1週間ぶりのブログ2016年06月07日 20:56

1週間ぶりのブログ
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メールも携帯も繋がらない絶海の孤島へのクルージング。

6月1日の午前3時に出向して、今朝(7日)8時に到着した。

行きも帰りも天候には恵まれて、海はほぼベタ凪状態。

ダイビングも、つつがなく13本を終え、大物は出なかったが、まったりと癒し系のファンダイブを楽しむ。

ソンソロール、ヘレン、トビ、メリル、プルアナの5島を巡り、うち、ヘレンとトビには上陸もした。

ヘレンでは、夜間にウミガメの産卵(1頭だけ)に立ち合い、トビではお土産のヤシの実やバナナを頂いた。

メリルでは、住民(2人)がボートで訪ねてくれたりと、盛りだくさんのクルーズ。

テンダー2隻と龍馬1号本船とで、5尾のサワラと1尾のキハダマグロを釣り上げ、食卓を彩った。

往きの1日と帰りの1日を除けば、夜の天体ショーが繰り広げられて、流れ星や人工衛星を見たり、やや遠くなりつつあるとはいえ、接近中の火星を眺めたりした(残念ながら、31日夜の最接近は、雲がかかって見られなかった)。

多くのクルーやガイドに支えられて、無事に航海を終えることが出来たことに、まずは感謝である。

龍馬1号(といっても、2号はない)は、今夜遅くに再び新たな航海に出る。

新しい船客を迎えて、その白い美しい船体を波間に映しながらゆったりと揺れて進んでいくのだ。

最大船速は、GPSベースで10.5ノットと、決して速くはないし、ピッチングとローリングの混じった揺れは、双胴船独特の揺れなんだろう(ヨーイングは殆ど感じられなかった。

肝心のダイビングは、6月2日ソンソロールで2本、3日はヘレンで3本、4日はヘレンで1本潜った後トビで2本、5日のメリルはガッツリ4本、6日はプルアナで早朝1本で仕上げ。

7日は、予定では午後2時頃の到着だったようだが、海況が良く、6時間も早く着いてしまって、コロールのランドツアーを急きょ実施というサプライズとなった。

ダイビングの内容については、おいおい書いていくことにする。

新調した3mmのドハデなウエットスーツは、水中ではピンク色に見えるらしく、やや顰蹙を買ったが、ガイドにロストされる心配はないだろう。

シングルタンク(80キュービックフィート)の1本差しのサイドマウントで潜った。

途中から、ライトを携行するようにして、位置をアピールするために点灯しながら潜ったが、他のダイバーからは、その目的では不要と言われてしまった。

まあ、そうだろうな。

呼吸ガスはナイトロックス32、30から32までの範囲でガイドが計測してくれた値を信じてサインする。

一応、アナライザーは持参したが、まあ、龍馬の混合を信じることにして、再測定は行わなかった。

その代わりというわけではないが、最大水深は24m未満、概ね20m未満で、後半は10m位で流すようにした。

エア持ちの悪い浮沈子でも、半分くらいのダイビングでは100気圧くらい残してエキジットした。

一番吸った時でも、残圧は70を切ることはなかった。

ダイブタイムは、500本記念のダイバーの方の記念撮影があった最終ダイビングで55分。

その他は、概ね45分程度。

浮上に掛かるのが35分から40分くらいで、やや厳しめのダイコンを使っていた方がいて、5分程度の安全停止を行った。

チームの中では、2人程浮いてしまう方がいて、安全停止の時にバルブをガイドが掴んでいたりしたが、後半になればなる程、慣れてきて中性浮力の維持が出来るようになってきたのは、連続して潜ることが出来るクルーズならではの効果だろう。

えっ?、浮沈子は、どうだったのかってえ?。

まあ、プラスマイナス1m位で浮いたり沈んだりしていたことは内緒の話だ・・・。

2チームに分かれて潜ったが、事故もなく、器材のトラブルもなく、ベテランのダイバーらしい破たんのないダイビングをしていたようだな。

料金の問題もあり、殆どの方がリタイア組で、70代の方も複数いらっしゃった。

ナイトロックスを吸っていても、やはり疲れる時は疲れるもので、食事の時以外は船室でごろごろしていた。

アルコールを飲まないのは浮沈子だけで、売り上げには全く貢献せず、最低限のコストで潜ってきたが、40万円弱の金額をポンと出せる面々は、やはり話の中身が違うようで、不調法を理由に寝ていたのは正解だな。

今、このブログはアンテロープの食堂で書いているが、沖合には停泊中の龍馬1号が見えている。

トゥバタハリーフ(フィリピン)以来のダイブクルーズだが、浮沈子にはやや贅沢過ぎるような気がした。

まあ、こういう経験もいいかな、という感じで、次に何時乗ることが出来るかは分からない。

既に、次の航海の申し込みをしている方もいて、常連さんが多いようだ。

ヘレンクルーズの詳細については、既にこのブログでも紹介しているが、立ち寄る島やそこでのダイブポイントは、毎回違うようだな。

今回も、当初予定では12本だったらしいが、メリルで急きょ4本潜ることになって、1本増えたことになる。

もちろん、料金は変わらない。

ランドツアーも無料だった(コロールの街中への送迎だけですが)。

デイドリームで、明日からのダイビングの打ち合わせの後、アンテロープに転がり込んで、荷解きをして一休みした。

ちょっと胃が疲れていることもあって、今日の夕食は抜きにした。

コーヒーを飲み過ぎたかもしれない。

アンテロープのフリーの粉コーヒーも、まだ手を着けずに、水だけで凌いでいる。

いつもの通り、猫が椅子の周りをうろついているし、浮沈子が苦手のイヌ(ポテト:オス)には、早速舐められてしまった!。

かんべんしてくれーっ!。

ウミ(メス)の方は、吠えるらしいので早速連れていかれたようだ。

これから10日余りをこの小ぢんまりとしたホテルで過ごすことになる。

気心の知れたスタッフと、犬猫とに囲まれて過ごすことになるわけだ。

明日はテックサイドマウントの講習で、座学中心でやるらしい。

老眼鏡を武器に、テキストと格闘することになるわけだが、まったりとしたファンダイブとは違った楽しみもある。

BCは、ホリスのSMS100をお借りすることにした。

講師は加藤さん。

3日間では終わらないので、続きはまた来てから行うことになる。

4日目からはインスピレーションの講習が続く。

ダイビング三昧の日々だが、今年の予算は既にオーバーしているので、次回までは間が空くことになる。

仕方ないな。

テクニカルダイバーを目指して、フィットネスに励むことにしよう。

こっちは、自分の身体があればいいので、それ程経費は掛からない。

食費は安上がりになるしな。

しかし、クルーズ中は食ったなあ・・・。

恐くて体重計に乗れないでいる(!)。

炭水化物を控えめにして、野菜を多くとるようにした。

ビボフィット(初代)の赤いバーは、出っ放しである。

さて、明日も潜らなければならないかもしれないので、このへんにしよう・・・。

画像は、コロールのコーヒーベリーに掛けてあった洒落た看板。

座学2016年06月08日 20:12

座学
座学


1日缶詰になって、テックサイドマウントの座学を行う。

一応、第1章からやってもらった。

浮沈子はまだ、テクニカルダイバーではないのに、加藤先生(!)は、時折勘違いをして「ご存知の通り・・・」とかいって省略しようとするので、ついつい突っ込みを入れて時間が長引いた。

昼食を挟んで、第3章まで終わり、ナレッジレビューも全て終えて、明日から潜ることにして、器材の準備に専念する。

4つのシリンダーにレギュレーターその他一式をセットし、残量や呼吸が出来るかを確認する。

セカンドの一つに不具合があって、オクトパスに交換したら、ようやく収まった。

メーカーはエイペックスなのだが、機種が違うので合わないこともあるのだ。

ようやくセットアップを完了したところで、時間になり、晩飯の打ち合わせをして退散する。

頭の中は、フェザリングだとかノートックス(NO TOX)だとか、専門用語が渦を巻いていて、特に第3章関係のところについては、具体的なイメージが湧かず、とにかく後は潜ってみてからのことにして、深くは考えないことにした。

今日は、1本くらい潜ってみて、SMS100でのウエイトやバランスを見てみたかったのだが、まあ、慌てることはない。

のんびりと、マイペースでこなしていけばいい。

いつ終わることやら・・・。

SMS100には、デュアルブラダータイプのSMS100Dというのがあって、加藤先生(!)は、それを使っているようだな。

排気バルブは肩の上に2つあって、浮沈子的には使いにくそうにみえる。

シングルブラダータイプのSMS100との差は、後はインフレーター/デフレーターのホースが左右から出ているくらいだ。

見た目はほとんど同じで、これでデュアルブラダーということなら、選択肢の一つにしてもいいかなという感じ。

上方排気というのが気になるが、吸排気ホースと付け替えてしまうことも可能だそうだ。

もともと、SMS100はバランスが良さそうなので、前から気になってはいた。

明日使ってみて、使用感については、また報告する(予定)。

新調したXTX50(エイペックスのレギュレーター)の感じも良さそうだし、ウエイト(総量及び配置)さえすんなりいけば、スムーズに実技講習に入れそうだ。

エントリーの際に、水面でいかにスムーズにタンクを着けられるかがポイントだな。

それと、水中でのトリムを容易に維持することが出来るウエイトの配置を決めることが出来れば、まあ、講習は半分終わったようなものだ(希望的観測)。

今回は、とりあえず4本のタンク(80キュービックフィート2本と40キュービックフィート2本で、無事にエントリーするところまで行ければいい。

ガスの管理、ラベルの表示など、準備段階の手順がその前にあるわけで、水中でのややっこしい手順は、次回に回してもいいだろう。

練習は、デイドリーム前の水深15mを最大水深とするエリアで行う。

テックサイドマウントと謳っていても、テクニカルダイビングではないので、閉鎖環境なし、40m以深なし、減圧なし、暗闇なしのレジャーダイビングの一環として行う。

講習自体の最大水深は、30m未満で設定されているようだ。

いずれにしても、ダイビング環境としては、DD前なので、流れなし、透視度なし(!)、大物なしの、まったりとしたダイビングになる。

余計なことを考えずに、トレーニングに専念できるというわけだ。

洞窟や沈船のペネトレーションではなく、オープンウォーター環境で、浮いたり沈んだりするのがメインのダイビングしか考えていない浮沈子は、減圧ダイビングにおいてもCCR有利と考えてるんだが、加藤先生(!)は、オープンサーキットの信頼性を高く評価しているようだな。

ヘリウム混合ガスのリスクについても、浮沈子的には窒素による昏睡が怖いので、なるべく浅い水深(30mくらい)から吸いたいと思うんだが、環境(水温等)によっても、個人的な耐性によっても、そのリスクは変わってくるので、どの水深から吸うのが適正かというのは普遍的なことは言えないようだ。

このことについては、夕食時にイントラにも確認したが、経験上もさまざまな事例があり、理論的にも未知の部分があって、さらに減圧症についてはヘリウム混合ガスで発生した場合の重症度も高まるということで、必要の範囲内での使用という「個人的意見」だったな。

もちろん、ICD(アイソバリック・カウンター・ディフュージョン)によるリスクもある。

意外だったのは、CCRを使用して50パーセント以上のヘリウム混合ガスを吸った方の事例としては、寒さに震えてしまったというリスクがあったようだ。

確かに、体温の喪失という話はあるが、個人差があるとはいえ、それ程のリスクがあるとは思わなかったな。

コストの問題や、入手しやすさの問題は別にしても、どこでも誰でも気軽に吸えるガスとは言えないようだ。

もちろん、現時点ではパラオでの入手は困難で、デイドリームでも予定は立っていないようだ。

しかし、一方で、ガス昏睡のリスクは確実にあり、その環境で、その日の個人のコンディションで、どの深度からヘリウムを吸うべきかというのは、難しい判断になる。

トライミックスダイビングというのが、あまり普及していない中で、2015年4月1日からは40m以深の作業ダイビングでは、強制的にヘリウム混合ガスを吸うことになっている。

チャンバーがあることを前提とし、医療機関へのアクセスも確保された中で、様々な事例が積み重ねられていくことだろう。

もちろん、レジャーダイバーである我々が、そんなヤバイリスクを負うことは出来ない。

さらに保守的に、さらに安全性を高めたダイビングで、大いに楽しむべきだ。

それでも、避け難いリスクは残る・・・。

いくら頑強な身体でも、鉄の精神力があっても、高圧下でガスを呼吸する環境圧潜水である限り、ヤクザな世界であることは違いないのだ。

可能な限りの手立てを尽くし、楽しみに応じたリスクを受け入れ、何の問題もなくエキジットできることを前提としてダイビングする。

それしかないだろう。

もちろん、レクリエーショナルダイビングの世界でも、十分に楽しいし、世界の海を潜り尽すことなど出来はしない。

テクニカルダイビングが広げてくれる世界が、どれ程のものかは、浮沈子には良く分からないが、限られた時間と体力と先立つものを考えた時に、どちらを選択すべきかというのは難しい問題だ。

いや、だからこそ、浮沈子の場合、テクニカルダイビングの世界に首を突っ込んでみたいという気持ちになったことも事実である。

あと10年経ったら、そういうことにチャレンジしようという気にはならなかったに違いない。

シングルタンクのサイドマウントで、龍馬に乗って潜っている方がいいに決まってる!。

今だって、たぶんギリギリのところなんだろうし、講習を進めていく中で、挫折してしまう可能性は、決して低くはない。

負うべきリスクに対して、楽しみの部分が少ないと感じれば、一瞬のうちに脱落するだろう。

今日の座学は、もちろん、テクニカルダイビングそのものの講習ではない。

しかし、多くの点で、それに繋がる要素を含んだ講習だった。

一応、頭では、ぼんやりと分かったような気になったが、身体で分かっているわけではないし、分かるかどうかも定かではない。

明日からは、それが試されることになるわけだな。

それにつけても、ヘリウムのリスクについて、浮沈子は、余りにも無知であったことに改めて気づかされた(まあ、いつものことですが)。

CCRでさえ、体温喪失でヤバいことになる可能性があるわけで、これがオープンサーキットだったらと考えると、ますますテクニカルダイビングはCCRでやりたくなってきたことも事実だ。

まあ、これについても、どっちがリスキーかという話になれば、延々と続く議論があるんだろうな・・・。

画像は、龍馬1号の食事を知らせるベル。

朝昼夜と、このベルが鳴るのが、クルーズならではの楽しみでもある。

アンテロープ再訪2016年06月08日 21:38

アンテロープ再訪
アンテロープ再訪


パラオ到着後(6月1日午前1時)、直接龍馬1号に乗船し、1週間のクルーズを終えて、昨日、アンテロープにチェックインした。

寛げる・・・。

ここでは、まったりとした時間が流れている。

誰も慌てて走り回ったりはしない。

お客さんは何人かいるようだが、お互いに干渉しないような配慮をしている。

時折、話しかけられたりもするが、まあ、適当に答える。

構って欲しくないという意思を、やんわりと伝えればいいのだ。

夜の食堂(サマーハウスと呼んでいる)は、今夜も浮沈子とカウンターのスタッフだけ・・・。

昔は、ここでもホテルに宿泊している以外のお客さんにも食事を出していたようだが、現在は、宿泊客か、そのゲストだけのようだ。

午後3時までに予約しないと、夕食にはありつけないし、前日に予約しないと朝食は出てこない。

いけねっ、明日の朝食の予約をしていなかったことに気付く。

面倒くさいので、18日まで、纏めて予約をした。

この時期、雨期に入っているせいもあって、蒸し暑い。

蚊が多く、蚊取り線香が足元に置かれている。

4階の部屋にはデスクがないので、パソコンを打つときには食堂に降りてきて打つのだが、この蒸し暑さは堪えるな。

今夜は、そよとも風が吹かない。

まあ、そんな晩もあるさ・・・。

穏やかな時間だけが過ぎてゆき、蚊取り線香の渦巻きが短くなっていく・・・。

1週間、龍馬1号にゆられて、下船してみると、揺れていないのが不思議な気がしてくる。

陸酔いというのではないのだが、揺れるだろうと体が構えている。

人間が陸生動物になってから、随分と時間が経っているに違いないのだが、波に揺られていたころの記憶が、どこか奥深いところに仕舞われているのかも知れない。

そういえば、船で揺られているうちに、その揺れが心地良くなってきた瞬間が何度かあったな。

しかし、その記憶は、もっと最近の、ゆりかごで揺られていたころのものかもしれない。

さて、我が家にゆりかごなんて、あったかな?。

まあいい。

遠い遠い、或いは、やや遠い記憶を手繰りながら、世界がゆったりと揺れていたころの感覚を再び味わう。

船旅の情緒は、そんな記憶をベースにしているのかもしれない。

今回は、本当に天気に恵まれた航海だったな。

昨夜、再び出港した龍馬1号は、波が荒くて往生しているという連絡もあったようだ。

ゲメリス方面に行った高速船も、外洋には出られなかったそうだしな。

自然相手の遊びは、そういう不確定要素が付きまとう。

それは、陸上でも、人間の作り上げた人工環境である都市でも同じことだ。

立派な道路を作り、橋を架け、ビルを建てても、それだけでは生活は出来ない。

そこへ水や食糧を供給しなければならないし、ガスや電気も送らなければならない。

南の島に来ると、そんな当たり前のことに、今更ながら気づかされる。

どこにいても、人間は、自然の脅威から逃れることは出来ないし、自然の豊かな恵みに頼って生きている存在なのだと・・・。

また、こうも思うのだ。

その中で、たった一人で生きている人間はいない。

どこかで助け合い、頼り合っている。

無人島ならいざ知らず、今回訪ねた島々では、わずかな人数で暮らしを切り盛りしていたし、島の外部からの支援も大きいだろう。

我々は、もちろん歓迎されているには違いないが、所詮はお客さんとしてお邪魔しているに過ぎない。

そして、そこには裸の自然がそのままあり、人々はそれと寄り添って生きているのだ。

東京という大都会の片隅で棲息している浮沈子にも、そのことは分かる。

しかし、たぶん、頭で分かった気になっているだけで、骨身にしみて分かっているわけではないのだろう。

ウミガメの産卵をヘレンで見た時には、夜空は満天の星だった。

夜にも関わらず、海鳥たちの鳴き声が騒がしく、いささか情緒を削いでくれてはいたが、この星の生き物たちが、星屑から生まれたということを確信させられた。

赤道まで数百キロの島で見える星々は、半分近くは見慣れない星座だったが、まあ、その辺はどうでもいい。

北斗七星も、さそり座も、火星も、土星も見えていたし、明け方にはカシオペアも上がった。

北極星は、水平線の上に、かすかに顔を出しているだけだったな。

そんなことを思い出しながら、蒸し暑いアンテロープでの夜をうだうだと過ごす。

何人かの宿泊客やスタッフが、食堂に立ち寄りはしたが、再び静かな時間が流れ出している。

テレビでは、113番元素が、ニホニウム(Nh)という名前になりそうだと報じている。

まあ、どうでもいいんですが。

宇宙が作りだせなかった元素を、一瞬、人間が生み出して名前を付ける。

それは、直ちに分解して、別の元素になってしまうようだが、何か我々の存在を象徴しているような気がしないでもない。

浮沈子は、地球外知的生命の存在には懐疑的で、ヨタ話以上のものではないと思っている。

そして、何億年か後に、地球上の生命がみんな滅んでしまったら、当分、この宇宙を認識する存在は現れないのではないかと考えている。

113番元素のようなもんだな。

一瞬の存在に、名前を付けているだけかもしれない。

それが意味のない事とは思わないし、その短い時間の中で、歴史を刻み、精一杯生き抜くことしか出来ないのだ。

ああ、こういうことは、やはり東京の片隅にいると考えづらいかもしれないなあ。

脳みそを、1週間揺すられ続けて、少し柔らかくなったのかもしれない。

さて、明日からの実技講習に備えて、早めに休んでおこうかな。

今朝は、電池が切れて、部屋の目覚ましが鳴らず、もう少しで朝食を食べそこなうところだった!。

そういえば、前回の宿泊の時も、別の部屋だったが、目覚まし時計の電池(珍しい単二)が切れていたっけ・・・。

画像は、部屋の窓から見た龍馬1号(6月7日午後撮影:白い船の方です)。

航海2016年06月09日 08:32

航海
航海


正確な距離は、ちょっと調べていないが、パラオのコロールから船出して、ソンソロールを経由してヘレンまで行くとなると、600km近い。

帰りは、トビ、メリル、プルアナに寄っているので、往復では約1200kmを航海したことになる。

最大船速10ノットくらいの龍馬1号での航海であることを考えれば、大航海だな。

1カイリは1852mだから、ざっと60時間以上を走り続けた計算になる。

トビからメリルまでは、燃料消費を考えて4ノットくらいだったようだから、さらに長時間掛かっている。

2隻のテンダーを曳航しながらで、そのせいもあるのかもしれないが、遅すぎ・・・。

パラオスポートに乗った時も、遅いと感じたが、その上を行く。

それを考えると、おがさわら丸(浮沈子が乗ったのは2代目)などは、超高速船ということになるな(20ノット以上)。

片道1000kmを26時間で走る。

龍馬1号を、おが丸と比較するのはちょっと無理があるが、外洋航海という点では変わらない。

今回は、海が穏やかで、海象に恵まれたこともあって、激しい揺れはなかったが、ベッドのマットに身体が沈み込むようなピッチングと、胃袋が頭と足の方に交互に移動するのが感じられるローリングは、しっかりとあった。

ちょっと荒れた海になったら、確かにどこかで降ろしてもらいたくなるような予感がする。

しかし、パラオスポートに比べて船室は広いし、料理の種類は多いし、スタッフのホスピタリティは高い。

リーフの中を走る分には、双胴船の良さが発揮されて、言うことはないともいえる。

事実、ヘレン環礁の中とか、パラオの内海を走っている時の滑るような乗り心地は特筆ものだ。

荒れた海で乗りたい船ではないような気がする。

もともとは、内海のクルーズ船として建造された船を買い取って改造したということなので、そこは仕方ないだろうし、その船に合った海域で運用する分には申し分ない。

ダイビングボートをドッキングするデッキが狭いとか、ウエットで駆け込めるトイレが限られているなど、専用設計ではないことによる細かい不満はあるものの、穏やかな海で使うには十分だ。

だから、外洋を1000km以上も航海するということになれば、ある意味でちょっとした冒険でもある。

海洋という自然のど真ん中を進むわけだから、何が起こるかは分からない。

操舵室にはオートパイロットがあって、夜間はレーダーを使って安全航海のための装備は整っていたが、周りに島影一つない中を進んでいくのはそれだけで大変な話だ。

夜中に何度か一人で最上階の甲板に上がり、ベンチに横になって星空を見上げたが、時折横切る人工衛星くらいしか人工物は見当たらないわけで、この世界にぽつんと存在するこの小さな船が、なんとなく頼りなげに思えたのも事実である。

真っ暗な海面を、軽く揺すられながら走り続けるカタマラン艇。

船室の内装が、揺れに合わせてきしむ音がするのには驚いたが、慣れてしまえば子守歌だ。

日本から見れば、遥か南方にあるパラオだが、そのさらに南西に位置するパラオの南西諸島。

鏡のような礁湖を湛えるヘレン環礁は、赤道までわずかなところにあり、浮沈子が今まで行った中で、最も南に位置する場所だ。

1週間の航海を振り返って思うのは、船という人が作りしものの存在感、そして同時に海洋の中での頼りなさ、それに頼り、航海を続ける人間の営み、もちろん、大洋の広さと大きさ。

もっと短い航海や、長期に渡る航海では感じることのないだろう、独特の感慨があった。

ダイビングだけではない、この本格的な航海の魅力が、ヘレンクルーズの唯一無二の魅力だな。

さあ、陸に上がった浮沈子は、今日もこれからテックサイドマウントの講習になる。

今日から2日間の実技。

起き抜けに降っていた雨もやみ、眩しい太陽が照らしている。

この強烈な日差しは、ヘレンもパラオもあまり変わらないな・・・。

画像は、ヘレンの礁湖の中の湖水のような海面(まあ、礁湖だから、湖水でいいのかも・・・)。

久々イドマウント?2016年06月09日 17:41

久々イドマウント?
久々イドマウント?


1本差しのサイドマウントは別として、テックサイドマウントは、1月3日以来となる。

ホリスSMS100も初めてならば、ステージボトルとして、40キュービックフィートを2本使うのも初めてである。

加藤先生(!)は、いきなり4本着けてバランス見ましょうか?、と攻めてきたわけだな。

BCも初めてなら、適正ウエイトも見えない中、いきなり4本かよ!?。

まあ、どうでもいいんですが。

IOPでは4本着けたしな。

ちょっと太めの7リッターアルミタンクだったけど、メインのほかに2本着けて泳いだ。

ほぼ半年ぶりの4本差し・・・。

タンクのマウントはバラバラで、浮いたり垂れたりしていたが、とりあえずは潜って泳いだ。

午前中2本、午後1本潜って、まだコンフィギュレーションは決まらない。

ウエイトは8ポンド付けているが、全部仮留めで動きまくる。

足が下がっているらしいが、本人は一生懸命上げているつもりだ。

ヘリコプターターンが上手くいかないし、バックキックも進まない。

もちろん、全てはトリムが取れていないことが原因である。

その対策としては、ウエイトを適正な場所に着けることに尽きる。

それが見当たらず、大いに苦労している。

明日も、その微調整を繰り返しながらDD前でスキルの練習・・・。

傍から見ている人(といっても、スタッフですが)にしてみれば、何が面白くてあんなにたくさんタンクを抱えて潜ってるんだろうと思っているに違いない。

今回は、本当に、最初のダイブの課題が出来るかどうかというところだ。

急ぐことはない。

サイドマウントのコンフィギュレーションを、タンク4本で作ることが大変なのはわかっている。

Dリングの位置、タンクベルトの位置、ウエイトの位置、総量、左右のバランス、全てが身体の動きでカバーできる範囲を超えている。

ショルダーベルトの、5cm離れたDリングに2ポンドのウエイトを掛け変えただけで、前後のトリムが激変する(もちろん、左右にも影響が出る)。

明日は、スナップ留めではなく、BCの背中のスリットを利用して着けてみよう(まだ、仮留めですが)。

SMS100の着心地は悪くない。

というか、2本差しなら直ぐにでも普通に潜れそうだ。

BC側にウエイトポケットはなく、ウエイトベストか別途ポケットを着けるしかない。

排気が上方排気になっていることについては、慣れの問題だな。

しかし、どうしても一瞬、腰の方に手が動いてしまう。

まあ、これも慣れというもんだろうけどな。

思ったよりも、あっさりと潜れてしまったことと、解決すべき課題が山積していることが交錯して、微妙な感じだが、対応策は限られている。

試しに、持参したウエイトベストを着てみようかとも思っている。

ヘレンクルーズで、ルーズになった浮力調整・・・。

こんなことなら、SMS100を借りて行って、少し練習して来ればよかったかもしれない。

でも、まあ、1本差しのサイドマウントの気軽さを満喫できたわけだから、これはこれで良かったのかも・・・。

夏は、いろいろ日程の都合がつかないので、テックサイドマウント講習はとりあえず明日でおしまい。

明後日からは、CCRの講習が始まる。

ああ、浮力調整が、またシビアになるわけだ!。

我ながら、ヘンタイダイバーだとつくづく思うが、しかし、浮沈子は、自慢じゃないがテクニカルダイバーではない。

レクリエーショナルレベルで遊んでいる、ふつーのダイバーに過ぎない。

ここ何年もヘリウム吸ってないし、減圧ダイビングもしていない。

明後日からの講習では、エアディリュエントながら、何年ぶりかの減圧ダイビングも予定されている(たぶん)。

しかし、まあ、今日のホバリングをイントラが見てたら、考えが変わるかも知れないな。

水深6mと7mの間を、行ったり来たりしながら、あちこちうろうろ動いてしまう・・・。

慣れない器材とはいえ、ちょっと様にならない。

ただ、浮沈子的には、満足のいくダイビングであったことも確かだ。

もちろん、ヘレンクルーズは素晴らしかったし、生きのいいサンゴや群れを成すサカナたちの世界に身を置いて、癒し系のダイビングをするのは楽しい。

また、大勢で乗り合い高速ボートでブルーコーナーの激流の中、自分を凧揚げしながら目の前で繰り広げられる天然水族館の巨大水槽を眺めるのもダイナミックだ。

しかし、あれだな、この透視度10m以下のDD前で、しこたまタンク抱えて、ろくすっぽ泳ぎもしないで、浮いたり沈んだり(ホバリングが決まらないので)しているのも悪くない。

今日のように、午前中の2本が終わって上がってくれば、温水シャワーを浴びて乾いた服で昼飯(ドラゴン亭の愛菜弁当)を食べられるし、板敷きの部屋で横になって、短時間の転寝をむさぼることも可能だ。

セーブしようとしているコーヒーも、飲み放題だしな・・・。

今、夕方になって雲が多くなってきたが、昼頃までは、南国の青空と強烈な日差しが照り付けて、絶好のダイビング日和だった。

加藤先生の指導よろしきを得て、順調な滑り出しを見せた、南の島でのテックサイドマウント講習。

日本とパラオのダブルで進行している講習だが、いったいどうなることやら・・・。

ちなみに、例によって、講習中は写真を撮らないので、水中での画像はない。

トリムや問題点は、加藤先生のご指導にお任せしている。

助言を頂いて、その通りにするかどうかは生徒側の問題だ。

達成条件を満たせなければ、コースは終了しない。

ちなみに、画像は昨日準備したままの状態で撮ったタンクである。

メインのファーストはヨーク、ステージのそれはDINと、有り得ない組み合わせだが、まあ講習なのでいいかなと・・・。

ゲージもセカンドも、ばらばらの寄せ集めだが、まあ、今のところはこれでいいか・・・。

オープンサーキットでのテクニカルダイビングに、やや引いてしまっている浮沈子だが、この先続けるつもりなら、せめてファーストの接続は統一しないとな。

スキルの中では、緊急時対応ということでファーストステージの交換をシミュレーションするのだが、現実の問題としては、ステージのファーストをメインに移さなくてはならない場合だってあるかもしれない。

六角レンチを水中で突っ込んで、アダプター回せばいいのかもしれないけど、そんなことするなら揃えてしまった方がいい。

問題は、どっちに揃えるかということだが、今までは、テクニカルならDINバルブと相場が決まっていたようだが、最近はヨークで揃えるのが流行っているらしい。

世界中どこに行っても手に入るし、40キュービックフィートのステージも、アダプターねじ込んで簡単にヨークにできる。

ぶつけた時に外れる危険があるとかなんとか、いろいろ蘊蓄はあるようだ。

ちなみに、デイドリームのテック用に用意されているメインタンクは、DINにも変更できるので、ここで潜る分にはDINに揃えた方がいいという考えもある(要確認)。

穴系のダイバーとかは、バルブ周りが重くなったり、かさばるのを嫌がってDINを選択するというのもあるかもしれない。

浮沈子は、あまり詳しくないので、この話題には深入りしない(できない?)。

まあ、要するに、浮沈子が柔軟なコンフィギュレーションで講習を受けているということの象徴だな・・・。

器材に対するこういう甘い考え方が、いざという時に生死を分けたりするわけだから、本来、疎かにしてはならないところだ。

まあ、今回は、それでもいいということだったので、甘えてしまっている。

1枚の画像から、浮沈子の本性が曝け出されてしまっているわけで、これまた、テクニカルダイビングの精神に悖るところだ。

とりあえず、1日目の実技は終わり、明日のダイビングへと進むことが出来たことに感謝しよう。

アンテロープの食堂では、今日から宿泊するお客さんが申込書を書いていたが、それも終わって部屋に入ったようだ。

蚊取り線香をダブルで焚いても、猛烈に襲ってくる蚊を撃退することは出来ない。

ローカルは刺されないのかなあ?・・・。