カルトな記事 ― 2016年05月02日 00:21
カルトな記事
このブログにも、コメントを頂いたことがある伊藤さんの記事。
(2016年03月05日 E-CCR SF2 モニター会)
http://saikazaki.net/?c=blog&p=1257
「話題のリブリーザーSF2のモニター会」
長期の風邪で臥せっていたころだが、SF2をサイドマウントやバックマウントにしてお試しするという企画。
ああ、行きたかったなあ・・・。
書いてあることが理解できるのは、サイドマウントCCRを作ろうと苦労した人だけかもしれない。
浮沈子には、殆どの内容が手に取るように分かる。
「この姿勢ではカウンターラングと口や肺の位置関係が悪すぎて、とても呼吸できるものではありませんでした。」
うーん、ホリゾンタルにならなければ使えないというのは、内蔵カウンターラングの宿命かも知れない。
限られた用途に特化しているわけで、やむを得ないともいえよう。
「最大の欠点と考える部分は、ディルエントフラッシュができない事。」
フロントマウントのカウンターラングを使うインスピのように、もう、フラッシングが手順として染みついていると、それが出来ないもどかしさは手に取るように分かるな。
「希釈するためにはADVを動作させるしかなく」
「ADVを動作させるためボリュームを減らす手段は、口元や鼻からガスを逃がすか、カウンターランング下側にあるOPVから逃がすしかありません」
「レギネックレスは不要だと言ってましたが、サイドマウントしたタンクからレギを取るまでの時間が不安で不安で仕方ないです。」
うーん、分かる分かる。
「ミスが起こりやすいと考えるところは、ランドチェック(プリダイブチェック)したままの形で海に持って行きにくい部分。」
サイドマウント化したCCRを実装するには、タンクとの分離が必須になる。
少なくとも、ディリュエント側は、一度切り離さなくてはならない。
まあ、超小型のタンクを2本使えばいいともいうが、メインで使うわけにはいかない。
したがって、陸上でのチェック後、バルブを閉め、コネクターを外し、水面で再度付けて、バルブを開けるという手順が必要だ。
通常の組み上げられた状態からの運用に慣れていると、うっかりミスを犯しやすい。
「せめて高圧トランスミッターがついていればバルブの開け忘れはわかりますが、ガスコネクトホースの繋ぎ忘れや接続不良はわかりません。」
ご指摘のとおりである。
「筐体に2Lのスチール酸素タンクをマウントすればかなりバランスは良さそうです。」
浮沈子がセブで苦労して見出したコンフィギュレーションである。
浮きやすい本体側の筐体と、インスピ純正のスチール製酸素タンク(3リットル)を組んで、右側にマウントし、左にはディリュエントとベイルアウトを兼ねた40cfのアルミをマウントする。
ベストだ。
オススメする。
ただし、40cfのタンクは、カタリナか、ラクスファーか、あるいは製造番号によっても浮力が異なるので、ウエイトで左右のバランスをコントロールできるようにしておくべきだろう。
CCRはガスの消費が殆どないので、運用中のバランスの変化を考慮する必要はない。
ああ、この記事読んでると、また、サイドマウントに戻したくなってきたな。
もう1台買うかあ?。
インスピ系のの中古とか、仕入れてもらって整備して、サイドマウントに組んでパラオの沈船攻めるとか・・・。
まあいい。
「ハイポキシックが吹いた時に、電源が入っていなかったり、酸素バルブが開いていなかったり酸素分圧をあげられない状態が重なれば致命的な事故になります。」
「それを防ぐためにはどうすべきかと聞くと、6msw程度まで希釈バルブを閉めておけとのことでしたが、トラブルを予防する施作が他のトラブルの起因になる構造やコンフィグ、運用は私はあまり賛同できません。」
「あとはスライダー(カットオフ)がインフレーターしか止められないので、1st側にカットオフを設けてADVを殺せるようにしたり、カウンターラングが筐体の中なので絞ることができないためできるだけソレノイドに近い位置で酸素のカットオフをつけておきフラッシング時に意図的に酸素が吹かないようにしたいかなぁ」
インスピユーザーの発想だな。
何でもアリのインスピに比べて、制約が多く、特徴的なデバイスの配置になっているSF2を、どう料理していくかだ。
「セッティング容易で早く、マイナートラブルさえない。
サニタイズも物凄く簡単で早く、ヘッドも結露で濡れることも少ない構造です。」
どんなユニットにも、メリットデメリットがある。
浮沈子は、もちろんポセイドンとインスピしか使ったことはないが、構造は基本的には同じなんだが、運用は似て非なるものだ。
インスピレーション系のユニットは、20年以上使われ続け、改良に改良を重ねている。
後発のユニットにはない柔軟性もある。
それが長所でもあり、短所でもあるわけだ。
狭いところに突入するという用途には、残念ながら向いていない。
また、水中での遊泳抵抗が大きく(図体デカいので)、流れに逆らってガンガン泳ぐためには、人間様を鍛えるしかない。
サイドマウント化のキモは、そこを少しでも改善して、楽ちんなユニットにしたいということだった。
SF2は、カウンターラングを内蔵して、シンプルな構成を採っている。
後発ユニットとしての長所もある。
それが生かせる状況においては、最強のユニットになるだろう。
もちろん、その器材に合ったトレーニングを行い、運用の違いを吸収しなければならない。
(SF2 サイドマウントリブリーザー)
http://nolimit.ti-da.net/e7494109.html
「サイドマウントバージョンに関しては、コンフィギュレーションがまだ完成の域に達していないため、これから試行錯誤を繰り返しながら自分で完成させていく必要がある。」
CCRのコンフィギュレーションは、常に進化し、改良が続いている。
安全性と、特定用途への適応性を、高い次元で実現するには、絶え間ないチャレンジが不可欠だろう。
今は、回り道をしている浮沈子だが、いつかサイドマウントCCRの実現を果たしたい。
この記事に、そのことへの勇気を少しだけ貰ったかな。
このブログにも、コメントを頂いたことがある伊藤さんの記事。
(2016年03月05日 E-CCR SF2 モニター会)
http://saikazaki.net/?c=blog&p=1257
「話題のリブリーザーSF2のモニター会」
長期の風邪で臥せっていたころだが、SF2をサイドマウントやバックマウントにしてお試しするという企画。
ああ、行きたかったなあ・・・。
書いてあることが理解できるのは、サイドマウントCCRを作ろうと苦労した人だけかもしれない。
浮沈子には、殆どの内容が手に取るように分かる。
「この姿勢ではカウンターラングと口や肺の位置関係が悪すぎて、とても呼吸できるものではありませんでした。」
うーん、ホリゾンタルにならなければ使えないというのは、内蔵カウンターラングの宿命かも知れない。
限られた用途に特化しているわけで、やむを得ないともいえよう。
「最大の欠点と考える部分は、ディルエントフラッシュができない事。」
フロントマウントのカウンターラングを使うインスピのように、もう、フラッシングが手順として染みついていると、それが出来ないもどかしさは手に取るように分かるな。
「希釈するためにはADVを動作させるしかなく」
「ADVを動作させるためボリュームを減らす手段は、口元や鼻からガスを逃がすか、カウンターランング下側にあるOPVから逃がすしかありません」
「レギネックレスは不要だと言ってましたが、サイドマウントしたタンクからレギを取るまでの時間が不安で不安で仕方ないです。」
うーん、分かる分かる。
「ミスが起こりやすいと考えるところは、ランドチェック(プリダイブチェック)したままの形で海に持って行きにくい部分。」
サイドマウント化したCCRを実装するには、タンクとの分離が必須になる。
少なくとも、ディリュエント側は、一度切り離さなくてはならない。
まあ、超小型のタンクを2本使えばいいともいうが、メインで使うわけにはいかない。
したがって、陸上でのチェック後、バルブを閉め、コネクターを外し、水面で再度付けて、バルブを開けるという手順が必要だ。
通常の組み上げられた状態からの運用に慣れていると、うっかりミスを犯しやすい。
「せめて高圧トランスミッターがついていればバルブの開け忘れはわかりますが、ガスコネクトホースの繋ぎ忘れや接続不良はわかりません。」
ご指摘のとおりである。
「筐体に2Lのスチール酸素タンクをマウントすればかなりバランスは良さそうです。」
浮沈子がセブで苦労して見出したコンフィギュレーションである。
浮きやすい本体側の筐体と、インスピ純正のスチール製酸素タンク(3リットル)を組んで、右側にマウントし、左にはディリュエントとベイルアウトを兼ねた40cfのアルミをマウントする。
ベストだ。
オススメする。
ただし、40cfのタンクは、カタリナか、ラクスファーか、あるいは製造番号によっても浮力が異なるので、ウエイトで左右のバランスをコントロールできるようにしておくべきだろう。
CCRはガスの消費が殆どないので、運用中のバランスの変化を考慮する必要はない。
ああ、この記事読んでると、また、サイドマウントに戻したくなってきたな。
もう1台買うかあ?。
インスピ系のの中古とか、仕入れてもらって整備して、サイドマウントに組んでパラオの沈船攻めるとか・・・。
まあいい。
「ハイポキシックが吹いた時に、電源が入っていなかったり、酸素バルブが開いていなかったり酸素分圧をあげられない状態が重なれば致命的な事故になります。」
「それを防ぐためにはどうすべきかと聞くと、6msw程度まで希釈バルブを閉めておけとのことでしたが、トラブルを予防する施作が他のトラブルの起因になる構造やコンフィグ、運用は私はあまり賛同できません。」
「あとはスライダー(カットオフ)がインフレーターしか止められないので、1st側にカットオフを設けてADVを殺せるようにしたり、カウンターラングが筐体の中なので絞ることができないためできるだけソレノイドに近い位置で酸素のカットオフをつけておきフラッシング時に意図的に酸素が吹かないようにしたいかなぁ」
インスピユーザーの発想だな。
何でもアリのインスピに比べて、制約が多く、特徴的なデバイスの配置になっているSF2を、どう料理していくかだ。
「セッティング容易で早く、マイナートラブルさえない。
サニタイズも物凄く簡単で早く、ヘッドも結露で濡れることも少ない構造です。」
どんなユニットにも、メリットデメリットがある。
浮沈子は、もちろんポセイドンとインスピしか使ったことはないが、構造は基本的には同じなんだが、運用は似て非なるものだ。
インスピレーション系のユニットは、20年以上使われ続け、改良に改良を重ねている。
後発のユニットにはない柔軟性もある。
それが長所でもあり、短所でもあるわけだ。
狭いところに突入するという用途には、残念ながら向いていない。
また、水中での遊泳抵抗が大きく(図体デカいので)、流れに逆らってガンガン泳ぐためには、人間様を鍛えるしかない。
サイドマウント化のキモは、そこを少しでも改善して、楽ちんなユニットにしたいということだった。
SF2は、カウンターラングを内蔵して、シンプルな構成を採っている。
後発ユニットとしての長所もある。
それが生かせる状況においては、最強のユニットになるだろう。
もちろん、その器材に合ったトレーニングを行い、運用の違いを吸収しなければならない。
(SF2 サイドマウントリブリーザー)
http://nolimit.ti-da.net/e7494109.html
「サイドマウントバージョンに関しては、コンフィギュレーションがまだ完成の域に達していないため、これから試行錯誤を繰り返しながら自分で完成させていく必要がある。」
CCRのコンフィギュレーションは、常に進化し、改良が続いている。
安全性と、特定用途への適応性を、高い次元で実現するには、絶え間ないチャレンジが不可欠だろう。
今は、回り道をしている浮沈子だが、いつかサイドマウントCCRの実現を果たしたい。
この記事に、そのことへの勇気を少しだけ貰ったかな。
リチウムイオン電池の過熱 ― 2016年05月02日 02:27
リチウムイオン電池の過熱
航空機にリチウムイオン電池を積んで、過熱事故を起こしたといえば、B社の787が有名だが、実はもう一機、ヤバイ機体がある。
(ソーラー・インパルス2、バッテリー修理・交換でハワイに足止め:昨年の記事です)
http://www.afpbb.com/articles/-/3054277
「絶縁が過剰だったため飛行初日にバッテリーの温度が急上昇したが、飛行中は冷却する方法がなかったのだという。」
このプロジェクトは、かなりヤバイと浮沈子が感じたのは、実績のない実験的なシステムを運用する上での基本的な姿勢というのがなっていないんじゃないかという点だな。
名古屋ーハワイ間は、118時間の長丁場だし、途中にダイバートする島も殆どないので(南鳥島、ウェーク島、ミッドウェー島)、過酷であることは確かだが、それが原因でバッテリーに負担が掛かったわけではない。
過熱したのは飛行初日とある。
普通なら、名古屋に引き返すところだ。
記事中にあるように、飛行中に有効な冷却をすることは出来ない。
このトラブルを抱えながら、残りの区間を飛行し続けたというのが信じられない。
システムの欠陥なのか、製品の不良なのかは分からないが、天候の都合で季節的に不適な時期になり、年越しをしたわけで、当初のプロジェクトの意義は、大いに棄損されたというわけだ。
太陽電池とリチウムイオン電池で空を飛ぶというのは、確立された技術ではないということを、全世界に知らしめたわけだからな。
もちろん、冒険としての価値は上がったといえるだろうが、プロジェクトの目的は冒険ではない。
再生可能エネルギーに対する関心を高めることにあるわけで、マイナスのイメージはご法度なわけだ。
記事によれば、絶縁をやり過ぎて、放熱が十分でなかったとある。
当然、そこのところは解決されたと願っているが、根本的には問題を抱えたままの状態で、以後の飛行を続けることになる。
無人機ではない。
1名とはいえ、有人の飛行機で、欠陥を抱えたままの飛行を継続したわけだ。
ハワイからカリフォルニアまでは、半分程度の時間で飛んでいるが、大西洋横断やサハラ横断が控えている。
いやな予感がするな。
もちろん成功を祈っているが、技術的な裏付けがあってこそのチャレンジだろう。
カリフォルニアまでの飛行で、バッテリーの温度管理は大丈夫だったんだろうか?。
(グーグルの無人飛行機、そのバッテリー技術が明らかに)
http://sorae.jp/10/2016_04_29_google.html
「飛行機の中心部から離れた場所にバッテリー格納部を配置することで安全にバッテリーを運搬し、ソーラー発電など他の搭載システムで発電した電力を安全に貯蓄し、推進用のプロペラが接続されたモーター、さらにはナビなど他システムも稼働させる」
無人機でさえ、バッテリーを隔離して、万が一の際の対応を確保している。
「要はバッテリーをメインシステムから離れた場所に配置する技術と考えればOKです。」
「現在も乗客による航空機へのリチウムイオンバッテリーの持ち込みは厳しく制限されています。」
充放電していないリチウムイオン電池は、衝撃を与えたりしなければ、それ程危険ではないだろう。
預託荷物ではなく、機内持ち込みで、回路から切り離されていれば安全に運搬することもできるだろう。
ノートパソコンの電池くらいなら、なんとかなる。
しかし、動力で使うような大電流を流す回路でリチウムイオン電池を使うというのは、まだ実用段階とはいえない。
重量が軽く、大電流の放出が可能で、移動体の電池として優れていることは確かだが、ヤバイ領域と安全な領域が近接し、制御が難しい電池であることも確かだ。
ソーラーインパルス2は、今回、そのことを思い知ったはずである。
それでも、飛んだ。
ハワイから、カリフォルニアまで飛んだ。
ハワイでの改修の内容と、今回の飛行の詳細は知らない。
そもそも、本来なら、上海からハワイまで、一気に飛ぶはずだった。
この際だから、米国で中止してしまうというのも選択肢だろう。
長距離飛行では、まだまだ問題が解決されていないということが証明されたわけだしな。
速度も遅く、有人飛行では限界があることも分かった。
ちなみに、気球による無着陸世界一周は、今回のパイロットの一人であるベルトランピカールが、1999年に、わずか19日間で達成している。
(世界一周飛行:無着陸世界一周飛行)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%96%E7%95%8C%E4%B8%80%E5%91%A8%E9%A3%9B%E8%A1%8C#.E7.84.A1.E7.9D.80.E9.99.B8.E4.B8.96.E7.95.8C.E4.B8.80.E5.91.A8.E9.A3.9B.E8.A1.8C_2
今後の目標が、無人機というのも分かるような気がする。
無着陸、無給油(まあ、当然ですが)、無人という三無主義(本来は、無気力、無関心、無責任)で、21世紀的な世界一周飛行にチャレンジしてもらいたい。
自律飛行になるのか、衛星等を使って遠隔操縦することになるのか。
時速60kmで世界一周すれば、28日間で周ることができる。
そういう意味では、今回のプロジェクトは、その意義を失ってしまっている。
1年経っても、まだ終わっていない。
ここで断念するのが適当だろうと浮沈子は思っている。
この先で、決定的なトラブルに陥り、事故でも起こした日には目も当てられない。
ちょっとネガティブな話だが、それが常識というもんだろう。
もちろん、そういうまともな話が通じる世界でないことは承知の上だ。
冒険野郎がいなければ、世界はつまらなくなってしまう。
イカレタヤツがいるからこそ、浮沈子のようなマトモな人間(?)の価値もあるというものだ。
それにしても、ちょっとヤバ過ぎのような感じになっている。
今後の展開が、気になる話だ。
航空機にリチウムイオン電池を積んで、過熱事故を起こしたといえば、B社の787が有名だが、実はもう一機、ヤバイ機体がある。
(ソーラー・インパルス2、バッテリー修理・交換でハワイに足止め:昨年の記事です)
http://www.afpbb.com/articles/-/3054277
「絶縁が過剰だったため飛行初日にバッテリーの温度が急上昇したが、飛行中は冷却する方法がなかったのだという。」
このプロジェクトは、かなりヤバイと浮沈子が感じたのは、実績のない実験的なシステムを運用する上での基本的な姿勢というのがなっていないんじゃないかという点だな。
名古屋ーハワイ間は、118時間の長丁場だし、途中にダイバートする島も殆どないので(南鳥島、ウェーク島、ミッドウェー島)、過酷であることは確かだが、それが原因でバッテリーに負担が掛かったわけではない。
過熱したのは飛行初日とある。
普通なら、名古屋に引き返すところだ。
記事中にあるように、飛行中に有効な冷却をすることは出来ない。
このトラブルを抱えながら、残りの区間を飛行し続けたというのが信じられない。
システムの欠陥なのか、製品の不良なのかは分からないが、天候の都合で季節的に不適な時期になり、年越しをしたわけで、当初のプロジェクトの意義は、大いに棄損されたというわけだ。
太陽電池とリチウムイオン電池で空を飛ぶというのは、確立された技術ではないということを、全世界に知らしめたわけだからな。
もちろん、冒険としての価値は上がったといえるだろうが、プロジェクトの目的は冒険ではない。
再生可能エネルギーに対する関心を高めることにあるわけで、マイナスのイメージはご法度なわけだ。
記事によれば、絶縁をやり過ぎて、放熱が十分でなかったとある。
当然、そこのところは解決されたと願っているが、根本的には問題を抱えたままの状態で、以後の飛行を続けることになる。
無人機ではない。
1名とはいえ、有人の飛行機で、欠陥を抱えたままの飛行を継続したわけだ。
ハワイからカリフォルニアまでは、半分程度の時間で飛んでいるが、大西洋横断やサハラ横断が控えている。
いやな予感がするな。
もちろん成功を祈っているが、技術的な裏付けがあってこそのチャレンジだろう。
カリフォルニアまでの飛行で、バッテリーの温度管理は大丈夫だったんだろうか?。
(グーグルの無人飛行機、そのバッテリー技術が明らかに)
http://sorae.jp/10/2016_04_29_google.html
「飛行機の中心部から離れた場所にバッテリー格納部を配置することで安全にバッテリーを運搬し、ソーラー発電など他の搭載システムで発電した電力を安全に貯蓄し、推進用のプロペラが接続されたモーター、さらにはナビなど他システムも稼働させる」
無人機でさえ、バッテリーを隔離して、万が一の際の対応を確保している。
「要はバッテリーをメインシステムから離れた場所に配置する技術と考えればOKです。」
「現在も乗客による航空機へのリチウムイオンバッテリーの持ち込みは厳しく制限されています。」
充放電していないリチウムイオン電池は、衝撃を与えたりしなければ、それ程危険ではないだろう。
預託荷物ではなく、機内持ち込みで、回路から切り離されていれば安全に運搬することもできるだろう。
ノートパソコンの電池くらいなら、なんとかなる。
しかし、動力で使うような大電流を流す回路でリチウムイオン電池を使うというのは、まだ実用段階とはいえない。
重量が軽く、大電流の放出が可能で、移動体の電池として優れていることは確かだが、ヤバイ領域と安全な領域が近接し、制御が難しい電池であることも確かだ。
ソーラーインパルス2は、今回、そのことを思い知ったはずである。
それでも、飛んだ。
ハワイから、カリフォルニアまで飛んだ。
ハワイでの改修の内容と、今回の飛行の詳細は知らない。
そもそも、本来なら、上海からハワイまで、一気に飛ぶはずだった。
この際だから、米国で中止してしまうというのも選択肢だろう。
長距離飛行では、まだまだ問題が解決されていないということが証明されたわけだしな。
速度も遅く、有人飛行では限界があることも分かった。
ちなみに、気球による無着陸世界一周は、今回のパイロットの一人であるベルトランピカールが、1999年に、わずか19日間で達成している。
(世界一周飛行:無着陸世界一周飛行)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%96%E7%95%8C%E4%B8%80%E5%91%A8%E9%A3%9B%E8%A1%8C#.E7.84.A1.E7.9D.80.E9.99.B8.E4.B8.96.E7.95.8C.E4.B8.80.E5.91.A8.E9.A3.9B.E8.A1.8C_2
今後の目標が、無人機というのも分かるような気がする。
無着陸、無給油(まあ、当然ですが)、無人という三無主義(本来は、無気力、無関心、無責任)で、21世紀的な世界一周飛行にチャレンジしてもらいたい。
自律飛行になるのか、衛星等を使って遠隔操縦することになるのか。
時速60kmで世界一周すれば、28日間で周ることができる。
そういう意味では、今回のプロジェクトは、その意義を失ってしまっている。
1年経っても、まだ終わっていない。
ここで断念するのが適当だろうと浮沈子は思っている。
この先で、決定的なトラブルに陥り、事故でも起こした日には目も当てられない。
ちょっとネガティブな話だが、それが常識というもんだろう。
もちろん、そういうまともな話が通じる世界でないことは承知の上だ。
冒険野郎がいなければ、世界はつまらなくなってしまう。
イカレタヤツがいるからこそ、浮沈子のようなマトモな人間(?)の価値もあるというものだ。
それにしても、ちょっとヤバ過ぎのような感じになっている。
今後の展開が、気になる話だ。
ボディマスインデックス ― 2016年05月02日 14:02
ボディマスインデックス
BMIとして、浮沈子が最も恐れている数字の一つである。
これと、体脂肪率の数字が2大天敵といっていい。
水戸黄門の印籠のように、ジャジャーンと見せられると、へっへーっ(はっはーっ、でもいいですが)といって、ひれ伏すしかなかった。
(ボディマス指数)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%9E%E3%82%B9%E6%8C%87%E6%95%B0
「1972年のKeysらの研究によってこの指数が体脂肪率とよく相関することが明らかにされたことによって、身体組成研究分野における重要な指数として位置付けられ、以後、BMIと呼称されるようになった。1985年には、GarrowとWebsterの研究によって、肥満度の代替指数としての有効性が検証された。」
2大天敵には、相関関係があって、BMIは、いってみれば体脂肪率を簡易的に推定する指数ということになる。
筋肉量が多い方は、当然BMIが高くなっても体脂肪率は低い。
良質のタンパク質を摂取し、筋トレを欠かさずに体形作りに励んでいれば、ムキムキになるわけだがな。
筋トレはサイテーの負荷でテキトーに誤魔化し、有酸素運動も控えめに済ませ、フィットネスに行ったというアリバイ作りをしたうえで、脂コッテリの食事を炭水化物もたっぷり摂取している生活では、理想の体型に近づくわけもない・・・。
それでも、継続は力なりで、なんとか前回のパラオ行きの前の体重以下にはなった。
本日の計量の結果、BMIは24.9と、ギリギリで正常値に滑り込む。
いやー、目出度い目出たい!!。
というわけで、早速、むちゃ食いしながらこのブログを書いている(!)。
さらに、よく読むと、ウィキの記事には嬉しいことが書いてある。
「厚生労働省の研究班(研究代表者=辻一郎東北大教授)による40歳代のBMIと平均余命を調査した研究で、太り気味(BMI:25以上30未満)の人が最も長命である結果が得られた。「太り気味の人」に次いで、普通体重(BMI:18.5以上25未満)の人、肥満(BMI:30以上)の人、やせた(BMI:18.5未満)人、の順で平均余命が高いことが判明した。」
「2013年1月に米国疾病対策センターCDCが発表した研究結果によれば、BMIで「過体重」に分類されたグループのほうが、「普通体重」とされたグループよりも死亡リスクが6%低かった。」
まあ、過度の減量には副作用も伴うし、問題はその減量された体重を維持する方が難しいということだ。
過去に何度か減量して、その度にリバウンドを繰り返し、てきめんに太りやすい体質になっている浮沈子の場合、体重は減らすものではなく、維持するものという考え方の方が合っているかもしれない。
そうして、維持するプロセスを確立し、微調整することで少しずつ減量するというのがいいだろう。
そうはいっても、あと数キロの減量と、それに伴う体脂肪率の減量を果たさないと、適正な状態にはならない。
まあ、先ほどの例では、何が適正かは難しいということもある。
民族差というのも無視できない。
体形的に作りが異なる欧米人と、東アジア的体形では、適正な体脂肪バランスというのは当然異なる。
最近、腹部の皮下脂肪が掴めるようになってきた。
今までは、どちらかというと、掴むことさえできなかったわけで、抱えるという表現の方が近いものがある。
やったーっ、腹の肉が掴めるようになったぞ!(これって、喜ぶところじゃないんじゃね?)。
次の目標としては、掴める→摘めるということだな。
皮下脂肪の厚さを測るのには、上腕後部、肩甲骨下部、へそ横部が基準らしい。
うーん、背中は手が届かないなあ・・・。
上腕後部は、確かにぷるぷる状態だし、へそ横部は、完璧に掴める状況だ。
BMIの改良された計算式も出ている。
「英オックスフォード大学の数学者Nick Trefethen教授は、予てより従来のBMIでは低身長の人が痩せ、逆に長身長の人は肥満という結果になりうる事を指摘している。2013年に提唱した、上教授の計算式は(体重[kg]×1.3)÷身長(m)^2.5=BMI指数、というものであり、この式で算出された数値を従来の「18.5~24.9は平常値」「18.5未満は痩せすぎ」「25~29.9は太りすぎ」「30以上は肥満」としている。」
関数電卓を駆使して計算すると、この式においても平常値に収まっている。
おおっ、またまたお祝いに、めちゃ食いせねばならんなあ(どうして、そういう発想になるんだかな・・・)。
BMIとして、浮沈子が最も恐れている数字の一つである。
これと、体脂肪率の数字が2大天敵といっていい。
水戸黄門の印籠のように、ジャジャーンと見せられると、へっへーっ(はっはーっ、でもいいですが)といって、ひれ伏すしかなかった。
(ボディマス指数)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%9E%E3%82%B9%E6%8C%87%E6%95%B0
「1972年のKeysらの研究によってこの指数が体脂肪率とよく相関することが明らかにされたことによって、身体組成研究分野における重要な指数として位置付けられ、以後、BMIと呼称されるようになった。1985年には、GarrowとWebsterの研究によって、肥満度の代替指数としての有効性が検証された。」
2大天敵には、相関関係があって、BMIは、いってみれば体脂肪率を簡易的に推定する指数ということになる。
筋肉量が多い方は、当然BMIが高くなっても体脂肪率は低い。
良質のタンパク質を摂取し、筋トレを欠かさずに体形作りに励んでいれば、ムキムキになるわけだがな。
筋トレはサイテーの負荷でテキトーに誤魔化し、有酸素運動も控えめに済ませ、フィットネスに行ったというアリバイ作りをしたうえで、脂コッテリの食事を炭水化物もたっぷり摂取している生活では、理想の体型に近づくわけもない・・・。
それでも、継続は力なりで、なんとか前回のパラオ行きの前の体重以下にはなった。
本日の計量の結果、BMIは24.9と、ギリギリで正常値に滑り込む。
いやー、目出度い目出たい!!。
というわけで、早速、むちゃ食いしながらこのブログを書いている(!)。
さらに、よく読むと、ウィキの記事には嬉しいことが書いてある。
「厚生労働省の研究班(研究代表者=辻一郎東北大教授)による40歳代のBMIと平均余命を調査した研究で、太り気味(BMI:25以上30未満)の人が最も長命である結果が得られた。「太り気味の人」に次いで、普通体重(BMI:18.5以上25未満)の人、肥満(BMI:30以上)の人、やせた(BMI:18.5未満)人、の順で平均余命が高いことが判明した。」
「2013年1月に米国疾病対策センターCDCが発表した研究結果によれば、BMIで「過体重」に分類されたグループのほうが、「普通体重」とされたグループよりも死亡リスクが6%低かった。」
まあ、過度の減量には副作用も伴うし、問題はその減量された体重を維持する方が難しいということだ。
過去に何度か減量して、その度にリバウンドを繰り返し、てきめんに太りやすい体質になっている浮沈子の場合、体重は減らすものではなく、維持するものという考え方の方が合っているかもしれない。
そうして、維持するプロセスを確立し、微調整することで少しずつ減量するというのがいいだろう。
そうはいっても、あと数キロの減量と、それに伴う体脂肪率の減量を果たさないと、適正な状態にはならない。
まあ、先ほどの例では、何が適正かは難しいということもある。
民族差というのも無視できない。
体形的に作りが異なる欧米人と、東アジア的体形では、適正な体脂肪バランスというのは当然異なる。
最近、腹部の皮下脂肪が掴めるようになってきた。
今までは、どちらかというと、掴むことさえできなかったわけで、抱えるという表現の方が近いものがある。
やったーっ、腹の肉が掴めるようになったぞ!(これって、喜ぶところじゃないんじゃね?)。
次の目標としては、掴める→摘めるということだな。
皮下脂肪の厚さを測るのには、上腕後部、肩甲骨下部、へそ横部が基準らしい。
うーん、背中は手が届かないなあ・・・。
上腕後部は、確かにぷるぷる状態だし、へそ横部は、完璧に掴める状況だ。
BMIの改良された計算式も出ている。
「英オックスフォード大学の数学者Nick Trefethen教授は、予てより従来のBMIでは低身長の人が痩せ、逆に長身長の人は肥満という結果になりうる事を指摘している。2013年に提唱した、上教授の計算式は(体重[kg]×1.3)÷身長(m)^2.5=BMI指数、というものであり、この式で算出された数値を従来の「18.5~24.9は平常値」「18.5未満は痩せすぎ」「25~29.9は太りすぎ」「30以上は肥満」としている。」
関数電卓を駆使して計算すると、この式においても平常値に収まっている。
おおっ、またまたお祝いに、めちゃ食いせねばならんなあ(どうして、そういう発想になるんだかな・・・)。
南風と海の幸 ― 2016年05月02日 20:11
南風と海の幸
書いたつもりになっていたが、書いていない。
そういうことが、たまにある。
逆はしょっちゅうなんだがな。
書こうとすることをネットで調べると、自分の記事がヒットする。
書いたことを忘れてしまう。
同じネタで、書き始めて、それに気づくと、自分の記事を引用して誤魔化す(ははは・・・)。
今回は逆だったが、青木繁の海の幸のことを書きたくなった。
(青木繁)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%92%E6%9C%A8%E7%B9%81
(なぜ青木繁は『海の幸』を描いたの?)
http://navi.tateyamacity.com/?p=7851
28歳で没した画家については、いろいろ書かれていて面白いが、しかし、なんといってもこの絵の迫力の前にはどうでもいい感じがする。
殆ど、未完成といってもいい絵だが、創造とはこういうことかと思わせる。
でっかい魚(サメ?)を担ぐ人、長い銛に掛けて運ぶ人、その長い銛だけを持って歩く人、赤銅色した身体を照らす夕日、背景は空と海と波、そして力強く踏みしめる地面だけ。
銛の柄が長過ぎるとか、突っ込んではならない。
横長の画面からはみ出す勢いの太い線は、画面を構成する重要な要素だ。
人々の間隔や、獲物の重量感、歩いている進行方向との関係など、練り上げられた構図だ。
波打ち際の線を見ると、水平でないことに気付く。
水平線だって、水平ではない・・・。
やや、波打って描かれている。
この絵は、浮沈子の遠い記憶を呼び覚ます。
子供のころ、この絵が描かれた千葉の館山に海水浴に通っていた。
無論、青木が描いた頃からは数十年が経っており、様子は違っているが、海と空と砂浜の記憶は重なるものがある。
夏の、アットーテキな暑さ、夕方の風の爽やかさ、ギラギラした夕日の色、漁村の匂い。
半世紀近くの時が経って、その記憶は普段は遠くしまわれているが、この絵を見ると思い出す。
解説を読むと、神話の世界ということになっているらしいが、そんな神話が生まれてもおかしくないリアルな絵だと感じる。
銛の柄は長過ぎるけどな・・・。
もう一枚、浮沈子の記憶に残る絵がある。
(和田三造「南風」)
http://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/backnumber/091010/
「『南風』は、和田が19歳の時に伊豆沖合で実際に経験した、舟の遭難を元に描かれています。」
そうとは知らなかったが、コントラストの強い画面からは、強い日差しと風が伝わってくる。
(和田三造)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%92%8C%E7%94%B0%E4%B8%89%E9%80%A0
「1902年(明治35年)、八丈島への渡航途上、暴風雨に会い漂流ののち伊豆大島へ漂着しており、これが後の『南風』制作の契機となった。」
発表は、漂流の2年後であり、人物の設定もやや異なる。
海を題材にした作品は数多い。
しかし、この2枚の絵画は、浮沈子の記憶に残り、何かにつけて思い出されることが多い。
南の島で、ダイビング三昧して、ヤシの木陰でウクレレ弾いてくれるネーチャンがいて、お昼寝用のハンモックがあって・・・。
浮沈子が不届きな妄想に駆られる原因は、この辺りにあるのかもしれない。
天気予報を見ると、東京地方は明日から強い南風が吹くという。
明治時代の同時期に、2人の画家によって描かれた2枚の絵。
ああ、考えてみれば、青木繁は、この絵を描くために生まれ、生きたのかもしれないなあ。
短い一生ではあったけれど、幸せな時間を過ごしたわけだ。
和田は、対照的に穏やかな人生を歩んでいる。
我が国の美術界に、大きな足跡を残した。
まあ、どうでもいいんですが。
南風の背景には、頂上を雲に覆われた島(たぶん)が描かれている。
ああ、島行きてえ!。
「雲ポッツリ、またポッツリ、ポッツリ!
波ピッチャリ、ピッチャリ!
砂ヂリヂリとやけて
風ムシムシとあつく
なぎたる空!はやりたる潮!」
青木が感じた夏の海辺の描写は、若々しく、エネルギーに溢れている。
そんな時代があったことを思い出しつつ、ショボくれた今を生きる。
やっぱ、南の島だな・・・。
ウクレレのネーチャンは居なくてもいいや・・・。
強い日差しと豊かな海があればいい。
CCRで潜れれば、サイコーだ・・・。
書いたつもりになっていたが、書いていない。
そういうことが、たまにある。
逆はしょっちゅうなんだがな。
書こうとすることをネットで調べると、自分の記事がヒットする。
書いたことを忘れてしまう。
同じネタで、書き始めて、それに気づくと、自分の記事を引用して誤魔化す(ははは・・・)。
今回は逆だったが、青木繁の海の幸のことを書きたくなった。
(青木繁)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%92%E6%9C%A8%E7%B9%81
(なぜ青木繁は『海の幸』を描いたの?)
http://navi.tateyamacity.com/?p=7851
28歳で没した画家については、いろいろ書かれていて面白いが、しかし、なんといってもこの絵の迫力の前にはどうでもいい感じがする。
殆ど、未完成といってもいい絵だが、創造とはこういうことかと思わせる。
でっかい魚(サメ?)を担ぐ人、長い銛に掛けて運ぶ人、その長い銛だけを持って歩く人、赤銅色した身体を照らす夕日、背景は空と海と波、そして力強く踏みしめる地面だけ。
銛の柄が長過ぎるとか、突っ込んではならない。
横長の画面からはみ出す勢いの太い線は、画面を構成する重要な要素だ。
人々の間隔や、獲物の重量感、歩いている進行方向との関係など、練り上げられた構図だ。
波打ち際の線を見ると、水平でないことに気付く。
水平線だって、水平ではない・・・。
やや、波打って描かれている。
この絵は、浮沈子の遠い記憶を呼び覚ます。
子供のころ、この絵が描かれた千葉の館山に海水浴に通っていた。
無論、青木が描いた頃からは数十年が経っており、様子は違っているが、海と空と砂浜の記憶は重なるものがある。
夏の、アットーテキな暑さ、夕方の風の爽やかさ、ギラギラした夕日の色、漁村の匂い。
半世紀近くの時が経って、その記憶は普段は遠くしまわれているが、この絵を見ると思い出す。
解説を読むと、神話の世界ということになっているらしいが、そんな神話が生まれてもおかしくないリアルな絵だと感じる。
銛の柄は長過ぎるけどな・・・。
もう一枚、浮沈子の記憶に残る絵がある。
(和田三造「南風」)
http://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/backnumber/091010/
「『南風』は、和田が19歳の時に伊豆沖合で実際に経験した、舟の遭難を元に描かれています。」
そうとは知らなかったが、コントラストの強い画面からは、強い日差しと風が伝わってくる。
(和田三造)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%92%8C%E7%94%B0%E4%B8%89%E9%80%A0
「1902年(明治35年)、八丈島への渡航途上、暴風雨に会い漂流ののち伊豆大島へ漂着しており、これが後の『南風』制作の契機となった。」
発表は、漂流の2年後であり、人物の設定もやや異なる。
海を題材にした作品は数多い。
しかし、この2枚の絵画は、浮沈子の記憶に残り、何かにつけて思い出されることが多い。
南の島で、ダイビング三昧して、ヤシの木陰でウクレレ弾いてくれるネーチャンがいて、お昼寝用のハンモックがあって・・・。
浮沈子が不届きな妄想に駆られる原因は、この辺りにあるのかもしれない。
天気予報を見ると、東京地方は明日から強い南風が吹くという。
明治時代の同時期に、2人の画家によって描かれた2枚の絵。
ああ、考えてみれば、青木繁は、この絵を描くために生まれ、生きたのかもしれないなあ。
短い一生ではあったけれど、幸せな時間を過ごしたわけだ。
和田は、対照的に穏やかな人生を歩んでいる。
我が国の美術界に、大きな足跡を残した。
まあ、どうでもいいんですが。
南風の背景には、頂上を雲に覆われた島(たぶん)が描かれている。
ああ、島行きてえ!。
「雲ポッツリ、またポッツリ、ポッツリ!
波ピッチャリ、ピッチャリ!
砂ヂリヂリとやけて
風ムシムシとあつく
なぎたる空!はやりたる潮!」
青木が感じた夏の海辺の描写は、若々しく、エネルギーに溢れている。
そんな時代があったことを思い出しつつ、ショボくれた今を生きる。
やっぱ、南の島だな・・・。
ウクレレのネーチャンは居なくてもいいや・・・。
強い日差しと豊かな海があればいい。
CCRで潜れれば、サイコーだ・・・。
納得した話 ― 2016年05月02日 21:28
納得した話
(豪、原潜視野に仏選択か 日本落選の次期潜水艦開発)
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20160502/frn1605021156005-n1.htm
「オーストラリア政府が次期潜水艦の共同開発相手に日本やドイツではなくフランスを選んだ理由の一つは、将来的な原子力潜水艦の導入可能性を視野に入れているため」
ははあ、そういう背景があったってことか。
浮沈子は、ドイツ優勢と思っていたんだが、フランスに決まったと聞いたときは意外だった。
そういうことなら、納得のいく話だが、選定方法については日独から突っ込まれる話でもある。
最初っから、当て馬かよ!?。
(オーストラリアの本当の狙いは「中国海軍に対抗する原潜」? フランスは原潜技術転用、日独には前提そのものがムリ)
http://www.sankei.com/world/news/160502/wor1605020019-n1.html
「次期潜水艦12隻を2030年代初めから50年ごろまでに調達する中で、一部をディーゼル型から原潜にする選択肢を協議」
世界で、通常動力型潜水艦と原子力潜水艦を両方作ることが出来る国は限られている。
西側(死語?)では、フランス位なんじゃないのか。
いろいろ紆余曲折があった豪州潜水艦調達だが、そういう意図があるとすれば、いい選択をしたということになるんだろう。
長期的に見て調達リスクが高い我が国が選ばれなかったのはもとより、原潜を作れないドイツが取れなかったのは当然ということになる。
(豪次期潜水艦プロジェクト、「私が陣頭指揮する」と仏首相)
http://www.afpbb.com/articles/-/3085942
本気度も、半端ないな。
この勝負、初めから決まってたということになる。
しかし、豪州はそんなことはおくびにも出さなかった。
つーことは、直前になって選定要件として浮上してきたわけだ。
しかし、こんな重要な話が、土壇場でいきなり出るということは有り得ない。
水面下で、密かに進行していたんだろう。
それを嗅ぎ付けられなかった日独の情報戦略は、お粗末だったということになる。
完敗といっていい。
首相自ら進行管理するという話だ。
国策として推進するということは間違いない。
技術移転や雇用創出といえば聞こえがいいが、事実上、豪州の潜水艦建造事業をフランスが手に入れたということになる。
フランスの豪州訪問団にはファイナンスも絡んでいたわけで、資本流入もあるだろうしな。
潜水艦12隻くらいの話で、そこまでやるかと思ったが、産業丸抱えということになれば、国家レベルの話になる。
ましてや、将来は原潜も作ろうというわけだから、フランスの影響力が増大することは間違いない。
ひょっとすると、他国の潜水艦も、豪州で作ることになる可能性さえある。
中国とか・・・。
まさかね・・・。
もちろん、カヌーさえまともに作ることが出来ない豪州の造船産業をテコ入れするのは容易な話ではない。
しかし、潜水艦だけでなく、水上艦艇にに留まらず、商用船舶の造船も視野に入っているかも知れない。
我が国は、完全に置いて行かれた。
つーか、最初から当てにされていない。
国内が一枚岩でなかったということもあるが、たとえそうだったとしても、困難な話だ。
ドイツなんて、いい面の皮である。
アピールする技術力があるわけではなく、原潜が作れるわけでもない。
現地生産だけが売りだったが、産業纏めて面倒見る話ではない(政府ベースではなく、企業ベースのアプローチだった)。
我が国も、東芝が関連産業(民生用電池)の育成をぶち上げたが、取って付けた感は否めなかったな。
実際の建造開始までには、まだ時間が掛かるので、具体的な話がどうなるのかは分からない。
フランスに決まってから、なぜドイツが取れなかったかを見極めたかった。
この話は、腑に落ちる話だ。
納得できる。
そして、世界を見る目が、また変わった。
フランスにとっては、これからが正念場だと言えよう。
資源価格が低迷する中、衰退した他国の産業を立て直すという大事業に乗り出すわけだ。
相手は、潜水艦とクジラの区別がつかないオージーだぜ・・・。
大丈夫なのかあ?。
(豪、原潜視野に仏選択か 日本落選の次期潜水艦開発)
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20160502/frn1605021156005-n1.htm
「オーストラリア政府が次期潜水艦の共同開発相手に日本やドイツではなくフランスを選んだ理由の一つは、将来的な原子力潜水艦の導入可能性を視野に入れているため」
ははあ、そういう背景があったってことか。
浮沈子は、ドイツ優勢と思っていたんだが、フランスに決まったと聞いたときは意外だった。
そういうことなら、納得のいく話だが、選定方法については日独から突っ込まれる話でもある。
最初っから、当て馬かよ!?。
(オーストラリアの本当の狙いは「中国海軍に対抗する原潜」? フランスは原潜技術転用、日独には前提そのものがムリ)
http://www.sankei.com/world/news/160502/wor1605020019-n1.html
「次期潜水艦12隻を2030年代初めから50年ごろまでに調達する中で、一部をディーゼル型から原潜にする選択肢を協議」
世界で、通常動力型潜水艦と原子力潜水艦を両方作ることが出来る国は限られている。
西側(死語?)では、フランス位なんじゃないのか。
いろいろ紆余曲折があった豪州潜水艦調達だが、そういう意図があるとすれば、いい選択をしたということになるんだろう。
長期的に見て調達リスクが高い我が国が選ばれなかったのはもとより、原潜を作れないドイツが取れなかったのは当然ということになる。
(豪次期潜水艦プロジェクト、「私が陣頭指揮する」と仏首相)
http://www.afpbb.com/articles/-/3085942
本気度も、半端ないな。
この勝負、初めから決まってたということになる。
しかし、豪州はそんなことはおくびにも出さなかった。
つーことは、直前になって選定要件として浮上してきたわけだ。
しかし、こんな重要な話が、土壇場でいきなり出るということは有り得ない。
水面下で、密かに進行していたんだろう。
それを嗅ぎ付けられなかった日独の情報戦略は、お粗末だったということになる。
完敗といっていい。
首相自ら進行管理するという話だ。
国策として推進するということは間違いない。
技術移転や雇用創出といえば聞こえがいいが、事実上、豪州の潜水艦建造事業をフランスが手に入れたということになる。
フランスの豪州訪問団にはファイナンスも絡んでいたわけで、資本流入もあるだろうしな。
潜水艦12隻くらいの話で、そこまでやるかと思ったが、産業丸抱えということになれば、国家レベルの話になる。
ましてや、将来は原潜も作ろうというわけだから、フランスの影響力が増大することは間違いない。
ひょっとすると、他国の潜水艦も、豪州で作ることになる可能性さえある。
中国とか・・・。
まさかね・・・。
もちろん、カヌーさえまともに作ることが出来ない豪州の造船産業をテコ入れするのは容易な話ではない。
しかし、潜水艦だけでなく、水上艦艇にに留まらず、商用船舶の造船も視野に入っているかも知れない。
我が国は、完全に置いて行かれた。
つーか、最初から当てにされていない。
国内が一枚岩でなかったということもあるが、たとえそうだったとしても、困難な話だ。
ドイツなんて、いい面の皮である。
アピールする技術力があるわけではなく、原潜が作れるわけでもない。
現地生産だけが売りだったが、産業纏めて面倒見る話ではない(政府ベースではなく、企業ベースのアプローチだった)。
我が国も、東芝が関連産業(民生用電池)の育成をぶち上げたが、取って付けた感は否めなかったな。
実際の建造開始までには、まだ時間が掛かるので、具体的な話がどうなるのかは分からない。
フランスに決まってから、なぜドイツが取れなかったかを見極めたかった。
この話は、腑に落ちる話だ。
納得できる。
そして、世界を見る目が、また変わった。
フランスにとっては、これからが正念場だと言えよう。
資源価格が低迷する中、衰退した他国の産業を立て直すという大事業に乗り出すわけだ。
相手は、潜水艦とクジラの区別がつかないオージーだぜ・・・。
大丈夫なのかあ?。
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