BKG2017年01月02日 01:49

BKG


ネットを調べていたら、こんな記事があった。

(多発する冬山遭難 遭難は「出発前」の自宅から始まっている?)
https://thepage.jp/detail/20150119-00000007-wordleaf?page=2

「警鐘を鳴らすため、先に「遭難のしかた教えます」(山と渓谷社)というドッキリするタイトルの本を出版しました。」

この記事の中に、BKGというのが出てきて、これは使えると思った。

・B:
目的の山のことを勉強しようとせず自分の命を大切にしないバカな人のこと

・K:
ケチ。せっかく山に来たのだからと無理して行動する。

・G:
ガンコです。何がなんでも踏破したい。

ダイビングでも同じだな。

潜りなれていないポイントで、体調悪いのに無理してダイビングして、このくらいの流れなら何とかなると無理をする。

逝ってくれと言わんばかりの対応だ。

事故は起こるべくして起こる。

撤退する勇気がなければ、やるべきではない。

「BKGにならず、道に迷ったらすぐ引き返し、迷走を避けてほしい。トラブルに対応できるよう単独登山も避ける。高山病になったらすぐ下山です」

もちろん、登山もダイビングも、しないのが最も安全だ。

そして、アクティビティを行うということは、ある程度リスクをとる行為である。

だからといって、命がけでやらなければならないことは何もない。

浮沈子は、命がけで潜っているという意識はない。

いつでも、どこでも、どんな時でも、撤退する準備は出来ている。

海は逃げることはないし、山も同じだろう。

ダイビングの事故は、病気、へたくそ、思い上がりが原因だという(須賀次郎さんの受け売り)。

現地では、病気とへたくそはどうしようもない。

それを自覚して、対応するしかない。

思い上がりというのは、そう思い込んでいるわけだから、どうしようもないのかもしれない。

BKGでいえば、頑固のGかな。

所詮は、山遊びであり、水遊びに過ぎない。

楽しめる範囲に留まるのが正しいのだ。

まして、ジジババになって、若い人と一緒に行動しようなどというのは、思い上がりも甚だしい。

それは、双方にとって不幸だ。

浮沈子は、もう、体力勝負のダイビングはできない。

日程的にも、ポイント的にも、本数的にも、ジジババ対応のメニューでしかこなせない。

1日4本なんて無理だし、泳ぎまくるようなコース取りは御免だ。

それが許されなければ、そういうツアーとかには行けない。

そういう選択肢の中で、ダイビングを楽しむしかない。

たぶん、登山とかも同じなんだろう。

歳を重ねれば、その辺りの判断力や、自覚というのが身に付いてくるというのが普通なんだが、登山しようなどという行動派は、違う考えになってしまうのかもしれない。

運動なら、近所の散歩で十分だ。

健康の維持のために、それ以上の運動をする必要など一切ない。

食事のバランスと量を考え、適度な運動を継続することで、健康は維持できる。

ダイビングや登山は、そういうこととは無縁だ。

リスクをとって楽しむアクティビティだ。

時間と経済的余力と体力の範囲内で楽しめればいい。

ジジババは、そういう知恵を身に着けて歳をとっていくのがいい。

なんでも、若いものと同じにできないと、自分がみじめになると思って無理を重ねると、どこかで破たんする。

諦めが肝心だな。

しかし、それでも、出来ることは山のようにある。

自らの限界を知ること、自らの限界内に留まること。

限界を知るのに、危険な環境の中で試すことはない。

安全な状況の中で、見極めればいいのだ。

もちろん、まだ伸びしろがあるなら、トレーニングを積んで、伸ばしていくことはできるが、ちゃんとした管理をしなければ、その段階でさえ事故は起こる。

死んでもいいと思うなら、それは自由かも知れないが、他人に迷惑をかけないようにしてもらいたいもんだ。

まあ、概ね、迷惑をかけることになるしな。

自分の限界ギリギリで楽しむというのもありだろうが、余裕を持って楽しむというのが好ましい。

控えめな行動は、それ自身が安全に対する備えになる。

周りのことにも目が行き届き、いい循環になる。

ダイビングも登山も、どうやら40歳というのが節目になっているようだ。

でもな、そんなこといったら、大部分の登山者やダイバーは40歳以上だからな。

そっちをベースにして考えてもらわないとな。

ポイントやコース取りにしても、あんま泳がない方がいい。

大物狙いのポイントとか、流れきついしな。

まったりマクロでいいや。

まあ、こっちは老眼で見えないけどな・・・。

L10282017年01月02日 18:10

L1028
L1028


格安で買った電圧計の電池が切れ、蓋を開けてみたら、L1028という23A12Vというワケワカの仕様・・・。

(【単5電池みたいな12Vの乾電池】)
http://are-kaitai.net/battery_3.html

「「LRV08」以外にも「A23」「23A」「V23GA」「L1028」「MN21」「RV08」など、メーカーによって様々な型番のものが存在します。」

「サイズ的に一見単5電池に見えますが、単5電池(直径約12mm、長さ約30mm)より微妙に小さい(細い)サイズです。」

「LRV08は日本の某有名メーカーのものも中身はLR932という1.5Vのボタン電池を単に8つ直列に重ねたものです。」

そうだよなあ、そうでもしなきゃ、12Vなんて電圧出ないよな。

「LRV08なら最近はダイソーなどの100均でも運が良ければ置いています。」

(アルカリ乾電池 LRV08及び23Aの規格や互換品などの詳細情報)
http://kaname78.html.xdomain.jp/battery/lrv08.html

「以前は100円ショップのダイソーで電池23Aが1個入100円(税抜)で販売されていましたが、最近は全く見かけることがなくなりました。ダイソーでの購入は難しいと思われます。」

ちなみに、浮沈子は秋葉原のあきばおーで、5個360円(税込み)で購入した(画像参照)。

金色のが、元々入っていた電池。

早速入れ替えて、稼働を確認した。

もちろん、ちゃんと動く。

やれやれ・・・。

ダイビングライトの電池が18650なので、充電後の電圧を確認するのに必要なわけだ。

スービックでは、持って行ったのに、電池切れで使えず、ヤマカンで充電していた。

これで安心して運用できる。

要するに、動けばいいのだ。

普通の単三電池などは、アナログなバッテリーチェッカーを使っているが、18650は、長いので使えないのだ。

ちゃんとした充電式のダイビングライトを買えばいいんだが、踏み切れないでいる。

そんなもんが必要なダイビングは、やりたくないしな。

ちょっと薄暗い時に、自分の居場所を確認できるアイテムがあればいい。

どっちかといえば、こちらの居場所を、ガイドに伝えられればいいのだ。

向こうは、ちゃんとしたライトを持つべきで、浮沈子はちっこいのでいい。

そういう、他力本願ではいけないと、この前教わったばかりなんだがな。

テクニカルダイビングは、まず器材からである。

それが整っていなければ、スキルも身に付かないし、安全性も確保できない。

ダイビングライトは、その重要なアイテムの一つだ。

(RAZOR SIDE MOUNT PRIMARY LIGHT L2000)
http://shop.gosidemount.com/de/razor-led-primary-light-l2000

今、強力に売り込みをかけられている優れもの($1,049.00)。

(GO SIDE MOUNT 12W LED PRIMARY LIGHT SPECIAL EDITION)
http://shop.gosidemount.com/de/light-monkey-52-12-led-1

少し安物(それでも、$830.00)。

桁が違うな。

(The Razor Light Mount System:動画出ます)
https://www.youtube.com/watch?v=NQpoxqjTXaQ

ため息が出るような、完璧なフィンワークに目が釘付け・・・。

石井さんは、浮沈子の目の前で、まさにこんな感じで潜っている。

ライトを手に付けたり、ヘルメットの固定具の角度を変えたりしながら、ハンドシグナルに照明を当てたりする。

目つぶししないような配慮もされているわけだ。

誤解のないように書いておくが、浮沈子が目指しているダイビングとは、異次元の世界だ。

こんなヘンタイなダイビングは御免だ。

しかし、トリムの安定と、フィンワークは参考になる。

もっと正確に言えば、参考に出来るようにならなければならない。

今は、それ以前のレベルだからな。

しかし、ビデオの最後のほうで、なんで裏返しになるトリムを取らなければならんのかあ?。

まあいい。

きっと何か、深いわけがあるんだろう(あんのかなあ・・・?)。

とりあえずは、バッテリーチェッカーの電池をゲットした。

そして、充電池の電圧を測ることができるようになった。

その充電池(18650リチウムイオン電池)で、小型のダイビングライトを点灯する。

浮沈子は、それでいいのだ。

L1028電池は、そのためのアイテムだ。

アルカリ電池だが、まだ4個も予備があるしな。

当分、持つに違いない・・・。

サイドマウントの功罪2017年01月02日 20:33

サイドマウントの功罪


狭いところに入りたいなら、サイドマウントがいい。

天地方向に平べったいし、身体を90度傾ければ、上下方向に平べったくもなれる。

両方狭いところを、どーしても通り抜けたければ、腰のフックを外してタンクを前に持ってくることもできる。

それについては、通り抜けた先がどうなっているか、あらかじめ分かっていることが前提になる。

元に戻す空間がないと、ちょっと厄介だからな。

まあいい。

浮沈子は、そんな狭いところに行きたくないから、余り真面目に練習しなかった。

ダブルタンクがないところで、比較的小ぶりのBC着けて、シンプルなレギュレーター構成で潜ることが出来るというメリットを享受していた。

2本差しなら、二重化されたレギュレーターとタンクのセットを持ち込むというメリットがある。

ガス量も2倍だ。

これ以上の安全性は、レクリエーショナルでは必要ないだろう。

ロングホースの件については、いろいろ議論があるようだが、浮沈子はどっちでもいい。

レクリエーショナルでは、ガス貰うハメになったら、直ちに浮上だから、ロングである必要はないというのは正論だ。

でもなあ、浅い沈船でペネトレーションする(水面まで40m)なら、相手がロングホースの方が安心できる。

浮沈子がドナーなら、対面してショートホースで渡して、バックワードキックで後退して見せよう!(できんのかあ?)。

まあ、どうでもいいんですが。

1本差しのサイドマウントには、特筆すべきメリットはない。

が、浮沈子は、ふつーのファンダイブなら、1本差しのサイドマウントで行く。

アルミタンク、ボートダイブ、ボートスタッフのフルサポートが絶対条件だけどな。

もちろん、南の島で、3mmウエット限定。

なにしろ、水中で楽。

動きやすい。

でもって、タンクのハンドリングはボートスタッフがやってくれる(はず)。

タイでは、そういうわけにはいかず、相当苦労した(2本差しで、1本は自分で、2本目はガイドさんにお願い)。

まあ、場所によるかも。

何でもやってくれるフィリピンとかなら、絶対サイドマウントだな。

2本差しでもいい(左右のバランスとりやすいし)。

今回講習で、ダブルタンクを担いだが、着る時だけ重さを感じるだけで、あとはローカルが全てやってくれるので、あれで潜ってもいい。

ちっと動きづらさはあるが、慣れの問題かもしれない。

抵抗も、CCR並みにあるし、サイドマウントの2本差しに比べて、移動距離とか速度が同じなら、呼吸ガスの消費量にも影響が出る可能性がある。

ただし、それは、上手なダイバーの場合で、慣れないコンフィギュレーションで呼吸が速くなってしまう方が、影響はでかいだろう。

もちろん、ダブルタンクの入手のし易さというのはある。

それがないところでも、サイドマウントで潜ることは可能だ。

去年の10月以来、サイドマウントで潜ってないしな。

ちょっと、プール練習が始まったら、そっちで潜ってみよう。

まあ、別に腹に抱えて潜ったって、裏返しになって潜ったって、足をかくことができれば前に進むことはできる。

そう考えれば、サイドマウントだろうがバックマウントだろうが、1本差しでも2本差しでも何でもいいのだ。

タンクの本数は重要だが、無限圧限界時間を管理できれば、問題はない。

デコ出し厳禁!。

深場へは、テクニカルダイビングで行きましょう!。

表題に、功罪と書いておきながら、何でもいいというのは無責任だ。

ダイバーにとってのメリットは、多様なコンフィギュレーションを身に付けられるようになること、2本のタンクを、比較的気軽に水中に持ち込むことが出来るようになること、テクニカルダイビングに進むときに、コンフィギュレーションの選択肢が増えること、狭いところに入りやすいこと(レクリエーショナルレベルでも、テクニカルでも)。

デメリットは、インストラクターから、ペネトレーションを勧められやすくなること(デメリットですかあ?)。

サイドマウントは、コンフィギュレーションの自由度が高いので、ちゃんと教えてもらえないと、なんちゃってサイドマウントになりやすいこと。

ストリームラインが取れなかったり、ホースの取り回しがおかしくなって、引っかかりやすくなるなど、デメリットが出る可能性がある。

ビーチで、波をかぶるような所では、危険が増大する。

メタリコンタンクでは無理!。

ボートでも、サポートがなかったり、未熟だったりすると危険が増大する。

海外で、水面で器材を全部脱いでボートに上がれる夢のような環境の場合、BC着たままラダーを上がることになるので、その分重くなる(さすがに、サイドマウントでBCまで水面で脱いで渡したことはありません)。

浮沈子的には、器材を怪力でボート上に引き上げるついでに、ダイバーも引き上げてくれると有り難いんだがな。

さらには、アグレッサーみたいに、エントリーするときも、水面で器材を着けてくれたりすると、言うことはない。

まあ、どうでもいいんですが。

とにかく、周りが慣れていないと、好機の目で見られたりするので、それが苦手な方には向かない。

浮沈子は、CCRで慣れているので、そんなことは一向に気にならない。

そういうのが好きな方には、メリットだろうな。

テックサイドマウントで、4本くらい持って入ると、目立つこと請け合いだ。

ちなみに、PADIのテックサイドマウントは、テクニカルダイビングではない。

(PADI テクニカル・ダイビングコース フローチャート)
http://www.padi.co.jp/visitors/program/tc_index.asp

赤い矢印が付いているのがテクになるダイビングコースで、それ以外は、関連のスキルという扱いだ。

だから、浮沈子のように、テック40をダブルタンクで取得していても、受けることが出来るし、合格すれば45、50、65などを、サイドマウントで受講することも可能だ。

ちょっとなあ、ダブルタンクで潜り続けるというのは、たぶんあり得ないしなあ。

さりとて、サイドマウントでテクニカルダイビングを続けるというのも、あまり興味は湧かないしなあ。

サイドマウントは、あくまでも、オープンウォーターのバリエーションとして使えればいいや。

そのスキルアップのコースとして、テックサイドマウントを受講するにとどめよう。

浮沈子が深場を目指すときは、やっぱCCRがいい。

ベイルアウトのガス計画とかは、どのみちオープンサーキットで立てるわけだし。

やるべきことは変わらない。

狭いところに行かず、波がしらを潜ってエントリーやエキジットするダイビングの場合、サイドマウントを導入するメリットはあまりないかもしれない(つーか、デメリットとの兼ね合いだな)。

バックマウントだって、フツーに潜ることはできる(当たり前ですが)。

最近のBCは、ウエイトの位置とかバランスを考慮して、ホリゾンタルトリムが取りやすくなっているし。

バックマウントは、ボートでも合理的なダイバーのハンドリングを可能にする。

ダイビングを売る側にとってのメリットが大きい。

何でもダイバーがやってくれるしな。

それでも、これから高齢ダイバーの面倒を見ていかなければらなくなり、水面で器材を脱いでもらって引き上げたり、エントリーの際も水面でBC着せたりするようになれば、手間は同じだ。

タンクに浮力体を着けて運用できる分、バックマウントが有利ではある。

おっこどしたら、タンクは水底まで沈んでくしな。

バックマウントのハンドリングは、ダイバー自らが、誰の助けも借りずに運用できるように考えられている。

まあ、それがふつーだしな。

波のない、穏やかな水辺などでは、どちらでもいいかもしれない。

どっちにしたって、CCRよりは簡単な話だ。

好きにすればいい。

潜る環境を考え、水中でのメリット、デメリットを考え、エントリー、エキジットの手間を考えて、現実的な選択をしていくしかない。

我が国でメタリコンタンクが主流である限り、サイドマウントが普及することはない。

ボートダイビングの現在の状況を見ても、これが大きく変わる可能性は低いだろう。

船頭さん一人が乗って、操船に専念する。

ダイバーさんは、自分たちでやってくれ・・・。

ああ、さらばサイドマウント・・・。

浮沈子は、海外で潜る。

別に、日本のダイビングがどうなろうと、知ったことではない。

サイドマウントのテクニカルダイバーが、PADIの思惑通り増えなくたって、それも知ったことではない。

浮沈子は、CCRで潜る。

それは、誰にも止められない。

ああ、ひょっとしたら、サイドマウントCCRで潜ることになるかもしれない。

FS2とか、そういう器材を選択する可能性もある。

もっと違う選択肢が出てくるかもしれないしな。

先のことは分からない。

そのうち、ダイビング自体が、大きく変わってしまう可能性もある。

浮沈子は、以前に体験ダイビング(たぶん)に来ていた方の感想を忘れられない。

「これって、あたし向きのレジャーじゃないわ!」

どんなレジャーが向いているかは聞かなかった。

水に濡れ、重いタンクを背負い、都心から離れた遠いダイビングサービスに足を運び、水中では寒いし、上がってきては、なお寒い(夏は、逆に暑いし・・・)。

快適とは程遠いレジャーである。

サイドマウントは、その不快さを解消する可能性を秘めている。

水中での快適さは、浮沈子を虜にしたし、ちょっとしたことで、陸上やボート上でのハンドリングを改善することが可能だ。

縮退していくダイビングに、福音をもたらす可能性がある。

しかし、たぶん、きっと、そうはならないだろう。

ダイバーたるもの、自分のことくらい、自分で出来なくてどーする!?。

ビジネスモデルを変えていくしか、ダイビングが生き残る方法はない。

浮沈子なんか、エントリーしたら、水中で器材着たいくらいだし、エキジットの時は、全部水中で脱ぎ棄てて、ラダーに立ったら、自動で引き上げてほしいんだがな。

もちろん、全部ボートダイビング・・・。

そんな妄想を抱かせるというのも、サイドマウントの罪なんだろう。

ああ、早く海外で潜りたい・・・。

懐疑的2017年01月02日 22:36

懐疑的
懐疑的


歳のせいだろうか?。

最近、何事によらず懐疑的になってしまう。

というか、批判的、いや攻撃的といってもいい。

これは、歳のせいなのか、元々の性格なのか、そもそも対象とする物事が、実際そのようになってきたということなのか。

例えば宇宙旅行、例えば高速増殖炉、例えば核融合発電。

今にも実現しそうな話を聞かされ、莫大な予算と人材、長期に渡るアプローチを続けながら、具体的な話は何一つ実現していない。

生臭い話は、いろいろある(石油に代わるエネルギー源が実用化されると困る人が大勢いるとか・・・)。

しかし、そもそも、そういう現実とのしがらみは別にして、何か根本的に実現を阻害する要素があるのではないか。

宇宙旅行については、いくつか具体的な要素を挙げることが出来る。

避け難いロケットの爆発リスク、無重力による骨や筋肉の衰え、宇宙放射線による遺伝子の損傷、長期間の閉所での生活、エトセエトセ・・・。

高速増殖炉については、もう、その実現をまともに信じることは誰もできなくなった。

そして、核燃料サイクルという神話が崩壊した後には、核廃棄物の管理という負の遺産だけが残されていく。

人類の歴史と比較して、永遠にも近い時間をその存在と共に生き続けなければならない未来の人々。

浮沈子は、その罪を贖うことが出来るのは、核融合だと信じてきた。

核分裂エネルギーの利用は、本来のエネルギーである核融合を手にするまでの必要悪、やむを得なかった所業として贖罪するしかないと考えてきたのだ。

しかし、その核融合さえ、ひょっとしたら絵に描いた餅に終わるかもしれない。

(究極のエネルギー源「核融合エネルギー」を人類は実用化することができるのか?)
http://gigazine.net/news/20161111-fusion-energy-explained/

「しかし、一番の問題は、実現のためにどれほどのコストがかかるのかがわからない所にあります。いわば、何兆円というお金をかけても実現するかどうかがわからないが、実現すると大きなメリットを得ることができる、という史上空前のギャンブルというわけです。」

「場合によっては、多額の予算をつぎ込んだあげく、使い物にならない遺産が残されてしまうことも考えられます。」

「そのため、同じお金をかけるのであれば、すでに確立されている既存の技術に投資する方がよい結果を生むかもしれません。」

壮大な博打に、どれだけの金をつぎ込んでいくのかという話は、ここにも顔を出してくる。

(核融合炉実現へ険しい道
実験炉運転、大幅に延期)
https://this.kiji.is/159121500107572726?c=39546741839462401

「核融合の開始時期は2027年から35年に大幅に延期され、建設費も当初の約3倍の2兆円余りに増加。」

つまり、高速増殖炉と同じ構造がここにもあるということだ。

もし実現すれば、大きなゲインがあるから、投資を続けるべきだ、と。

高速増殖炉の場合、我が国がエネルギー資源に乏しいという事情が拍車をかけた。

現状では、世界のエネルギーはだぶついていて、生産調整をしないと価格下落が起こる状況になっている。

こんな記事もあった。

(核融合炉は本当に可能か?)
http://www.nikkei-science.com/page/magazine/1006/201006_102.html

「研究者の間では,核融合発電所の建設と運転は,核融合の火の玉を作り出すという物理的課題よりもずっと困難だろうという認識が広がりつつある。」

「これまでの考え方は,『確かに難しい問題はあるが,いずれ解決はつくだろうから,まずは核融合反応そのものに集中しよう』というものだった」という。「それは間違いだったかもしれない」

つまり、今達成しようとしている目標がクリアされたとしても、実際の発電というのは不可能という結論に至るかもしれないというのだ。

何たる杜撰さ・・・。

NIFの実験が成功したという話は聞かない。

つまり、核融合というのは、爆弾以外に成功したことはないのだ。

今世紀中(つまり、概ね80年以内)に、成功する目途も立っていない。

実用段階どころか、実現する見通しすらない。

それだけ困難な技術であるということもある。

そして、少しでも実現に近づこうという方向性はある。

しかし、そこから先に進む気配はない。

ひょっとしたら、本当は高速増殖炉の液体ナトリウムのような、管理が難しい要素が見つかっていて、それがクリアできないことが既に分かっているのではないのか。

「実用的な核融合炉を作るには,何百万度もの高温に何年間も連続して耐えられる材料が必要になる。しかも,高エネルギーの核子が常に衝突するので,通常の材料は脆くなるし放射能を帯びてしまう。さらに,一部の核融合燃料を複雑な増殖プロセスによって生産する必要もある。」

余程のブレイクスルーが連続しなければ、実現は不可能に思える。

それでも、夢のエネルギーを求めて投資を続けるのは、人間の欲があるからだ。

「核融合の燃料は通常の海水中に含まれているし,廃棄物は大気中への排出物も放射性廃棄物もゼロになるはずだ。核融合によって,エネルギーに対する人類の飽くなき欲求は満たされるはずだ。永遠に。」

まあ、やや正確さを欠く記述には違いないが、一般の認識はその程度だろう。

トリチウムを初めとする放射性廃棄物の問題は、新たな議論を呼ぶだろうし、既に触れた炉の放射化は避けることは出来ない。

エネルギー資源が、地球上に偏って存在していることが、多くの災いを生んだように、核融合技術を持つ国と持たざる国の存在が、新たな不均衡をもたらす可能性もある。

人類は、この手の問題を起こすのは得意だからな。

海水中の資源ということになれば、内陸国と海洋に接する国との格差は、確実に発生する。

大陸国家と海洋国家という、使い古された区分が、新たな意味を持ってくるかもしれないし。

まあ、どうでもいいんですが。

新年なのにな。

懐疑的な気分は晴れない・・・。