再び雨の朝2016年10月01日 06:58

再び雨の朝


朝4時に目覚めて、ベッドの上で悶々と悩む。

どうすれば、中性浮力が取れるようになるのか。

もちろん、考えて出来るようになるわけではない。

酸素の吐出量を見極め、適切に鼻から排気し、微妙に失われたバランスをBCで再調整して追い込む。

ディスプレイで深度やPO2確認し、停止時間も見ながら、一刻の休みもなく、その作業を繰り返すしかないのだ。

ああ、もう、やってらんない!。

5時過ぎに、食堂に下りていくと、土砂降りの雨・・・。

暑いよりは、涼しい方が有難いんだが、くしゃみが出る。

暖かい粉コーヒーが嬉しい。

スペインでは雨は平地に降るらしいが、パラオではどこでも降る。

まあ、どうでもいいんですが。

メールをチェックし、ブログを打ち始めていると、空が白んでくるが、雨は相変わらず降り続いている。

目が覚めてから、CCRのことばかり考えていた。

ビョーキだな。

やっぱ、新しいの買った方がいいんだろうか?。

そりゃあ、その方がいいに決まっている。

今後、10年使い続けることを考え、部品供給のことも考えると、それが一番確かだ。

液晶画面もカラーで見やすくなっているようだし、ヘッドアップディスプレイも着く。

しかし、まっさらのCCR買うなら、インスピでなくてもいいわけだし、世の中には様々なCCRが溢れている。

インスピも、時代に合わせて進化しているが、完全新設計のCCRとは異なる。

良きにつけ、悪しきにつけ、クラシックの遺産を引き継いでいる。

デバイスは進化しているが、基本的なプログラムは一緒だし、軸流式のソフノライムも同じだ。

底に水を溜める方式も変わらない。

3つの酸素センサーの配置については、同じ構成を取っているCCRの方が少ない。

浮沈子は、他のCCRに詳しくはないけど、ネットを見る限りでは、インスピは、何となく時代遅れに感じる。

ダイビング器材なんて、別に時代遅れだろうが何だろうが、使えるかどうかが大切で、細かいところは人間が補うという思想もある。

どんなに新しい設計思想、運用思想に基づいて作られていても、トータルの品質管理、改良の速度、保守・消耗部品の供給、運用実績(人柱の数?)、インストラクターの層の厚さ(薄さ?)が重要になってくる。

CCRなんて、どれも同じと言い切るイントラのような弘法大師は別にしても、確かに、標準化されていない仕様の中で、どれを選ぶかというのは、難しい問題だ。

結局、どう使いたいかという話に落ち着くことになる。

レクリエーショナルレベルで、長時間ダイビングやコンスタントPO2、泡の出ない潜水、暖かく湿った吸気、サイレントダイビングなどの、今では言い古された一般的なメリットを享受したいだけなら、確かになんでも同じだろうが、テクニカルレベルで、高信頼性、残存性をとことん追求していくと、シビアな性能差が出てくる話になるんだろう。

生まれては消えていくメーカーが多い中、余りマイナーな機種を選んでしまうと、後々後悔することにもなりかねない。

APDだって、ジャーゲンセンマリンだって、インナースペーステクノロジーだって、何時までも健在とは限らないしな。

ポセイドンが、未来永劫CCRを続ける保証もない。

マーク6やセブンは、レクリエーショナル用という明確なコンセプトで開発されている。

この器材は、消耗品とか、サービスで儲けることを考えて作られた、金儲けのための器材だ(断定的!)。

CCR単体として見た時には、突っ込みどころ満載だが、そういう見方は、この器材の本質を見ていない。

クソ真面目に、CCRとしての機能を追求し、重くなろうが操作が複雑になろうが、そこは人間がカバーするのが当たり前という、玄人好みの器材とは、一線を画している。

かといって、信頼性がなければ、レクリエーショナル用としての普及は有り得ない。

出だしで不調が相次いだこともあり、未だにビジネスとしての成功はない。

ああ、もちろん、我が国の話ではない。

このところ、PADI自体も、CCRに対する熱意を失い始めているようだしな。

元々、PADIジャパンには、そんな気は毛頭ない(たぶん)。

浮沈子は、ノーモキシックトライミックスで、仮想閉鎖環境(減圧停止を伴う)で、安全安心のCCRライフを楽しみたいだけだから、何かあったらあの手この手を使って、最終的にはベイルアウトして浮上できればそれでいい。

鬼のようなリダンダンシーを追求して、センサーを10個もつけたり(そんなのあるのかあ?)、完全二重化したフォールトトレラント型のCCRとかはいらない。

それよりも、陸上での扱いに苦労せず、軽く、コンパクトで、普及していて、メーカーも安泰で、部品供給もスムーズで、インストラクターも余るほどいて、何処に行っても対応するサービスに不自由しない機種がよろしい。

穴ぼこ(ケーブ)の中や、缶詰(沈船?)の中に入ったり、200m超えて記録破りを狙うダイビングとは無縁だ。

浅く、明るく、暖かいのが一番!。

などと書いているうちに、雨も小降りになり、辺りも明るくなってきた。

まあ、結局、今のインスピをメンテして使い続けることになるんだろう。

いろいろマニュアルで操作できる機種の方が、仕組みを理解する上でも、様々なスキルを身に着ける上でも、メリットはあるしな。

人によっては、インスピですら、オートマチック車だという見方もある。

浮沈子は、他の機種は知らないので、十分ややっこしく感じている。

昔を知るイントラなどから見たら、ポセイドンなどは、完全自動運転車に見えるだろな。

全て機械任せ、水中では、エレクトロニクスにアクセスすることは出来ない。

何かあったらベイルアウト(マニュアルインフレーションが出来ないモデル)。

シンプルな構造と、シンプルな運用。

そして、フルスペックのCCRから見たら、中途半端な性能。

浮沈子も、初めはそう思っていたけど、それは、そのように設計し、そのような運用だけを考慮していたからに過ぎない。

もう、CCRは、用途に応じて使い分ける時代になっているのかもしれないな。

オープンサーキットのレギュレーターが、万人向けの機種から、大深度向けの機種まであったりとか、様々なタイプのBCが売られていて、バックマウント、サイドマウント、穴ぼこ用、缶詰用とあるように、CCRも100均時計のように、毎日着替える時代になったのかも(そうなのかあ?)。

少なくとも、用途やレベルに応じた選択ができるようになってきたということは、嬉しい悲鳴だ。

初心者向けのオープンサーキットの器材に対して、コテコテのテクニカルレベルの器材と比べて劣っているとか、テクニカル用途には使えないとか言っても意味がないように、CCRについても、幅広い選択肢の中から、運用に応じた適切な器材を選択する時代になってきたわけだな。

その意味では、多くの機種に精通し、何でも使えるようになるのがいいわけだが、そんな金も暇も意欲もない。

雨がやんで、薄日が差してきた。

今日はダイビングはないので、どちらかといえば、晴れていた方が有難い。

ダイビングは、薄暗いくらいの曇り空が一番いい。

涼しいし、日焼けしないし。

昨日は、時折、激しいスコールに見舞われたが、透視度が悪過ぎてキャンセルした若竹の代わりに潜った吉備のあとに弁当を食べた時には薄日が差していた。

三座水上偵察機には潜らなかったが、丁度スコールが降ってきて、水面から見ることも出来なかった。

晴れていて、透明度が高い時には、底まで見えるそうだ。

まあ、好みの問題もあるが、ヒコーキには余り興味はない。

雨はすっかり上がって、今日も暑い1日になりそうだな。

ランドツアー日和になるといいな。

バベルダオブ島2016年10月01日 23:42

バベルダオブ島
バベルダオブ島


プライベートにランドツアーをお願いして、滝に行かずにバベルダオブ島を巡る。

北部の灯台跡(5ドル)、ストーン・モノリス(5ドル)、独立記念日に沸く首都(?)の国会議事堂。

地元の葬式の車列について行って、ちょっと寄り道してしまったり、レンタカーのガソリンが足りなくて、小さな売店の倉庫から2ガロン給油したり、お店のツアーでは有り得ない、貴重な体験をする。

滝への往復は、なし。

片道40分もかかるという。

完全にパスだな。

プライベートにして良かった。

北部の灯台跡は、弾痕も残る戦跡で、無料の双眼鏡もあって、綺麗な海の景色が眺められる。

詳しい話はなかったが、景色だけでも十分だな。

近くのストーン・モノリスは、ショボイ石の配列があるだけのところだが、その石がこの島で採れたものではないという話を聞くと、いろいろ想像を巡らせることができて楽しい。

野良猫の相手をしながら、コロールのスーパーで買ってきたカレー弁当と、他人丼弁当を食べる。

小人バナナも食べる。

ここからの景色も良く、遠くの海と、それに繋がる緑を眺めながらのランチは美味しかった(他人丼弁当は、ちょっと薄味だったがな)。

マルキョクの議事堂は、台湾の資本で建てられたとある。

今日は、インデペンデンスデイなので、台湾の国旗は外されている。

まあいい。

中庭では、各州のテントが立ち並び、いろいろなで店も出ていて、奥にあるハトホベイ州のテントで飲み物を買って飲んだ(浮沈子は、チョコチップ入りの冷たいムース)。

帰りに空港に寄って、それから市内に戻る。

一日がかりのドライブだったが、まあ、1度で十分だな。

午後4時前には寝てしまい、夜8時頃目覚めた。

昼飯を食い過ぎたので、買い置きのクッキーで晩飯を済ませる。

今、大統領選挙の最中で、道路沿いには候補者の看板が立ち並んでいる。

平和なこの国にも、選挙はある。

予備選は先月27日に行われて、大統領副大統領候補が絞られたという。

平和なこの国が、いつまでも穏やかな日々を送れるように、しっかりと統治してもらいたいもんだな。

まあ、どうでもいいんですが。

天気に恵まれたことは有り難かった。

立派に舗装された幹線道路、一歩踏み込むと、工事中だったり、一部舗装されていたりするが、今日回ったところは、ふつーのレンタカーで周れる範囲だ。

運転手のカヨさんは、左ハンドルで苦労していた。

たまにワイパーが動くのは、ご愛敬だ。

パラオは、クルマが右側通行のくせに、右ハンドル車が多い。

日本の中古車が多いということもあるかもしれないが、左ハンドル車は珍しかったな。

浮沈子は、助手席に乗せて頂いて、マドカさんが後席。

楽しい1日を過ごせて良かった。

これが、土砂降りの雨だったらと思うと、本当に晴天になったことに感謝だ。

夕方、少しぱらついた以外は、上等の天気だった。

殆ど歩かなかったし、コーナーの多い道をひた走っただけだが、少し疲れが出た。

連日のダイビングの疲れもある。

ダイバーでもあるカヨさんには、どうしてリブリーザーなのかと聞かれる。

通り一遍の答えしかしない浮沈子。

中国製のリブリーザーが出ても、彼女は買わないという。

分かるような気もするし、そうではないような気もする。

世界の工場になっている中国のことだ。

そのうち、出すかも知れないな。

相当人柱が立って、性能が安定するまでは、浮沈子も手を出そうとは思わんけどな。

大量生産向きの器材ではないので、中国製が出てくる可能性は少ないだろう。

本当に優れたもので、メンテや開発の態勢がしっかりしているなら、生産国で区別すべきではないだろう。

CCRのような、売りっぱなしにできない器材の開発に手を出すかどうかという問題もある。

下請けで作って儲かるようなものでもないだろうしな。

10時を回って、ドナもカウンター業務から解放されて引き上げた。

食堂の客(といっても、フリーのコーヒーを飲んでいる浮沈子だけ)がいてもいなくても、電話を受けたり、鍵を開けたりする仕事はある。

CCRの話に戻ろう。

日本製のCCRが、なぜ作られないのか、レクリエーショナルであれ、軍用であれ、作業用であれ、なぜ我が国で普及しないのかについては、何度も考えたりしたが、経済合理性からは成り立たない潜水器だからだと結論付けている。

本当かどうかは分からない。

ダイビングの質的違いといっても、どれ程のものかは個人の価値観による。

ノンダイバーとダイバーの違い程の差はないといってしまえばそれまでだ。

フィーリングとしては、どちらかといえばシュノーケリングに近いものがある。

これは、去年セブでポセイドンで潜って、最終日にシュノーケリングを楽しんだ時に発見した。

地球大気というのは、巨大なCCRである。

シュノーケルから吸った空気は、そのままシュノーケルから排気される。

地球大気は、主に植物が生産した酸素が供給され、二酸化炭素は光合成によって吸収されている。

この、巨大なCCRは、酸素循環と炭素循環の仕組みを持っていて、太陽のエネルギーで駆動されている。

ジャバラホースとかないけど、れっきとしたクローズドサーキットになっている。

まあ、その意味では、オープンサーキットも同じかもしれないけどな。

シュノーケリングしていると、どっかで体験したような、静寂なダイビング(?)のような感じがした。

自分の呼吸音しか聞こえず、水中に呼気が出ない。

吸い込むガスは、PO2がやや低い(0.2ATA)であることを我慢すれば、二酸化炭素は少ないし、問題なく呼吸できる(あたりまえですが)。

いくら吸っても、ガス切れになることはない。

もちろん、体内に窒素が溜まり過ぎて、減圧症になることもない。

そもそも水面では、我々の身体は、0.78ATAの窒素で飽和している。

まあいい。

要するに、CCRとシュノーケリングは、その構造が似ているということだ。

地球の大気循環という閉鎖回路(?)に接続されているだけ。

水面でしか使えないという、ダイビングとしては決定的な問題があるだけ。

CCRは、それを水中で、PO2を自在に操りながら行えるようにした器材というのが本質である。

その質的な違いを理解しないで、コストパフォーマンスだけでオープンサーキットと比較するというのは、根本的に間違っている。

比較するなら、シュノーケリングとしてもらいたいもんだな。

CCRの欠点は、いくらでも挙げることができる。

器材が高い、複雑で壊れやすい、メンテナンスが大変、ランニングコストが高い、重い、嵩張る、衛星的な管理も必要、酸素センサーなどの消耗品が掛かる、二酸化炭素除去剤の管理やコストが掛かる、ダイビングサービスを行えるところが、西太平洋地域では少ない、エトセエトセ・・・。

浅場での中性浮力も、めちゃくちゃ難しいしな。

そして、何より、それで儲けようと思っても、ダイビングショップが儲からない(需要、ないんで・・・)。

その他にも、Oリングの数が多く、故障頻度が高く、その際の対応をトレーニングしなければ安全に使うことは出来ず、それをちゃんと教えてくれるインストラクターが少なく、しかも、器材ごとに教わらなくてはならず、空港でいろいろ聞かれることも多く(浮沈子は、税関で2回ほど下手な英語で説明させられています)、器材トラブルなどによる死亡事例には事欠かない。

CCRを思い留まらせる殺し文句は簡単だ。

長生きしたけりゃ、止めておけ!。

それに比べたら、長時間のダイビングが行えるとか、吸気が暖かいとか湿っているとか、泡が出ないとか静かだとか、そんなメリットは吹っ飛んでしまうだろう。

生きて浮上出来てナンボの潜水器だ。

PO2一定のメリットだって、ガス交換さえ適切に行えれば、オープンサーキットでも相対的に十分許容できる運用は可能だしな。

レクリエーショナルレベルであれ、テクニカルレベルであれ、CCRでなければならない理由を見つけることは難しい。

経済合理性からは、浮沈子は、皆無だと思っている。

安く潜りたければ、CCRを選択する理由はない。

少なくとも今のところ、金儲けをしたければ、CCRのサービスに手を出すというのは考え物だ。

ダイバーになる人達は、シュノーケルと比較してCCRを選択するということはしないしな。

水中世界に入るのに、オープンサーキットで不足を感じることもない。

その器材を使い続けてヘリウム吸い出すまでは、コスト的にも十分安いしな。

毎週のように100m潜るんなら別だが、そんなレジャーダイバーは皆無だ(います?)。

だから、CCRのメリットは、あくまでもダイビングの質を追求するという、だだ1点でのみ訴求すべきだ。

金を払えば手に入るというものでもない。

PADIのレクリエーショナルレベルですら、それなりのスキルを要求される(比較的、簡単ですけど)。

ポセイドンのマーク6で、18mまでなら、それ程苦労しなくても導入できるだろう。

もちろん、続けられるかどうかは別だけどな。

そこで、ダイビングの質的な違いによるメリットが感じられなければ、止めた方がいい。

レクリエーショナルレベルで、3時間一気に潜るというダイビングサービスは、浮沈子が知る限り、グアムでしか体験できない。

ふつーのメニューに載せているところは、他にはない。

テクニカルダイビングでない点に注意だ。

レクリエーショナルダイビングの常識をぶち破る、破壊的なパフォーマンスを持っている。

ショップのサービスも破壊しかねないというリスクはあるけどな・・・。

そんなこんなで、結局、我が国でCCRを作るという話にはならないに違いない。

特殊な用途(軍事用とか、潜水作業用)の器材としては登場するかもしれないけど、それはレジャーの世界じゃない。

金儲けにならなければ、企業としては成り立たない。

そうして、多様性は失われ、一山10円の世界になる。

ダイビング器材は、毎年のようにモデルチェンジして使いやすさを向上させているけど、本質的に何が変わるわけではない。

レギュレーターの仕組みは、ここ何十年も変わっていないし、BCのデザインは変わっても、機能は同じだ。

そして、何より、そういう器材を売りまくった方が儲かる。

ダイビング市場自体が縮小していく中で、CCRなんぞに現を抜かしている暇などないのだ。

しかし、そうだろうか?。

そう言い切ってしまえるんだろうか?。

浮沈子は、資格はプロだが、商売はしていない。

稼ぐ立場ではない、無責任な意見しか言えない。

CCRのネガな部分は、向こう100年変わることはないだろう。

それでも、それを受け入れ、克服し、質の異なるダイビングを追求しようという流れが途絶えることはないと期待したい。

テクニカルダイビングのレベルでは、もちろん、目的に応じたシビアな器材の選択が要求される。

CCRが選択されるシチュエーションは限られるだろう。

それでも、CCRの特性を生かしたテクニカルダイビングの分野はある。

レクリエーショナルダイビングで、CCRのネガを受け入れるというのは、なかなか難しいが、むしろメリットはこちらの方が大きいかもしれない。

何かあったらベイルアウトという、シンプルな対応が取れるので、CCRならではのメリットの追求の方に注力できる。

要するに、ダイビングサービスの姿勢次第だな。

そのメリットを生かした遊び方を提案できなければ、一山10円のダイビングに太刀打ちできない。

1本いくらの世界での商売では、成り立たないのだ。

今回も2日間、沈船ダイブに同行したけれど、CCRのメリットを生かしたダイビングではない。

30分余りで浮上に移るし、しこたま窒素溜め込んだ連中の安全停止につき合わされるし、当然、狭いところには入れないし(入りたくないので、メリットかも!)、1日2本程度では、コンスタントPO2のメリットもないしな。

ナイトロックス1本差しのサイドマウントで十分だ。

浮沈子は、トレーニングダイブということで潜っているので不満はないが、完全なファンダイブということであれば、ちょっと考え物だ。

1日1本でいいから、少なくとも、2時間くらいはじっくりと潜りたい。

天塩丸や石廊なら、3時間でも飽きないだろう。

水底で30分、中層で1時間、浅場で1時間30分くらいの感じで、じっくりと観察できる。

これ、もちろん、レクリエーショナルダイビングの世界だ。

3周位は出来るだろうしな。

CCRなら、今でもそんなダイビングは可能だ。

さらに、本格的な減圧を伴うテクニカルレベルになれば、深度下の時間を長く取れたりする。

その、異次元の体験を、是非とも実現してもらいたいものだ。

そろそろ12に閉まってしまう階段の扉を意識しなければならない。

アップしたら、締め出される前に部屋に戻ろう・・・。

真夜中の格闘2016年10月02日 04:38

真夜中の格闘


X220が死んだ。

起動してもデバイスを認識しなくなり、ロールバックしてもダメ。

初期設定でインストールしたら、キーボードとポインティングデバイスを認識しなくなった。

OSがイカレタだけだから、データは無事だが、大したデータはない。

持ち出す際は、完全にバックアップを取っているので被害は最小限だ。

しかしながら、復元に失敗したというのは痛いな。

USBは生きているようなので、マウスを接続してデバイスドライバーをダウンロードすれば生き返るかもしれないが、生憎、マウスは今回持ち歩いていない。

ネット環境は最悪だし、帰国してからチャレンジすることにしよう。

X220は、いい出物があれば、再度手に入れたい逸品だ。

あのキーボードを、外付で作ってくれたら買う。

この記事は、夜中に起きだして、シンクパッド10で打っている。

再設定の最中は寝ていたので、起きだしてキーボードが効かないのに気付いて、いきなり目が覚めてしまう。

何度か再起動したり、バイオスを弄ったりしたが、復帰しなかった。

まあいい。

形あるものは必ず壊れる。

人の作りしもの、全ての運命だ。

風が出て来て、雨も降っているようだ。

係留されているボートが揺れて軋んでいる。

泣いているようにも聞こえる。

浮沈子の心の嘆きを反映しているようだな。

そう聞こえるのも、心のなせる業である。

人間は、心の目でものを見、心の耳で音を聞いている。

心ここにあらざれば、見るとも見えず、聞くとも聞こえずであろう。

その心の持ちようを正しく保つことは、ダイビングの安全にもつながる。

今回潜っているときにも、インスピのテンプスティック(スクラバーの温度計)の表示をよく見ていなかった。

イントラに指摘された時に、それを意識していなかったことに気付く。

危ない話だ。

平常心。

パニックでなくても、何かに気を取られている時には、他のことが目に入らなくなってしまう。

今回は、酸素センサーの値が気になっていて、ダイビング中はそれだけに集中し過ぎてしまった。

反省。

一昨日は、その反省を踏まえて、テンプスティックの表示も意識的に見るようにした。

ソフノライムを替えて、初日だから安心して気を抜いたということもある。

修業が足らんな。

もちろん、表示が白くなっていたのは左端の一目盛りだけで、直ちに危険ということではない。

しかし、管理が疎かになっていたということは否めない話だ。

弁解の余地はない。

今回使っているソフノライムは、やや性能が落ちている。

期限切れ間近ということもあり、ちょっと気を付けなければならないところだ。

時間管理はキッチリしていて、3時間で替えている。

当然、二酸化炭素中毒の症状等は出ていない。

やれやれ・・・。

上海問屋で仕入れた折り畳みのブルートゥースキーボードで打っているが、X220とは比較にならない。

ストレスを感じないと言ったらウソになる。

今回は、この予備のシンクパッド10を持ってくるかどうか、直前まで迷った。

結果、正解だったわけだが、バックアップは常に必要であることの好例だな。

CCRも、予備の空気源を持つことが必須の器材だ。

もちろん、予備の空気源だから、オープンサーキットである必要はない。

CCR2セット(同じ機種である必要もない)であっても構わない。

ベイルアウトするのに必要な呼吸を確保できればいいのだ。

中には、電気系統を完全二重化している機種もあるが、呼吸回路の水没には対応できない。

やはり、独立したシステムを備えなければならない。

オープンサーキットだって、もちろん、予備のガスは必須だ。

まあ、予備をCCRにすることは普通ないだろうが、別にそれだって構わない。

バックアップの計画で、それが適当であると判断されれば、形に拘る必要はないし、そういう拘りは、ある意味で危険を内包する可能性がある。

運用上の制限があれば別だが、最適なバックアップを確保するためには、労を惜しまないのがいい。

そして、その扱いは、当然シンプルな方がいいに決まってるのだ。

バックアップを使う状況というのは、既に何らかのストレスが加わっている。

そこにもってきて、通常よりもややっこしい操作を要求する器材を充てるというのは、考え方としておかしい。

機能的に優れているからといって、何でもかんでも使えばいいというものではない。

もちろん、バックアップだから、通常であれば、使わずに済ませる。

単なる荷物だ。

それを減らしたい要求はある。

オープンサーキットでいえば、ガスの種類や量だ。

それをベイルアウト用のCCRで賄うことが出来れば、スペース的には効率がいいということになる。

その環境、そのミッションで最適なバックアップは何かというのは、やはり人間側の問題と切り離しては考えられない。

ストレス下で、複雑な器材操作を行うことが出来るスキルとトレーニングを積んでいれば、効率優先という選択もありうるかもしれない。

複数のバックアップガスを持ち込むような場合、オープンサーキットの方が、必ずしも安全とは言い切れない。

ガス選択を間違えれば、イチコロだからな。

咥えるマウスピースが1個のCCRの方が安全性が高いともいえる。

総合的に判断して、どういう選択をするかということになるだろう。

もちろん、先立つものが優先するケースが多いけどな。

インスピをサイドマウントに改造するにあたって、浮沈子が考えたのは、デュアルCCRという構成だった。

バックマウントのカウンターラングも、その意味では導入の価値がある。

背中にバックマウントで1台目のCCR、それは、使い慣れたフロントマウントのカウンターラングで、予備のCCRは、本体はバックマウントでカウンターラングはバックマウント・・・。

うーん、予備の方が複雑な操作になるか。

まあいい。

先のことは分からない。

いろいろ便利なCCRも出て来ているようだし、インスピの改造などというワケワカのことをしなくても済むかもしれない。

まずは、ノーマルに近い形の運用をしっかり身に付けなければ、改造なんてとんでもない話だ。

単なるコンフィギュレーションの範囲を逸脱しているしな。

そして、その改造した状態での運用も確立しなければならない。

CCRのことを考えていると、実に楽しく、気分が高揚するんだが、実際にそれを使って潜っているときは、必ずしもそうではない。

心の平常が保たれていない。

潜り込みが足りないというやつだな。

今日からは、少しややっこしいスキルを復習していこうということになっている。

マニュアルでのPO2コントロールや、ベイルアウト手順の確認など。

浮沈子は、マニュアルでのコントロールは、暫くやっていないしな。

さて、少し寝ておこうか。

CCR(7日目)2016年10月02日 18:15

CCR(7日目)
CCR(7日目)


いつもの沈船。

ヘルメットレックとハファダイレック。

1本目はヘルメット。

加藤先生(サイドマウントシングルタンク)の他に、デイドリームの女性スタッフ1名が同行する(バックマウントシングルタンク)。

想定の範囲内で、イントラの後についてブイに沿って潜り、止まるようなスピードで泳ぎ、とうとう、本当に止まり(ひえーっ!)、狭いところに入り、結局、Uターンして元の出口から出たりしながら、ブイに沿って浮上した(ホッ・・・)。

2本目のハファダイも、似たような感じで、両舷の外廊下をいつものように通る。

まあ、想定の範囲内だが、船室の中にもちょっと入って、入り口から出たり、ややっこしいところを通り過ぎたりする。

そして、その最中に、止まる(ひえーっ!)。

水深は20m位だが、やはり、狭いところで止まるというのは大変だ。

いつ止まられてもいいように、超低速で移動しなければならない。

2本終わって、へろへろになった。

明日は、ヘリウムのシミュレーションを行う。

以前にも行っているが、復習を兼ねて、一通りの手順をなぞる。

その後は、PO2をマニュアルでコントロールする手順。

浮上まで、完全にベイルアウトで行う手順。

バックアップのペトレルの操作も加わる。

今日は、水中カメラも持って入ったが、写真撮るどころの騒ぎではない。

加藤先生が、一眼レフのどでかいカメラを持って入ったので、撮って頂いたようだ(後で、データ貰えるとのこと)。

きっと、もうもうと煙を巻き上げながら出てくるところを撮られたに違いない・・・。

まあ、どうでもいいんですが。

ホテルのスタッフも、賄いの時間で、浮沈子が頼んだハンバーグステーキ定食の前に、彼らのディナーが始まる。

浮沈子の前には、食器を入れるバスケットが置かれているが、中に入っているのはフォークとスプーンだけ・・・。

まあいい。

ハンバーグだからな。

スプーンでも切れるしな(そういうことなのかあ?)。

視標を見ながらの6mでの停止は、やはり楽だ。

明日も、そうだといいな。

朝になってみないと、ボートに乗れるかどうかは分からないんだそうだ。

シルバーウイークのピークは過ぎたが、五月雨式にお客さんは来ている。

また、取材の申し込みが入っているようで、相乗りになる可能性もある。

浮沈子は、CCRさえ咥えさせておけば、どこで潜ろうと文句は言わない。

イントラは、状況に応じて、平易にこなせるスキルよりも、ほんの少し困難な課題度与える。

感心する。

生徒の現在の能力と、学習能力を熟知し、行うべき課題を完全に把握していなければできない。

まあ、こっちは、感心ばかりもしていられないんだがな。

明日も、どこで潜るに関わらず、シビアなダイビングになることは間違いない。

そんでもって、最終日には、次に繋げてもらうために、達成感のあるメニューを用意するのだ。

ますます、感心する。

やっと浮沈子の食事が運ばれてくる。

サラダとみそ汁。

サラダは、キュウリとピーマンの輪切りとレタス。

朝食の3倍くらいの量だな(値段も3倍だから、帳尻は合う)。

ナスとトマトと冬瓜とインゲンと、なんと、ベーコンが入ったみそ汁は、既にみそ汁の味ではない・・・。

メインディッシュが運ばれてきて、ワンプレートに乗ったハンバーグにリング玉ねぎを炒めたのが乗っている。

おっと、ハンバーグは2つあって、もう一つにはベーコンが乗っている。

で、ライスはカープレストランの3分の1くらいの量だ(つまり、平均的)。

コメはウルチだが、美味いとは言えない。

ふわふわのハンバーグは、確かにナイフなどはいらない。

浮沈子は、フォークだけで頂いた。

ちょっと眉をひそめながらも、とりあえず完食して腹を満たすことは出来る。

それ以上でも、それ以下でもない。

10パーセント引きの券を使い切ったので、もう、ここで食べることはないだろう。

13.5ドルでも、割に合わない。

カープでは、3分の2の値段で3倍食えるしな(量だけかよ?)。

味は悪くないのだ。

よく、ここまで和風の味付けが出来ると感心する。

コロールの街中にある鳥鳥と同じくらいの味だ。

汗が噴き出してくる。

一旦、アップして、部屋に戻ろう。

妄想CCR2016年10月03日 06:00

妄想CCR


部屋に戻って、寝ころびながら打つ。

ちょっと技術が要るが、不可能ではない。

夕方、うつらうつらしながら、夢を見た。

サンクタムに出てきた減圧停止用のバルーンのようなステージにいる。

ドライな環境は嬉しいんだが、CCRのレギュレーターを口から離すことは出来ない。

マスクも着けたままだな。

まるでプレブリージングしているように、じっとして減圧停止する。

映画とか観ながら暇つぶしできるといいな。

しかし、決して声を出してはいけないと、仙人から言われている。

映画では、馬になった両親が、鞭で打たれている。

「お前さえ良ければ、私たちはどんな目にあってもいいんだよ。」

「お母さん!。」

目が覚めたが、もちろん、仙人などはいない。

アンテロープの屋根裏部屋の傾いた天井があるだけだ・・・。

ろくでも無い夢だな。

どっから杜子春になっちまったんだあ?。

まあ、どうでもいいんですが。

潜水ベルの内部が、実際にどうなっているのかは知らないが、大量の呼吸ガスを送り込んで換気するか、CCRのように酸素を足して二酸化炭素を除去しなければならない。

長時間の空気減圧は効率が悪いので、最終減圧では純酸素になるんだろう。

時々、エアブレイクも必要だ。

そうであれば、CCRのマウスピースを咥えている必要はない。

ちなみに、CCRでは、マウスピースを咥えたままでも、ある程度の会話は可能だ。

杜子春は、仙人が掛けた術から醒め、人生で何が最も大切かを知ることになるが、浮沈子は、どうしたらCCRで浅いところでホバリングが出来るかを考えているだけだ。

全く進歩がない。

一番単純なのは、ボートから潜降索を降ろしてもらって、それに掴まることだな。

実際、減圧バーというのがあるそうだ。

まあ、ボートがいなかったらどーするとか、いろいろあって、中性浮力で減圧停止するトレーニングが必要なのかもしれないし、フロートが上げられなかった時のことも考えておかなければならないしな。

スキルとしての必要性というよりは、トレーニングの一環としての意味合いの方が大きいんだろう。

それが、最大のストレスになり、サンクタムと杜子春が合体した夢になった。

やれやれ・・・。

イントラは、限りないスキルを要求する。

イザというときに、それが命を守るからだ。

また、ストレス耐性を向上させることが、パニックに陥らないための一つの方法だと考えている。

減圧ダイビングは、ある意味、作業ダイビングよりも過酷な環境で潜る。

高圧酸素療法が実施できない環境で潜ってるわけだしな。

作業ダイビングは、一定の確率で減圧症が発生することを許容しており、その対策も含めた潜水計画を立てる。

レジャーダイビングも、基本は同じだが、テクニカルダイビングは、そのリスクを受け入れる所から始まる。

ヤクザな遊びなのだ。

まともなダイバーのやることじゃない。

ヘンタイ、オタク、変人、奇人の類だ。

そんなリスクを侵さなくても、いくらでも楽しいダイビングは出来る。

変な夢見なくていいしな。

どれだけスキルを磨いても、事故で死んだり、重い後遺症が残る可能性をゼロにすることはできない。

リスクを減らすために、身体を鍛えたり、普段から健康的な生活を心がけたり、適切な器材を選択しても、ゼロにすることは不可能である。

浮沈子は、ここではダイビングのスキルを教わっているが、それ以外にもテクニカルダイバーとして、やるべきことは山のようにある。

それをやるかどうかは、本人の問題だ。

大酒浴びてたらふく食い、煙草を吹かしてコーヒーをがぶ飲みして潜ることもできる。

酒とたばこは止められたが、過食とコーヒーは続いている。

本人の問題だから、それでいいというわけにはいかない。

それが原因で死屍累々になれば、指導団体として、商売が成り立たなくなる。

さりとて、個人の生活にどれ程関与するかということになれば、限界があろう。

難しいところだ。

だから、リスクを理解させて、指導団体としての役割を終える。

教えて、理解して、そこから先はダイバー個人の問題と突き放す。

そうしなければ、商売として成り立たないのだ。

スキルだけでは解決できない、様々な問題・・・。

年齢というのもあるしな。

いやな話になってきたな。

いつまで潜っていられるのか、いつになったらテクニカルダイバーになれるのか。

2本の曲線が交わる年齢が近づいてきている。

いや、永遠に、交わることはなかったりして!。

まあ、それはそれで仕方ない。

静かにCCRを降ろすだけだ。

重いしな。

そっと置こう。

しかし、その前にやるべきことは多い。

今は、ろくでもないことを考えずに、目の前にあることに集中すべき時だ。

夢から醒めたら、さっさと忘れてしまうのがいいだろうな。