ターボラグ2016年01月14日 01:46

ターボラグ


(ポルシェ911カレラが歴史上初のターボ化。「失ったもの」はないのか?)
http://carview.yahoo.co.jp/article/testdrive/20160112-20102721-carview/1/

島下氏のレポートなので、心して読む・・・。

「そして実は一番感心した、あるいはホッとしたのが実はアクセルレスポンスである。」

「ともあれいわゆるターボラグとは一切無縁なのだ。」

「新型911カレラは、これなら自然吸気にこだわらなくてもいいと初めて思わせてくれたのだった。」

排気圧を利用してタービンを回す。

だから、アクセルをいったん抜いて、もう一度踏み込んだ時には、再加圧されるまでの時間、圧縮された空気は入ってこない・・・。

んじゃあ、アクセル抜いても、タービン回してればいいじゃん的発想なんだろう。

技術の勝利、テクノロジー万歳!・・・。

なのかあ?。

多気筒大排気量NAエンジンの信奉者である浮沈子(所有する3台の気筒数の合計は20気筒!、排気量は10.9リッター!、もちろん全てNA!)は、どうも付いていけない。

氏の表現には、ビミョーな影が宿る。

「踏めば踏んだ分だけすぐに力が出て、離した時には即座に回転が落ち、更に再度踏み込めばまた欲しい分だけ応える。ターボ化された911カレラが、そんなキレ味を失ってはいないか。個人的には、ここが最大の焦点だった。」

「結果として、それはほぼ完璧に実現できていたと言える。」

何かしらの違和感を感じていたのではないか。

確かに、タイムラグは皆無だろうが、踏めば踏んだだけということではないのではないか。

んっ?、ちっと違うな・・・。

カレラも、カレラSも、ロードカーである。

九十九折れのワインディングを、右に左に切り返しながら、豊かな路面情報を感じつつ、気持ち良い汗をかく(まあ、最近は、エアコンの性能がいいので、そういうこともないのかもしれませんが)。

その気持ち良さがあったのかどうか。

試乗の一部は、閉鎖されたワインディングロードでも行われたとある。

ハンドリングとレスポンスのコンビネーションの部分は、ビミョーにオミットされていると感じたのは、浮沈子だけだろうか。

「正直なところ、今回ばかりはいくらポルシェでも……という不安感はあった。けれどもその完成度は、まさにさすがの一言。進化だけを、しっかり感じさせてくれた。」

ネガなし、ってことかあ?。

こんなにベタボメして、大丈夫なんだろうか。

Sにオプションてんこ盛りにすると、2せんまんえんに届こうという最新の911には、浮沈子は全く縁がないが、機会があれば試乗させてもらおうかな。

街中、チョロ走りしたくらいじゃあ、何にも分かんないけどな。

PSAIの研究2016年01月14日 04:36

PSAIの研究


イントラが、PADIもIANTDも更新せずに、PSAIという聞いたこともない指導団体に鞍替えしたという話は、このブログでも既に書いた。

(新年)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2016/01/01/7967399

「イントラは、IANTDの資格を更新せずに、PSAIという聞いたこともない指導団体に乗り換えたらしい。」

「まあ、テクニカルレベルについては、教える気は毛頭ないので、どんな団体でもいいんですが。」

リブリーザーを学び続け、その高度な運用を行うノウハウを身に着けるということ、テクニカルレベルの知識と技術にチャレンジし続けるということが目標である。

どこまで行くことが出来るかは、老化との戦いになるだろう。

で、このPSAIという指導団体のページを見てみる。

(コース:テクニカル・アンド・エクステンディッド・プログラムス)
http://www.psai.com/courses/technical-extended-programs

CCRの関連は、以下になる。

(PSAI Advanced Rebreather Diver
(Decompression Diving))
http://www.psai.com/courses/technical-extended-programs/331-psai-advanced-rebreather

・減圧潜水:エアディリュエント:45m

(PSAI Technical Rebreather Diver
(Helium Diluent use for 40-45 m or 100-150ft) )
http://www.psai.com/courses/technical-extended-programs/330-psai-technical-rebreather

・減圧なし?:ヘリウム使用:45m

(Fundamentals Closed Circuit Rebreather Diver
(60 meters ~ 200 feet))
http://www.psai.com/courses/technical-extended-programs/329-psai-fundamentals-rebreather

・減圧潜水(たぶん):トライミックス:60m

(Expedition Closed Circuit Rebreather Diver
(60 meters ~ 200 feet))
http://www.psai.com/courses/technical-extended-programs/328-psai-expedition-rebreather

・減圧潜水(たぶん):ヘリオックスまたはヘリエア:60m

(Explorer Closed Circuit Rebreather Diver
(76 meters ~ 330 feet))
http://www.psai.com/courses/technical-extended-programs/327-psai-explorer-rebreather

・減圧潜水(たぶん):ヘリオックスまたはヘリエア:76m

かなり分かり辛い。

これは、オープンサーキットのコースと比較してみると、やや構成が異なっていることが分かる。

(一般的なテクニカルダイバー・プログラムフローチャート)
http://www.psai.com/courses/diver-programs-flowcharts/501-psai-general-technical-diver-programs

・アドバンスド・ナイトロックス
(減圧潜水:純酸素までのナイトロックス:45m(たぶん))
・エクステンドレンジ・ナイトロックス
(減圧潜水:純酸素までのナイトロックス:55m)
・トライミックス
・・TRIMIX FUNDAMENTALS - Level 1: Depth 60 meters (200 feet).
・・EXPEDITION TRIMIX - Level 2: 75 meters (250 feet).
・・EXPLORER TRIMIX - Level 3: 100 meters (330 feet).

なんとなく、オープンサーキットの方がすっきりしているな。

CCRのトレーニングプログラムというのは、開発途中なのかもしれない。

こういう点では、PADIはすっきりしている。

エアディリュエントの40、ノーモキシックトライミックスまでの60、ハイポキシックトライミックスを使用する100という、分かりやすい構成だ(IANTDも似ています)。

ベイルアウトガスにも対応している。

CCRの場合、シビアな問題になるのは、完全に故障した際のベイルアウトガスの種類なので、その運用を中心に構成するのが合理的と言える。

ソレノイドバルブの故障で、PO2を手動でコントロールするなどというのは、想定の範囲内だ。

故障のうちにも入らないかもしれない。

センサーが全部イカレて、SCR運用するくらいからは、故障のうちに入れてもいい。

この時点では、ディリュエントガスの選択が命取りになる場合が出てくる。

呼吸回路に突っ込むガスを間違えると、一発で即死だ。

いよいよ、全水没になって、呼吸回路が使えなくなれば、ようやく、オープンサーキット運用で上がってくることになる。

レクリエーショナルレベルでは、最初からこれに頼るので、ややっこしいテクニックは覚えなくてもいい。

ガスの種類も一つだけ。

間違いようがない。

ノーモキシックトライミックスは、窒素の麻酔作用を軽減するというメリットだけを享受して、これに準じることになる(減圧ダイビングの場合、やや時間が延びる程度)。

浮沈子が受講するのは、そのレベルである。

トライミックス使用なので、ファンダメンタル・プログラムということになるんだろうか。

トライミックスとヘリオックスの関係については、大深度(130m以上)の場合に、高圧神経症候群を回避するためにトライミックスを使用するという選択もあるので、必ずしも浅いからトライミックスというわけではない。

レジャーダイビングでは、余り聞かない話ではある。

酸素毒性とか、そういう観点からの区分もある。

しかし、まあ、PSAIの区分は、もう少し整理される可能性はあるな。

イントラは、その辺りで、ちっと悩んでいるようだが、浮沈子のレベルは、それ以前なので当分は問題ないだろう。

まずは、ヘリウム混合ガス(トライミックス)を吸えるレベルまで、シミュレーションで仕上げなければならない(竜馬に積み込んでパラオに持っていくまでには、出来るようにしておかないとな)。

聞いたこともない小さな団体だが、オープンサーキットの方は、しっかり整理されていて、ガスブレンダーとかのテクニシャンのコースもちゃんとある。

普通のスポーツダイビングから、レックやケイブといったオーバーヘッド環境まで、フルコースだ。

CCRも、そのうち整備されることだろう。

イントラは、日本支部とか立ち上げるんだろうか?。

それとも、単に、保険が安い団体のファシリティになるだけなんだろうか?。

まあ、どうでもいいんですが。

浮沈子的には、CCRのコースは、全ての団体で統一してもらって、どんな機種でも、どの団体でも、同じように受けられるようにしてもらいたいもんだな。

もちろん、機種毎の違いを調整するクロスオーバーコースを設けてもらって、複数機種のCCRを、団体を問わず気軽に学べるようにしてもらいたい。

そのうち、インスピ、ポセイドンに続く、第3の機種にも挑戦しようと考えている(えーっ!、聞いてないけどお?)。

そういえば、PSAIは、機種毎の認定ではないんだろうか?。

その辺りも、確認してみなければならないだろうな。

第3の機種が、何になるかは決めていない。

メジャーなタイプにするか、何かに特化したコアな機種にするか(サイドマウントとかあ?)。

今のところ、候補として上がっているのは、エクスプローラー(SCRですが)、メガロドン(定番ですな)、rEⅴo(評判いいんで)、センチネル(一応)、JJ(構成は手堅い)など。

サイドマウント用としては、これ。

(Flex CCR)
http://flexccr.com/

でも、まあ、ちっと手は出さないだろうな。

浮沈子は、ハードな閉鎖環境はダメだ。

これって、それ用の器材ということになる。

サイドマウントCCRを指向しているのも、遊泳抵抗の軽減とか、ベイルアウト用という要素に注目しているからで、狭いところに入りたいからではない。

ベイルアウト用ならこれか。

(SMS 200 Sidemount Rebreather)
http://www.submatix.com/index.php/de/main-products-all-de/main-products-rebreather-de/110-article-products-sms-200-de

最近紹介された機種は、これ。

(SF-2 Rebreather Sidemount)
http://www.scubaforce.eu/en-us/Products/SF-2-Rebreather/sf-2-rebreather-sidemount

浮沈子自作の(作ってもらった)ケースにインスピ押し込めることに比べれば、余程スマートである。

まあ、そっちは当分、お蔵入りになりそうだがな。

第3のリブリーザーが何になるのか。

どこで、誰に習うのか。

まあ、どちらかというと、そっちから決まりそうな気もするがな。

スピード862016年01月14日 05:13

スピード86


(14日にエボラ熱終息宣言=WHO)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201601/2016011300914&g=int

「世界保健機関(WHO)は13日、約2年間にわたり西アフリカで猛威を振るったエボラ出血熱の終息が14日に宣言される見通しだと明らかにした。」

ようやく、この報道が出た。

2年間、猛威を振るったエボラに対し、人類のスピードが勝り、終息に追い込んだということだ。

リベリアの再度の終息宣言は、当然、想定されていた。

それを受けての、全面終息である。

高度監視期間内ではあるが、一応、形の上での完全終息だ。

長い長い流行。

鎮圧のめどが立ってから、半年以上になる。

ピークを過ぎてからでも、1年以上かかった。

大規模な流行の終息が、いかに困難であるかという事例になるだろう。

関係者の多大の犠牲や、尽力によるところが大きい。

とりあえず、ホッとした。

いろいろ懸念はあるが、表面上はエボラは終わった。

改めて、今回の流行の凄まじさにたじろぐ。

亡くなられた方、後遺症に苦しむ方、その家族や関係者に、お悔やみとお見舞いを申し上げる。

浮沈子は、個々の事例には、余り踏み込まなかった。

そのことは、以前にも書いた。

1万人を超える死者の事例に向き合える神経は、持ち合わせていない。

それは、戦乱や災害の被害とはやや異なる。

疾病で亡くなるというのは、それに向き合う時間があり、救う手立てがあり、しかし救い得ないという複雑なプロセスを経るわけだ。

まあ、それぞれに特徴や事情があるわけで、生身の人間として向き合うのは辛い。

その恐れが、一応無くなったということだけでも、完全終息を喜びたい。

流行に晒された地域は、経済的に困窮しているし、援助は今後も必要だ。

国連をはじめとした、全世界の対応が問われる。

今回が社会的な流行で会った側面は、否定できない。

それを再び繰り返すことになれば、同時代に生きた全ての人々の責任ということになる。

足掛け4年、エボラの季節は去り、人々は、何事もなかったかのように、日々の生活に塗れる。

それは、全ての人々が望んでいたことであり、喜ばしい事でもある。

しかし、天災は忘れたころにやってくるし、好事魔多しということもある。

エボラは、再び、人類の前に立ちはだかるに違いない。

それが、いつのことになるのか、今回のような大流行になるのか、それとも、以前の流行の規模に留まるのか。

それは、誰にもわからない・・・。

空を飛ぶ夢2016年01月14日 14:35

空を飛ぶ夢


高所恐怖症の浮沈子が、空を飛びたいというのは、いささか矛盾している。

何年か前に、調布飛行場から体験操縦で飛び立ったことがある。

パイロットは、高度が高くなれば怖くなくなりますとか言っていたが、そんなことはない。

バンクした時に、真下の地上が見えた際には、大事なところがキュッと縮まるのを感じた(男の子だけ、分かってください!)。

空を飛ぶことを諦めたわけではない。

自分のコントロールで、自在に3次元のシュプールを描くのは、長年の夢であり、ダイビングに傾倒している理由の一つである。

スクーバの発明者の一人であるクストーも、空への憧れを抱いた一人であったようだ。

(第27回 アクアラングを発明したジャック・イブ・クストーを支援)
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20120821/320238/?P=2

「アクアラングがあれば、何の害もなくのんびりと何ファゾム(注:水深の単位)も下の海中を滑空することができる。フィンをつけた足をプロペラ代わりにうつぶせのまま泳いだり、ひっくり返ったり、横向きに寝そべって浮かんでいることもできる」

「アクアラングでスクーバダイビングをするようになってから、クストーは空を飛ぶ夢を見なくなりました。」

まあ、記事自体は、そんなクストーを支援したナショジオの手前味噌な話なので、かなり割り引いて読んだ。

自動車事故でパイロットとしてのキャリアを諦めざるを得なかった彼が、アクアラングを開発したというのは、何か因縁めいたものを感じる。

空と海。

浮遊と滑空。

人間にとっては、適わぬ能力であり、いってみれば超能力である。

もちろん、陸上での高速移動も同じだ。

身体能力の拡張、神の視座の獲得である。

別世界ということでいえば、顕微鏡や望遠鏡なんかも、そういう類に入るかもしれない。

携帯電話(スマホでもいいんですが)、インターネット、衛星生中継(古っ!)。

感覚器官の拡張だな。

電卓などは、脳の機能の外部化、高度化に当たるかもしれない。

その成れの果ては、量子コンピューターということなのかあ?。

記憶力という点では、パピルスや書物に始まって、今やエクサバイト級のメモリーが唸りを上げている。

外部化された機能が、如何にすさまじくなっても、生身の人間が感得できる経験というのは、あまり変わっていない。

千年前の人間と、我々とでは、むしろ、感覚器官などは衰えているのではないか。

肥大化したのは、脳そのものではなく、外部の能力であろう。

バーチャルな経験が、アバターなどでリアリティを増す一方、生身の人間は、相変わらず鳥のように空を飛びたいと思っている。

水中では、魚のように自由に泳ぎ回り、地上では、チーターのように速く走りたいのだ。

なぜなんだ?。

動物は、移動能力を得ることで、生存戦略を拡張してきた。

捕食や環境への適応、繁殖における多様性の確保も、移動能力に依存している。

動く範囲の拡張というのは、動物にとっては生存に欠くべからざることであり、スポーツ選手がモテるのは、理に適っている。

CCRダイバーがモテるという話は聞かないがな。

まあいい。

行動範囲を拡張し続けた人類は、宇宙空間に活動の場を広げてきた。

乗り物に乗ってではあるが、もはや、地球上では収まらなくなってきている。

月や火星といった、他の天体における生活も視野に入ってきた。

空を飛ぶという、直感的に理解できる憧憬とは、いささか乖離が大きいけどな。

水中を舞うというのは、その代償行為になり得るんだろうか?。

まあ、どうでもいいんですが。

空を飛びたい。

ジェット旅客機に乗って、時速850キロで1万メートルの高度でぶっ飛ばすのではなくて、風を感じながら、鳥が舞うように軽やかに飛びたい。

夢であり、憧れであり、遠い目標の一つだ。

夢のままに終わってしまうかもしれない。

それでもいい。

明日への夢を持ち続けよう。

それが、今日の努力の糧になる。