CCRの中性浮力考 ― 2016年04月26日 17:01
CCRの中性浮力考
オープンサーキットの中性浮力では、ウエイトを適正にして、バランスを取り、呼吸によって浮力調整を行えと習う。
BCは、それでも浮力が足りなくなった時のために、補助的に使うそうだ・・・。
浮沈子の場合、CCRに馴染んでしまったこともあり、順序は逆転している。
まず、BCでなるべく中性浮力に近い状態に追い込んでから、微調整を呼吸で行う。
CCRの場合は、呼吸では調整できないから、カウンターラングの微妙な浮力を活用する(こっちも、基本はミニマムボリュームですが)。
浮き始めたり、沈み始めたりしたときに、素早く少しだけ足したり抜いたりしながら調整するというのがミソだ。
浮くとか沈むとかいうより、トリムの変化を感じてアクションする。
実際に浮き始めたり、沈み始めたりしてからアクションしても遅い。
一度崩れたバランスを回復するまでには、かなりの浮力調整ガスと回路内のガスを消費する。
浮きそうになったり、沈みそうになったら、そっと、丁寧にBCを操作して調整するしかない。
深度が変わってしまったら、それに加えて呼吸回路(実際にはカウンターラング)のガスを、少しだけ出し入れしなければならない。
ビミョーなコントロールを身に着けるまでは、個人差もあるが、数年掛かる。
そのためには、器材のバランスをキッチリ取って、通常の状態で正しいトリムが維持できることが前提になる。
コンフィギュレーションが大切なのは、オープンサーキットでもCCRでも同じだが、CCRの場合は浮力のコントロールに対する影響が大きい。
特に前後のトリムがちゃんと取れるかというのは、死活的に重要だ。
ドライスーツで調節できるなら、積極的に活用すべきなんだろう。
浮沈子のように、ちゃんとした保護スーツを着ないで潜るというのは邪道である。
浮力調整の意味からも、下半身の浮力をしっかり確保する必要があるな。
ホリゾンタルスタイルでトリムを決められたら、神経を研ぎ澄まして、その変化を感じる。
そもそも、浮力が変わって、トリムが崩れるというのは、ちゃんと静的にトリムが安定していない証拠であって、本来なら、安定したトリムのまま浮き出したり沈みだしたりするはずなのだ・・・。
インスピレーションのような、ショルダー部分にカウンターラングが来るフロント型の場合、肺との前後の位置関係で、息を吸うとダウントリムになり、息を吐くとアップトリムになる。
水中を前進しながら呼吸すると、このトリムの変化が深度の変化として現れて、ポーポイズするのを観察することが出来る。
ゆっくりと、毎秒10cm位で前進するとよくわかる。
息止めちゃダメだってば!。
まあいい。
40mまでのコースを習っていた時には、プールの中をそうやってゆっくり泳ぎながら、深度を1mくらい上げたり下げたり、ベイルアウト用の6リットルタンクを付けたり外したりしながら、浮力の変化を感じ取って、BCへの給排気、カウンターラングの体積の調節を体に覚え込ませた。
去年の暮れに再開したとたん、水中で止まれと言われることが多くなった。
まあ、練習なので、10mくらいの水深は取ってくれるんだが、それでも、びたっと静止して動かないというのは厳しい。
PO2は、ハイセットの1.3ATAで、バシバシとソレノイドが動いて、酸素が足される。
うーん、消費した分だけしか足されないんじゃなかったっけえ?。
フィンは、水中で中性浮力になるプラスチックフィンを使っているが、筋肉が多く、それでなくても沈みたがる脚と、ブーツの重みで足が下がる。
ホリゾンタルな姿勢を維持するために、若干のスカーリングを行うが、イントラはバツ印を出すのだ・・・。
泣きそ・・・。
5分くらい、そうやって、多少の浮き沈み(プラスマイナス30cmくらい)を繰り返しながら、必死に止まろうとする。
ピタッと止まることはない。
ほんの一時、静止したかに思えても、回路の中に酸素が足されればバランスは崩れる。
足された酸素の分など、わずかな量なのだが、その分の浮力で平衡状態は壊れて、発散する。
呼吸回路の中からガスを抜くしかない。
インスピの場合は、足された酸素は、給気側の蛇腹ホース、Tポート、カウンターラング、再びTポートを経て、蛇腹ホースの先のマッシュルームバルブを経てマウスピースから肺に入って換気される。
ソレノイドバルブから出てから、一呼吸分のタイムラグがあるので、作動音を聞いて排気すれば、注ぎ足されたばかりの濃い酸素を捨てずに済む。
これは、ポセイドンでもほぼ同じだ。
インスピの場合、オートディリュエントバルブをオフにする仕様にしてあるので、不用意に作動することはない。
ボトムに達してからは、閉めてしまって、マニュアルで足すようにしている。
排気し過ぎていないかどうかは、思い切り吸い込んでみたときのカウンターラングの萎み具合を感じて確認する。
ミニマムボリュームである限り、途中で吸えなくなるはずで、そのボリュームを一定に維持することで適正な排気量を確認する。
概ね、抜き過ぎになって、マニュアルでディリュエントを足して、またPO2を下げて、そんでもって酸素が足されて、ミニマムボリュームが崩れて、という悪循環に陥るのだ。
ソレノイドバルブのカチカチいう作動音と、シューっと吹き出される酸素の吐出音や、その時間に耳を澄ませる。
それに合わせて、鼻から回路内のガスをほんの少しだけ抜く。
化学反応としては、体内で炭化水素が酸素と化合して燃焼し、水と二酸化炭素が排出され、その二酸化炭素は、スクラバーの中の水酸化カルシウムと反応して、水と熱を伴いながら炭酸カルシウムに変わる。
気体の体積としてはゼロになるわけだから、回路内の体積は減るはずだが、酸素が足されるときには、明らかに浮く。
二酸化炭素の除去は緩やかに行われ、それに合わせてBC等で調節した浮力によって、バランスしてしまっている。
そこに、短時間で酸素が足される。
浮力に変化が生じるまでには、ややタイムラグもあるが、その前にバランスしていた状態は崩れる。
オープンサーキットで、息を吸うと浮き、息を吐くと沈むという、理に適った状況にはならない。
カウンターラングという、アルキメデスに喧嘩を売っているかのようなデバイスがあるおかげで、CCRのホバリングは脳のフィードバック機能をフルに働かせることになる。
酸素の消費は、きっと多いだろうな・・・。
ダイビングの終わりには、6mで停止というお題が待っている。
ポセイドンでは、デフォルトの設定だと、0.5ATAにグラデュエイショナルに変化してくれているが、マニュアルで切り替えている浮沈子のインスピのビジョンコンピューターは、ボトムでのハイセットポジションである1.3ATAを維持したままにしておくことが可能だ。
その設定のまま、減圧シミュレーションを兼ねて、ホバリングする。
もちろん、CCRでせいぜい25mくらいまでしか行かず、40分程度で浮上するなんてプロファイルでは、安全停止などというおまじないは不要だ。
あくまで、トレーニングとして止まっている。
実際の減圧ということになれば、フロートを上げて、そこにぶら下がっていればいいので遥かに楽なんだろうが、イントラの教え方は、今は、そういう対応ではない。
ダイコンの深度計は、5.7mから6.2mくらいを行ったり来たりしている。
初めの頃は、プラスマイナス1mくらいだったが、6日間の練習と浮力のバランスを改善して、ようやくここまで追い込んだ。
もう少し、安定させたい。
ゆっくりでも、泳ぎながらなら、もう少し追い込めるんだがな。
さらに、最終の浮上はもっと厳しい。
もっとも、その時点ではローセットに切り替えるので、酸素の吐出はない。
浮上に伴うBCとカウンターラングの膨張を制御しながら、5m、4m、3mと、1m刻みに深度を上げ、その深度でのコントロールを確認しながら、ボートの梯子に取り付く。
やれやれ・・・。
オープンウォーター環境で、浮いたり沈んだりしているだけで、へとへとだな。
最終ダイビングでは、オーバーヘッド環境でのバックキックによる後退のシミュレーションも行った。
これって、トリムが取れていないと、行ったり来たりして後退が出来ず、悲惨なことになる。
サイドマウントで、散々練習して、なんとかオープンサーキットではできるようになってはいたが、CCRで、しかも海中で実践するのは初めてだった。
まあ、なんとか形にはなったものの、うーん、やっぱ怪しい・・・。
まあ、どうでもいいんですが。
今回のダイビングでは、水不足等の諸事情から、浮沈子だけがCCRで潜った。
他の2人は、1本差しのサイドマウント。
トリムを取るにも、ホバリングするにも、楽そうでいいな・・・。
でも、きっと、CCRで潜っているときの楽しさはない。
潜降し、滞底し、ただ浮上するだけでも楽しい。
ビミョーなコントロールに苦労しながら、沈んだり浮いたり、止まったりするのが面白い。
ゲージを確認し、ハンドセットを確認し、ダイコンを確認し、ヘッドアップディスプレイを確認し、ダイブタイムと、NDLと深度を確認し、3つの酸素センサーのPO2が設定値からどれだけずれているかに注意を払う。
そうそう、浮沈子のユニットには、ソフノライムの反応温度を計る温度計が付いているので、その反応エリアも確認する。
最新のヘッドユニットには、二酸化炭素センサーやカラーモニターが付けられるようだが、まあ、そういう仕掛けは今はいらない。
物理的には、放っておけば崩れてしまう中性浮力を、ミニマムボリュームを意識しつつ、BCをビミョーにコントロールしながら必死に維持し、ゆっくりと潜降したり浮上したりする。
将来は、それらも含めて自動化されるかもしれないし。
人間がやることは、ただ息をすることだけ(ああ、耳抜きもしなくっちゃな)。
BCもカウンターラングも、コンピューターのデバイスになって、「UP」とか「DOWN」とか書かれたボタンを押すだけになるんだろう。
それは、たぶんいいことなんだろうし、その時代のダイバーは、きっと幸せなのに違いない・・・。
オープンサーキットの中性浮力では、ウエイトを適正にして、バランスを取り、呼吸によって浮力調整を行えと習う。
BCは、それでも浮力が足りなくなった時のために、補助的に使うそうだ・・・。
浮沈子の場合、CCRに馴染んでしまったこともあり、順序は逆転している。
まず、BCでなるべく中性浮力に近い状態に追い込んでから、微調整を呼吸で行う。
CCRの場合は、呼吸では調整できないから、カウンターラングの微妙な浮力を活用する(こっちも、基本はミニマムボリュームですが)。
浮き始めたり、沈み始めたりしたときに、素早く少しだけ足したり抜いたりしながら調整するというのがミソだ。
浮くとか沈むとかいうより、トリムの変化を感じてアクションする。
実際に浮き始めたり、沈み始めたりしてからアクションしても遅い。
一度崩れたバランスを回復するまでには、かなりの浮力調整ガスと回路内のガスを消費する。
浮きそうになったり、沈みそうになったら、そっと、丁寧にBCを操作して調整するしかない。
深度が変わってしまったら、それに加えて呼吸回路(実際にはカウンターラング)のガスを、少しだけ出し入れしなければならない。
ビミョーなコントロールを身に着けるまでは、個人差もあるが、数年掛かる。
そのためには、器材のバランスをキッチリ取って、通常の状態で正しいトリムが維持できることが前提になる。
コンフィギュレーションが大切なのは、オープンサーキットでもCCRでも同じだが、CCRの場合は浮力のコントロールに対する影響が大きい。
特に前後のトリムがちゃんと取れるかというのは、死活的に重要だ。
ドライスーツで調節できるなら、積極的に活用すべきなんだろう。
浮沈子のように、ちゃんとした保護スーツを着ないで潜るというのは邪道である。
浮力調整の意味からも、下半身の浮力をしっかり確保する必要があるな。
ホリゾンタルスタイルでトリムを決められたら、神経を研ぎ澄まして、その変化を感じる。
そもそも、浮力が変わって、トリムが崩れるというのは、ちゃんと静的にトリムが安定していない証拠であって、本来なら、安定したトリムのまま浮き出したり沈みだしたりするはずなのだ・・・。
インスピレーションのような、ショルダー部分にカウンターラングが来るフロント型の場合、肺との前後の位置関係で、息を吸うとダウントリムになり、息を吐くとアップトリムになる。
水中を前進しながら呼吸すると、このトリムの変化が深度の変化として現れて、ポーポイズするのを観察することが出来る。
ゆっくりと、毎秒10cm位で前進するとよくわかる。
息止めちゃダメだってば!。
まあいい。
40mまでのコースを習っていた時には、プールの中をそうやってゆっくり泳ぎながら、深度を1mくらい上げたり下げたり、ベイルアウト用の6リットルタンクを付けたり外したりしながら、浮力の変化を感じ取って、BCへの給排気、カウンターラングの体積の調節を体に覚え込ませた。
去年の暮れに再開したとたん、水中で止まれと言われることが多くなった。
まあ、練習なので、10mくらいの水深は取ってくれるんだが、それでも、びたっと静止して動かないというのは厳しい。
PO2は、ハイセットの1.3ATAで、バシバシとソレノイドが動いて、酸素が足される。
うーん、消費した分だけしか足されないんじゃなかったっけえ?。
フィンは、水中で中性浮力になるプラスチックフィンを使っているが、筋肉が多く、それでなくても沈みたがる脚と、ブーツの重みで足が下がる。
ホリゾンタルな姿勢を維持するために、若干のスカーリングを行うが、イントラはバツ印を出すのだ・・・。
泣きそ・・・。
5分くらい、そうやって、多少の浮き沈み(プラスマイナス30cmくらい)を繰り返しながら、必死に止まろうとする。
ピタッと止まることはない。
ほんの一時、静止したかに思えても、回路の中に酸素が足されればバランスは崩れる。
足された酸素の分など、わずかな量なのだが、その分の浮力で平衡状態は壊れて、発散する。
呼吸回路の中からガスを抜くしかない。
インスピの場合は、足された酸素は、給気側の蛇腹ホース、Tポート、カウンターラング、再びTポートを経て、蛇腹ホースの先のマッシュルームバルブを経てマウスピースから肺に入って換気される。
ソレノイドバルブから出てから、一呼吸分のタイムラグがあるので、作動音を聞いて排気すれば、注ぎ足されたばかりの濃い酸素を捨てずに済む。
これは、ポセイドンでもほぼ同じだ。
インスピの場合、オートディリュエントバルブをオフにする仕様にしてあるので、不用意に作動することはない。
ボトムに達してからは、閉めてしまって、マニュアルで足すようにしている。
排気し過ぎていないかどうかは、思い切り吸い込んでみたときのカウンターラングの萎み具合を感じて確認する。
ミニマムボリュームである限り、途中で吸えなくなるはずで、そのボリュームを一定に維持することで適正な排気量を確認する。
概ね、抜き過ぎになって、マニュアルでディリュエントを足して、またPO2を下げて、そんでもって酸素が足されて、ミニマムボリュームが崩れて、という悪循環に陥るのだ。
ソレノイドバルブのカチカチいう作動音と、シューっと吹き出される酸素の吐出音や、その時間に耳を澄ませる。
それに合わせて、鼻から回路内のガスをほんの少しだけ抜く。
化学反応としては、体内で炭化水素が酸素と化合して燃焼し、水と二酸化炭素が排出され、その二酸化炭素は、スクラバーの中の水酸化カルシウムと反応して、水と熱を伴いながら炭酸カルシウムに変わる。
気体の体積としてはゼロになるわけだから、回路内の体積は減るはずだが、酸素が足されるときには、明らかに浮く。
二酸化炭素の除去は緩やかに行われ、それに合わせてBC等で調節した浮力によって、バランスしてしまっている。
そこに、短時間で酸素が足される。
浮力に変化が生じるまでには、ややタイムラグもあるが、その前にバランスしていた状態は崩れる。
オープンサーキットで、息を吸うと浮き、息を吐くと沈むという、理に適った状況にはならない。
カウンターラングという、アルキメデスに喧嘩を売っているかのようなデバイスがあるおかげで、CCRのホバリングは脳のフィードバック機能をフルに働かせることになる。
酸素の消費は、きっと多いだろうな・・・。
ダイビングの終わりには、6mで停止というお題が待っている。
ポセイドンでは、デフォルトの設定だと、0.5ATAにグラデュエイショナルに変化してくれているが、マニュアルで切り替えている浮沈子のインスピのビジョンコンピューターは、ボトムでのハイセットポジションである1.3ATAを維持したままにしておくことが可能だ。
その設定のまま、減圧シミュレーションを兼ねて、ホバリングする。
もちろん、CCRでせいぜい25mくらいまでしか行かず、40分程度で浮上するなんてプロファイルでは、安全停止などというおまじないは不要だ。
あくまで、トレーニングとして止まっている。
実際の減圧ということになれば、フロートを上げて、そこにぶら下がっていればいいので遥かに楽なんだろうが、イントラの教え方は、今は、そういう対応ではない。
ダイコンの深度計は、5.7mから6.2mくらいを行ったり来たりしている。
初めの頃は、プラスマイナス1mくらいだったが、6日間の練習と浮力のバランスを改善して、ようやくここまで追い込んだ。
もう少し、安定させたい。
ゆっくりでも、泳ぎながらなら、もう少し追い込めるんだがな。
さらに、最終の浮上はもっと厳しい。
もっとも、その時点ではローセットに切り替えるので、酸素の吐出はない。
浮上に伴うBCとカウンターラングの膨張を制御しながら、5m、4m、3mと、1m刻みに深度を上げ、その深度でのコントロールを確認しながら、ボートの梯子に取り付く。
やれやれ・・・。
オープンウォーター環境で、浮いたり沈んだりしているだけで、へとへとだな。
最終ダイビングでは、オーバーヘッド環境でのバックキックによる後退のシミュレーションも行った。
これって、トリムが取れていないと、行ったり来たりして後退が出来ず、悲惨なことになる。
サイドマウントで、散々練習して、なんとかオープンサーキットではできるようになってはいたが、CCRで、しかも海中で実践するのは初めてだった。
まあ、なんとか形にはなったものの、うーん、やっぱ怪しい・・・。
まあ、どうでもいいんですが。
今回のダイビングでは、水不足等の諸事情から、浮沈子だけがCCRで潜った。
他の2人は、1本差しのサイドマウント。
トリムを取るにも、ホバリングするにも、楽そうでいいな・・・。
でも、きっと、CCRで潜っているときの楽しさはない。
潜降し、滞底し、ただ浮上するだけでも楽しい。
ビミョーなコントロールに苦労しながら、沈んだり浮いたり、止まったりするのが面白い。
ゲージを確認し、ハンドセットを確認し、ダイコンを確認し、ヘッドアップディスプレイを確認し、ダイブタイムと、NDLと深度を確認し、3つの酸素センサーのPO2が設定値からどれだけずれているかに注意を払う。
そうそう、浮沈子のユニットには、ソフノライムの反応温度を計る温度計が付いているので、その反応エリアも確認する。
最新のヘッドユニットには、二酸化炭素センサーやカラーモニターが付けられるようだが、まあ、そういう仕掛けは今はいらない。
物理的には、放っておけば崩れてしまう中性浮力を、ミニマムボリュームを意識しつつ、BCをビミョーにコントロールしながら必死に維持し、ゆっくりと潜降したり浮上したりする。
将来は、それらも含めて自動化されるかもしれないし。
人間がやることは、ただ息をすることだけ(ああ、耳抜きもしなくっちゃな)。
BCもカウンターラングも、コンピューターのデバイスになって、「UP」とか「DOWN」とか書かれたボタンを押すだけになるんだろう。
それは、たぶんいいことなんだろうし、その時代のダイバーは、きっと幸せなのに違いない・・・。
衛星ひとみのその後 ― 2016年04月26日 21:20
衛星ひとみのその後
なんか、余りにショボくて、なかなか書く気が起きない話になった。
浮沈子は、当初からNASA陰謀説(?)を唱えていたのだが、もちろん、そんなことは全然なくて、ただ単に、機器の故障で自己回転を始め、それに対応するはずの緊急時のプログラムのミスによって、回復不可能な高速回転に移行して、部品がちぎれ飛んだというお粗末な推定になっている。
JAXAが推定したメカニズムの詳細はさらに複雑なのだが、浮沈子に理解できたのは、NASAのせいでも、ユアサのせいでも、三菱系の会社のせいでもなく、やっぱ、衛星本体を作ったNECが悪いということが分かったことだけ。
恒星を観測して位置決めをする装置が、まず故障したらしいのだが、まあ、そういうことは有り得る話だ。
この恒星観測装置も、確か二重化されていたのに、なぜ、その冗長性が生かされなかったのかは不明だ(そういう仕様になっていないだけかも)。
そして、その故障に対応する緊急モードに至る過程で、送信したプログラムの中のパラメータ(条件)が誤っていたために、どんどん回転速度が上がって、遠心力で衛星の弱いところから分解してしまったということになっている。
(X線天文衛星「ひとみ」(ASTRO-H)の状況について)
http://www.jaxa.jp/press/2016/04/20160419_hitomi_j.html
このプレス発表は、極めて分かり辛いので、各社が解説記事を載せている。
(X線天文衛星「ひとみ」、浮かび上がった3つの問題点)
http://sorae.jp/02/2016_04_26_astroh.html
スタートラッカの冗長性が生かされなかった点について、疑問を投げかけている。
(X線天文衛星「ひとみ」に何が起きたのか、ここまでの現状をまとめる)
http://news.mynavi.jp/articles/2016/04/25/hitomi/
(X線天文衛星「ひとみ」に何が起きたのか)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46660
「バッテリーが一度空になってしまうと、地上からコマンドを送らないと、再充電しない仕様なので、太陽電池に日光が当たっている間だけひとみは意識を取り戻すことになります。太陽電池に日光が当たっている姿勢で基地局上空を通過する時が、交信のチャンスです。」
まあ、そういう状況に期待するしかないということだな。
「しかし危機に陥った衛星を救う技術には世界的な定評のあるJAXAです。これまで、通信を絶ち絶望視された衛星や探査機を、しばしば何年もの時間をかけて、復活させてきました。」
どこまで期待したらいいのかが良く分からないのだが、そもそも衛星を危機に陥らないようにするのが本来の技術なんじゃないのかと、健全な浮沈子などは首を傾げてしまうんだがな。
裏技で定評をとっても、仕方ないというか、それだけ通信途絶とか絶望視されることが多いということでもあるわけだしな。
高度な観測装置が宣伝されてきた中で、肝心のベースになる衛星制御技術に欠陥やミスがあったわけで、今後、その対策をどうするかという点から、検討が進められていくんだろう。
(文部科学省、X線天文衛星「ひとみ」の異常要因分析を検証する小委員会を設置)
http://response.jp/article/2016/04/26/274260.html
「専門技術的観点から第三者により、JAXAが実施した要因分析の結果について、内容の技術的妥当性を検証する必要があると判断」
スポンサーである文科省でさえ、JAXAの説明がチンプンカンプンというわけだ(そうなのかあ?)。
それとも、やっぱ、NASAの陰謀なんだろうか?。
デュワーの中にあるヘリウムガスが勢いよく噴出した程度では、2.7トンの衛星を毎秒3回転もさせるエネルギーはないと説明されているが、それって、本当なんだろうか?。
まあ、どうでもいいんですが。
衛星ひとみは、今も地球を周っている。
自分自身もくるくると回りながら・・・。
先週末には、記者会見は開かれなかったようで、原因については、一応決着したのかもしれない。
(X線天文衛星「ひとみ」(ASTRO-H)の状況について(2016年4月15日))
http://fanfun.jaxa.jp/jaxatv/detail/7380.html
これは、その前のものだが、資料の詳細は読む気にならないし、映像も見ていない。
もう、ガックリしてしまって、今後、ひとみが奇跡的に復活でもしない限り、この話題に触れたくないような気もする。
JAXAには、針の筵だろうな。
あかつきが上手く動いているのと、はやぶさ2にトラブルが出ていないのが救いだ。
宇宙探査の難しさと、人の作りしものの愚かしさを見せつけられるようで、いささか辛い・・・。
なんか、余りにショボくて、なかなか書く気が起きない話になった。
浮沈子は、当初からNASA陰謀説(?)を唱えていたのだが、もちろん、そんなことは全然なくて、ただ単に、機器の故障で自己回転を始め、それに対応するはずの緊急時のプログラムのミスによって、回復不可能な高速回転に移行して、部品がちぎれ飛んだというお粗末な推定になっている。
JAXAが推定したメカニズムの詳細はさらに複雑なのだが、浮沈子に理解できたのは、NASAのせいでも、ユアサのせいでも、三菱系の会社のせいでもなく、やっぱ、衛星本体を作ったNECが悪いということが分かったことだけ。
恒星を観測して位置決めをする装置が、まず故障したらしいのだが、まあ、そういうことは有り得る話だ。
この恒星観測装置も、確か二重化されていたのに、なぜ、その冗長性が生かされなかったのかは不明だ(そういう仕様になっていないだけかも)。
そして、その故障に対応する緊急モードに至る過程で、送信したプログラムの中のパラメータ(条件)が誤っていたために、どんどん回転速度が上がって、遠心力で衛星の弱いところから分解してしまったということになっている。
(X線天文衛星「ひとみ」(ASTRO-H)の状況について)
http://www.jaxa.jp/press/2016/04/20160419_hitomi_j.html
このプレス発表は、極めて分かり辛いので、各社が解説記事を載せている。
(X線天文衛星「ひとみ」、浮かび上がった3つの問題点)
http://sorae.jp/02/2016_04_26_astroh.html
スタートラッカの冗長性が生かされなかった点について、疑問を投げかけている。
(X線天文衛星「ひとみ」に何が起きたのか、ここまでの現状をまとめる)
http://news.mynavi.jp/articles/2016/04/25/hitomi/
(X線天文衛星「ひとみ」に何が起きたのか)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46660
「バッテリーが一度空になってしまうと、地上からコマンドを送らないと、再充電しない仕様なので、太陽電池に日光が当たっている間だけひとみは意識を取り戻すことになります。太陽電池に日光が当たっている姿勢で基地局上空を通過する時が、交信のチャンスです。」
まあ、そういう状況に期待するしかないということだな。
「しかし危機に陥った衛星を救う技術には世界的な定評のあるJAXAです。これまで、通信を絶ち絶望視された衛星や探査機を、しばしば何年もの時間をかけて、復活させてきました。」
どこまで期待したらいいのかが良く分からないのだが、そもそも衛星を危機に陥らないようにするのが本来の技術なんじゃないのかと、健全な浮沈子などは首を傾げてしまうんだがな。
裏技で定評をとっても、仕方ないというか、それだけ通信途絶とか絶望視されることが多いということでもあるわけだしな。
高度な観測装置が宣伝されてきた中で、肝心のベースになる衛星制御技術に欠陥やミスがあったわけで、今後、その対策をどうするかという点から、検討が進められていくんだろう。
(文部科学省、X線天文衛星「ひとみ」の異常要因分析を検証する小委員会を設置)
http://response.jp/article/2016/04/26/274260.html
「専門技術的観点から第三者により、JAXAが実施した要因分析の結果について、内容の技術的妥当性を検証する必要があると判断」
スポンサーである文科省でさえ、JAXAの説明がチンプンカンプンというわけだ(そうなのかあ?)。
それとも、やっぱ、NASAの陰謀なんだろうか?。
デュワーの中にあるヘリウムガスが勢いよく噴出した程度では、2.7トンの衛星を毎秒3回転もさせるエネルギーはないと説明されているが、それって、本当なんだろうか?。
まあ、どうでもいいんですが。
衛星ひとみは、今も地球を周っている。
自分自身もくるくると回りながら・・・。
先週末には、記者会見は開かれなかったようで、原因については、一応決着したのかもしれない。
(X線天文衛星「ひとみ」(ASTRO-H)の状況について(2016年4月15日))
http://fanfun.jaxa.jp/jaxatv/detail/7380.html
これは、その前のものだが、資料の詳細は読む気にならないし、映像も見ていない。
もう、ガックリしてしまって、今後、ひとみが奇跡的に復活でもしない限り、この話題に触れたくないような気もする。
JAXAには、針の筵だろうな。
あかつきが上手く動いているのと、はやぶさ2にトラブルが出ていないのが救いだ。
宇宙探査の難しさと、人の作りしものの愚かしさを見せつけられるようで、いささか辛い・・・。
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