この男2016年03月12日 14:46

この男


1989年6月4日。

第二次天安門事件については、このブログでも2年前に取り上げた。

(趙紫陽)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2014/04/06/7267938

(25年目)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2014/06/04/7335071

自分で書いといてなんだが、いい記事だな。

改めて読み直して、先日、中国外相が言っていた話を思い出した。

(王外相「中国は友か敵か」=安倍政権の認識を問題視)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201603/2016030800449

我が国にミサイルを向けておいて、イエスかノーかを突きつける神経が疑われる。

国家に真の友人はなく、自国以外は全て仮想敵国であるという警句にならえば、少なくともお友達であるわけはないだろう。

それは、米国も同じことだ。

その米国の選挙に立候補しているトランプさんが、天安門事件に対して発言した。

(トランプ氏、天安門事件を「暴動」と呼ぶ 米大統領選TV討論会)
http://www.afpbb.com/articles/-/3080107

「トランプ氏は、天安門で起きたことを支持していないと強調した上で、「(中国政府は)暴動を抑え込んだ」と発言した。」

同盟国から撤退したいと考えている米国の世論を代弁するトランプさんだが、この認識の上に立てば、日米安保を反故にして、我が国を中国かロシアに売り渡すくらいは平気でやるだろう。

あぶない、あぶない・・・。

世界の貿易は、縮小に転じていて、今後、その傾向が進んでいくといわれている。

どこの国も、内向きの政治が台頭してきて、益々その傾向が助長されるわけだ。

まずは、米国からだな。

まあ、どうでもいいんですが。

天安門事件の肯定を、米国の大統領候補から聞くというのは、意外な感じもするが、米国がどういう国かということを知るのには役立つかもしれない。

浮沈子は、本土には昔1度行っただけだが、広大な国土を有し、がさつで、無神経な国だと感じた。

コーラと、オレンジジュースと、肉、肉、肉・・・。

東洋人に対する、白人のあからさまな蔑視も感じた。

まあ、そういうのは、どこに行っても同じだがな。

一方で、明るく、フレンドリー(友好的というより、カタカナで書いた方がいいな)で、前向きな姿勢も印象的だ。

思慮深いとか、慎重とか、控えめというのは、およそ皆無な感じだ。

もう、30年以上前なので、最近は違うのかもしれない。

それでも、第二次天安門事件における中国共産党政権が取った行動を肯定するというのは、無知な点があったとしても、浮沈子にはいささかショックだ。

トランプさんは、直後の1990年に雑誌のインタビューに答えているというから、根っからの共産党支持者なんだろう(って、そういうことかあ?)。

極東、欧州、中東などから部隊を撤退させ、世界の秩序維持を中国に譲りたがっているに違いない。

まあ、中国はイヤだといってるがな。

どの国だって、自分の国が一番かわいいのだ。

人の面倒見るのは、それなりのメリットがもたらされるからで、それがなくなれば、撤退するのが自然というものだろう。

ポストポスト冷戦は、大国の撤退に伴う地域紛争の時代(ポスト冷戦)を経て、地域緊張(ミニ冷戦)の時代になるのかもしれないな。

米国が、西太平洋地域に展開している理由は、現在はほとんどない。

ドミノ理論とか、妙に懐かしかったりするしな。

(ドミノ理論)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%9F%E3%83%8E%E7%90%86%E8%AB%96

「「ある一国が共産主義化すれば動きはドミノのように隣接国に及ぶ」という、冷戦時代のアメリカ合衆国における外交政策上の理論である。」

今は昔・・・。

トランプ政権が出来たら、世界中で大変なことになるかも知れないが、それは、変化のスピードが幾分早まることになるだけで、大きな方向転換が出来るわけではない。

英国はECから離脱し、米国の次世代は、社会主義者が担うことになる。

しかし、地球は回り続け、何事もなかったように、日々の生活は続く。

この男が出てきたということは、何かの前触れなのかもしれない。

浮沈子は、そんな気がしてならない。

げっ、撃沈!?2016年03月12日 19:20

げっ、撃沈!?


当初、CNNしか報じていなかったので、誤報かなと思っていたら、AFPもスプートニクも報じた。

(北朝鮮の潜水艦が行方不明か 米当局者)
http://www.cnn.co.jp/world/35079433.html

(北朝鮮の潜水艦が行方不明、米メディア報道)
http://www.afpbb.com/articles/-/3080161

(北朝鮮、潜水艦を失う)
http://jp.sputniknews.com/asia/20160312/1766795.html

もっとも、AFPもスプートニクも二次報道だがな。

「米国は、北朝鮮東海岸の近くに位置していた北朝鮮の潜水艦を監視していたが、その潜水艦があるとき移動を停止した。」

「米国側は、潜水艦はおそらく運転中に故障し、沈没したと見ている。」

浮沈子は、とうとう、やっちゃったんじゃないかと、ドキドキしてる。

「米国の監視衛星や航空機、艦船は数日にわたりひそかに状況を注視してきた。」

「行方不明となっている潜水艦が海中を漂流しているのか、あるいは沈没したのかについては米国として把握していない。」

スプートニクでは、「移動を停止」とあるので、「漂流」というのはないだろう。

「潜水艦の艦級は不明」(潜水艇のようです)

「米国防総省は、この件に関してはコメントできないと述べた。」

CNNの独自取材のようだな。

公式コメントが出せない情報を、なぜリークさせているのか。

「米海軍協会(USNI)のニュースサイトは潜水艦は沈没したとみられると報じている。」

うーん、浮沈子は、やっぱ、やっちゃったんじゃないかと思ってるんだがな。

撃沈・・・。

北朝鮮の潜水艦については、このブログでも書いたことがある。

(在庫処分)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2015/08/24/7747933

「北朝鮮軍は「ロミオ級(1800トン)潜水艦約20隻、サンオ級(300トン)約40隻、潜水艇(130トン以下)約10隻」を運用している。」

「ロミオ級:建造期間:1957年 - 1984年」

サンオ級については、90年代以降と思われる。

潜水艇については不明だ。

コンタクトを失ったのが今週となっている。

既に、最大7日が経過しているわけで、仮に沈没ということになれば乗員の生存は絶望的だ。

CNNへのリークが、このタイミングで行われたことも重要だな。

北朝鮮の反応が気になる。

今のところ、反応はないが、気になる記事もある。

(韓国海軍 北朝鮮艦艇の「遮断訓練」実施)
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/03/02/2016030202415.html

「韓国海軍は2日、済州島の南方海域で大量破壊兵器を積載した北朝鮮船の航行を遮断する訓練と、北朝鮮潜水艦の侵入を想定した対潜訓練を実施した。」

「訓練にはイージス艦「西厓柳成竜」(7600トン)、駆逐艦「文武大王」(4400トン)などが投入された。潜水艦や海上作戦ヘリコプター、海上哨戒機P3などの水中・航空戦力も加わった。」

済州島自体は朝鮮半島の南側だが、遮断訓練の内容として、対潜訓練が含まれていることが注目だな。

この部隊の訓練が、初めてだったこともあって報道されたのかもしれないが、ほかの海域では、常時行われているんだろう。

北朝鮮は、少なくとも1発の潜水艦搭載型ミサイルを持っているといわれている。

(北朝鮮、潜水艦ミサイル1基保有か…米国防総省)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/TO000301/20160213-OYT1T50150.html

「米国防総省は(中略)北朝鮮が潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の開発を進め、少なくとも1基の発射装置を保有していると分析した。」

韓国海軍が、勇み足でやっちゃった可能性は否定できないな。

米軍は、やらんだろう。

韓国軍が調査中、米軍がノーコメントというのは、そういうことなのではないか?。

いずれにしても、関係国の抑制的な対応が求められるということだろう。

できんのかあ?。

今朝から、ずーっと気になっていて、夕方になって、ようやく複数メディアが取り上げてきた。

先日は、クンサン(群山)基地の乱射騒ぎ(誤報とされている)もあったしな。

一触即発の朝鮮半島情勢なので、何が起こっても不思議ではない。

中国やロシアは、各国にエスカレートしないように求めている。

異例の対応だろう。

史上最大規模の演習中に、何かがあれば大ごとだ。

大ごとにするつもりなのかあ?。

確信犯?。

もちろん、ただの事故の可能性もあるしな。

しかし、当事者の対応が妙な感じだ。

気になるなあ・・・。

(北朝鮮の潜水艇消息絶つ、米報道 - 訓練中に故障か:追加)
http://news.mynavi.jp/news/2016/03/12/134/

「FOXニュースによると、潜水艇は「ヨンオ(サケ)級」(130トン)」

(ヨノ型潜水艇:追加)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A8%E3%83%8E%E5%9E%8B%E6%BD%9C%E6%B0%B4%E8%89%87

「北朝鮮では軍事諜報任務を担当する偵察局に属していると考えられており、工作員の潜搬入任務などの使用が推測される。」

うーん、潜入作戦失敗かあ?。

(天安沈没事件:追加)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A9%E5%AE%89%E6%B2%88%E6%B2%A1%E4%BA%8B%E4%BB%B6

「攻撃に使用された潜水艦艇としてヨノ型潜水艇の可能性があるとも発表されている」

地獄の黙示録みたい2016年03月12日 23:20

地獄の黙示録みたい
地獄の黙示録みたい


(北朝鮮内陸部への進撃を想定 米韓が訓練を公開)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160312/k10010441031000.html

やっぱ、動画が迫力だな。

水陸両用車(たぶん、AAV7)からの湯気(?)って、あんなに上がってていいのかあ?。

空挺部隊やオスプレイも登場して、撮影に(?)協力している。

このまま、B級軍事モノの映画なんかに使えそうだ。

しかし、こういうシーンを見ると、浮沈子が思い出すのは地獄の黙示録だな。

ベトナム戦争の混乱を描いた、戦争映画の傑作だが、劇場公開された後、ディレクターズカットで、随分印象が変わってしまった。

この中でも、揚陸作戦が描かれている。

コッポラが、ちょっと出てきたりして、ベトナム戦争の矛盾点を描いたりしていて印象的なシーンだ。

そう、テレビカメラの前で行われた戦争だ。

同じように水陸両用車が使われ、兵士が上陸する。

テレビカメラの前で、ディレクターが、「カメラを見るな」と叫んでいる・・・。

今日の兵士の人は、ちゃんと事前に練習してたらしく、カメラ目線になっている人はいなかったし、ピースしてる人もいない(やったら、軍法会議もんだな)。

いや、いたかもしれないが、当然、カットだ!。

上陸した砂浜には、地雷なんて埋まってないし、砂浜の先に広がる森林から、迫撃砲が打たれるわけではない。

上空からナパーム弾が撃ち込まれて、紅蓮の炎が立ち上るわけでもない(画像参照)。

(ナパーム弾)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%A0%E5%BC%BE

「主燃焼材のナフサにナパーム剤と呼ばれる増粘剤を添加してゼリー状にしたものを充填した油脂焼夷弾である」

「太平洋戦争では、アメリカ海兵隊戦闘機により、テニアンの戦いで最初に使用。」

「第二次世界大戦では、アメリカ陸軍は日本領地への空爆に使用。」

「ベトナム戦争では、アメリカ軍により、敵の陣地攻撃や森の中にヘリコプターの降下地点を作るのに使用された他、ジャングルに潜む敵歩兵を殲滅するために投下された。」

「湾岸戦争では、アメリカ軍がイラクの戦車隊に使用した。これが非人道的だと見なされ、のちにアメリカ軍のナパーム弾の廃止につながった。」

米軍は、廃止後も、似たような兵器を使っている。

「ナパームのように見えるナパームとは違う兵器を使用しただけ」

まあ、どうでもいいんですが。

映画の中で、背後のジャングルが空爆されて燃え上がるシーンには、思わず声が出た(CGなんかじゃなくって、ホントに燃してます!)。

うわああぁぁっ!。

浮沈子は、この映画を初回公開時に劇場で観た。

(地獄の黙示録)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E7%8D%84%E3%81%AE%E9%BB%99%E7%A4%BA%E9%8C%B2

「日本では1980年(昭和55年)2月23日に公開された。」

36年前か・・・。

いろいろ評価がある作品だが、浮沈子は、戦争を背景にしたプライベートな映画という評価が腑に落ちた。

与えられた任務を遂行する軍人。

指揮系統から離脱した現場指揮官の指揮権を奪う(殺害する)という、極秘の任務・・・。

任務完了後に、その支配地域を焼き払うラストシーン。

最初っから、そうすりゃよかったのに・・・。

いやいや、確実に仕留めてから殲滅する。

まあいい。

報道陣に見せるための揚陸作戦は、しかし、今一つ、迫力に欠けるような気がするな。

反撃もなければ、アクシデントもない。

水陸両用車に穴でも開いて、2、3台沈没するとか、煙幕弾が詰まっちまって、砲塔がぶっ飛ぶとか、なかったのかあ?(当然、カットですな)。

しかし、これはもちろん、映画の撮影ではない。

フィリピン軍の機材を使って撮影されたとはいえ、映画の撮影に登場する兵士は、ホンモノじゃあない(たぶん)。

今回の演習で使われている機材は、実際の作戦にも使用される本物の兵器だ。

上陸してきた兵士は、ホンモノの兵士で、作戦遂行時には、実弾ぶっ放して人間をぶっ殺す。

ああ、しかも、同じ民族同士殺しあうのだ・・・。

映像を通して抽象化された戦争は、作り物でも演習でも、同じように見えるが、実際の戦闘に繋がるという意味では、今回の映像こそ、本物の映像といえるだろう。

ショボイけどな。

本物だからな。

「敵によるピョンヤン進撃を狙った上陸訓練には、ソウルをはじめ南全域の解放作戦で対応する」

潜水艦を撃沈(?)された腹いせに、相変わらず威勢がいいな。