ニュース性2015年04月28日 00:26

ニュース性
ニュース性


ロケットの打ち上げといえば、浮沈子などは大騒ぎして食い入るように見つめる重大イベントだと思っているが、最近は成功が相次いでいるのであまりニュース性がない・・・。

って、失敗するのを密かに念じていたりするような、不謹慎なことを考えているわけではない(ホントかあ?)。

先だってのスペースXの台船への着陸の際は、木っ端微塵に砕け散るファルコン9の1段目の映像を見ながら、原因とか改善方法についていろいろ考えるという楽しみがあった。

(木っ端微塵!)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2015/04/16/7612753

去年のファルコン9Rの空中爆発の時にも、ドハデな映像に興奮した。

(爆発)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2014/08/23/7420217

そういえば、乾燥剤の忘れ物で打ち上げに失敗したアンタレスの時も、朝のニュースということもあって、いきなり目が覚めた。

(目覚まし)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2014/10/29/7476950

(乾燥剤)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2015/02/24/7578542

しかし、繰り返して書いておくが、浮沈子がロケットの打ち上げに関心があるのは、決して失敗を望んでいるからではない。

単位時間当たりのエネルギーが最大の移動体であるロケットの打ち上げというのは、それだけで十分見物に値する。

もちろん、成功するのを見るのが精神衛生上もよろしい。

その一方で、ニュースとしての価値は、成功が繰り返されればそれだけ減少する。

アポロが続かなかったのは、もちろん、その莫大な費用によるところが大きいが、政治的ショーとしての価値が低下してきたということもあるだろう。

そもそも、人工衛星とかと違って、実用性は全くなかったわけだし・・・。

スペースシャトルも、2度の大事故で14名の人命を失い、その内包するリスクのために、結局は引退に追い込まれたが、実用性はあってもニュース性に乏しい情況であったことも確かだ。

コストや安全性の問題はあるが、それとは別の、イベント価値という点で、社会が関心を失えば、金掛けてやろうという機運は失われる。

あとは、せこいコスト計算の世界になる。

理屈は、後から付いてくるという状況でなければ、新たなイベントを立ち上げる意味はない。

ロケットの打ち上げというのは、既に新鮮味を失った、ニュース性に乏しいイベントなのだ。

もちろん、我が国で有人ロケットの打ち上げをやるとか、そういう事態になれば話は別だろうが、ロシアでソユーズが上がっても、ニュースにはならない。

スペースXの通信衛星とかの打ち上げについては、既に成功することが保証されているようなものなので、誰も、見向きもしない。

民間企業の打ち上げということで注目されていたが、ニュース性は消えた。

アンタレスの事故で、民間の宇宙開発に対して一時的な懸念が生じたが、その後打ち上げ成功が続いたために、その意味での懸念は払拭されつつある。

もう、成功することが当たり前の、日常的な安定した技術なのだ。

また、そうでなければ、人間を乗せて飛ばそうなどという話にはならない。

(スペースX社、5月5日に「ドラゴンV2」宇宙船の緊急脱出システムの試験を実施)
http://www.sorae.jp/030609/5497.html

それでもこういう技術を検討しているということは、ロケットの信頼性は万全ではなく、一定のリスクが伴うという証でもある。

やはり、成功を祈りつつ、ドキドキしながら見守るイベントであることに変わりはないのだ。

(スペースX社、4月28日にファルコン9ロケットを打ち上げ 通信衛星を搭載)
http://www.sorae.jp/030807/5500.html

「最近のファルコン9の打ち上げでは、ロケットの第1段機体を船の上に着地させて回収する試験が注目されているが、今回は実施されない。これはトルクメンアーレム52Eの4500kgという質量が、ファルコン9の能力をほぼ最大に使わなければ打ち上げができないことから、着陸脚や追加の推進剤を搭載する余裕がないためだ。」

浮沈子は、むしろ今回は、連続打ち上げ能力の方に注目している。

「ファルコン9の打ち上げは、前回のドラゴン補給船運用6号機のミッションからわずか13日という短い間隔で、さらに同じ発射台から行われることになる。成功すれば、同社や同ロケットにとって、衛星の商業打ち上げ受注にさらにはずみがつくことになろう。」

将来的には、週に1回の打ち上げとか、10分に1回の打ち上げとかにも対応出来るようになるかもしれない。

そうなれば、益々ニュース性には乏しくなるが、それはそれで好ましいことだ。

そうなると、次は軌道エレベーターとかという話になるんだろうし、その前に垂直打ち上げではなく、航空機のような滑空して高度と速度を上げる方式にも注目が集まるんだろう。

技術が安定して、当たり前になれば、それを超えようとする技術への投資も行いやすくなり、やがては取って代わられることになる。

リニア新幹線だって、そのうちその辺のローカル線を走るようになれば、いよいよ真空チューブでやろうかという話になるかもしれない。

時速600kmとか、せこい話じゃなくって、6千kmとか6万kmとかで勝負しようということになる(ロケットもびっくりだな)。

まあ、鉄道(って、「鉄」じゃなくって、「真空チューブ」道かあ?)の場合は、見栄とか外聞で開発されるわけじゃないだろうから、話は別なんだろうが。

宇宙ロケットを交通機関として捕らえるというのは、いささか時期尚早に過ぎるきらいがないでもないが、浮沈子的にはいずれそうなると確信している。

大陸間を1時間以内で移動するには、それしか方法はないだろう。

そして、その場合のキーとなる技術が再使用型ロケットであることは間違いない。

もっとも、それが普遍化したら、ニュース性も何もないけどな。

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