ニュー・シェパード2015年11月27日 21:05

ニュー・シェパード
ニュー・シェパード


ブルー・オリジン社が放った垂直離着陸ロケット、ニュー・シェパードが、見事、垂直着陸と、カプセルの切り離しに成功した。

(ブルー・オリジンのニュー・シェパードが垂直着陸に成功 ~ファルコン9との違い~)
http://elongeek.hatenablog.com/entry/2015/11/26/001242

「民間企業が宇宙へ到達したのはすごいことですが、注目すべきはその後。ニュー・シェパードはそのまま降下して逆噴射で垂直着陸をおこなってみせたのです。」

これについては、この記事の後半に、蘊蓄が載っている。

1 過去に宇宙空間からの帰還を成し遂げたX-15がある(これは、軍関係)。

(X-15 (航空機))
https://ja.wikipedia.org/wiki/X-15_(%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F)

「1963年8月22日に行われた91回目のフライトで、ジョセフ・A・ウォーカーの操る機体が高度107,960mに到達した。これがX-15計画中の最高到達高度となった。」(52年前)

2 スペースシップ1もある(これは、民間)。

(スペースシップワン)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%82%B7%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%AF%E3%83%B3

「2004年6月21日に高度約100 km(カーマン・ライン)の宇宙空間に向けた弾道飛行を成功させ、世界で初めての民間企業による有人宇宙飛行を実現した。」(11年前)

3 サブオービタル(弾道軌道)からの海上への帰還(ファルコン9)もある。

(ファルコン9:再使用計画)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%83%B39#.E5.86.8D.E4.BD.BF.E7.94.A8.E8.A8.88.E7.94.BB

「2014年4月のv1.1 4号機で洋上着水試験が行われ、着水直前に落下速度がゼロになったことが確認された。」(去年)

4 高度は低いが、垂直離着陸の実績もある(グラスホッパー)。

(グラスホッパー (ロケット))
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%9B%E3%83%83%E3%83%91%E3%83%BC_(%E3%83%AD%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88)

「2013年10月7日にグラスホッパーの8回目で最後の飛行試験が行われ、最高到達の高度744mに達したとなった。」(2年前)

これらの先例に続いて、100kmの弾道飛行後の垂直着陸の成功となったわけである。

「ブルー・オリジンが成功させたサブオービタルフライトからの着陸は先行事例があります。が、それにしても逆噴射による垂直着陸はすごい。」

しかし、ファルコン9が目指す、1段目の垂直着陸による回収と、ニュー・シェパードのそれは、エネルギー的に桁が異なる。

難易度は、もちろん、ファルコン9の方が高いわけだ。

それにしても、ファルコン9はチョンボが多いな。

基本的な安全性にも疑問が残る。

経験不足は否めない。

ボーイングとかは、確かに割高だし、高飛車だし、浮沈子的には気に食わないが、実績ということになれば桁違いの打ち上げを経験しているし、それだけ失敗も成功もしている。

民間人を乗せた有人宇宙飛行で、ロケット回収ということになれば、成功し続けなければならない。

ニュー・シェパードも、その点は分かっていて、たとえロケットの回収に失敗したとしても、カプセルは上空で切り離してしまって、パラシュートで回収する。

ドラゴン2のように、スーパードラコを逆噴射させるわけではない。

コンベンショナルな、実績のある回収方法をとっている。

浮沈子は、それでいいと思うし、そうすべきだと考える。

機械を運ぶロケットと、生卵(人間)を運ぶロケットでは、運用思想が異なる。

やがては、ファルコン9が、ドラゴン2に宇宙飛行士を乗せて、両方とも回収することになるんだろう。

その宇宙飛行士が、民間の宇宙旅行者になり、週末は、ちょっと地球をぐるっと回って来るようになるのだ。

(ブルーオリジン・ニューシェパード)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%82%B8%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%89

「ニューシェパードの名前はアメリカ初の宇宙飛行士であるアラン・シェパード宇宙飛行士に因んでいる。」

「2015年11月23日、ニューシェパードの2回目の打ち上げを実施。機体はカーマンラインを超え、宇宙空間とみなされる高度100.5kmに到達、さらに今回はクルーカプセルの回収に加え、打ち上げ機の垂直離着陸も達成した。」

記念すべき日だ。

21世紀的で、文句なく目出度い。

様々な評価はあるだろうが、それだけは確かだな・・・。

(ロケットVTOLの成功は偉大な進歩―ただしベゾスのBlue OriginとマスクのSpaceXはカテゴリーが違う:追加)
http://jp.techcrunch.com/2015/11/30/20151129dont-compare-blue-origins-success-to-spacexs-failures/

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