マッチポンプ2016年11月07日 09:47

マッチポンプ


FBIのメール問題の追加捜査について、情況が変わった。

(クリントン氏のメール問題 再捜査するも訴追求めず FBI表明)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161107/k10010758111000.html

「クリントン氏のメール問題を再捜査した結果、訴追を求めないとするこれまでの結論に変わりはない」

FBI長官は、見事に民主党の片棒を担いだように見える。

こんな記事も出ていた。

(ヒラリーが土壇場で大苦戦する「3つの理由」)
http://toyokeizai.net/articles/-/143730

「これでトランプは追い込まれるかもしれない。このことは、アンケートでは反トランプと答えながら、実際にはヒラリーのために投票所まではいかないはずだった層を、逆に掘り起こしてしまう」

浮沈子と同じように考える人もいるわけだ。

それが当たっているかどうかは、この時点ではわからなかったが、訴追がないと公表したことは、その流れでいうと、クリントンさんに必ずしも有利に働くとは限らない。

投票を明日に控え(時差はありますが)、世論調査も当てにはならない。

実際に、どういう風に投票するかという、投票行動の読みだけが頼りだ。

直前の情勢変化は、支持率には大きな影響はない。

トランプさんの支持率が上がった背景は、態度を表明していなかった支持層が支持を明らかにしたからに過ぎない。

結局、最後は投票に行くかどうかということになる。

FBIのこの直前の方針発表は、浮沈子には必ずしもクリントンさんに有利な状況とは思えないけどな。

記事中にあるIBD / TIPPの支持率を見ると、6日時点では、トランプさんの支持率が1パーセント上回っている。

FBIのメール捜査の影響は、限定的だ。

有権者は、投票態度を既に決めていて、問題は投票に行くかどうかという点に絞られている。

で、浮沈子は、よその国の選挙なので、高みの見物なんだが、為替レートだけは気になるな。

12月には、利上げが予想されているので、円安に振れる可能性は高い。

情勢の変化にもかかわらず、テレビ討論が終わった段階で、クリントンさんの勝利は確実になったと考えている。

真面目に働いても報われない社会、列に並んで順番を待っていても、マイノリティが割り込んできて、自分の番が永遠に回ってこない社会は、これからも続く。

変化を求めても、それが叶わないという現実に、これから8年間も(たぶん、再選されるだろうし)付き合うことになるのだ。

米国大統領選挙を見ていて感じるのは、米国を変えていくのは大統領ではなく、米国の国民だということだ。

誰が大統領になったとしても、大きな流れは変えようがない。

政治の力で出来ることには限界があるのだ。

想像もできないような、超格差社会。

それでも、米国はそのスタイルを保っている。

自由で、機会平等で、競争する社会。

そのなかで、サンダースさんのような候補が、大きな支持を得たというのは、浮沈子には印象的だったな。

トランプさんが、クリントンさんの支持率を上回るというのも、チョー印象的だがな。

米国は、変化の中で停滞し、相対的な影響力を失いつつあるように見える。

しかし、誤解してはならない。

それは、過去との比較においてであり、現在でもアットーテキな軍事力や政治力、経済力を持っていることに変わりはない。

そして、何より、我が国に対して絶大な影響力を持っている。

政策論争が貧弱だったのは、選択肢が限られていて、争点になりにくかったからに過ぎない。

結論から言えば、誰が大統領になっても、出来ることは同じだ。

経済指標は、一時的にぶれるかもしれないが、短期間で収束するだろう。

トランプさんが当選するというサプライズはあるのか?。

浮沈子は、そんなことは有り得ないと断言する(例によって、当てにはなりませんが)。

上院は民主党が過半数を取り、下院も大幅に議席数を増やすだろう。

しかし、下院で過半数を取るまでには行かない。

共和党にとっては、大打撃だな。

今後8年間、再び臥薪嘗胆の日々が続くわけだ。

8年後の大統領選挙のことを言っても始まらない(4年後は、再選確実だしな)。

逆に、サンダースさんを支持した人々が、社会の中核を担うようになり、そっちの方に振れていくかもしれない。

米国は、民主主義の国だ。

人民の、人民による、人民のための政治。

彼らの選択の結果は、2日後には明らかになる。

まあ、ひょっとしたら、僅差で法廷闘争に持ち込まれるかも知れないけどな・・・。