巷の減圧ソフト(DDPLAN)2015年10月02日 17:11

巷の減圧ソフト(DDPLAN)
巷の減圧ソフト(DDPLAN)


ヘリウムのコーディングをサボって、無料で使える減圧ソフトを探してさまよう・・・。

その筋では有名な(?)DDプランというのがある。

(DDPLAN)
http://www.ddplan.com/index.htm

「DDPLAN is called DDPLAN because it's the Drogon Dive Planner. Drogon is an anagram of Gordon and Gordon is my name.」(最終行の「 follow this link.」のリンク先より)

今時(といっても、もう15年も前)に書かれたプログラムだが、機能的には十分使える。

CCRでも使用でき、トライミックスでもOK、ビュールマンのセットBで計算してくれる。

もちろん、グラディエント・ファクターの設定も可能だ。

画像は、例によって海水、空気、40m、60分(作業時間)、潜降・浮上10m/分のパターンで、最ユルの設定にした時のもの。

「減圧スケジュール:
・12m:9分(浮上時間を含む:以下同じ)
・9m:15分
・6m:24分
・3m:44分」

ラインエディターの使い方が良く分からないので、少し違っているかもしれないが、概ねこんな感じだ。

浮沈子は、初めて弄った。

で、厚労省の値と比べてみた。

「厚労省(安全率「1」)
12m,5min
9m,13min
6m,21min
3m,42min」

減圧スケジュールの値がビミョーに違っているのには、訳がある。

同梱されている「dataフォルダー」の中の「zhl16-n2.txt」の中身は、こうなっている。

「HAB
ZH-L16b (Nitrogen)
1 5.0 11.696 0.5578
2 8.0 10.000 0.6514
3 12.5 8.618 0.7222
4 18.5 7.562 0.7825
5 27.0 6.667 0.8126
6 38.3 5.600 0.8434
7 54.3 4.947 0.8693
8 77.0 4.500 0.8910
9 109.0 4.187 0.9092
10 146.0 3.798 0.9222
11 187.0 3.497 0.9319
12 239.0 3.223 0.9403
13 305.0 2.850 0.9477
14 390.0 2.737 0.9544
15 498.0 2.523 0.9602
16 635.0 2.327 0.9653」

これを、厚労省の値と比べてみる。

(厚生労働省告示第四百五十七号)
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11300000-Roudoukijunkyokuanzeneiseibu/keisanhouhoukokuji.pdf

「窒素:
1 5.0 126.885 0.5578
2 8.0 109.185 0.6514
3 12.5 94.381 0.7222
4 18.5 82.446 0.7825
5 27.0 73.918 0.8126
6 38.3 63.153 0.8434
7 54.3 56.483 0.8693
8 77.0 51.133 0.8910
9 109.0 48.246 0.9092
10 146.0 43.709 0.9222
11 187.0 40.774 0.9319
12 239.0 38.680 0.9403
13 305.0 34.463 0.9477
14 390.0 33.161 0.9544
15 498.0 30.765 0.9602
16 635.0 29.284 0.9653」

内部処理の関係で、a値の桁が違うんだろうが、ビミョーな差がある・・・。

というか、DDプランで使われているこの数字に、見覚えがあった。

(An Explanation of Professor A.A. Buehlmann's ZH-L16 Algorithm
by Paul Chapman)
http://njscuba.net/gear/trng_10_deco.php

研究報告書にも載っていた、文献B(ポール・チャップマン)の値と同じだ(第一半飽和組織の半飽和時間がずれているだけ)。

厚労省版より、保守的な値になっている。

(a値とb値)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2015/09/29/7817258

うーん、老舗の減圧ソフトは、こっちの値を使ってたのかあ・・・。

しかし何だな、a値とb値の値を見て、出所が分かるようになるなんてのは、完全にビョーキだな・・・。

まあいい。

浮沈子の周辺でも、このDDプランの愛好者がいて、まあ、よくもこんなジミーな(地味な?)ソフトを使ってると感心するんだが、適切な保守性を与えることができれば、十分実用になる。

減圧ソフトは、見かけに騙されてはいけない。

また、どのアルゴリズムがいいとか言う前に、ちゃんと保守性を付加できるかどうかの方が大切だろう。

そのノウハウこそ、多くの人柱によって築かれた財産なのである。

浮沈子は、どの程度の保守性で運用した方がいいとかは分からない。

人によっても、体調によっても、環境によっても変わってくる。

今日は、こんな調子だから、このくらいにしておこうとか、水温低くて流れきついから、ちっと厳しめでいこうとか・・・。

元になっているa値とb値が確認できれば、さらに深く安全率を理解できようというものだ。

その意味では、簡単に元ネタが確認できるDDプランは、浮沈子的には、好ましいソフトに思える。

まあ、それだけで判断していいのかは、また別の話だ。

何種類かのソフトを比べてみると、やはり保守性の与え方こそキモだということが見えてくる。

ちなみに、DDプランの場合、デフォルトでの保守性(グラディエント・ファクター)は30%/75%(low/high)になっていた。

もちろん、これがいいかどうかも分からない。

早く、コードを書いてしまって、その辺りの話を少し追求したくなってきたな。

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