眠れぬ夜に2016年10月06日 07:06

眠れぬ夜に


結局、いつものコンビニで夕食を買った。

近くの別のコンビニにも行ったが、大したものはなく、ローカルの集う店は混んでいそうだったのでパスして、ココナッツジュースとツナ缶、ビスケットを買ってきた。

4ドル35セント。

店番のおばちゃんにありったけの小銭を見せて、35セントを取ってもらう。

5ドル札で、1ドルバック。

明日のピローチップを確保する。

ホテルの傍の店は、1ドル札をゲットしようと高額紙幣で買い物する客が多く、店員もあからさまに嫌な顔をすることがある。

小銭を提供しつつ、1ドル札も確保する。

持ちつ持たれつだな。

まあ、どうでもいいんですが。

ツナ缶を食べ、ココナッツジュースを半分飲んで、お腹が満たされてしまった。

横になってみたが、眠れそうにもない。

昼寝したしな。

例によって、CCRのことでも書くか。

この器材は、もともと軍事用に開発されたと聞いた。

隠密に敵地深く潜入し、情報収集したり、ゲリラ活動したりするんだろう。

浅い水深で使う純酸素を使ったリブリーザーなら、構造も簡単だし、重量も軽く運用も楽そうだ。

第二次世界大戦のころから使われている。

歴史的にはオープンサーキットの潜水器よりも古いんだそうだ。

今でも、一部の軍隊では、リブリーザーを使っている。

自衛隊がCCRを導入しているかどうかは知らないが、機雷除去のために、非磁性体で作られたSCRを使っていたという話は読んだことがある。

事故の際の人的損耗を最小限に留めるために、バディではなく、ソロで運用するんだと。

切ない話だ。

泡の出ない潜水器は、隠密活動の他にも、水中生物を驚かさないので、水中カメラマンにも愛用されているようだ。

その驚くべき効果は、浮沈子も実感することが多い。

今日も、エビ、ハゼの穴の傍まで行って、にらめっこしてきたしな。

文字通り、目と鼻の先だ。

泡を出さないだけでは近づけないということはある。

にじり寄るように、ゆっくりと接近しなくてはならない。

肉食動物が、風下から獲物に近づくように、そーっと気配を消しながら近づく。

マクロとかで、写真撮ってる方は、おそらく、狩猟民族の末裔かもな。

そして、シュートする。

パシャッ!。

いっただきーっ!。

まあいい。

冒険好きの人も、CCRの適用があるかも知れない。

しかし、これには異論もある。

最大水深のレコードはオープンサーキットだし、信頼性の観点から閉鎖空間の探検に、CCRを最初に使うということは稀だそうだ。

狭いとこ向きの器材じゃないしな。

もちろん、最近はサイドマウントできるリブリーザーもあるらしいから、今後はどうなるか分からない。

長時間の運用が可能という特性を生かして、探検的要素が高いシチュエーションでも活用されていくだろう。

浮沈子は、老眼が進んで細かいものは見えないし、狭くて暗いところには入りたくないし、軍事利用とは無縁だ。

CCRの展開としては、もっと違う状況を考えている。

オープンサーキットとは質の異なるダイビング、レクリエーショナルレベルの常識をぶち破る新しいダイビングの世界だ。

このブログでも、何度か書いているが、CCRは無音ではない。

自分の呼吸音は常に聞こえているし、ソレノイドバルブの作動音や、酸素が注入されるときの音、水面を走るボートのエンジン音、魚の群れが向きを変える時の音、クロスズメダイが威嚇する時の鳴き声など、様々な音が聞こえてくる。

壮大な音の世界が開ける。

残念ながら、水中を伝わる音波は陸上で空気中を伝わるよりも遥かに速いので、人間の耳では音源の方向を知ることは出来ない。

音は、頭の中で鳴っているようにも、真上で鳴っているようにも聞こえる。

そういった、豊かな音の世界は、CCRならではのものだ。

そして、視覚的には、生物が逃げないどころか、向こうから寄ってくるという驚くべき体験をすることになる。

ブラックチップシャークとかは、余り寄ってきて欲しくないんだがな。

寄ってくるというか、無視して近づいてくるというか、水中世界との一体感は、オープンサーキットとは異質なものを感じる。

どちらがいいとか、そういう風に価値付けしてしまう必要はない。

違いがあるということ、それには理由があるということ、CCR以外の手段では代替出来ないということ。

深度を浅くする際には、CCRも呼吸回路からの排気のために泡を出す。

浮上速度を上手にコントロールできれば、少しずつ排気することが出来る。

レクリエーショナルレベルでは、高酸素分圧の状態で、必死こいて減圧停止する必要もない。

長時間にわたる異次元のダイビングの後でも、疲労感は少ないだろう。

ダイビングサービス次第だがな。

CCRの話は、器材の特殊性や、大深度下での優位性、トレーニングのシンドさなどばかり喧伝されていて(浮沈子も、その片棒担いでますが)、肝心の、ダイビングそのものについては、情報が少な過ぎるように感じられる。

浮沈子は、CCRこそが真のスクーバであり、レクリエーショナルダイビングでこそ、その真価を発揮する器材だと考えている。

ワンダイブが60分以内などと決めたのは、一体誰なのか。

今後、700バールのタンクが使われることになれば、どの道、そんなルールも変わっていくに違いないのだ。

その中で、CCRも変わっていくに違いない。

軽く、コンパクトに、扱いやすく、安価で、標準化されていくのだ。

急激に普及するわけではない。

徐々に、その本当の価値が、口コミで広がり、その異次元のダイビングを求めるエンスージアストの間で、様々なネガティブな部分を了解し、納得した上で、確実に広まればいいと思っている。

粗製乱造ではダメだな。

PADIは見限ったのかも知れないが、仮にそうだとしても、それはある意味、いいことなのかもしれない(分かる方だけ、分かってください)。

絶対的なリスクが伴うテクニカルダイビングではなく、まずはレクリエーショナルレベルでの普及が図られるべきなのだ。

器材が複雑で、故障の確率が多いなら、それに対応するスキルを身につければいい。

その上で、テクニカルレベルでの運用にチャレンジする。

オープンサーキットだって、同じことだしな。

ゼロゼロセブンでなければ、扱えない器材ではない。

誰もがチャレンジできる器材だ。

習得できるまでの期間には、もちろん、個人差がある。

オープンサーキットのベテランダイバーが、簡単に習得できるかといえば、そうとは限らないのが難しいところだ。

ただし、浮沈子の周囲では、オープンサーキットでテクニカルレベルの完璧な中性浮力が取れているダイバーは、CCRでも安定している。

個人的経験でも、それは言えるな。

ズボラ、いい加減、独りよがり、手抜き、我儘、自信過剰は、性格的に向かないかも・・・。

安全のために、手順をキッチリと守り、完璧にメンテナンスする必要があるからだ。

道楽と割り切ることも必要だな。

コスパとかを、オープンサーキットと比較するなら、止めておいた方がいい(ざっと10倍掛かります)。

浮沈子は、宇宙旅行とか、潜水艦と比較している。

安過ぎると思っている。

10倍してもおかしくない(実際、一昔前はそうだったしな)。

そんな器材を使ったダイビングが、シングルタンクのオープンサーキットと比較できるわけがない。

逆に、そういう使い方をして、商売しようというのが間違っているのだ。

ぶっちぎりの性能を、遺憾なく発揮するダイビングの中でこそ、使いまくる器材だ。

潜水時間、プロファイル、ゲレンデ、ポイント、エトセエトセ。

ガイドの力量が問われる。

ゲストのスキルを見抜き、安全マージンを見込んで、しかも十分に楽しませなければならない。

そう、CCRレベルでな。

いつか、そういうダイビングが普通に行われる時代が来るだろう。

クランチしていくダイビング業界を救うのは、道楽として不足のない、CCRではないかとすら考えている(例によって、当てにはなりませんが)。

まあ、ひょっとしたら、自家用潜水艇の方に行ってしまうかもしれないしな。

CCRの100倍くらい出せば、今でも手頃なやつが買えるしな。

深度とかは、ちょっと太刀打ちできないしな(1000mくらい?)。

それに比べれば、CCRなんて、チープな道楽だ。

ビンボーな浮沈子には、分相応かも知れないな。

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