米国の選択(控訴審) ― 2017年02月10日 19:46
米国の選択(控訴審)
米国の入国制限をめぐって、連邦控訴審の裁定が下った。
(米国 入国禁止差し止め維持…控訴裁「テロ証明なし」)
http://mainichi.jp/articles/20170210/k00/00e/030/152000c
毎日は、すぐ読めなくしちゃうんだが、この一文に浮沈子は釘付けになる。
「国家の安全は重要だが、人々の旅行の自由や家族の分離の回避、差別からの解放という公益性より重要とまでは言えない」
ホントかよ!?。
CNNが、判決の全文を掲載している。
(Full text: 9th Circuit rules against reinstating travel ban)
http://edition.cnn.com/2017/02/09/politics/travel-ban-9th-circuit-ruling-full-text/index.html
貼り付けられているウインドウのタブをテキストに切り替えて、ブラウザーの自動翻訳をかけて全文を読む(眺める?)。
判例法体系の米国らしく、引用だらけの文章だが、末尾に該当箇所があった。
「Finally in evaluating the need for a stay, we must consider the public interest generally. (略)Aspects of the public interest favor both sides, as evidenced by the massive attention this case has garnered at even the most preliminary stages. On the one hand, the ability of elected president to enact policies. And on the other, the public also has an interest in free of travel, in avoiding separation of families, and in freedom from discrimination. We need not characterize the public interest more definitely than this; when considered alongside the hardships discussed abouve, these competing public interests do not justify a stay.」
うーん、これが最終判断になるとしたら、ちょっと考え物だな。
今回の判断は、宗教差別があるかどうかという憲法判断には踏み込んでいない。
それについては、今後争われることになるだろう。
政権側が最高裁に持ち込むことは、まず間違いない。
「The Government suggests that the Excutive Order's discretionary waiver provisions are a sufficient safety valve for those who would suffer unnecessarily, but it has offered no xplanation for how these provisions would function in practice: how would the "national interest" be determined, who would make that determination, and when? Moreover, as we have explained above, the Government has not otherwise explaned how the Executive Order could realistically be administrered only in parts such that the injuries listed above would be avoided.」
どうも、司法省は準備不足のまま今回の裁定に突入した様だ。
「判断は3人の判事の全員一致」
「控訴裁は▽主張の説得力▽差し止めを維持した場合と取り消した場合の損害の有無▽主張の公益性--を検討」
CNNは、詳しい解説記事を載せている。
(9th Circuit rules against reinstating travel ban)
http://edition.cnn.com/2017/02/09/politics/travel-ban-9th-circuit-ruling-immigration
最高裁に行く前に、政府は控訴審に対して再審を求めることが出来るようだ。
「Should it choose, before it goes to the Supreme Court, the Justice Department has the option of asking for an en banc review of the three-judge panel ruling among judges of the full 9th Circuit.」
こっちを選択する可能性もある。
いずれにしても、米国の司法は、裁量権を振りかざす行政に対して、徹底した対決を決意したわけだ。
行くところまで行こうと。
司法権の存亡にかかわると。
ガチだなあ。
行政側の詰めが甘いというところはある。
印象としては、裁量権を笠に着て大上段に振りかぶった行政側に対して、司法側は、憲法上行政に介入する正当性を掲げてこれを突っぱね、議論を細部の構成要素に絞り込んで、各個撃破したような感じだ。
ちょっと、この構図は簡単には崩せそうもない。
しかし、米国の安全保障政策は、我が国ではちょっと考えられない発想がある。
(イエメンが米作戦許可取り消し=トランプ政権つまずく)
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017020800926&g=int
「イエメン政府内では、米側から十分な事前説明のないまま作戦が遂行されたことへの反発が広がっている。イエメンの駐米大使は中東メディアに、米国との協力で「イエメンの市民や主権を犠牲にすべきではない」と不満を表明した。」
「民間人の犠牲者が出たことにイエメン政府が怒り、米特殊部隊に出していた地上作戦の許可を取り消した」
イエメンは、もちろん、今回の入国禁止措置の一国だ(イラン、イラク、リビア、ソマリア、スーダン、シリア、イエメンの7か国)。
相手国にシールズ(たぶん)送り込んで、反政府勢力を叩き、しかも、そこからの入国を阻止して、米国本国への攻撃を封じ込めようという話だ。
これって、別に現政権から始めたわけではない。
バラク・オバマの時代から、ずーっとやってる。
最近、メキシコに軍隊を送り込もうとして話題になった様だが、そんなことはとっくの昔にやっている。
(トランプ氏、メキシコへ軍派遣を示唆? 麻薬組織制圧で)
http://www.asahi.com/articles/ASK244Q7DK24UHBI00Z.html
「メキシコには悪い連中がたくさんいる。メキシコの軍隊はおびえている。米軍を送ることもできる」
おっと、我が国には、70年以上も米国の軍隊が駐留していたっけ・・・。
まあ、どうでもいいんですが。
そもそも、7か国をビザ免除国からはずしたのは、オバマ政権だしな。
それでも、一時的にせよ入国禁止にしたわけではない。
90日の入国禁止措置の後、再入国できるようになるかは、相手国の対応次第ということになる。
移民規制については、さらに問題が複雑化する。
今、司法の場で争われているのは、拙速な大統領令の話だが、米国の移民政策や入国管理の強化の方向性が変わるわけではないだろう。
9.11のテロ攻撃のあと、米国は二度と元には戻れなくなった。
米国だけではない。
世界は、テロと隣り合わせになった。
浮沈子は、米国が殻を閉ざしていくのは無理もないと思っている。
それが米国の判断なら仕方ない。
よその国に軍隊派遣して、ドンパチやらかすのもやむを得ない。
程度にもよるけどな。
その挙句、テロの危険が増加するかもしれないけどな。
我が国の国会では、南スーダンでの戦闘行為について、何やら揉めているようだが、国家対国準の戦闘でないというなら、政権側に加担して、一気にけりつけりゃいいのに(そうなのかあ?)。
国際紛争じゃないからな。
憲法にも抵触しないだろう。
まあいい。
我が国は、平和国家としての独自の戦略が必要だ。
米国とは異なる。
その2国の首脳が会談する。
正直言って、あんま興味が湧かないんだがな・・・。
米国の入国制限をめぐって、連邦控訴審の裁定が下った。
(米国 入国禁止差し止め維持…控訴裁「テロ証明なし」)
http://mainichi.jp/articles/20170210/k00/00e/030/152000c
毎日は、すぐ読めなくしちゃうんだが、この一文に浮沈子は釘付けになる。
「国家の安全は重要だが、人々の旅行の自由や家族の分離の回避、差別からの解放という公益性より重要とまでは言えない」
ホントかよ!?。
CNNが、判決の全文を掲載している。
(Full text: 9th Circuit rules against reinstating travel ban)
http://edition.cnn.com/2017/02/09/politics/travel-ban-9th-circuit-ruling-full-text/index.html
貼り付けられているウインドウのタブをテキストに切り替えて、ブラウザーの自動翻訳をかけて全文を読む(眺める?)。
判例法体系の米国らしく、引用だらけの文章だが、末尾に該当箇所があった。
「Finally in evaluating the need for a stay, we must consider the public interest generally. (略)Aspects of the public interest favor both sides, as evidenced by the massive attention this case has garnered at even the most preliminary stages. On the one hand, the ability of elected president to enact policies. And on the other, the public also has an interest in free of travel, in avoiding separation of families, and in freedom from discrimination. We need not characterize the public interest more definitely than this; when considered alongside the hardships discussed abouve, these competing public interests do not justify a stay.」
うーん、これが最終判断になるとしたら、ちょっと考え物だな。
今回の判断は、宗教差別があるかどうかという憲法判断には踏み込んでいない。
それについては、今後争われることになるだろう。
政権側が最高裁に持ち込むことは、まず間違いない。
「The Government suggests that the Excutive Order's discretionary waiver provisions are a sufficient safety valve for those who would suffer unnecessarily, but it has offered no xplanation for how these provisions would function in practice: how would the "national interest" be determined, who would make that determination, and when? Moreover, as we have explained above, the Government has not otherwise explaned how the Executive Order could realistically be administrered only in parts such that the injuries listed above would be avoided.」
どうも、司法省は準備不足のまま今回の裁定に突入した様だ。
「判断は3人の判事の全員一致」
「控訴裁は▽主張の説得力▽差し止めを維持した場合と取り消した場合の損害の有無▽主張の公益性--を検討」
CNNは、詳しい解説記事を載せている。
(9th Circuit rules against reinstating travel ban)
http://edition.cnn.com/2017/02/09/politics/travel-ban-9th-circuit-ruling-immigration
最高裁に行く前に、政府は控訴審に対して再審を求めることが出来るようだ。
「Should it choose, before it goes to the Supreme Court, the Justice Department has the option of asking for an en banc review of the three-judge panel ruling among judges of the full 9th Circuit.」
こっちを選択する可能性もある。
いずれにしても、米国の司法は、裁量権を振りかざす行政に対して、徹底した対決を決意したわけだ。
行くところまで行こうと。
司法権の存亡にかかわると。
ガチだなあ。
行政側の詰めが甘いというところはある。
印象としては、裁量権を笠に着て大上段に振りかぶった行政側に対して、司法側は、憲法上行政に介入する正当性を掲げてこれを突っぱね、議論を細部の構成要素に絞り込んで、各個撃破したような感じだ。
ちょっと、この構図は簡単には崩せそうもない。
しかし、米国の安全保障政策は、我が国ではちょっと考えられない発想がある。
(イエメンが米作戦許可取り消し=トランプ政権つまずく)
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017020800926&g=int
「イエメン政府内では、米側から十分な事前説明のないまま作戦が遂行されたことへの反発が広がっている。イエメンの駐米大使は中東メディアに、米国との協力で「イエメンの市民や主権を犠牲にすべきではない」と不満を表明した。」
「民間人の犠牲者が出たことにイエメン政府が怒り、米特殊部隊に出していた地上作戦の許可を取り消した」
イエメンは、もちろん、今回の入国禁止措置の一国だ(イラン、イラク、リビア、ソマリア、スーダン、シリア、イエメンの7か国)。
相手国にシールズ(たぶん)送り込んで、反政府勢力を叩き、しかも、そこからの入国を阻止して、米国本国への攻撃を封じ込めようという話だ。
これって、別に現政権から始めたわけではない。
バラク・オバマの時代から、ずーっとやってる。
最近、メキシコに軍隊を送り込もうとして話題になった様だが、そんなことはとっくの昔にやっている。
(トランプ氏、メキシコへ軍派遣を示唆? 麻薬組織制圧で)
http://www.asahi.com/articles/ASK244Q7DK24UHBI00Z.html
「メキシコには悪い連中がたくさんいる。メキシコの軍隊はおびえている。米軍を送ることもできる」
おっと、我が国には、70年以上も米国の軍隊が駐留していたっけ・・・。
まあ、どうでもいいんですが。
そもそも、7か国をビザ免除国からはずしたのは、オバマ政権だしな。
それでも、一時的にせよ入国禁止にしたわけではない。
90日の入国禁止措置の後、再入国できるようになるかは、相手国の対応次第ということになる。
移民規制については、さらに問題が複雑化する。
今、司法の場で争われているのは、拙速な大統領令の話だが、米国の移民政策や入国管理の強化の方向性が変わるわけではないだろう。
9.11のテロ攻撃のあと、米国は二度と元には戻れなくなった。
米国だけではない。
世界は、テロと隣り合わせになった。
浮沈子は、米国が殻を閉ざしていくのは無理もないと思っている。
それが米国の判断なら仕方ない。
よその国に軍隊派遣して、ドンパチやらかすのもやむを得ない。
程度にもよるけどな。
その挙句、テロの危険が増加するかもしれないけどな。
我が国の国会では、南スーダンでの戦闘行為について、何やら揉めているようだが、国家対国準の戦闘でないというなら、政権側に加担して、一気にけりつけりゃいいのに(そうなのかあ?)。
国際紛争じゃないからな。
憲法にも抵触しないだろう。
まあいい。
我が国は、平和国家としての独自の戦略が必要だ。
米国とは異なる。
その2国の首脳が会談する。
正直言って、あんま興味が湧かないんだがな・・・。
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