氷点下2017年01月15日 00:04

氷点下


今朝の気温は、-0.2度。

23時の気温は、さらに下がって、-0.3度になった。

明日の朝にかけて、気温はさらに下がる見込み。

この冬一番の寒さがやってきた。

16日月曜日の明け方も冷え込む予想である。

暖房全開にして、暖かいものを食べ、着られるだけ着こんで寝るしかないな。

IEのお手伝いで、大井町のプールに4時間近く浸かっていた。

浮沈子が受けた時も、何人もの先輩インストラクター達にサポートを受けた。

その恩は、次の受講生に対して、返していくしかない。

みんな、頑張って合格してくれ!。

応援するのはタダだからな・・・。

まあいい。

IEは、本人がどれだけ努力したか、合格に向けてどれ程成長したかが問われる。

人様にモノを教える仕事に就くわけだから、半端なことでは済まされない。

正しいことを伝える技術、的確に助言し、学ぶ意欲を高める技術、次のステップに進もうという気持ちを起こさせる技術・・・。

命に係わるスキルを教えるわけだから、そこがいい加減では許されない。

キビシー指摘が飛んで、今日のプール講習では、合格点は出なかった。

それでいいのだ。

そこから、スタートして、どこまで伸ばすことが出来るか(間に合うのかあ?)。

浮沈子が受けるわけではないが、他人事とは思えないな。

もう、1年以上経っているが、昨日のことのように覚えている。

遅い夕食を一緒に取りながら、みんなでワイワイする。

親子ほど、歳が離れていても、共通の話題で盛り上がることが出来る。

浮沈子は、幸せ者に違いない。

しかし、帰りの自転車は寒かったな。

浮沈子が受けたのは夏の終わり。

ストレスの塊になって、めげそうになりながら、周りに支えられてギリギリで受かった。

それは、一つの通過点に過ぎないが、貴重な経験になった。

今、若い人たちが、その試練に立ち向かっている。

心から応援したい。

ダダだしな・・・。

来月からは、大井町のプールでの練習はできない。

今月限りのお手伝いになる。

また、新しいところで、サポートできるといいな。

ダイビングを教える楽しさと厳しさを、是非とも身に着けて味わってもらいたい。

レクリエーショナルダイビングは、そう、文字通り日々の活力を得るための再生なんだからな。

レスキュースキルは、いい感じで出来た。

後は、練度を上げていけばいいだろう。

浮沈子は、あくまで溺れ役や、生徒役になって、感想を述べたり、わざとトラブルを起こして、インストラクター役の受講生に対応させる役回りだ。

評価者ではないし、指導者でもない(それは、柏崎さんの仕事だしな)。

ある意味で、一番美味しい役回りかも知れない。

気楽だしな。

楽しい!。

実に楽しい!!。

こういう機会を与えていただけるというのは、実に嬉しい話だ。

浮沈子は、CCRのインストラクターを目指している(ことになっている)。

自分が教える立場になった時に、役に立ちそうなことが山のようにある。

しかし、帰りの自転車が寒いのはどうしようもない。

冷え切った身体が、まだ温まらない。

何かを得るためには、何かが犠牲になる。

タダで応援しているだけでは、それは得られない。

共に歩み、泣き、笑い、時に真剣に取り組むことによってのみ、成長に立ち会うことが許される。

感謝だな・・・。

ちょっとヒヤヒヤ2017年01月15日 05:12

ちょっとヒヤヒヤ
ちょっとヒヤヒヤ


イリジウムの打ち上げを、途中からライブで見た。

寒くて目が覚めて、ネットを見たら、もう始まっていて、打ち上げ後の地球周回に入っていた。

今回は、1段目のランディングも、ライブで見せていた。

1段目に取り付けたカメラからの映像が、着陸まで出ていたしな。

本当に、ピンポイントで降ろしているということが分かる。

(Iridium-1 Hosted Webcast:動画出ます)
https://www.youtube.com/watch?v=tTmbSur4fcs

衛星放出の映像が出なくて、ちょっとヒヤヒヤした。

どうやら、通信の具合が悪くて、映像が入らなかったようだ(ホントかあ?)。

別に、見せたくなかったわけではあるまい。

(Successful deployment of 10 @IridiumComm NEXT satellites has been confirmed.)
https://twitter.com/SpaceX/status/820348655613800448

打ち上げ後、59分08秒の画面(ビデオの時間で1時間28分14秒)には、放出前の衛星が映っている。

打ち上げ後、1時間00分03秒から1時間09分32秒までは、画面右上のテレメトリーの数字は、速度27120km、高度622kmと表示されていたが、その後は消えてしまった(映像が復活した後も、表示されなかった)。

ライブ中継の中で、通信が復旧して衛星の放出が確認された。

(Iridium-1 NEXT Mission)
http://www.spacex.com/sites/spacex/files/spacex_iridium1_press_kit.pdf

「LAUNCH AND SATELLITE DEPLOYMENT:
・00:59:16 Iridium NEXT satellites begin deployment
・01:14:16 Iridium NEXT satellites end deployment」

10機の衛星の放出には、15分間かかる予定だったから、まあ、ほぼその通りに進行したんだろう。

打ち上げ後、1時間16分47秒後の画面(ビデオの時間で1時間45分53秒)には、衛星が放出された後の映像が映っている。

やれやれ・・・。

燃料の液体酸素の注入、打ち上げ、最大動圧(Max Q)、1段目の切り離し、2段目の起動、1段目の回収、2段目の再起動、衛星分離と、一連のチェックポイントをつつがなくこなして、ファルコン9は復活した。

もし、衛星が放出されなかったら、手術は成功したが、患者は死亡したようなもんだしな。

1段目の回収が成功した後だけに、ちょっと気まずい空気が漂う・・・。

マジヤバ・・・。

放出が確認されて、浮沈子もホッとした。

まあ、どうでもいいんですが。

8時過ぎからは、対照的にショボイ(?)電柱ロケットの打ち上げが予定されている。

(SS-520-4号機打上げの日時再設定について)
http://www.jaxa.jp/projects/rockets/s_rockets/

「2017年1月15日(日)8時33分~8時50分(日本標準時)」

「打ち上げ時刻は、8時33分を予定しております。」

今週末は、立て続けになった。

こっちも、是非とも成功させてもらいたい。

(スペースX、「ファルコン9」ロケット打ち上げに成功 - 昨年9月の事故以来初:追加)
http://news.mynavi.jp/news/2017/01/15/043/

「今後、58機の衛星には、イグザクトアース(exactEarth)の、自動船舶識別装置(AIS)を利用した船舶の位置をリアルタイムで追跡できる機器が搭載される予定となっている。」

鳥嶋さんの記事は、相変わらず、掘り下げが深くて読み応えあるなあ。

イリジウムネクストの定常運用機数は66機だから、今回の10機と合わせるとオーバーしてしまう。

軌道上待機の衛星(6機予定)を含めての運用になるんだろうな。

船舶監視だって、予備機が必要なのかもしれない。

飛行中断→打ち上げ失敗2017年01月15日 12:19

飛行中断→打ち上げ失敗


高いとか、ショボいとかいって、難癖をつけてきたくせに、心の中では密かに成功を念じていたSS-520 4号機の打ち上げ。

さっき、思い切り寝坊してパソコンを立ち上げたら、いきなり号外が流れていた・・・。

「号外:世界最小級のミニロケットのデータ受信が不能となり、飛行中断。打ち上げ失敗」

(JAXA、世界最小級ロケットの打ち上げに失敗)
http://www.asahi.com/articles/ASK1H3HZ0K1HULBJ004.html?iref=com_flash

朝日は、相変わらず、正式名称を頑なに使わずに報道している(問い合わせの返事は、結局、来ませんでした)。

今後は、世界最小級ロケットと呼ぶのかな。

同じく、これまた正式名称使わない組(?)のNHKも、いち早く報じている。

(ミニロケット打ち上げ失敗 データ受信できず飛行中断)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170115/k10010840191000.html

「JAXAによりますと、打ち上げの数十秒後、ロケットの1段目の燃焼が終わったあと、機体の状態を示すデータが得られなくなったということです。」

「このため、JAXAでは安全に打ち上げを続けることができなくなったとして、2段目への点火を取りやめ、打ち上げは失敗しました。」

「打ち上げに失敗したロケットの機体は、警戒区域内の海上に落下したことが確認されたということです。」

今後は、打ち上げに失敗したロケットと呼ぶのかもしれない(まさか・・・)。

打ち上げシークエンスについては、資料が公表されている。

(SS-520 4号機のミッション概要 平成28年10月)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/060/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2016/10/20/1378321_4.pdf

これが最終版かどうかは分からないが、資料ページ20ページには、第2段を点火するかどうかの流れ図が出ている。

「2段点火判定開始(X+157秒)
①スピンレート判定
②機体頂点高度・速度判定
③機体姿勢判定
④機体健全性判定
⑤2段点火時刻補正判定」

「全てYes→シーケンス移行許可コマンド送出(X+164秒)」

「ひとつでもNo→飛行中断」

通信の途絶ということは、ひとつどころか全部Noということになるのかな?。

少なくとも、機体の健全性は失われている。

詳細は追って発表されるんだろうが、1段目燃焼終了は、資料18ページによれば、31.7秒とある。

どのタイミングで判断したにせよ、2分余りの長ーい時間が経過したということだ。

そして、これからもっと長い時間の経過の中で、真相が明らかになっていくだろう。

民生品を使って、安上がりに衛星を上げようという試みは潰えた。

日本時間の同じ日に、民間の打ち上げ会社が10機もの通信衛星の打ち上げと第1段目の回収に成功しているわけで、ちょっとタイミングが悪すぎだな。

よりにもよって・・・。

まあ、どうでもいいんですが。

ロケットは、海の藻屑となり、おそらく回収はされないだろう(回収費用の方が高くつきそうだしな)。

通信が途絶えたということは、解析すべきデータも途切れているということで、どれだけ真相に迫れるかはビミョーな状況だ。

気になるのは、ファルコン9も、一時通信障害が起きていたことである。

イリジウムネクスト10機の放出シーンは、少なくとも生中継では映らなかった。

なんか、関係あるのかな?。

(宇宙天気予報)
http://swc.nict.go.jp/forecast/

「最新状況 (06:53)
・昨日、C1.8の小規模フレアが発生しています。
・太陽風は速度、南向き磁場ともに静かです。
・磁気圏の最新データがありません。
・放射線帯電子がやや強くなっています。太陽放射線は静穏です。」

「X線フラックス:A 6.66
プロトンフラックス:1.28e-01
高エネルギー電子1.92e+03」

何が何やら、さっぱりだが、特段の現象は起きていないような気がする(未確認)。

臨時情報も出ていないし・・・。

まあいい。

何が原因かの究明作業は、これからだし、どの程度行われるかも不明だ。

電柱ロケットによる衛星打ち上げは、元々今回限りということになっている。

金の出どころは経産省だったわけだから、思い切りケチが付いたということだろう。

直接関係あるかどうかにかかわらず、再度の打ち上げという話にはならないんじゃなかろうか。

続報が出れば、また書く。

(SS-520 4号機実験結果について:追加)
http://www.jaxa.jp/press/2017/01/20170115_ss-520-4_j.html

舌噛んでも、失敗とは言わない(!)。

「第1段の飛行は正常」

「ロケットの追跡は正常」

「第2段モータの点火を中止」

「予定落下区域に落下したことを確認」

「実験を内之浦宇宙空間観測所において実施」

浮沈子は、どっかでオスプレイが墜落したときの話を思い出した。

あれは、コントロールされた着水で、墜落ではない・・・。

お役所の、あまりにお役所的なプレスに、呆れるばかりだ。

21世紀の真相2017年01月15日 15:59

21世紀の真相


浮沈子は、20世紀の後半に生まれ、21世紀に掛けて生きてきた。

運が良ければ、あと少しは生きて新しい世紀の息吹を感じることが出来るかもしれない。

20世紀は、機械文明が花開いた世紀だった。

後半になって生まれた電子計算機(もちろん、その前から機械式計算機はあった)が発達して、20世紀の機械文明を加速した。

馬無し馬車と呼ばれた自動車は、そろそろ自動運転に移行しつつある。

モニターに映る文字面を追いかけてきたコンピューターは、人工知能に姿を変えて、ロボットとして普及を始めた。

22世紀になった時、この21世紀がどういう世紀として括られるのかを想像してみるのも面白いかもしれない。

複雑極まりない現実を、細かく分解して、要素間の関係を総合する仕掛けを見出し、再度組み立てることによって理解し、応用していこうという流れは変わらないだろう。

複雑なものを複雑なまま取り扱うという話もある。

あまりに複雑で、浮沈子には理解不能だ。

人間がやっていることは、100年経っても大きく変わることはない。

しかし、人間がやらなければならなかったことは、大きく変わってしまうだろう。

それは、機械が行う。

テクノロジーやエネルギーが、それまで人間が仕方なく行っていたことを代わりにやってくれる。

せっかく食ったり飲んだりしたものを、フィットネスに通って、わざわざ燃やすしか能のない浮沈子には、有難い時代だ。

人間は、なぜ文明を生み出し、発達させてきたんだろうか?。

楽したいからなのか。

速く、高く、遠くへ行きたいからなのか。

この世界がどうなっているのかを、どこまでも突き詰めていきたいからなのか。

東京の今朝の最低気温は、-1.9度。

とうとう、5度を超えることなく、これからまた、気温が下がっていく。

21世紀になっても、冬は寒いし、インフルエンザの流行も毎年繰り返される。

火星のテラフォーミングを考える暇があったら、こっちの方を何とかしてもらいたいんだがな。

機械やコンピューターやハード系の科学だけが21世紀の表象ではない。

それらの上に築かれるソフトな話も時代を感じさせる。

数千年の歴史を持つ、紙という媒体が衰退しつつある。

電子の世界で交換され、消費されていくコンテンツがどうなるのかは分からない。

永遠に消えて、失われ、後世の歴史家は、21世紀を失われた世紀と嘆くことになるかもしれない。

メールやブログ、SNSというワケワカの媒体に振り回され、短く、効率的なメッセージの伝え方を学校で教えるようになる。

浮沈子の、ダラダラとしたブログなんてのは、悪い見本の最たるものかもしれない。

集合知を如何に効率よく運用するかがキーポイントで、生涯をかけて重箱の隅をつつくような話は、あまり流行らない。

最近は、ビッグデータが注目され、元ネタさえ自動収集するようになってきている。

ネットにないものは、存在しないのと同じだ・・・。

しかし、少なくとも、21世紀初頭の人類は、それ程情報化されているわけではない。

ネットに載らない情報は山のようにあるし、本当に大切なものは、そこ(ネット上)にはない。

人間の行動を上手く繋げていくツールとして、確かに便利な世の中になったが、元になる人間の方は、相変わらずアナログで、非分析的で、気紛れで、身勝手で、予測不能であり、そのくせ健気で、麗しく、愛憎半ばするワケワカの存在だ。

1000年経っても、それは変わらない。

そのアナログな人間にマッチした技術、反りの合う人間臭いテクノロジーだけが、選択的に受け入れられていくに違いない。

半世紀余り生きて来て、浮沈子はそのことを確信している。

文明が人類を変えることはない。

人類の文明は、その存在の外にあるのではなくて、内にある。

テクノロジーの進歩に合わせて人間が進歩するわけではない。

受け入れ可能な範囲になければ、どれ程優れた技術も消えていく。

一時期、ある特定の人々によって支持され、世の中を大きく変えるように見える仕掛けが、本当に定着するかどうかは、時間を掛けて見守る必要がある。

もちろん、例外はいくらでもある。

その例外が、莫大な富と名声に繋がることもあるしな。

しかし、概ね、二匹目のドジョウはいない。

人間の在り方に寄り添い、その特性とテンポに合わせた技術だけが残っていく。

浮沈子は、間違っているかもしれない。

テクノロジーの進歩が、人間の在り方自体を変えてしまうのかもしれず、新人類やニュータイプがこれからの人類を担っていくのかもしれない。

しかし、1000年前の人類の悩みと、現代の人類の悩みは共通だ。

頑迷で融通の利かないジジババと、その言うことを聞こうとしない、跳ねっ返りの若者たちとの葛藤だ。

まあいい。

宇宙人の存在を否定し、人類が地球上で滅亡することを良しとし、一方でCCRの普及を信じる浮沈子は、いささか矛盾しているかもしれない。

まあ、浮沈子も人間だしな。

そういう不合理さを内包している。

ヨタ記事をブログで垂れ流しながら、紙の媒体が廃れるのはケシカランと嘆く。

21世紀になって、確かに何かが変わったように感じるが、それは単なる気のせいに過ぎない。

10進法は、人間の発明であって、100年単位(しかも、どこぞの宗教の専売である西暦)で世の中が入れ替わるわけなどないのだ。

21世紀の真相は、そんなものは気のせいだと断じることが適当である。

だがしかし、そう言い切ったあとで、やはり、20世紀とは質的な違いがあると感じる。

個人の経験値の変化と、時代の変化が組み合わさった不可解な感慨だ。

世界大戦の世紀が終わり、冷戦の構造が崩れ、絶えざる地域紛争と、国際機関での外交バトルの時代になった。

そのスキームだって、一瞬で崩壊するかもしれない。

一寸先は、真っ暗闇だ。

(中国の人工島封鎖するなら、米国は戦争覚悟すべき=環球時報)
http://blogos.com/article/205565/

「南シナ海の人工島へのアクセスを米国が阻止するなら「大規模な戦争を行う」覚悟が必要」

米国は、キューバ危機の実績もあるしな。

勘弁してくれ。

浮沈子は、暖かい部屋で、無責任なヨタ記事を書きながら、ぼーっと過ごしていたいだけだ。

ドンパチが始まれば、我が国もただでは済むまい。

平穏な毎日が繰り返されるのが何よりである。

その中だって、ややっこしい話は、山のようにあるのだ・・・。

地中海至上主義2017年01月15日 23:47

地中海至上主義


地磁気逆転という、今では小学生でも知っている現象は、地質学的に確認され、その概念を提唱した松山基範(まつやま もとのり)の名前を取って、最終逆転境界はブルンー松山境界と呼ばれている。

(シリーズ「南極・北極研究の最前線」 第7回)
http://kyokuchi.or.jp/?page_id=4233

浮沈子的には、まだ良く分からない気分なのだが、この時期が正確にはいつなのかについて、若干の議論があるようだな。

「本研究の特に画期的な点は,ブルン-松山境界に非常に近い火山灰層に注目したこと,新たに超高分解能で地層の古地磁気を測定したこと,および火山灰中のジルコン粒を一つずつ大量に測定したことで,これらの全ての面で既存の研究を上回る精度で地磁気逆転の年代を決めたことが今回の成果に繋がった」

この火山灰層を含む地層というのが、今話題の「千葉セクション」ということになる。

(チバニアン!?)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2016/03/06/8040771

以前、このブログでも取り上げている。

どうやら、決定時期は来年にずれ込みそうなもようだ。

(磁気逆転の77万~12万年前の年代命名で日伊がバトル 「チバニアン」に暗雲 地質年代の命名争い年内にも決着へ)
http://www.sankei.com/smp/life/news/170109/lif1701090006-s1.html

「イタリアは地中海のイオニア海に由来する「イオニアン」の名称を提案するが、地磁気のデータがどう評価されるかは不透明で、勝敗はもつれそうだ。国際地質科学連合への申請期限は5月末。数カ月後に最有力候補地が選ばれ、来年にも正式決定する見通しだ。」

「恐竜が絶滅した6600万年前以降の年代名は、大半が地中海沿岸の地名に由来する。日本チームを率いる岡田誠茨城大教授(古地磁気学)は「日本の名前を地球の歴史に刻み、地中海至上主義のような状況を変えたい」と話している。」

以前の記事から、6600万年以降の年代名をピックアップしてみよう。

「Stage:Numerical Age (Ma):GSSP Location(国名等):批准年(初回)
Cenozoic Era(新生代):
Quaternary System(第四紀):
・Holocene Series(完新世):
Holocene Stage:0.011784:Greenland:2008
Pleistocene Series(更新世):
・チバニアン?:0.77?:日本:(提案中)
(Ionian Stage:0.781:Italy:(提案中))
・Calabrian Stage:1.80:Italy:1985
・Gelasian Stage:2.58:Italy:1996」

グリーンランド(デンマーク?)1、イタリア2(提案中1)、日本1(うち提案中1)

「Neogene System(新第三紀):
Pliocene Series(鮮新世):
・Piacenzian Stage:3.6:Italy:1997
・Zanclean Stage:5.333:Italy:2000
Miocene Series(中新世):
・Messinian Stage:7.246:Morocco:2000
・Tortonian Stage:11.63:Italy:2003
・Serravallian Stage:13.82:Malta:2007
・Aquitanian Stage:23.03:Italy:1996」

モロッコ1、マルタ1、イタリア4

「Paleogene System(古第三紀):
Oligocene Series(漸新世):
・Rupelian Stage:33.9:Italy:1992
Eocene Series(始新世):
・Lutetian Stage:47.8:Spain:2011
・Ypresian Stage:56.0:Egypt:2003
Paleocene Series(暁新世):
・Thanetian Stage:59.2:Spain:2008
・Selandian Stage:61.6:Spain:2008
・Danian Stage:66.0:Tunisia:1991」

イタリア1、スペイン3、エジプト1、チュニジア1

言われてみれば、確かに地中海周辺が多い。

16年代中、14年代が地中海諸国だ(違うのは、グリーンランドと、今回日本が提案中の案件だけ)。

まあ、モロッコはビミョーだけどな。

地質学の研究の厚みが違うんだろう。

浮沈子とかは、別にどこでも、学術的に有用なら構わないと思っている。

変なご当地主義が入り込まないように、しっかりと議論してもらいたいものだ。

当初は2016年中に決まると思われていたけど、正式決定は来年にずれ込みそうだ。

こんな、ジミーでカルトな話が一般紙に掲載されること自体が不思議な気がする。

観光資源として期待する向きもあるかもしれない(付近には、ホント何もないしな)。

養老温泉とは、ちょっと離れている。

河原からアクセスするので足場も悪い。

変な感じになるよりは、日本が外れてしまった方がいい気もする(非国民!)。

「地磁気のデータがなく苦戦していた南部モンテルバーノ・イオニコの地層で、放射性元素を調べる間接的な手法で地磁気逆転を推定できたと学会で発表。ここは環境データなどは日本より充実しており、総合評価で上回ったとの見方が強まった。」

なんか、イタリアでいいような気もするけどな。

地質年代の決定だから、地磁気が直接観測できるかどうかは、二次的要素のような気がしている。

「海底で連続的に積もってできた安定性があり、当時の環境や地磁気の変化が分かるなどの条件を複数満たす必要がある。」

地磁気は、複数の要件の一つに過ぎない。

が、まあ、あとからとってつけたような環境データを追加することで、全体としての評価が高まるならそれはそれでいい。

「日本は環境データを補強するため、地層に含まれる花粉などを調べた新たな論文の作成に入っており、今月中にも学術誌に投稿する。」

「チームは「かなり詳細なデータで、これで日本に目立った弱点はなくなる」と自信をみせる。」

なんか、主客逆転のような気もするんだがな。

そうはいっても、極東の島国の地層が、国際標準模式地として認定され、ゴールデンスパイクが打ち込まれることになれば目出度い話ではある。

しかし・・・。

地中海至上主義的認定には、それなりの理由があるはずだろう。

最近の地質年代において、地中海で代表的な地層が多く認定されているということは、それだけ造山運動などの地殻の動きが活発ということもある。

(地中海:地中海の形成)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E4%B8%AD%E6%B5%B7#.E5.9C.B0.E4.B8.AD.E6.B5.B7.E3.81.AE.E5.BD.A2.E6.88.90

別に、文化論的に捉えるような問題じゃない。

人類の財産としての代表的地層として、相応しいものを選ぶべきだ。

それが地球市民としての、正しい期待の持ち方というべきだろう・・・。

(国際標準模式層断面及び地点:追加)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E6%A8%99%E6%BA%96%E6%A8%A1%E5%BC%8F%E5%B1%A4%E6%96%AD%E9%9D%A2%E5%8F%8A%E3%81%B3%E5%9C%B0%E7%82%B9

「GSSPを設定するには以下の5つの条件が必要とされる。

1境界の名称と層序階級
・GSSPの定義を簡潔に明文化すること

2 GSSPの地理的位置および地層の状態
・地理的な位置を地図座標を用いて示すこと
・岩層層序など地質学的な位置づけを示すこと
・模式境界の正確な場所および層準を明確な点として示すこと
・模式境界の層準を挟んで層序の欠落がないこと
・模式層序・境界位置を含む層序断面に十分な厚みがあり、上下に地層が連続していること
・露頭までの道路状態、その国の政治状況、土地の所有権に問題がなく露頭まで容易に近づけること
・露頭の保護・保全のための対策が行われていること

3 一次・二次指標
・GSSPを特徴づける対比指標には、最も重要な地質学的事件(特定の化石種の出現など)を充てること
・他の一次指標および二次指標を示すこと
・火山灰層や天文学的周期性(ミランコビッチ・サイクルなど)により数値年代が決定可能であること
・地域的な対比や世界的な対比が示されること

4 選定過程の概要の提示

5 公式な出版物(IUGSの季刊誌Episodes、でなければICSの季刊誌Lethaiaなど適切な科学雑誌)への掲載