電動トラック2016年07月30日 08:41

電動トラック
電動トラック


ベンツよ、お前もか!?。

(【Urban eTruck】100%EVの大型トラック---メルセデスベンツが発表)
http://carview.yahoo.co.jp/news/newmodel/20160729-10249027-carview/?mode=full

「Urban eTruckは、総重量25トンクラス、航続距離200kmのEVトラックとしては世界初の発表となる。」

これなら、都市圏だけ走れればいいから、実用になるかも知れない。

「充電時間は、80%充電で2時間前後、100%充電で2時間以下(充電ステーションの出力定格が100kWの場合)を目指す。」

効率を追求する運送業界で、やっていけるかどうかが問題だな。

しかし、規制が厳しくなれば、手を出さざるを得ないだろう。

「環境問題から、ロンドン、パリ、中国などでディーゼルトラックは排除される方向にある。」

「新技術の投入は、早すぎれば市場が受け入れられず失敗し、遅すぎると市場で優位なポジションが得られない。」

おっしゃるとおりだ。

トラックの電動化という話では、こんな記事もある。

(スウェーデン、世界初の電気自動車専用の架線道路が開通)
http://business.newsln.jp/news/201606270122490000.html

「2キロ区間だけ試験的に作られたもので、電車の電化区間のように電気を供給する架線が道路の上に設置してある」

「大型のバスやトラックなどにパンタグラフを設置することで、この電気自動車専用架線道路を走行する際には、バッテリーなどに依存することなしに100%外部からの電力供給で電気自動車を動かす」

昔懐かしいトロリーバスというヤツだな。

(トロリーバス)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%90%E3%82%B9

「「トロリー」とは集電装置のこと。」

「略してトロバスとも呼ばれる。」

ホントかよ!?。

トロいから、とろばすなのかあ!?。

まあ、どうでもいいんですが。

昔、黒部ダムに行ったときに乗ったことはある。

(日本唯一のトロリーバス|黒部ダムオフィシャルサイト)
http://www.kurobe-dam.com/trolleybus/

「一昔前は都市部を中心に運行され「トロバス」の愛称で親しまれた交通機関でした。」

ホントだ・・・。

最近のトロバスは、VVVF(和製英語だそうです)になって、効率的に走ることが出来るようだな。

まあいい。

高速道路をパンタグラフを背負った大型トラックが走り、都市部はバッテリー式のトラックに積み替えて配送するというスタイルになるのかもしれない。

トレーラーの場合は、トラクターを付け替えて運用する。

そうすれば、郊外の物流基地をベースに運用することが出来るようになり、200km程度の航続距離でも、何とかなるかも知れない。

バッテリー式では長距離走ることが出来ないから、電気自動車の普及はトラック部門には及ばないと考えていたんだが、こういう手があったかという話だな。

しつこく、宇宙放射線2016年07月30日 23:45

しつこく、宇宙放射線
しつこく、宇宙放射線


地磁気による遮蔽効果がないので、宇宙放射線を浴びながらの航行は、人体にとって過酷になる。

(宇宙飛行士)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2016/07/29/8141873

「地球のバンアレン帯を超えた宇宙飛行を行い高レベルの宇宙放射線に晒されたことにより一部の血液細胞が破壊されるなどの影響を受けたことが原因とみている。」

もちろん、地球大気が放射線を次々に散乱させて、そのエネルギーを削いでくれるということも、忘れてはならない。

(星間旅行者を宇宙線から守る)
http://www.nikkei-science.com/page/magazine/0606/space-ray.html

「宇宙線の襲来から地上の人間を守っているのは,一般的に考えられている地球の磁場ではなく,大量の大気だ。」

この後、ぐちゃぐちゃ説明がある。

「大気圏外では,宇宙線の照射は強烈だ。毎秒,爪の先ほどの面積につき約1個の陽子または重粒子が通過し,人体全体では合計で毎秒5000個のイオンが通過する。」

「この放射を1週間や1カ月浴びても重大な結果にはつながらないが,2~3年がかりの火星旅行となれば話は別だ。米航空宇宙局(NASA)の推定では,宇宙線により,1年間で宇宙飛行士の体内のDNAの約1/3が切断されることになる。」

もちろん、生体にはこれらの傷を修復する機能もあるし、修復不能な場合は、細胞ごと廃棄する働きもある。

(宇宙放射線)
https://edu.jaxa.jp/seeds/pdf/2_radiation.pdf

「宇宙放射線を遮蔽する地球大気と地球磁場のそれぞれの果たしている効果の割合について、地球磁場が消滅した場合を見積もると(実際、過去に地球の磁場が消滅した例が地球の歴史上何回かあったことが分かっているが)、地上での放射線被曝量は 14%程度増加するという。」

「生体内には修復系とよばれるシステムが存在し、傷害を受けたDNAを日々見つけてそれを直す、あるいは修復不可能と判断されたDNAをもつ細胞は身体から除去されている。この生体防御システムのおかげで、実際時間をおくことにより大きく回復することが見込まれる。」

その修復機能自体も傷害を被るわけだから、甘く見てはならないと浮沈子は考えている。

実際、地球磁気圏の外で、数年に渡り、長期に宇宙放射線に晒され続けた人類など、誰一人としていないわけだしな。

この資料で想定されている放射線の生物影響は以下の通り。

「放射線の生物影響:
・身体的影響
・・急性症状
・・・皮膚の紅班
・・・脱毛など
・・晩発症状
・・・白血病
・・・ガン
・・・白内障など
・遺伝的影響
・・代謝異常
・・軟骨異常など」

浮沈子の初出の引用記事で取り上げた循環器系障害は、少なくとも明示的には含まれていない。

(将来は火星へ。次世代大型ロケット「SLS」とオリオン宇宙船の歩みをNASAが公開)
http://sorae.jp/10/2016_07_29_nasa.html

「将来的には火星への有人探査をも計画しているこれらの宇宙船とロケットは、2018年に初の無人試験機の打ち上げを予定しています。」

相変わらず、楽観的なことを考えているようだが、宇宙放射線の影響を考えたら、有人惑星探査などできるわけがないことは明らかだろう。

「宇宙船居住区周りの強力な磁界発生システムの開発、あるいは宇宙エレベーターのような未来技術の誕生を待ってして、有人火星ミッションは現実の計画として本当に動き出せるのかもしれません。」

つまり、現状では無理ということになる。

その見通しもないまま、公共事業としての有人深宇宙探査計画は進行している。

SLSについては、それでなくても批判が強い。

(スペース・ローンチ・システム:批判)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0#.E6.89.B9.E5.88.A4

「他の宇宙計画の領域からの、共食いをしている」

「SLSが、NASAの予算から他の計画のための資金も浪費し、また発射にかかる経費と重量の比率を減らすこともできない」

「議会の命令がNASAに対し、SLSの装備用にスペースシャトルの装置を使うよう強制していると主張した。」

「結果、事実上非競争で、単一のソースにより既存のシャトル製造企業に契約の保証が要求される」

「スペースX社のCEOであるイーロン・マスクは、彼の企業が1機を25億ドルで建造できることを述べた」

要するに、スペースシャトルのシステムを流用するという、もっともらしい理由で、競争を阻害し、他のメーカーの提案を排除するものだといっている。

浮沈子が指摘したいのは、そもそも、有人深宇宙探査が無謀だということなので、どこがやろうが、いくら掛かろうが、そっちの方はどうでもいい。

ちょっと古いが、こんな記事もある。

(宇宙の放射線障害、最新研究:人は宇宙で長期間活動できるのか)
http://wired.jp/2014/05/09/radiation-risk-iss-mars/

「長期宇宙飛行で問題となるのが、銀河宇宙線が人体に及ぼす影響だ。火星ミッションの場合、寿命は平均より15~24年短くなると推定する研究が発表された。」

「宇宙飛行中に、抗酸化物質や、アスピリンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を投与することで、深刻な影響をいくらか抑えることができるかもしれない」

まあ、気休めだな。

今のところ、宇宙放射線を確実に防御する現実的な方法はない。

90cmの厚さになる鉛の壁を持った、超重量級の宇宙船を作るか、副作用の方が重篤になりそうなドーピングを施すか、実現可能性が疑われる超電導磁石で発生させた磁気バリアーで守るか・・・。

(宇宙放射線 ぬれタオルで4割低減 放医研、ISSで効果確認)
http://www.sankei.com/life/news/140120/lif1401200027-n1.html

「飛行士が体を拭くためISSに大量に常備されているぬれタオルに着目。ロシア、チェコの研究機関と共同で2010年、未開封のぬれタオルを厚さ7~8センチに重ねた壁をロシア棟内に設置し、効果を調べた。」

「その結果、通常の放射線量は1日当たり平均962マイクロシーベルトだったが、ぬれタオルの壁を作ると593マイクロシーベルトに減ることを確認した。」

(宇宙滞在中の宇宙放射線被ばく線量の大幅な低減法を初めて実証
―有人宇宙探査に向けた宇宙飛行士の被ばくリスク低減に大きく貢献―:元記事?)
http://www.nirs.go.jp/information/press/2013/12_27.shtml

「二次的な放射線が発生する割合が金属素材よりも小さく、さらに中性子線の遮へい効果にも優れている「水」を遮へい材としての利用を考え、入浴設備が無いISSで身体を拭くために大量に常備されているウェットタオルに着目しました。」

「37%の被ばく線量の低減効果を実証」

コロンブスの卵的、シンプルな解決方法に拍手なんだが、その後、どうなったかは分からない。

ISSの乗員の身体が臭くなったとか(ウエットタオルを使えなくなったため?)、そんな話は聞かない。

水が、宇宙放射線に対する遮蔽に有効という話は、この実験の前にも記事になっている。

(火星旅行に大量被曝のリスク)
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/8027/

「宇宙線は現行の宇宙船に用いられているほとんどの材質を通り抜けてしまうが、水に含まれる水素の防護効果が非常に高いことが知られている。」

「そこで火星への飛行計画では、特に宇宙飛行士が眠るエリアを中心に、緩衝材として宇宙船の金属製外層内に水をためておく案が盛り込まれていることが多い(この水は飲料水や洗浄用、また将来的には植物の栽培用などに使われる)。」

4割でも減らせないよりははるかにいいが、それでも、強力な放射線から人体を守るには十分とはいえないだろう。

たかだか、惑星間航行のレベルで、これだけの問題があるんだから、恒星間航行になれば、超強力な銀河宇宙線をもろに浴びながら進むわけで、ウエットタオルくらいではどうしようもないだろう。

使えなくなったら、臭くなっちまうしな・・・。

まあいい。

水素ガスが、被曝傷害を防ぐという話もある。

(分子状水素(H2)は宇宙飛行士の被曝を防ぐ)
http://www.bea-sta.com/literature_130102.html

「放射線障害は放射線によって生じる酸化ストレスに起因するところが大きく、臨床症状の発現あるいは発症する前に酸化ストレスを防ぐ事が重要」

「分子状水素(H2)を初め、これらの治療用ガスは心疾患、ガン、慢性炎症、高血圧、虚血再還流障害、急性呼吸器疾患、パーキンソン病やアルツハイマー病等で認められた酸化ストレス抑制作用による疾患の予防・改善作用と同様に宇宙飛行中の放射線障害に対しても有効である事が期待できる。」

(A HYPOTHESIS ON BIOLOGICAL PROTECTION FROM SPACE RADIATION THROUGH THE USE OF THERAPEUTIC GASES:原論文)
http://ntrs.nasa.gov/archive/nasa/casi.ntrs.nasa.gov/20110010222.pdf

出所が出所だけに(水素水情報館)、ちょっと眉唾だが、論文の主旨は分かるような気もする。

(水素水)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E7%B4%A0%E6%B0%B4

「医療の分野では、認可されている効能は、アルカリ性電解水を生成できる整水器における、胃腸症状の改善である」

今後の研究に期待というか、藁にも縋る思いというか。

水素水は、大井町のフィットネスクラブでも販売されている。

浮沈子は、東京都水道局謹製の、普通の水道水を飲んでいるが、胃腸はすこぶる快調で(快調過ぎて)、食欲には何の問題もない(それが、まあ、別の問題ではあるがな)。

さて、放射線を遮蔽したり、生体内での酸化作用を抑えたりと、様々な対策を採ろうとしているが、宇宙空間で放射線を浴びることについて、根本的な解決方法は今のところない。

滞在期間を短くするのが、最も有効だ。

国際線のパイロットが、高空で放射線を浴びるといわれているが、宇宙飛行士に比べれば、屁のようなもんだ(数百分の1程度)。

浮沈子のように、年に数回、短時間の被曝に晒されるのは、全く問題にはなるまい。

大気の底で、何十億年も守られ続けた状態で棲息してきた地球生命としては、焦って宇宙空間に進出していく必要はないのかもしれない。

酸素だって、昔は地球上にはなく、今でも生体にとっては毒である。

地球生命は、この酸素をエネルギーとして利用するために、染色体を核膜にしまい込んだり、抗酸化作用を発揮したりして、進化の過程の中でそれなりの対応をしてきたわけだ。

将来、宇宙放射線に対する生態的防御機構を特異的に進化させることが出来れば、何の苦もなく恒星間航行などが出来るようになる可能性はある。

火星なんて、近所の旅行は、全く問題なく出来るようになるだろう。

少なくとも、数億年は掛かるかも知れないけどな。

その頃の人類は、きっとゴキブリとのハイブリッドになっているかも知れない。

(核戦争後に地球を支配するのはゴキブリなのか?)
http://gigazine.net/news/20130406-nuclear-goki/

「ゴキブリに照射された放射線量は1000rad、1万rad、10万radの3種類。1000radは人間だと10分で死に至るというほどの放射線吸収量ですが、ゴキブリは半数が生き残りました。また、1万radでも10%が生き残り、10万radだとすべてのゴキブリが死亡しました。」

「自然界にはゴキブリよりもはるかに放射線に強い生物が多く存在していて、たとえばコマユバチはゴキブリが全滅する10万ラドの放射線吸収量でも生存が可能。」

恒星間航行とか、地球生命の歴史を変えるような途方もない話は、長い目で見ていかなければならないのかもしれない。

工学的に可能かどうかということよりも、宇宙放射線に対して、生物学的に可能かどうかが問われることになるだろう。

もっとも、マイクロマシンと遺伝子工学の進歩で、損傷した遺伝子を生体工学的に修復できるようになれば、ゴキブリとのハイブリッドという、余り気持ちの良くない話は、避けて通れるかもしれないけどな・・・。