ファントム ― 2015年04月23日 17:44
ファントム
福野礼一郎著「幻のスーパーカー」読了。
日本語の標題とは別に、英語での標題(副題?)が付いていて、「PHANTOM OF THE SUPERCAR」とある。
直訳すると「スーパーカーの幻」となり、日本語のそれとは意味が異なる。
(phantom)
http://ejje.weblio.jp/content/Phantom
「【語源】ギリシャ語「見えてくるもの」の意」
ははあ、そういうことかと、一人合点する。
これこそが、スーパーカーだというクルマは、未だにこの世に存在したことがない。
レーシングカーを間に挟んで、軽量車体の運動性能を生かした「スポーツカー」と、超弩級のエンジンを押し込んだ豪華な「GTカー」の2つのクルマを、一身に体現したクルマなどというものはこの世にないのだ(空飛んだり、海に潜れなくてもいいです)。
だから、幻影なんだと思っていたが、世間で「スーパーカー」と騒がれたクルマをつらつら眺めていくと、そこにぼんやりと見えてくる「幻」が、真のスーパーカーというものだと分かった。
それは、エンツォが軽蔑し、数多のメーカーが顧客をだまくらかして売りまくった実在のスーパースポーツではない。
顧客がレーシングカー(究極の実用車ですが)のイメージに憧れ、夢想し、サルでも操れる(?)、麗しい給気音や排気音を立てながらガチャガチャというメカニカルノイズのしない、直進性に優れながらタイトコーナーでの機敏な運動性のある、安くて壊れなくて豪華な内装のクルマだ。
エンジンはマルチシリンダー(出来ればV12とか)で、DOHCで、自然給気で、最低でも6速ミッションで、当然ミドシップに積んでいて、素晴らしい足回りと遮音性を備え(心地よいエンジン音だけは聞こえなければならない)、もちろん、アットーテキなパワーとトルクで、加速も最高速もダントツなわけだ。
んなもん、あるわけないじゃん!。
皆さん、スーパーカーなんて「幻」に過ぎないんだよ、この世のものではないんだよ、と著者は言うのである(たぶん)。
最後に登場するマクラーレンF1、誰もがあらゆる意味でスーパーカーであることを認めざるを得ないクルマだが、時速70kmでは、ハンドルが重いだけの、トラックのようなもっさりとしたアンダーステアの、俊敏さのカケラもないクルマに過ぎないんだそうだ。
まあ、そうだろうな。
スーパーカーなんて、ないんだ。
メーカーも「スーパースポーツ」としか言わない。
それが幻であることを、20台余りの実例を挙げて示しているのがこの本なのだと分かった(つもりになった)。
スーパーカーの季節は終わったのだろうか?。
それは、過去の話で、マクラーレンF1を超えるクルマは二度と作られることはないんだろうか?。
そんなことはない。
自動車という機械をして、人間の能力を極限まで発揮させようとする欲望に終わりなどあるものか。
競争のためのレギュレーションに縛られることのないロードカーこそ、そのステージであると信じて疑わない。
カーボン樹脂でも、電子制御でも、ロケットエンジンでも、逆噴射でも何でもアリだ(道路運送車両法は守りましょう!)。
未だ具現化されないファントムを求めて、今もスーパーカーを夢見る人々はきっといるに違いない・・・。
えっ?、いないって!?。
みんな、スマホばっかしてて、スーパーカーどころか、クルマにさえも興味ないのかあ?。
うーん、そんなことでは、幻は何時までたっても幻のままだな。
浮沈子的には、もちろん、「ポルシェカレラ/930ボディ(’87)」の章が気になった。
0.75mm厚のペナペナボディに3.2リッターブロックを押し込んだ83タルガ(しかも、「タルガボディ」です・・・)は、33年を経た今、ポルシェの名に恥ずべき疲労感に満ちている・・・。
213ページ辺りを読むと、頭痛と吐き気が同時にしてくる。
まあ、浮沈子が重視するのは、安い仕入れ価格とオープンにできることくらいなので、おススメされなくてもいいんですが。
そして、お約束のアライメントの話も出てくる(224ページ)。
「500km走行毎にアライメント調整をやらないような人間」である浮沈子は、911の操安性について云々するつもりはない・・・。
オイル足すくらいが関の山だな。
まあいい。
どっちにしたって、カエル面はスーパーカーではない(浮沈子基準)。
今日は、浮世の雑事のあと、千葉方面にチョイ乗りした。
足は500E(92年型)。
5リッターV8エンジンは、レーシングエンジン由来の大排気量NAだし、車体の設計(製造も)はポルシェだし、最近流行のスポーツセダンの奔りだ。
春の日はうららかで、暑いくらいだ。
1台で具現化できなければ、複数で賄うしかない。
それが現実的な解決なのだと、改めて悟った。
あーあ、500Eと03ボクスターと83タルガを足して3で割ったようなクルマって、やっぱ、ないよなあ・・・。
福野礼一郎著「幻のスーパーカー」読了。
日本語の標題とは別に、英語での標題(副題?)が付いていて、「PHANTOM OF THE SUPERCAR」とある。
直訳すると「スーパーカーの幻」となり、日本語のそれとは意味が異なる。
(phantom)
http://ejje.weblio.jp/content/Phantom
「【語源】ギリシャ語「見えてくるもの」の意」
ははあ、そういうことかと、一人合点する。
これこそが、スーパーカーだというクルマは、未だにこの世に存在したことがない。
レーシングカーを間に挟んで、軽量車体の運動性能を生かした「スポーツカー」と、超弩級のエンジンを押し込んだ豪華な「GTカー」の2つのクルマを、一身に体現したクルマなどというものはこの世にないのだ(空飛んだり、海に潜れなくてもいいです)。
だから、幻影なんだと思っていたが、世間で「スーパーカー」と騒がれたクルマをつらつら眺めていくと、そこにぼんやりと見えてくる「幻」が、真のスーパーカーというものだと分かった。
それは、エンツォが軽蔑し、数多のメーカーが顧客をだまくらかして売りまくった実在のスーパースポーツではない。
顧客がレーシングカー(究極の実用車ですが)のイメージに憧れ、夢想し、サルでも操れる(?)、麗しい給気音や排気音を立てながらガチャガチャというメカニカルノイズのしない、直進性に優れながらタイトコーナーでの機敏な運動性のある、安くて壊れなくて豪華な内装のクルマだ。
エンジンはマルチシリンダー(出来ればV12とか)で、DOHCで、自然給気で、最低でも6速ミッションで、当然ミドシップに積んでいて、素晴らしい足回りと遮音性を備え(心地よいエンジン音だけは聞こえなければならない)、もちろん、アットーテキなパワーとトルクで、加速も最高速もダントツなわけだ。
んなもん、あるわけないじゃん!。
皆さん、スーパーカーなんて「幻」に過ぎないんだよ、この世のものではないんだよ、と著者は言うのである(たぶん)。
最後に登場するマクラーレンF1、誰もがあらゆる意味でスーパーカーであることを認めざるを得ないクルマだが、時速70kmでは、ハンドルが重いだけの、トラックのようなもっさりとしたアンダーステアの、俊敏さのカケラもないクルマに過ぎないんだそうだ。
まあ、そうだろうな。
スーパーカーなんて、ないんだ。
メーカーも「スーパースポーツ」としか言わない。
それが幻であることを、20台余りの実例を挙げて示しているのがこの本なのだと分かった(つもりになった)。
スーパーカーの季節は終わったのだろうか?。
それは、過去の話で、マクラーレンF1を超えるクルマは二度と作られることはないんだろうか?。
そんなことはない。
自動車という機械をして、人間の能力を極限まで発揮させようとする欲望に終わりなどあるものか。
競争のためのレギュレーションに縛られることのないロードカーこそ、そのステージであると信じて疑わない。
カーボン樹脂でも、電子制御でも、ロケットエンジンでも、逆噴射でも何でもアリだ(道路運送車両法は守りましょう!)。
未だ具現化されないファントムを求めて、今もスーパーカーを夢見る人々はきっといるに違いない・・・。
えっ?、いないって!?。
みんな、スマホばっかしてて、スーパーカーどころか、クルマにさえも興味ないのかあ?。
うーん、そんなことでは、幻は何時までたっても幻のままだな。
浮沈子的には、もちろん、「ポルシェカレラ/930ボディ(’87)」の章が気になった。
0.75mm厚のペナペナボディに3.2リッターブロックを押し込んだ83タルガ(しかも、「タルガボディ」です・・・)は、33年を経た今、ポルシェの名に恥ずべき疲労感に満ちている・・・。
213ページ辺りを読むと、頭痛と吐き気が同時にしてくる。
まあ、浮沈子が重視するのは、安い仕入れ価格とオープンにできることくらいなので、おススメされなくてもいいんですが。
そして、お約束のアライメントの話も出てくる(224ページ)。
「500km走行毎にアライメント調整をやらないような人間」である浮沈子は、911の操安性について云々するつもりはない・・・。
オイル足すくらいが関の山だな。
まあいい。
どっちにしたって、カエル面はスーパーカーではない(浮沈子基準)。
今日は、浮世の雑事のあと、千葉方面にチョイ乗りした。
足は500E(92年型)。
5リッターV8エンジンは、レーシングエンジン由来の大排気量NAだし、車体の設計(製造も)はポルシェだし、最近流行のスポーツセダンの奔りだ。
春の日はうららかで、暑いくらいだ。
1台で具現化できなければ、複数で賄うしかない。
それが現実的な解決なのだと、改めて悟った。
あーあ、500Eと03ボクスターと83タルガを足して3で割ったようなクルマって、やっぱ、ないよなあ・・・。
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