石棺という選択2017年02月19日 01:35

石棺という選択
石棺という選択



臭い物に蓋をするわけではないが、放射能の封じ込めを考えれば、一つの選択肢である。

(福島第1原発「石棺」言及に地元反発、機構打ち消しに走る)
http://www.sankei.com/affairs/news/160715/afr1607150034-n1.html

「原子力損害賠償・廃炉等支援機構が、東京電力福島第1原発事故の廃炉作業の新たな「戦略プラン」で建屋をコンクリートで覆う「石棺」に言及」

「戦略プランは、第1原発の廃炉作業の技術的な裏付けとなるもので、機構が13日に改定版を公表。石棺は事故で溶け落ちた燃料(デブリ)を取り出さず、原子炉ごとコンクリートで覆うもので、チェルノブイリ原発事故で採用された。」

「当面の閉じ込め確保に効果があるとしても、長期にわたる安全管理が困難」

「状況に応じて柔軟に見直しを図ることが適切である」

「国として石棺で処理する考えは一切ない」

「石棺を検討していることは全くない。ご心配をおかけしたことをおわび申し上げたい」

2016年の話だが、それでいいのかと思う。

デブリの取り出しについては、原子炉内の状況がハッキリせず、調査も難航している。

(燃料デブリ確認至らず 今後の調査計画検討へ)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170217/k10010879701000.html

「線量計も備えたサソリ型と呼ばれるロボットによる本格的な調査は、移動ルートの予定だった原子炉真下の足場が脱落していることで、調査範囲が限られたうえに、実際に投入された後は堆積物の影響か、目標の原子炉の真下にも進めませんでした。」

現在のところ、デブリ取り出しの方針を決定するための調査さえ難航している。

ここは、とりあえず石棺で蓋をして、100年位寝かしてから考えた方がいいのではないか。

「ペデスタルの外側で、ロボットの線量計の測定値で1時間当たり210シーベルトという高い値が計測され、東京電力は、ペデスタルの外側にもデブリが存在している可能性があると見ています。」

ペデスタルって、何なんだあ?。

(pedestal)
http://ejje.weblio.jp/content/pedestal

「1(円柱・胸像・花瓶などの)台,脚,台座,柱脚.
2両そで机の脚.」

原子炉では、格納容器内にある鉄筋コンクリート製の円筒形構造物で、圧力容器を乗せる台としての役割がある。

(原子炉圧力容器基礎の建設方法及びその方法に用いるモジュール)
http://astamuse.com/ja/published/JP/No/1998142374

「原子炉建屋の原子炉格納容器内中央部に設置されている円筒状の原子炉圧力容器基礎」

「図1の改良型沸騰水型原子炉(以下、ABWRと称す)プラントの建設において、原子炉圧力容器(以下、RPVと称す)が据え付けられる円筒状のペデスタル1は、上下方向5段程度の数段のブロックに分割されて各々搬入し設定されており、また、ペデスタル1内に配備される機器,配管,支持構造物等は、ペデスタル工事完了後のRPV4の吊り込み前に単品毎に搬入し設定されていた。」

原子炉の仕組みの説明図などでは、省略されてしまう構造物だ。

圧力容器だって、無重力じゃないんだから宙に浮いてるわけじゃあない。

どうやら、このペデスタルの内部にデブリが落ちたり(つーことは、あれだな、圧力容器の底が抜けてるということだな)、さらには、その外側に溶けだしたデブリが溢れているということになる(ペデスタルの基底部が溶融破壊されているということ?)。

(原子炉倒壊の危険性)
http://www.internetkobe.jp/fukushima/001.cgi

「炉心損傷時に落下した2,000℃を超える燃料デブリが、原子炉を支えているペデスタルの鉄筋を溶融し、ペデスタルを破断している。建築構造物の評価では原子炉を支えているペデスタルは今既に全壊状態である。」(たぶん、1号機の話)

なんか、悲惨な状況にあるようだな。

浮沈子は、専門的なことは分からないが、とりあえず石棺で覆ってしまうのが安心だと思うんだがな。

放射能が減っていくのを待ちながら、その間に上手い方法を考えるのがよろしい。

「地震により原子炉が倒壊する。
1号機原子炉が格納容器を突き破り、格納容器に100㎡以上の大穴が開く。開いた大穴から燃料デブリ100tから少しずつ数10年に渡り放射性粉塵とガスが上空に飛散する。」

2号機のデブリが、ペデスタルの外に存在しているとすれば、情況は酷似しているのではないか。

(フクイチ2号機は最悪の「メルトスルー」状態? 経産省は巨額の事故処理費用から国民の目をそらしている!)
http://www.excite.co.jp/News/column_g/20170218/Shueishapn_20170218_80274.html

「人類は「メルトスルー」した核燃料デブリを回収・処理した経験を持っていない。」

ここは、拙速に走らず、じっくりと検討することも必要なのではないかあ?。

その間の安全、安心を担保するためにも、石棺は必要だと思うんだがな。

なにも、取り出すことを断念するわけではない。

安全に取り出すためにも、その必要性を検討しなければならなくなってきているのではないか。

福一の事故を、なかったことには出来ない。

我が国が、いや、人類が責任を持って始末を付けなければならないことに変わりはない。

何十年、何百年先に、仮に更地になっていたとしても、福一の事実は永遠に消えることはないのだ。

我が国には、似たような話が既にある。

(永遠に続く公害対策 「宿命」年4~5億円投入)
http://www.shimotsuke.co.jp/special/ima-ikiru-shozo/20130702/1078651

「閉山後も鉱山内から排出される重金属を含んだ沈殿物を集積する「簀子橋堆積場」」

「いわば旧足尾銅山の最終処分場。」

「鉱山を1度開発すると、金属を含む地下水が半永久的に流出し続ける。この排水を浄化するため、同浄水場で石灰水によるろ過や沈殿処理を行い、川に放水している。」

「同事業所は製錬事業を停止しており、水質浄化や堆積場の保全など公害予防対策が主な業務。年間4~5億円を投入する。非生産部門への支出額としては膨大だ。仮に倒産すれば、税金で賄わなければならない。」

「1973年の足尾銅山閉山から40年。「公害の原点」といわれる足尾では現在も、鉱毒事件という「負の遺産」と向き合う日々が続く。」

未来永劫続く負の遺産だな。

我が国の近代化の陰で生み出されるこうした話は、これからも続いていくに違いない。

もちろん、話は我が国に留まらない。

多くの開発途上国では、さらに過酷な話が繰り返えされる。

現在の豊かな生活、利便性は、そういった犠牲の上に成り立っている。

拡大再生産される負の遺産。

それを、目に見える形で示す意味でも、石棺は必要なのかもしれない。

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