植民2016年08月04日 10:28

植民
植民


いろいろ調べていたら、以前にどこかで読んだことがある話が出ているページを見つけた。

(火星植民地のパイオニアになろう!)
http://metamorphose-planet.blog.so-net.ne.jp/2010-11-04

「火星への有人飛行計画で、NASA(米国航空宇宙局)が帰還を考慮しない有人飛行を計画している」

「同計画についてがSchulze-Makuch教授とDavies教授の二人が講演会を行ったところ、最初の火星パイオニアになることを希望する科学者たちがたくさん出たとのこと。」

(Is NASA Covering Up the 100-Year Starship?:元記事?)
http://www.foxnews.com/tech/2010/10/29/nasa-cover-up-hundred-year-starship.html?test=faces

民間の片道切符の話が出てくる以前の話だ。

(マーズワン)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%AF%E3%83%B3

「2025年までに火星に人類初の永住地を作ることを目的にするオランダの民間非営利団体」

「宇宙飛行計画は2012年に発表され、4人の宇宙飛行士を送る予定」

浮沈子に言わせれば、どちらもヨタ話に過ぎないんだが、世界中の人々の中には、酔狂な連中が大勢いるということも分かった。

「2013年12月30日、約20万人の移住希望者の中から日本人10人を含む1058人の候補者を選んだと発表した。」

有人宇宙探査につて、JAXAがシンポジウムを開いたことがあるようだ。

(有人宇宙探査の意義を考える~日本人はなぜ宇宙へ行くのか?~)
http://www.jaxa.jp/article/special/space_exploration/index_j.html

パネルディスカッションも行われた。

(パネルディスカッション「ヒトはなぜ宇宙に行くのか?」)
http://stage.tksc.jaxa.jp/astrosym/astronaut20/event01/report_detail02.html

「人間の冒険心だとか、知的好奇心だとか、「宇宙って何だ」「人間って何だ」「僕らはどこから来て、どこへ行くのだろう」「人間って何だろう」「どうやったら幸せになれるのだろう」「どんな社会をつくればいいのだろう」という知的好奇心を働かせて、自分の世界を広げてきたのが人間の進化でした。」

そういう言い方をすれば、まあ、おそらく誰も否定はできない(実際に、人間が行くかどうかは別にしてもだ)。

だいたい、こういう場に呼ばれたりする連中は、本音はイケイケドンドンのヤツばっかしだからな。

立花隆だって、最後は本音をゲロしている。

「日本は宇宙開発にもう少し金をかけてやっていくべきだと、本心ではそう思っています。」

浮沈子が考えさせられたのは、人間の中に、そういう拡張主義というか、植民主義というか、自分たちの生活圏を広げたいという本能的ともいえる欲望がインプリントされているかもしれないということだ。

地球上にだって、人類が継続的に住めない場所は多い。

空の上や、海中だけではなく、空気が希薄な高山や極地などに永住することは出来ない。

短期間、支援を得て、留まることは出来ても、そこで生活することは難しい。

南極とかは、極めて例外だな。

物流が発達した現代、我々は意識することは殆どないが、都市は、本来、人類の生存に適したところではない。

営巣し、外部からの物資の供給を受けて初めて成り立つ生存の場ということからいえば、南極と変わるところはない。

(都市)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%83%BD%E5%B8%82

「商業、流通などの発達の結果、限られた地域に人口が集中している領域」

「都市にはライフライン、食料の供給と水、電力、通信などの手段が、都市における住民の生活を維持し、その他の都市とのつながりを確保する手段として必要とされる。」

宇宙へ進出しようとしている人類は、当面、この都市のように、地球からの支援を受けて生活を維持せざるを得ない。

いきなり、独立した経済を営むわけにはいかないのだ。

「世界最大のメガシティは人口3500万人を超える東京圏である。」

その一角にいながら、浮沈子は自分が宇宙コロニーの中にいるという実感は持ったことがない。

空梅雨で、ダムの貯水量が少ないという話にしても、大震災が起こって、交通機関がマヒし、物流が深刻な影響を受けるという話にしても、自分が孤立した状況でサバイバルしなければならないという危機感はない。

飼いならされ、依存した生活に慣れてしまっている。

溜め込んだ皮下脂肪以外の災害対策はしていないわけだな。

まあ、どうでもいいんですが。

現代において、人類の多くが都市に住んでいることを考えれば、たとえそこが補給を受けなければ生活が営めない宇宙空間のようなところであったとしても、すんなりと馴染んでしまうのかもしれない。

適度な気晴らしさえあれば。

宇宙植民だって、その意味では、投資価値があれば、意外に抵抗なく受け入れられてしまうかもしれない。

技術的な問題とか、経済効果とか、その辺りが整理される必要はあるだろうけど。

ワンポイントで行くことと、継続的に滞在すること、世代交代を重ねて永住することは、プロセスとして区別するべきだろうが、一連の流れの中にある。

たとえば、月は、ワンポイントだが、地球低軌道はISSによる継続的な滞在、南極の大部分と同じだが、永続的な居住は地球上だけだ。

(アルゼンチン領南極)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%BC%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%B3%E9%A0%98%E5%8D%97%E6%A5%B5

「エスペランサ基地では人類初の南極生まれの子供が生まれている。」

「1991年の時点で、南極のアルゼンチン基地では合計142人の「常住住民」がおり、うち未成年が19人を数えた。ここで「住民」とされるのは南極生活をする軍人や科学者の家族、および2年以上南極で生活している科学者らが含まれている。うち男性は121人で女性が21人であり、ほとんどはエスペランサ基地に住んでいた。エスペランサ基地では彼らのための学校やラジオ局も成立している。1998年から1999年にかけての期間、アルゼンチン領南極で冬を越した人口は165人であった。」

スペイン語のウィキには、人口統計も出ている。

「国勢調査:
1991年:142人
2001年:163人
2010年:230人」

ISSで子供が生まれたりしたら、国籍はともかく、誕生日とか難しいだろうな。

まあいい。

浮沈子は、何度も書いているように、本音でも、建て前でも、有人宇宙開発には否定的だ。

有人火星探査には、明確に反対である。

ただ行くだけでも、リスクが高過ぎる。

先々、継続的滞在や植民が見込めるならともかく、現時点では、技術的にもその見通しはない(月も同じ)。

有人探査の最終目標とされているが、どう考えても中途半端だ(なんで、木星圏じゃないんだあ?)。

もとより、経済的なメリットは何もない。

精神的な価値は計り知れない(文字通り、計量できない)だろうが、それは、政治過程を経て計量可能になる。

浮沈子は、反対票を入れるだろうがな。

それは、人類が決めることだ。

植民として行きたい人が、何十万人もいて、生中継で観たい人が何十億人も見込まれているなら、商業ベースで実現することだって可能かもしれない。

しかし、植民地からの撤退は悲惨だろうな。

放棄された時には、その地で生き延びることは出来ない。

もちろん、片道切符なので、還ってくることは出来ないのだ。

(Neil Sedaka - One way ticket (to the blues) - 1959:動画出ます)
https://www.youtube.com/watch?v=xGGU-15Tt6M

(恋の片道切符 ニール・セダカ:Neil Sedaka – One Way Ticket)
http://www.magictrain.biz/wp/?p=17178

浮沈子も知らなかったが、カタログソングだったわけだな。

まあ、どうでもいいんですが。

人類の地平の拡張は、究極には植民がある。

我々の祖先が大洋から陸地に上がり、紆余曲折を経て世界中に広がって、陣取り合戦でドンパチやらかすようになったのは、そもそも、そういう本能があったからなのかもしれない。

理屈じゃないんだ、きっと。

それにしても、やはり、最後は経済的に見合うかどうかで判断されるんだろう。

月は、一度は見放された土地だ。

地球低軌道は、無人衛星なら経済価値があると見做されているようだ。

静止軌道は、ちょっと遠いけど、これも価値がある。

地球ー月や、太陽ー地球のラグランジュ点も、経済的にはともかく、科学的な観測上の価値はあるに違いない。

しかし、それ以外は、積極的に追い求める価値はない。

地球低軌道の有人衛星(ISSとか、天宮とか)も、精神的価値しかないだろう(ただ行くだけとか、一時滞在なら、観光資源としての価値はある)。

人類が、文明を営む以上、それは無視できないだろうけどな。

植民というのは、その2段階後の話だ。

いきなり、植民というのは、有り得ない。

そこで、独立した経済が成り立たないことが分かり切っているから。

冒頭に引用したNASAの片道切符計画では、火星移住した人類の余命は10年と見積もられている。

これは、移民ではなく、棄民だ。

(棄民)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A3%84%E6%B0%91

「自国民を国外追放することは国際法上許容されないこととされているが、中華人民共和国政府は自国民の民主活動家の入国を拒否し「中国公民の事実上の国外追放」と批判されている。」

ああ、あの国ならやるかもしれないな。

国内の民主活動家を、まとめて送り込むかもしれない。

シベリア送りのようなもんか。

(世界史ジョーク)
http://yellow.ribbon.to/~joke/worldhistory.html

「ある男が酔っ払って赤の広場で「スターリンの馬鹿野郎!」と叫んだ。
すぐに飛んできた民警につかまり、シベリヤ送りに。」(シベリヤ→シベリア)

「男「罪状は?」
警「国家元首侮辱罪と、国家機密漏洩罪だ」」

ホント、どうでもいいんですが・・・。

アンドロイドAlter2016年08月04日 17:07

アンドロイドAlter
アンドロイドAlter


ネットの記事を読んでいたら、こんなニュースがあったので、お台場に行って、早速見てきた。

(生命らしさを持つ「機械人間オルタ(Alter)」が発表)
http://robotstart.info/2016/07/29/alter.html

「オルタは「人間らしい見かけだけが、人間を表現する方法か?」「生命を持つように感じさせられるものは何か?」といった問題を提起する。」

まあ、正直な感想を言えば、出来の悪い操り人形(マリオネット)のような、ぎこちない動きで、生命を持つとか持たないとか以前の出来といえよう。

ただ、敢えて機械をむき出しにして、動きにこそ、生命が宿るというコンセプトを前面に出しているというのは面白いと思った。

現場で、少し離れて見ていたスタッフに声をかけてみたら、5つのセンサーに反応する動きにも、化学反応のプロセスを咬ませていたり、動きの制御にニューラルネットワークを使っていたりするそうで、玄人目には凝った仕掛けになっているそうだ(眼球のアクチュエイターは故障中だそうです)。

つーか、10分ほど、その場に留まっていたのだが、次々と展示室に入ってくるガキども(失礼!、お子様方)の反応を見ている方が面白かったな。

実に千差万別で面白い。

手に持った飴の缶をあげようと差し出す子もいれば、握手しようとする子もいる。

その一方で、「こわいよー」と言って、部屋の外に出てしまう子もいる。

大人は、見ててもつまらん!。

ボケーッと突っ立っているだけ・・・。

浮沈子は、10分ほどその場にいたが、ピンとくるものは感じない。

見かけの印象は、ボーグの女ボスみたいな感じだったな。

(スタートレック:ファーストコンタクト)
http://ja.memory-alpha.wikia.com/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%AF%EF%BC%9A%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%88%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%82%AF%E3%83%88

「機関室ではデータは変わらず多くのボーグに取り囲まれたまま拘束されていた。するとそこへボーグ・クイーンが姿を現した。」

浮沈子は、この映画を劇場で観たんだが、オープニングと、このボーグ・クイーンの登場が印象に残っている。

そう、映画の中では、まるで生きているようにウネウネと動く脊髄が気持ち悪い・・・。

(The Borg Queen's First Appearance:動画出ます)
https://www.youtube.com/watch?v=4n25pdHlIjI

まあ、それに比べれば、今回のオルタは子供騙しだ(文字通り?)。

(機械人間「オルタ」(Alter):動画出ます)
https://www.youtube.com/watch?v=9qmSbLSoNw4

まあいい。

スタティックな外形ではなく、ダイナミズム(動き)の中に、生命の本質があるというアプローチは面白い。

まあ、関節の動きの周期性を意図的に壊してみたり、センサーの感度に揺らぎを与えたりと、場当たり的な工夫をしているが、本物の生命が持つ無秩序な秩序(?)を再現するのははるか先のことだろう。

20世紀から21世紀に掛けて、生命科学は目覚ましい発展を遂げきた。

遺伝子が特定され、生化学的手法が確立され、生命を化学や物理の法則で説明しようとする流れが本流になっている(そうなのかあ?)。

しかし、そういうアプローチ、つまり、還元的に生命をバラバラにして、DNAみたいな要素にしてしまって、それを演繹的に組み上げても、未だに人工生命は生まれない(似たようなことはやってますが)。

全体としての生命を、どう認識するかというアプローチは、あまり聞かないな(心理学とかでは、あるのかも知れない)。

特に、人間の動きを、人間が認識して生物と捉えらえるかどうかというのは、今までなかったような気がする。

(実験人形ダミー・オスカー)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%9F%E9%A8%93%E4%BA%BA%E5%BD%A2%E3%83%80%E3%83%9F%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%83%BC

「生きている人間と見分けがつかないほどのダミー=超人間を作る驚異の人形師・渡胸俊介」

確か、あの人形も、圧縮空気で動かしていたような気がする。

21世紀のダミーは、そのレベルにも達していない。

オルタは、時々、唸るような声を出す。

ちょっとブキミーな感じだが、これがまた、ガキどもにウケるんだな。

人間という、ありきたりの生物ではなく、もっと独自の生き物を創造して、それを生物として認識させられれば、それはそれですごい話だ。

金属と樹脂とゴムで出来た物体が、生き物として認識され、その何者かとのコミュニケーションによって人間が成長するようになるかもしれない。

「今回展示できる段階と判断し、製作途中ながら展示することとなった。展示中も開発は続け来場者からの意見を聞きながら、より人間らしさを追求する。」

人間ではないものに、人間性を見出し、そこに感情移入していくという話は、よくある話だ。

また人間は、自分に似せたものを作る、唯一の存在かも知れない(神様は、別だけどな)。

その一つの形がここにある。

ぎこちない、無意味な動き・・・。

そこに、何かの意図を感じ、反応する本物の人間の方に、浮沈子は興味を持った。

と同時に、こんな機械をこしらえる人間にも、大いに興味をそそられる。

今日、立ち話をしたスタッフは、たぶん本物の人間だろう。

しかし、そうだと断言できるだろうか?。

もっともらしい受け答えと、専門知識を披露するようにプログラムされたアンドロイドではないと、いいきれるだろうか?(あるいは、同化されたボーグとか)。

いよいよ、幻覚が見えてきたのかもしれないな・・・。