東海丸など2015年05月17日 17:17

東海丸など
東海丸など(5月15日)


14日は、シングルタンクのサイドマウントで潜る。

オクトパスを付けない変則のコンフィギュレーションだ。

浮沈子のガスを当てにしないで欲しいというアピールということもあるし・・・。

まあ、単に、ロングホースを持ってくるのが煩わしかっただけ(忘れただけじゃね?)。

1本目は東海丸(初めてです)、2本目はギャブギャブ2(5回目くらいか)。

東海丸は、いかにも沈船といった感じで、軽いぺネトレーションを含めて、さらっと巡った。

透視度は15mくらいか。

噂に聞くよりも抜けている感じだった。

上田さんのガイドで、お客さんが3名だったが、中性浮力が一番取れていないで沈船を蹴飛ばしまくっていたのは、ほぼ、当然、浮沈子である・・・。

まあいい。

ここは、是非ともポセイドンで潜って、たっぷりと楽しみたいところだ。

東海丸に斜めにくっ付いて沈んでいる船もあり、少々深めだが、こっちも是非見てみたい気がする。

2本目は、定番のギャブギャブ2だが、今日は観光用潜水艦がいなくて、餌箱に餌が入っていない(ははあ、そういう仕掛けだったんだなあ)。

当然、泳いでいる魚も少なく(アジ系とか、座布団のようなでっかいツバメウオは居ました)、出物は終盤のカメ1匹。

サメは出なかったな。

ところで、餌箱であるバケツの形がどこかで見たような気がして、ふっと気になって寄って見ると、なんと、リブリーザー用の二酸化炭素除去剤の樽ではないか!(画像参照)。

ファンダイビングで潜って、こんなもんを写真に撮るようじゃあ、CCR依存症も相当重症化していると思われる。

おそらく、観光用潜水艦で使用しているヤツだな。

あれは、まあ、デッカイCCRみたいなもんだし。

昨日は、前日の疲れや宵止めの効果もあり、帰ってきて器材を洗浄し(お店には寄らなかったので)、そのまま眠ってしまった。

で、今日(15日)起きたら台風がほぼ直撃(ロタとグアムの間を抜けていくらしい)。

午前中は、ホテルのロビーで支配人と世間話をして(81歳だそうですが、お元気です)、午後から昼寝をしていたら、夕方になってネットは繋がらなくなるし、ケーブルテレビは映らなくなるし、大変な情況になった。

今は、現地時間で夜9時頃(日本より1時間早い)だが、風雨の勢いは増すばかりである。

ホテルの電源系統も、一部停電していて、バスルームの照明とかは点かない。

窓際のカーペットは、おそらく外壁の亀裂からの浸水でビショビショに濡れているし。

買ってきた食料は食べつくして、フロントで売っているカップラーメンだけが頼りだ(寝る前になったら、食べようかな)。

とんだグアム旅行になってしまったが、意図してもなかなか出来ない経験である(まあ、フツーは意図しませんが)。

こんなこともあるさ、と、楽しむ余裕もある(と、イキがってみる?)。

ネットが繋がらないので、良くわからないが、明日もキャンセル便とかが出るんだろうな。

もちろん、ダイビングは今日、明日とも中止(上田さんから連絡あり)。

台風自体は通り過ぎても、吹き返しの風やうねりで船は出せないようだ。

大自然相手の遊びなので、別に不満はない。

地球の息吹を感じながら過ごすのも悪くはない(息吹、強過ぎ・・・)。

台風特有の、周期的に強くなるパターンの風だ。

予報では、最大50mくらい(時速110マイル)になるといっていたが、音だけ聞いていると、もっと出ているように感じる。

もっとも、110マイル(時速180km弱)の風をオープンで聞いたことはないので、あくまでも「感じ」に過ぎない。

まあ、どうでもいいんですが。

グアム政府からは、コンディション1という発令が出され、外出が禁じられているはずなのに、窓から見える海岸沿いの道を走っている車がある。

さすがにスピードは押さえているが、1分に1台くらいの割合で走っている。

当局の威光もなんのその・・・。

自己責任の米国らしい。

この記事がアップされるのが何時になるかわからないが、ネットが通じるようになるまでは、少し時間が掛かるかもしれないな。

嵐の夜2015年05月17日 17:24

嵐の夜(5月15日)


夜11時くらいから、ようやく風、雨共に収まってきた。

台風7号、コードネーム「ドルフィン」は、ようやくグアムを通り過ぎていった。

長かったな。

雨は朝から降っていたが、風は夕方から強くなり始めて、6時間近く吹きまくったことになる。

ホテルの廊下では、雨漏りを受けるのに、ゴミ箱を置いている。

やれやれ。

照明の一部、ケーブルテレビ、インターネットの復旧は、下手すると月曜日以降になるかもしれない(明日は土曜なので)。

まあ、南の島ですから。

フロントで借りた電気ポットでお湯を沸かして、2ドルで買ったビーフ味のカップ麺を啜る。

さっきから、ビーフの切れ端を探しているんだが、文字通り影も形もない。

まあいい。

ちっこい肉らしきものを見つけて、密かに喜ぶ・・・。

ショボイ話だ。

収まったといいながら、まだ風鳴りはしているし、雨も降り続いているが、明らかにピークは超えた。

午後からうつらうつらしてたので、なかなか寝付けずにいる。

カップ麺をたいらげ、1ドルで買ったスナック菓子をポリポリ食べながら、昼間、ホテルの支配人から聞いた話を思い出す。

神戸生まれの韓国人だそうだ。

戦時中に、疎開の経験もあるという。

戦後、韓国に渡り、1968年にグアムに来たそうだ。

もちろん、会話は日本語で、浮沈子よりも語彙が多い(!)。

戦中、戦後を生きてきた方の話を、久々にじっくりと伺った。

日韓(韓日)の話になると、やはり熱くなる。

言語的にも、生活の価値観のうえからも、文化的に近い国が、なぜ仲良くなれないのかと嘆く。

戦争のことをハッキリと謝って、スッキリと出直すべきだという。

その一方で、我が国が正規軍を持って、普通の国になることには反対しないのだそうだ。

そういう考えもあるのか・・・。

まあ、今はグアムにいるわけで、その意味では遠い国の話なのかもしれない。

息子さんは、ホテルのフロントで活躍している。

さっきも、フロントに立っていた。

昼間も居たから、大変だろう。

嵐の夜で、夜勤のスタッフが出てこられないのかもしれない。

いろいろ出た話の中で、印象深いものをいくつか。

今時の若い者は・・・。

やっぱ、出たな、この手の話!。

アムトラックの事故について、社員教育がなっていないからだと自説を主張する。

親の躾け方にも問題があるんだと!。

なんと、自動運転自動車の話も出た!。

もちろん、反対!。

そうだろうなあ・・・。

3時間近くもお話した。

浮沈子には珍しく、大人しく拝聴した。

議論の余地は山程あったが、そういう場でないことは、いくら世間知らずの身とはいえ、一応心得ている。

いろいろ参考になる話もあったし。

浮沈子の親の世代だ。

もうすぐ、こんな話も聞くことができなくなってしまうんだろう。

何か、とても貴重な時間を過ごしたような気がした。

スナック菓子を食べ終えたら、眠気が差してきた。

もう少し書こう。

どうせ、明日は潜らないんだし。

もう夜中過ぎだが、窓から見える道路を通る車が増えている。

といっても、1分に数台だが。

風が落ち着いてきたので、急ぎの用事を足しに動き始めたというところか。

今日は、地元の人達の中にも、ホテルに避難してくる人たちが居て、大変だったようだ。

彼らの家は、無事だったのだろうか。

しかし、人間が無事なら、後で贖いは着く。

人の営みの儚さと、しぶとさを見る思いだ。

そういえば、一体、人類はあとどのくらいの期間存在するんだろうか。

100年や200年は大丈夫だろう。

1000年くらいは楽勝ではないか。

しかし、1万年ということになると、やや怪しくなる。

10万年、100万年となると、保証の限りではない。

1000万年、1億年ということになれば、滅亡の方に掛けた方が分がいいだろう。

10億年を生き抜いた生物は限られているし、10億年後の地球環境がどうなっているかという話もある。

100億年先には、地球上の生命そのものが存在しない。

太陽の寿命というのは、あと50億年くらいなんだそうだ。

その時に、巨星化して、地球軌道近くまで膨れ上がる(少し前までは、地球軌道を飲み込むといわれていた)。

仮に、他の天体(火星とか)に移住していたとしても、あるいは、地球軌道を変更させて絶滅を免れたとしても、結局、太陽に依存した生命の形態は取れない。

太陽の実質的な消滅と共に、その星系の生命は終わる。

さらに、何らかの方法で、他の星系に移り住むことが出来たとしても、数百億年先には、宇宙の熱的な死というやつが待っている。

まあ、どうでもいいんですが。

そんな先のことを考えても仕方ない。

人間は、結局、そういう風にしか生きられないのだ。

せいぜい、数年先を考えるので精一杯。

それでいい。

まだ、どこかで風鳴りがしている。

通り過ぎた台風の名残だ。

漆黒の宇宙を進む地球という惑星の上で、大気が揺れて、少し渦を巻いただけ。

いつも暮らしているユーラシア大陸の東に浮かぶ島国から、ほんの少しだけ離れた小さな島に来て、嵐の夜を過ごしただけ。

僅かの時間(時差1時間)と僅かの空間を隔てただけなのに、意識は数百億年と数百億光年の彼方に飛んでいる(飛び過ぎじゃね?)。

テレビもネットもない部屋で、嵐の音に怯えながら、気を紛らわせるために書き散らした。

さて、そろそろ寝るとしようか。

台風一過2015年05月17日 17:30

台風一過
台風一過(5月17日)


ほぼ直撃で、カテゴリー2の台風ドルフィンをまともに受けたグアム。

16日の昼過ぎになってようやく雨が上がり、風も収まって曇り空になった。

ホテルの並びの建物にあるサブウエイ(サンドイッチ屋?)は、売切れてしまったのかどうか、クローズだった(中に、店員は居たんだけどな)。

今日(17日)も休みのようだ。

仕方がないので、同じ建物に入っているコンビニ(?)で、缶詰とか水を仕入れて腹ごしらえをする。

どうやら、レジが壊れてしまったらしく、電卓で計算していたな(17日には復旧)。

電子レンジも使えずに、冷えた巻き寿司を買って帰る。

まずい・・・。

まあいい。

ホテルのフロントで売っているカップ麺(ビーフ味)を買って、食卓に彩(?)を添える。

今日は、2日間の台風による中断を挟んで、シングルタンクのサイドマウントでギャブギャブ2とアメリカンタンカーを攻める。

といっても、透視度は10mあるかどうか。

外洋のうねりがアプラ港内にも入ってきていて、外洋には出られない。

暖かい海で潜れるのが、唯一の救いか。

ボートダイビングで・・・。

上田さんとのマンツーマンだが、アメリカンタンカーの中に透明なエビがいたくらいだ(画像参照:上田さんが撮っているところ:拡大しても、エビは見えません!)。

スクラバーが届かず、このままいくと今回はリブリーザーダイビングは出来ないかもしれない。

うーん、まあ、仕方ないか。

2本目のカタリナのタンクは、水中でかなり重くて、アメリカンタンカーの上で、SMS50の背中(裏側)に付けたウエイトポケットの2ポンドの重りを右側に移し替えてバランスをとる(おっこどしても、直ぐ拾えるんで)。

カウンターウエイトが、4ポンド必要ということだ。

2本目の耳抜きで、相当苦労したが、マンツーマンなので気は楽だ。

ウエイトを移すまでの間、左右のバランスの悪さをガマンしながら泳ぐ。

サイドマウントにとって、最悪の情況だな。

ラクスファーのタンクは、この限りではない。

ほぼ中性浮力だし、左右均等のウエイトでも、十分バランスしている(浮沈子は、ゴッツイリールを右側にぶら下げてますが)。

グアム特有の事情で、1本目はラクスファー、2本目はカタリナと決まっているらしい(14日に潜った時は、特別に2本ともラクスファー)。

前に潜った時の記録を、よく確認すればいいのに、それを億劫がってやらないからいけないのだ。

分かっている・・・。

・・・けどやれない(ダメじゃん!)。

今回は、ウエットスーツは3ミリ(2ミリ?)のショーティで潜っている。

1本目に上がる時に、右ひざを少し切ってしまった。

血がにじむ程度だが、立て膝状態でフィンを脱がせて貰うという贅沢なダイビングなので、その辺りも考慮する必要がある(フルフットフィンの、海洋デビューでもある)。

エキジットの手順を、ちょっと考えてみよう・・・。

透視度は悪かったが、水温は28度で申し分ない。

ダイビングの終わりの頃は少し寒くなる。

今回は、ほとんど泳がない、まったりとしたダイビングが続いている。

あと2日だが、のんびりと楽しみたい。

プレブリージング2015年05月17日 20:23

プレブリージング
プレブリージング


ちょっと気になる話を聞いた。

巷では、リブリーザーのプレブリージングの有効性について、疑義が呈されているという。

二酸化炭素センサーが導入され、プレパッキングされたスクラバーが普及しつつある現在、いずれそういう話が出てくるだろうことは一部では想定されていた。

そもそも、陸上で5分間分(機種によって違うようですが)使ってしまうので、原理的に、その分使用時間が短くなるということはある(どうってことないですが)。

さらに、プレブリージングというのは、有体に言って人体実験なので、それなりのリスクはある。

ヤバイことになれば、意識を失って昏倒するくらいは覚悟しなければならない(某指導団体のマニュアルにも、プールサイドでは行うなとか、立って行うのは避けよとか書いてあるな)。

リブリーザーは吸うガスを製造して、吐いたガスを処理する。

その動力は、リチウム電池でも、006P9V電池でも、リチウムイオン電池(画像参照)でもなく、人間の肺(正確には呼吸筋)であり、循環ポンプよろしく回路内のガスを駆動する。

リブリーザーは、人間様が組み込まれて初めて完成する呼吸器であって、医療で使用する人工呼吸器とは違う(循環ポンプは、器械側にあります)。

だから、プレブリージングは、もちろん、二酸化炭素の除去能力だけではなく、酸素センサーやそのデータを使用してフィードバックし、酸素を供給したりディリュエントガスを送り込んだりするコンピューターシステム、ガスの供給を制御するソレノイドバルブ、ワンウエイバルブその他諸々の機能を総合的にチェックするためのものだ。

実際には、水面下で最終的に稼動を確認し、バブルチェックを行って本格的にダイビングを開始する。

リスクマネージメントは、実運用環境での確認と評価はもちろん大切だが、擬似環境でのシミュレーションを頻繁に行い、潰せるトラブルの芽は可能な限り潰しておくことが重要だ。

人体が組み込まれて、始めて動作する器材ならば、水中という一発即死の環境ではなく、陸上で動作させてチェックするというのは当然の話だ。

特に二酸化炭素の除去については、化学反応なので、ソーダライムがどのくらいの反応能力があるかというのは、ハッキリいって分からない。

保管が適切に行われている有効期限内の新品の純正品を、開封後直ちに使って、時間管理する他はない。

色が変わったり(そういう製品だけ)、二酸化炭素センサー(付いてる機種だけ)が警告を出すというのは、あくまでも補助的なもので、基本は時間管理である。

器材のメーカーは必要なテストを行って、製品のばらつきや運用環境の多様さを考慮し、標準的な使用時間を算出している。

もちろん、安全係数を加味して。

だから、例えば3時間とある定めを超えて使用できたとか、開封後24時間を超えて能力が残っていたというのは当たり前の話であって、そんなギリギリの使い方をさせるわけがない。

浮沈子自身、セブのスコッティーズでは、あくまで自己責任に於いて、メーカー製ではない詰め替えスクラバーを使い、メーカー指定ではない銘柄のソフノライムを使っている。

しかも、2日毎に詰め替えるという、無謀かつ危険な使い方だ。

しかし、プレブリージング(正確には、プレダイブ・チェック・ブリージングか?)は、必ず行う。

論理的には、そのチェックで最後の除去機能を使い果たしてしまうかもしれないし、そもそも、プレブリージングの方法が適切でなければ、それを行うことが安全の保証にはならない。

だからやらないでもいい、ということにはならない。

一つには、もちろん、二酸化炭素除去機能(特に、後どのくらいの時間使えるか)を簡便に確認する手段がないからだが、それは本質ではないと浮沈子は考えている(インスピレーションの反応温度を計測するという方法は、補助手段としては優れている)。

それでなくても、リブリーザーは環境圧とバランスする循環回路を柔な蛇腹ホースと頼りない継ぎ手で構成している関係上、浸水というシリアスなトラブルの種を抱えていて、せめてプレブリージングで潰せるネタは潰しといてくれという、ヤクザな潜水器なのだ。

マウスピースを閉じないで(オープンサーキットに切り替えないで)口から離しただけで、致命的な浸水を起こすという、とんでもない器材ともいう。

もちろん、浸水して困るというのは、程度問題でもあって、少しならいろいろな機能や構造で対応できるが、大量の浸水が起こってスクラバーが水没すると、ヤバイ。

反応生成物は、アルカリで、それを吸い込むと呼吸器が焼け爛れて大変なことになる(ふつー、そうなる前に何とかするんですが)。

もちろん、リブリーザーの機能はオジャンになって、オープンサーキットで浮上しなければならない。

場合によっては、水没して重くなったリブリーザーを投棄してしまわなければならないかもしれない(携行する浮力体の能力は、その際にでも浮上できることが必要という考え方もあるようです)。

ちなみに、旅行保険でリブリーザーがカバーされているかどうか、浮沈子は知りません。

いずれにしても、強調しておきたいことは、プレブリージングはスクラバーの二酸化炭素除去機能チェックを含むが、「現在の」能力を確認することに留まるということ、せめて素性の明らかな二酸化炭素除去剤を、メーカーが指定する方法(使用期限、時間、開封後の管理)で使うこと、それでもダメな時の対応をしっかりと整えておくことの重要性だ。

プレブリージングだけやれば万全だというのも正しくないし、プレブリージングなんてやらなくたっていい、というのも、もちろん正しくない。

何度も書くが、安全なダイビングなんてものはない。

ダイビングは危険を伴う娯楽だ。

少し危険か、かなり危険か、無茶苦茶危険なダイビングがあるだけだ。

浮沈子は、たまたまリブリーザーを教わって、たまたま潜っているユーザーに過ぎないが、そのリスクについては相当気にしていると思っている。

こんなもんで水中に潜らせるというのは、ある意味で自殺幇助に当るのではないかとすら考えている(マジです)。

聞いたこともない外国製の器械で、怪しげな白い粉(手荷物とかでの空輸は、絶対出来ません!)を使い、当りハズレが多く頼りない酸素センサーを当てにしながら、バグだらけ(?)のコンピュータープログラムに頼って、運を天に任せて潜っているようなもんだ。

鼻摘んで5分間、周囲の奇異な視線に耐えながら、プレブリージングするくらいで、多少でもリスクが軽減出来るなら、率先して喜んで行うべきだろう。

そのうち、自動運転ならぬ自動プレブリージングマシンが登場して、ショップとかボートの上でチェック出来るようになるかもしれない。

浮沈子的には、ついでにネガティブチェックのほうも自動でお願いしたいんだが(苦手なんで)。

まあいい。

プレブリージングというのは、確かに難行である。

浮沈子は、それは否定しない。

自称リゾートリブリーザーダイバーなので、潜るところは暑い地域が多い。

グアムの3DAは、冷房が効いた部屋で行えるが、殆どのところは屋外で、したがって、必然的に暑い!。

そこで、汗で滑る低い鼻を摘んでマウスピースを咥えながら300秒のカウントダウン(ポセイドンセブンの場合)を刻む白黒の液晶画面を見ながら耐えるというのは、修行でなくて何なのか?。

メーカーは、少しでもこの苦行を軽減するために、創意工夫を凝らすべきだ。

例えば、カラー液晶にしてスポンサーから広告料を取ってコマーシャルを流してはどうか。

もちろん、その売り上げは、一部であれユーザーに還元されなければならない。

ちゃんとプレブリージングを行ったというログを送ると、マイルが溜まるとか。

リブリーザーの場合は、ダイブログが自動的に記録されるので、それとセットで送れば、ある程度は不正は抑止出来るだろう。

ダイブログの収集は、製品の改善にも反映されて、一石二鳥のような気がするんだがな。

コマーシャルも、ダイビング関係や旅行関係だけではなく(概ね、そういうのはつまらない映像になりがちだし)、5分間を如何に楽しませるかというネタで選ぶべきだ。

広告の差しかえは、データ転送の際に行えば一度の手間で済む。

最新の映画を細切れにして観せるというのはどうか(発想は、あれだな、飛行機の中の映像コンテンツに決まってるが)。

思わず、続きが観たくなって、何度もプレブリージングしてしまうかもしれない。

メモリーと計算能力が貴重だった頃ならともかく、今や一昔前のスパコンが手のひらに乗っている。

そう、リブリーザーの未来は、100mの水中で使えるスマホだ!(プレブリージングの話じゃなかったっけえ?)。

まあ、どうでもいいんですが。

メーカーも、プレブリージングの改善に、一肌脱いでもらえると有り難いんだがなあ。

また、まだ使える(ハズの)二酸化炭素除去剤を、その辺の植え込みや空き地に捨ててしまうのはもったいないという発想も分からないではない(廃棄方法は、お住まいの自治体の指定する方法で行ってください:と書いてあります)。

時間管理や、使用した酸素の量を目安に算出した時間は、確かに使用条件によっては必要以上に余裕を見ているかもしれないが、命に関わる話なので仕方ない。

涙を呑んで、捨てるしかない。

さて、その辺にばら撒かれた水酸化カルシウムは、空気中の二酸化炭素と反応して炭酸カルシウムになる。

貝殻や、サンゴと同じだ。

リブリーザーダイバーは、地球の未来を救っているのである。

二酸化炭素を除去して。

決して無駄になっているわけではないのだ(なんか、無理やり・・・)。

まあ、確かに、もちっと合理的に二酸化炭素を除去する方法(海水に溶解させるとか)をとれば、こんな不毛な話はしなくても済むんだがな。

使用済みのソフノライムを密閉したり、冷蔵庫に入れたり、インスピでは浮沈子もいろいろやっていた。

しかし、それって、なんか悲しい。

しかも、それで節約した僅かの金額のために、水中でのリスクを高め、事故にでも繋がった日には目も当てられない。

もちろん、スクラバーの管理は、リブリーザーの管理のごく一部である。

しかし、それは、最も危うく、しかも杜撰になりがちな部分だ。

必要な改善と実験は、メーカーに任せて、一般ユーザーは大人しくいうとおりにしているのが正解だろう。

PADIは、タイプRのリブリーザーの仕様策定に当って、過去の事故事例を分析し、ソフノライムの詰め替えを初めとする二酸化炭素除去剤に係るトラブルを回避するために、プレパッキングという基準を出した。

パッケージされたソフノライムをカセットのように入れて、終わればポイと捨てる。

そのうち、ICタグでも付けて、必要な情報を管理できるようになればもっといい。

それが適合しないと、ダイビングをさせない仕組みだ。

まあ、どんな方法を取っても、常に抜け道はあるので、いたちごっこだけどな。

プレブリージングについては、必要悪と割り切って、自分とバディの命を守るためのおまじないだと思って無心で行うべきだ。

できれば、地べたに座って、昏倒してもいいように、周りが芝生だったりするとなおいい。

ビニールシートでも敷いて、バディとのんびり過ごす5分間。

その5分で、恋に落ちることだってあるかも知れない(ないな・・・)。