成人の日2016年01月15日 12:57

成人の日


もう、40年近く前、1月15日に成人の日を迎えた。

そう、昔の休日は、日付固定で分かりやすかったな。

(成人の日)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%88%90%E4%BA%BA%E3%81%AE%E6%97%A5

「1999年(平成11年)までは1月15日だった。」

「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます」

成人になる方は、もちろん当事者だが、祝い励ますのは周囲だ。

元新成人もしかりである。

最近は、日曜日にくっつけるということになっていて、今年は11日だったようだ。

忘れてた・・・。

「ハッピーマンデー制度導入に伴い、2000年から1月第2月曜日、つまり、その年の1月8日から14日までのうち月曜日に該当する日に変更された。1月第3月曜日にはならなかった。そのため元々の1月15日には法律を改正しない限りやってこなくなってしまった。」

法律を改正しない限り、もとの15日が成人の日になることはない。

寂しい限りだな。

(成人式)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%88%90%E4%BA%BA%E5%BC%8F

「奈良時代に起こった元服に始まる日本特有の風習で、ヨーロッパやアメリカではこのような式典などはない」

「その他の国では日本のように成人年齢に達した事を全国一斉に祝うような祭典を行う国はほとんどないが、中華人民共和国などでは、成人となった時期(18歳)のイベントを成人式として表現することもある」

ほほう、日本と中国位なのか。

(通過儀礼)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%9A%E9%81%8E%E5%84%80%E7%A4%BC

「出生、成人、結婚、死などの人間が成長していく過程で、次なる段階の期間に新しい意味を付与する儀礼。」

「人生儀礼ともいう。イニシエーションの訳語としてあてられることが多い。」

「イニシエーションとして古来から行われているものとしては割礼や抜歯、刺青など身体的苦痛を伴うものである事が多い。」

浮沈子の苦手な、痛い話だ・・・。

「日本の中世・近世における武家階級では元服というものがあり、服装、髪型や名前を変える、男子は腹掛けに代えてふんどしを締める(褌祝)、女子は成人仕様の着物を着て厚化粧する、といったしきたりもあった。」

あれっ?、あんま、痛そうじゃないな。

「男子の場合、明治の徴兵令施行から太平洋戦争が終結した1945年までは、「国民皆兵」の体制が取られ、徴兵検査がその通過儀礼となった。」

「入営後は新兵教育という名目のいじめやしごきという形で通過儀礼がおこなわれた」

ははあ、やっぱ痛いんだな。

徴兵検査といわれて、ピンとくる方は少なくなっている。

浮沈子も、直ちにはイメージできない。

思い出すと、映画の中で取り上げられていた記憶がある。

(ビッグ・ウェンズデー (映画))
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%93%E3%83%83%E3%82%B0%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%82%BA%E3%83%87%E3%83%BC_(%E6%98%A0%E7%94%BB)

「彼らにもベトナム戦争の徴兵令状がきた。グループの大半が懲兵を免れようとしている中で、優等生だったジャックは懲兵検査を受けて、ベトナムへと出征していった。」

リロイが精神疾患を患っているふりをして徴兵を逃れようとするが、そのあまりの迫真の演技のために、本当に救急車が呼ばれてしまうというオチがあったな(記憶では、生の魚を持ってたような気が・・・)。

日本での公開は、1979年。

奇しくも、浮沈子が成人式を行った年である。

なんと・・・。

(徴兵制度)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%B4%E5%85%B5%E5%88%B6%E5%BA%A6

「国家が国民に兵役に服する義務を課す制度」

「北アフリカ諸国の他、ロシア、韓国、ベトナム等では徴兵制が続いているが、冷戦終結後は、フランス、ドイツ、スウェーデンのように徴兵制度を廃止する国が増えつつあり・・・」

「しかし、永世中立を掲げるスイスとオーストリアでは国民投票で徴兵制の廃止が否決され、2013年に徴兵制を廃止したウクライナでは、翌年発生したロシアのクリミア侵攻の後に徴兵制が復活するなど、国是や国家を取り巻く情勢によって左右されている状況にある。」

「ベトナム戦争期のアメリカ合衆国では平和運動の高まりもあって大規模な徴兵忌避が増加した。」

「アメリカ合衆国はベトナム戦争終結後の1973年以降、徴兵を停止した。」

「1980年に選抜徴兵法が制定され、再び選抜徴兵登録制度が復活した。」

「現在に至るまで名簿の作成が国防総省において継続されている。従って、米国に在住している市民権及び永住権を持つ男性は18歳になった時点で郵便局において登録の義務が課せられている。」

軍隊がハイテク化して、専門集団としての高度化が図られる中、身体的な頑健さで徴兵するという発想は、馴染まなくなっているのかもしれない。

イタリアでは、そういった理由から、徴兵制が廃止されている。

我が国の国防が、人的にどのような形で行われるかは今後の課題だが、思想的にはともかく、実務の点で徴兵制が馴染まなくなっていることは事実だろう。

一方で、女性を兵役に就かせるという流れもある。

「ノルウェーでは、1年間の徴兵義務が、おそらく2015年から、女性にも拡大されヨーロッパで唯一、平時に女性を徴兵する国になる」

「2013年に、アメリカ議会は男女平等に基づき女性兵士の前線での戦闘行為を容認する法律の施行を2016年までにすすめることを決めた。大統領であるバラック・オバマはこの決定を男女平等への歴史的一歩と述べた」

これは、軍隊の高度化と関連するのかもしれない。

マッチョでなくても、兵役に適する能力があれば、職業軍人として活躍する道があるということだ。

徴兵に応じないということも、歴史上では枚挙にいとまがないようだな。

「軍務に服する意欲のない者を徴兵することは却って兵の質の維持に支障をきたすため、その意味でも適切な兵役忌避制度の整備は重要」

成人の日の話が、いつの間にか、徴兵制度になってしまった。

通過儀礼としての徴兵検査という繋がりだな。

成人の日のような国家行事を行っている国が、一部に留まるということも意外だった。

旧成人の日が1月15日だったといういわれについては、この記事で触れられている。

(旧・成人の日)
http://homepage2.nifty.com/ToDo/ikinari3/20040115.htm

元服由来で、数え歳の習慣から、新たに年を取る正月の、おめでたい満月の時期(旧暦なんで・・・)に行われていたということから定められたようだ。

成人の日が定められたのは、戦後、昭和23年である。

徴兵制が廃止された後のことで、形の上では関係はないが、そもそも、武士(軍人)の成人式である元服由来なので、全く無関係ではないのかもしれない。

まあ、どうでもいいんですが。

元服について、いろいろ書いてあるページもある。

(成人式の昔々)
http://www.musashiya.co.jp/maniac/other/post-130.html

「現在、自治体が開催する「成人式」では、多くの新成人がほんの数少ない大人たちを目の前にしておこなわれています。本来の「元服」は、親兄弟はもちろん親戚縁者や後見役を願う職責者なども加わり、多数の大人の前でとりおこなわれた儀式。」

成人式は、成人のためだけにあるものではない。

共同体の中で、新成人がその一役を担うにふさわしいと認められ、義務を負い、責任を分かち合うことを、互いに確認しあう儀式だ。

社会全体が当事者である。

成人式には、もっと関心を寄せてもいいな。

ところで、選挙権が18歳からになり、参議院選挙はこれにより行うことになったようだ。

成年年齢が、20歳というのは民法上の規定なので、直接は関係ない。

(選挙権年齢の18歳以上への引下げ)
http://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2015pdf/20151001003.pdf

「18歳選挙権法には、民法の成年年齢等の引下げに関する検討条項が設けられている。」

(公職選挙法等の一部を改正する法律 (平成27年法律第43号))
https://ja.wikisource.org/wiki/%E5%85%AC%E8%81%B7%E9%81%B8%E6%8C%99%E6%B3%95%E7%AD%89%E3%81%AE%E4%B8%80%E9%83%A8%E3%82%92%E6%94%B9%E6%AD%A3%E3%81%99%E3%82%8B%E6%B3%95%E5%BE%8B_(%E5%B9%B3%E6%88%9027%E5%B9%B4%E6%B3%95%E5%BE%8B%E7%AC%AC43%E5%8F%B7)

「(法制上の措置)
第十一条  国は、国民投票(日本国憲法の改正手続に関する法律(平成十九年法律第五十一号)第一条に規定する国民投票をいう。)の投票権を有する者の年齢及び選挙権を有する者の年齢が満十八年以上とされたことを踏まえ、選挙の公正その他の観点における年齢満十八年以上満二十年未満の者と年齢満二十年以上の者との均衡等を勘案しつつ、民法(明治二十九年法律第八十九号)、少年法その他法令の規定について検討を加え、必要な法制上の措置を講ずるものとする。」

例によって、ワケワカな表現だが、早い話、回りの法律が寄って集って18歳になってるんだから、本家も18歳にしろよ!、ということだな。

将来は、18歳からが成年年齢になる公算は高い。

(成年:成年年齢一覧)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%88%90%E5%B9%B4#.E6.88.90.E5.B9.B4.E5.B9.B4.E9.BD.A2.E4.B8.80.E8.A6.A7

「2008年現在のデータ:
14歳:2か国
16歳:4か国(一部含む)
17歳:1か国
18歳:134か国(一部含む)
19歳:2か国
20歳:7か国
21歳:36か国
その他:2か国(国内の地域間で年齢が異なる)」

まあいい。

ともあれ、成人になった方々には、お喜び申し上げたい。

世界には、成人になる日を迎えられずに亡くなる子供たちは、数多くいるのだ。

それだけでも目出度い。

そして、社会の一員としての役割を自覚し、大いに活躍してもらいたいものだ。

おめでとう!、そして、一緒に頑張ろう!(浮沈子は、食っちゃ寝してますけど・・・)。

空席2016年01月15日 15:46

空席


(一般教書演説)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%80%E8%88%AC%E6%95%99%E6%9B%B8%E6%BC%94%E8%AA%AC

「アメリカ合衆国において、大統領が連邦議会両院の議員を対象に行う演説」

まあ、施政方針演説のようなもんだな。

議院内閣制を採らない米国では、憲法上は大統領は議会に足を踏み入れることはない。

この時は、特別の場合ということになる。

傍聴席には、その時の演説の内容に関係する国民が、20名程度招待されるようだ。

(オバマ大統領 任期最後の一般教書演説へ)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160113/k10010369331000.html

記事は、演説開始前のものだが、こんなことが書かれている。

「ホワイトハウスによりますと、ことしは、銃撃事件で命を奪われた犠牲者のための席としてゲストが座る席の1つをあえて空席にするということで、銃規制強化の必要性をアピールするねらいです。
アメリカメディアによりますと、2003年のブッシュ前大統領の一般教書演説でも、同時多発テロ事件の犠牲者を追悼して空席が設けられたということです。」

鈍い浮沈子は、最初、何のことかピンと来なかった。

(オバマ夫人の隣に「特別席」 銃犠牲者へ思い込め用意)
http://www.asahi.com/articles/ASJ1F5K7GJ1FUHBI024.html?ref=msn

記事の添付画像を見ると、確かにミシェル夫人の右隣の席が空いている。

我が国ならば、遺影とかが置かれるところだろう・・・。

そして、浮沈子は、はっと気付いた。

ここは、空席などではないのだと。

NHKの記事では、銃乱射事件の遺族代表は別途招待されているとある。

この席は、亡くなった犠牲者自身のために用意されているのだ。

宗教を持たない浮沈子には、死後の世界とか死者の魂などというのはSF(?)のようなもので、物理的な消滅とともに、生き残った人々の記憶の中だけに残るものだと信じている(まあ、それも宗教のようなもんかあ?)。

死んじまった者は、この世のことに関わることはできない。

生き残った者が、その気持ちを汲んで、ひたすら努力するしかないのだ。

いずれにしても、この空席に招待されているのは、毎年数万人に及ぶ銃の犠牲者である。

(アメリカ合衆国の銃規制)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E5%90%88%E8%A1%86%E5%9B%BD%E3%81%AE%E9%8A%83%E8%A6%8F%E5%88%B6

「現在、個人所有の銃が約2億7000万丁(世界最多)。銃が原因の死亡者数は毎年3万1000人前後(ここ数年)となっている」

3万人の姿なき招待者が、この席に座っている。

空席どころではなく、ギュウギュウ詰めだ。

そうして、大統領の演説に耳を傾けたわけだな。

そのことに思い至った時、浮沈子の涙腺バルブは、例によって壊れた・・・。

だめだ・・・。

止まらない・・・。

このブログを書きながらも、どうしようもなくて、困っている。

米国人は、銃が大好きだ。

そういう文化があり、狩猟とか護身とかいう実用的な用途(犯罪もかあ?)は別にして、大勢の国民が銃を所持している。

そして、10年間で30万人、100年経てば300万人がこの空席に座る。

そのことの是非には、今日は触れない。

我が国が銃の一般的な所持を規制していて、犠牲者が限られていることを感謝するに留める。

国の外では戦争に明け暮れ、国の中では銃をぶっ放す。

野蛮な国だ。

正義の名のもとに、殺戮を繰り返す国。

その一方で、大統領の演説に、特別席を設ける。

声なき声を聴き、姿なき聴衆に語り掛けようとする。

まあ、どーせ、政治的な配慮ってやつで、有権者の姿がチラついているに決まってるがな。

民主主義ってのは、ある意味で残酷な制度だ。

ところで、感涙に咽びながら、浮沈子はあることに気付いて首を傾げる。

一般教書演説の空席には前例があり、2003年の時に、同時多発テロの犠牲者に対して設けられたようだ。

9.11は、2001年のことである。

まあ、2002年の正月では、ちょっと生々し過ぎたということもあるが、時期的には1年以上開いている。

独立以来、外国の勢力から、大規模な直接攻撃を受けたことがない米国において、初の大量の犠牲者ということになる。

この時の犠牲者の規模は死者3000人余り、負傷者6000人余りである。

(アメリカ同時多発テロ事件)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E5%90%8C%E6%99%82%E5%A4%9A%E7%99%BA%E3%83%86%E3%83%AD%E4%BA%8B%E4%BB%B6

2003年3月にイラク戦争が始まったことを考えると、2003年の年頭にテロの犠牲者を追悼するとして設けられた空席というのは、ちと勘繰りたくなる要素があるな。

ちなみに、イラクはこのテロには関与していなかったということは、明らかになっていた(後に米国政府も公式に認めている)。

まあいい。

イラク戦争の山車に使われた空席は、本当の空席だったのかもしれない。

今回、銃の犠牲者のために設けられた空席には、亡くなった方々の魂が座っていたに違いない。

現大統領の演説が、その魂の期待に応えられたかどうかは、また別の話だ。

カリフォルニア州での乱射事件の後、銃の所持は、むしろ増えたという。

(銃の携帯許可申請、米で急増―加州の銃撃事件後)
http://jp.wsj.com/articles/SB12554609945154534602604581414562526144884

「一部の郡では保安官が銃器の携帯を積極的に呼びかけている。ニューヨーク州アルスター郡のポール・バン・ブラーカム保安官は3日、同郡保安官事務所のフェイスブックのページで、銃携帯の許可を持つ市民に対して、ぜひ携帯してほしいと呼びかけた。」

うーん、平和にドブ漬けの浮沈子には、理解できない対応だ。

空席の招待者は、一体どんな思いでこの状況を見ているんだろうか?

(“日本とは違う、現実的になれ” 2億7000万丁の銃を抱え揺れるアメリカ:追加)
http://newsphere.jp/world-report/20151007-3/

「自動車事故や産業事故による死、プールでの溺死が避けられないと受け入れているように、アメリカ人はある程度の銃による暴力は避けられないと受け入れたというのが真実であると述べ、規制を強化すれば、銃による大量殺人は食い止められるというふりをするのはやめるべきだとしている。」

「米メディアの報道を見る限り、すでに引き返すことができないほど、銃所持が広がっているアメリカ。」

これが米国の現実であり、彼らはそういう社会に住んでいる。

空席は、やはり空席のままなのかもしれない。

再感染?2016年01月15日 17:53

再感染?


よりによって、このタイミングで再発しなくてもよさそうなもんだが、シエラレオネで死亡した患者がエボラであった疑いがあるという。

(シエラレオネでエボラ感染疑いの女性死亡、終息宣言直後)
http://www.afpbb.com/articles/-/3073275?cx_part=txt_topics

「当局によると、ギニアとの国境に近い北部バモイルマ(Bamoi Luma)で、女子学生1人が体調を崩して間もなく死亡した。初期診断検査でエボラウイルスの陽性反応が出たという。」

もちろん、確定診断で陽性かどうかは分からない。

ギニアに近いというのもいやな感じだ。

(BAMOI COMMUNITY HEALTH CENTER (CHC))
http://www.worldhealthequity.org/what-we-do.html

この記事の地図で見ると、カンビア地区にある。

(Kambia District)
https://en.wikipedia.org/wiki/Kambia_District

フリータウンからギニアの首都コナクリに至る交通の要衝でもある。

隣接するギニアのフォレカリア県との交流も盛んのようだ(内戦の際には、ギニア側に避難)。

地域の保健医療の状況は悲惨だが、この国ではどこも同じようなもんだろう。

人口の半分は、基本的なサービスを受けることが出来ないでいる。

最大の感染国であるシエラレオネでは初めての、終息宣言後の感染が発生した可能性がある。

続報が出れば、また書く。

(New Ebola Case Reported in Northern Sierra Leone:追加)
http://www.bbc.co.uk/programmes/p03dvh1z

患者が亡くなったのは、トンコリリ地区らしい(カンビアから旅行?)。

(Tonkolili District)
https://en.wikipedia.org/wiki/Tonkolili_District

ここかあ・・・。

(Ebola virus: New case emerges in Sierra Leone:追加)
http://www.bbc.com/news/world-africa-35320363

感染は、確定したようだ。

いやあ、WHOは、忙しくなりそうだな・・・。

天駆ける翼達2016年01月15日 20:09

天駆ける翼達


嬉しいニュースが二つも飛び込んできた。

(NASA 小型シャトルを民間企業と開発へ)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160115/k10010372301000.html

(NASA: 国際宇宙ステーションの補給ミッションでSierra Nevada Corporationと新規契約)
http://www.businessnewsline.com/news/201601150826330000.html

「NASAは14日、International Space Station(国際宇宙ステーション)向け2019~2014年に実施予定の補給ミッションの契約業者を発表し、Sierra Nevada Corporation、Orbital ATK、SpaceXの3社を選定したことを発表した。」

「現行の計画ではDream Chaserは、Atlas Vの先端に直接取り付けられた上で軌道上まで上昇。その後は、通常のカプセル型宇宙船と同じようにISSとランデブーを行った上で、ISSのロボットアームを使ってドッキングが行われる予定となっている。また、ISSから離脱後は、一般の使い捨て型のカプセルとは異なり、大気圏に再突入を行った後は、スペースシャトル同様に滑空飛行を行うことで通常滑走路に着陸をすることで完全回収が行われる予定ともなっている。」

やったね!。

首の皮一枚で、繋がったわけだ。

ゆくゆくは、有人飛行も視野に入っているに違いない。

「将来的には人が乗り組んで地球と宇宙の間を行き来することも想定した小型のスペースシャトル「ドリームチェイサー」の開発を進めています。」

(NASA Selects Sierra Nevada Corporation’s Dream Chaser® Spacecraft for Commercial Resupply Services 2 Contract)
http://www.sncspace.com/AboutUs/NewsDetails/2755

(About Dream Chaser®)
http://www.sncspace.com/ProductLines/AboutDreamchaser

「However, there are currently two Dream Chaser variants optimized specifically for either uncrewed or crewed missions, known as the Dream Chaser Cargo System and Dream Chaser Space System, respectively.」

貨物型と有人型に分けて、かつ、共通の機体を開発している。

ははあ、そういう選択で来たわけだな。

有翼の宇宙機については、これまでも何度かこのブログで取り上げている。

(宇宙往還機)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2014/06/08/7339369

(往還機)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2014/11/01/7480352

(宙(そら)の上の懲りない面々)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2015/03/21/7595171

そういえば、墜落しちゃったスペースシップ2のニュースもあった。

(民間宇宙船「スペースシップツー」2号機、2月19日にお披露目か)
http://sorae.jp/030201/2016_01_12_ss2.html

「2月19日にカリフォーニア州にあるモハーヴィ航空宇宙港において、2号機が関係者や招待客向けに披露されるとしている。」

機体の画像を見る限り、基本的な設計が大きく変わったような印象はない。

まあ、肝心のところはカバーされてるんだろうがな。

主翼の先っちょを動かして、再突入の際のスピードをコントロールするという、キモの部分は同じような感じに見える。

お客が宇宙空間を見ることが出来る窓が、大きくなったのかどうかは、カバーが掛かっていて分からない。

ブルーオリジンの、垂直打ち上げ式エレベーター型の宇宙ロケットである、ニューシェパードが登場してきたこともあり、サブオービタルレベルの商業開発の行方も注目されるところだ。

果たして、民間有人宇宙飛行の1番くじ(?)は、どこが引くんだろうか?。

リブリーザー・イン・ウィキ2016年01月15日 23:11

リブリーザー・イン・ウィキ


日本語では翻訳がない、ウィキペディアの項目。

(Rebreather diving)
https://en.wikipedia.org/wiki/Rebreather_diving

(Rebreather)
https://en.wikipedia.org/wiki/Rebreather

ワケワカの自動翻訳と、原文を照らし合わせ、たまにネット上の電子辞書を使って、一気読み(飛ばし?)する。

SCRについては、とりあえずパスする(無茶苦茶、分からんです!)。

ピレリが初期のスポーツリブリーザーを作っていたとは知らなかったな。

(Photos Pirelli LS901:追加)
http://www.therebreathersite.nl/Zuurstofrebreathers/Italian/photos_pirelli_ls_901.htm

まあ、東京日産だって、フィーノ作ってたんだから。

(純国産 リブリーザー!:追加)
http://o2dive.ti-da.net/e2139758.html

Surface supplied diving gas reclaim systems(表面供給潜水ガス再利用システム:自動翻訳のまま)などという、思わず身を乗り出してしまうような記述もある。

「In Britain rebreather use for civilians was negligible – the BSAC even formally prohibited rebreather use by its members.」

第二次世界大戦後、BSACは、リブリーザーの使用を禁じていた時期があったらしい。

そう、基本的には、ヤバイ器材だからな。

その一方で、アルピニストとかアルピニズムダイビングと呼ばれる、超ヤバのスタイルも紹介されていたりして、ドキドキする(良い子は、絶対にマネしないでね!)。

ベイルアウトガスは、必要な量を計算して、安全率を乗じて十分な量持ち込むようにしましょう!。

まあいい。

この記事の中には、リブリーザーの事故について、正面から向き合った内容がある。

致命的な事故が起こる頻度が、オープンサーキットでは50万ダイブ当たり、80から100であるのに対し、リブリーザーでは、その100倍以上という話が紹介されている。

(How Rebreathers Kill People)
http://www.deeplife.co.uk/files/How_Rebreathers_Kill_People.pdf

タイトルも、刺激的だな。

これにさらに分析を加えた資料がこれだそうだ。

(Analysis of recreational closed-circuit rebreather deaths 1998–2010)
http://www.dhmjournal.com/files/Fock-Rebreather_deaths.pdf

この訂正により、オープンサーキットの10倍程度ということになったようだ(それでも、十分高い)。

ブランド間やタイプ間での有意な差は認められない。

ヒューマンエラーの影響の重要性が指摘されている。

ヒューマンエラーを最小限にする設計とトレーニング、冗長性の確保、ベイルアウトガスなどの携行がリスクを抑え込むうえで重要という、極めて妥当な結論を得ている。

アルピニズムダイビングなんて、くそくらえ!(品のない表現で、すいません)、というわけだ。

この話、このブログでも引用した気がするが、ちょっと見つけられなかった。

まあ、どうでもいいんですが。

ビル・ストーン(ポセイドンの設計者)の論文のリンクもあり、読み応えありそうな画像ベースでのPDFファイルが落とせる(自動翻訳できません!:ちょっと見ですが、滅茶苦茶面白そうです)

(Design of fully redundant autonomous life support systems.)
http://archive.rubicon-foundation.org/xmlui/handle/123456789/9141

1986年の論文だが、基本は全て押さえている。

ビル・ストーンについては、このブログでも触れた。

(エウロパ)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2015/08/19/7737744

そのストーンが設計したポセイドンと、老舗のインスピでトレーニングを続ける。

進化を続けるCCRと、老化を続ける浮沈子・・・。

読みこなすのに骨が折れるが、こういうのを読んで(眺めて?)いる時が、一番リラックスするな。