原子力空母2017年02月19日 13:41

原子力空母


長期間に渡って作戦行動可能な原子力空母は、さながら動く洋上基地だ。

原子力潜水艦は、水中に潜んで見つからないことが仕事みたいなもんだが、空母はその威容を見せつけることが仕事みたいなところがある(そうなのかあ?)。

(米空母が南シナ海でパトロール開始 念頭には中国)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170219/k10010882151000.html

「アメリカ海軍は、空母カール・ビンソンを中心とする艦隊が南シナ海で定期的なパトロールを開始したと発表」

全世界に向けて、自国の攻撃兵器のありかを堂々と宣伝するというのは、米国ならではだな。

カールビンソンは、我が国にはあまりなじみがない。

(カール・ヴィンソン (空母))
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%B3_(%E7%A9%BA%E6%AF%8D)

「進水:1980年3月15日」

我が国には、3回訪れている。

・1983年10月1日:長崎県佐世保港
・1990年:佐世保
・2003年5月10日:横須賀基地

A4W原子炉2基を搭載する。

艦歴を見ると、1990年と2005年にオーバーホールを受けている。

この時に、たぶん、炉心交換とかも行っているんだろう。

(A4W (原子炉))
https://ja.wikipedia.org/wiki/A4W_(%E5%8E%9F%E5%AD%90%E7%82%89)

「炉心の設計寿命は20年とされている」

「A4Wを搭載しているのはニミッツ級航空母艦のみ」

ちなみに、次級であるジェラルド・R・フォード級航空母艦に搭載されるA1Bという新型原子炉は、50年間交換不要だそうだ。

(ジェラルド・R・フォード級航空母艦)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%A9%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%BBR%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%89%E7%B4%9A%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%AF%8D%E8%89%A6

「50年間交換不要の新型原子炉A1B(米Bettis社製第一世代空母用原子炉)」

3番艦までの建造が予定されており、エンタープライズ(解体中)とニミッツ級2艦(ニミッツ、ドワイト・D・アイゼンハワー)の後継となることが決まっている。

ニミッツ級3番艦のカールビンソンは、後継艦が決まっていない。

既に就役後30年以上になるが、まだまだ現役で頑張ってもらわなければならない。

空母の運用期間は40年から50年くらいだからな。

2030年くらいまでは、持たせなくてはならない。

原子力空母を世界中に展開するという、米国の前方展開戦略が、その頃まで継続すればの話だけどな。

まあいい。

カールビンソンは、2025年に次級3番艦のエンタープライズ(CVN-80)が就役すれば、最古参の原子力空母となる(エンタープライズは、2027年就役になるかも)。

たぶん、あと1回、オーバーホールを受けることになるだろう。

戦艦を中心とした大艦巨砲主義が、空母を中心とした航空戦力に置き換えられてから70年余りになる。

莫大な経費を投じて、洋上前方展開能力を維持し続けられるのは、米国だけだ。

カールビンソンの後継艦が登場するのかどうか。

新しい軍事ドクトリンが採用されて、米国の海軍力が縮小されていくのか(たぶん、ないな)。

ミサイルが数分で飛び交い、地域紛争が続く中で、空母の展開が持つ意味は、確実に変化している。

21世紀の洋上を遊弋する巨大空母が、ただの風呂桶になったわけではないだろうが、もそもそと動くデカい標的であることは間違いない。

乗ってるのは、概ね軍人だからな。

誤爆とかの心配もないしな。

ちょっと、時代遅れの感じもする。

海軍の飛行機乗りも、レトロな発想だしな(AI嫌いだし)。

まあ、どうでもいいんですが。

中国は、これから米国のマネをして、海軍力を増強しようとしているが、おそらくドブに金を捨てることになるだろう。

ことの良し悪しは別にして、無人島に基地を作るのが無難というものだ。

南シナ海で起こっていることは、単なる地域紛争ではなくて、兵力の運用思想と、その実装の対立を示しているような気がする。

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