巷の減圧ソフト(MV-Plan)2015年10月01日 14:05

巷の減圧ソフト(MV-Plan)
巷の減圧ソフト(MV-Plan)


確か、MVプランというソフトがあったはずだと思って検索したら、ちゃんと出てきた。

(MV-Plan Dive Planner)
http://www.users.on.net/~wittig/diving/mvplan.html

このページだったかどうか定かではないが、デザインは同じだ。

以前は、いろいろな減圧モデルを選択できたような気がしているが、ダウンロードできた1.5.1を見る限り、ZH-L16B(たぶん、ZH-16AセットBのこと?)しか使えない。

グラディエント・ファクターは一番緩くして95/95でしか設定できない。

それで計算したのが画像の結果だ。

「海水、エア、潜降・浮上速度10m/分、作業深度40m、作業時間60分(GF95/95):
15m:1分(30秒)
12m:8分
9m:15分
6m:26分
3m:47分」

まあ、元ネタが同じなんだから、厚労省の計算式から導出した値と近いのは当然だな。

この設定を、デフォルトの30/80にするとこうなる。

「GF30/80:
24m:1分(24秒)
21m:3分
18m:6分
15m:8分
12m:14分
9m:21分
6m:36分
3m:73分」

ほほう、面白いな。

(巷の減圧ソフト(V-Planner))
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2015/09/30/7819226

厚労省の安全率を全体に1.1とした時の値に近い。

初回停止深度を深めにしてやれば、ほぼ同一の値を得ることが出来るに違いない。

まあ、元ネタが同じなんだから当然ではある。

このページからは、最近のバージョン(1.5.2、1.6Beta)もダウンロードできる。

(MV-Plan)
http://www.softpedia.com/get/Others/Home-Education/MV-Plan.shtml

1.5.2以上では、セットCが使用できるようだ。

セットCは、セットBよりも第5から第12半飽和組織(ティッシュ・コンパートメント)の値が、より保守的になっている(ちなみにセットBは、セットAに比べて6~8が保守的)。

(Understanding M-values:4ページテーブル2参照)
http://www.diverclub.ru/File/literatur/understanding_m-values.pdf

で、試しに最ユルの設定で出してみた。

「MV-Plan 1.6 BETA
Settings: GF=95-95 ZHL16C
m Time Run Gas SP
==============================
v 040 04:00 004 21 0.0
- 040 60:00 064 21 0.0
^ 015 02:30 067 21 0.0
~ 015 00:30 067 21 0.0
~ 012 09:00 076 21 0.0
~ 009 17:00 093 21 0.0
~ 006 29:00 122 21 0.0
~ 003 58:00 180 21 0.0

Gas estimate based on Dive RMV =20.0, deco RMV =20.0L/min
Air : 9930.5L
Oxygen Toxicity - OTUs: 66 CNS: 26%

WARNING: This software is experimental
and should not be relied upon for actual dives.
It probably contains errors and may get you bent.」

「Dive Plan」の欄を、丸ごとコピペした(手抜き・・・)。

セットCの方が保守的になっているということが分かる。

今回は、厚労省と同じビュールマンのアルゴリズムを使っているフリーソフトで、減圧スケジュールを比較してみた。

気泡モデルでも、灌流モデルでも、減圧プランには大きな差はない。

それよりも、保守性をどう取るかによって、それは大きく変わることを確認できた。

注目すべきは、裸の減圧モデルをデフォルトで使わせる巷のソフトは(今のところ)皆無ということだな。

人間の身体が水袋(まあ、これは拡散モデルの場合か)でない限り、何らかの下駄を履かせるというのは当然だろう。

気泡モデルだって、拡散モデルだって、現実の生体を再現できているわけではないのだ。

今後、生体のシミュレーション技術が発達し、動物実験とか、人体実験とかせずに減圧ソフトが開発できるようになれば、もう少しマシなソフトが出来るようになるに違いない。

まあ、100年くらい先の話だろう。

厚労省が、研究報告書の(保守性を与えることを「断念」した、「自然な」)値をそのまま使用して、違法性の閾値にしているのは、その意味では業界に対して相当バーゲンしているともいえる。

フリーソフトだって、最低でも95パーセントの保守性を与えている(より、厳しくしか設定できない)。

このことの意味を、しっかりわきまえて、減圧表と向き合う必要があるだろう。

100パーセントの安全が保障された減圧ソフトなんて、世界中どこにもないのだ・・・。

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