には1平方メートル当たり毎分約1万個のミュー粒子が降り注いでいる。物質を通り抜ける透過力が強いため、火山のマグマ観測やエジプトのピラミッドの内部調査などに活用されるほか、テロ対策で核物質を探知する技術にも使われている。」

ミューオンとは関係ないが、ピラミッドについては、こんな記事もある。

(Excavating Egypt ピラミッドはこうして造られた)
http://poyoland.jugem.jp/?eid=464

(エジプト発掘  ピラミッドはこうして造られた:動画出ます)
https://www.youtube.com/watch?v=zpiJyZ9jxYc

まあ、どうでもいいんですが。

画像の心霊写真のようなのを見ても、何が何やらさっぱりわからないんだが、見る人が見るとあるべき核燃料がないということになるらしい。

同じような手法で2号機も撮ったらしいが、こっちは少しは残っているといわれる。

(福島第一原発 2号機でも炉心溶解を確認 名古屋大)
http://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/9/4/9478.html

カラースケールのデータとして提供されているが、益々分かり辛い。

「2014年4月~7月にかけて事故のあった2号機と、炉心溶融していない5号機を5回ずつ撮影し、画像を比較したところ、2号機の原子炉内の核燃料が溶け落ちて少なくなっていることを確認した。」

「研究グループでは今後、原子炉格納容器の底部の状況把握についても調査を進め、原子炉内に核燃料がどのくらい残っているか残存量の推定を試みるという。」

こっちも、元々溶け落ちてることは推測されていたわけだから、観測で確認したということ以上の意味はない。

格納容器の底を、最初から狙わなかった点については、1号機と同じだ。

今後、溶け落ちた燃料を取り出し、廃炉に持っていくためには、紆余曲折が予想される。

その最初の一歩が踏み出されたわけだが、前途は多難だな。

宙(そら)の上の懲りない面々2015年03月21日 23:09

宙(そら)の上の懲りない面々
宙(そら)の上の懲りない面々


地球低軌道の覇者が、スペースXとなることがほぼ決まってしまった現在(って、聞いてないけどお?)、NASAの貨物運搬契約を巡って、宙(そら)の上の懲りない面々が、丁々発止の競争を繰り広げている。

(シエラ・ネヴァダ社、有翼宇宙往還機「ドリーム・チェイサー」の補給船版を発表)
http://www.sorae.jp/030699/5469.html

「シエラ・ネヴァダ社は3月17日、かねてより開発を行っている有翼の有人宇宙船「ドリーム・チェイサー」を貨物専用機にした「ドリーム・チェイサー・カーゴ・システム」を発表した。米航空宇宙局(NASA)が計画する国際宇宙ステーションへの第2回商業補給サーヴィス契約の獲得を狙うという。」

「NASAは現在、商業補給サービス(CRS)と呼ばれる、国際宇宙ステーションへの物資の補給を民間企業に委託するプロジェクトを進めている。

「これまでにスペースX社が5回、オービタルATK社が3回(うち1回は失敗)、NASAとの契約に基づいて、補給ミッションを行っている。」

「現在進行中のこの第1回の契約(CRS-1)は2016年までが期限とされており、2017年以降はまた新たに委託先が選定され、契約が結びなおされることになっている。」

「現時点でこの第2回の契約(CRS-2)には、CRS-1に引き続いてスペースX社とオービタルATK社が名乗りを挙げており、またボーイング社もCST-100宇宙船の貨物機版を、そしてロッキード・マーティン社もエクソライナーとジュピターという機体を提案している。」

エクソライナー・ジュピターについては、このブログでも既に触れた。

(宇宙のタグボート)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2015/03/18/7593385

画像を見ると、ドリーム・チェイサー・カーゴにも、機械船のようなものが付いていて、ジュピターのような機能を果たしているに違いない。

(Sierra Nevada Corporation Unveils Dream Chaser Cargo System)
http://www.coloradospacenews.com/sierra-nevada-corporation-unveils-dream-chaser-cargo-system/

この記事にリンクされている動画を見ると、太陽電池の付いた機械船は使い捨てのようだな。

ロッキード・マーティンのは、どちらかといえばここを売りにしているわけで、どーせ燃やしちゃうエクソライナーはオマケみたいなもんだが、シエラネバダは再使用できる滑空体が売りなワケで、単なる機械船(?)なんて燃やしちゃっても一向に構わないわけだ・・・。

面白いな。

もっとも、ジュピターと異なるのは、シエラネバダの方は、機械船側がドッキングしているのに対し、ロッキードはエクソライナー側がドッキングしている点だ。

果たしている機能が微妙に違う。

まあいい。

CRS2には、既存の2社に加えて、この他にもボーイングが参加するらしい。

ISSなんて、どーせ2024年にはなくなっちゃうんだから、今さら地球低軌道に執着しなくてもいいような気がするんだがなあ。

ボーイングは、有人を勝ち取ったCST-100宇宙船を有効利用したいだろうし、ドリームチェイサーの資産を生かしたいシエラネバダ、軌道タグボートを投入して宇宙造船所を始めたいロッキードと、各社の思惑が背後に蠢く・・・。

爆発炎上のオービタルも、ここ一発で挽回したいに違いない。

まあ、有人とカーゴの両方勝ち取っちゃったスペースXは、余裕の構えだろう。

打ち上げロケットの再使用が実現した暁には、CRS2なんて辞退しちゃうかもしれないな(民間衛星打ち上げが忙しくって、金にならないNASAの仕事なんて、やってられないかもしれない)。

そういえば、スペースXの機械船って、確か使い捨てだったような気がするんだが・・・。

(SpaceX Reusable Spacecraft:動画出ます)
http://www.youtube.com/watch?v=5_1WJ7UUm8I

(ファルコン9)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2014/02/25/7231199

「宇宙船についていた機械船はどーした?、などと突っ込んではいけない。」

まあ、どうでもいいんですが。

シエラネバダは、確かJAXAにも色目を使っていたようだったが、その後の話は聞こえてこないな。

(シエラ・ネバダ社、有人宇宙船ドリーム・チェイサーの開発でJAXAと協力了解覚書を締結)
http://www.sorae.jp/030699/5243.html

今回検討されている打ち上げロケットは、アリアンMとアトラスVだけで、H-2Aにはまわってこないようだ。

(H-IIA/H-IIBロケット 衛星フェアリング)
http://www.khi.co.jp/aero/product/space/h_2.html

5S-H型(Hー2Bのこうのとり用)じゃあ、入らないのかもしれないな。

そのこうのとりだって、いつまで上がるかわからない。

米国の宇宙船で用が足りれば、お役御免ということになる。

我が国では、ポストISSを睨んだ運用も検討されているようだが、ISSの切れ目を縁の切れ目として、有人宇宙開発からは手を引くというのもアリだと思うけどな。

日本も含めて、懲りない面々が多い宙(そら)の上である。