宇宙ロケットとミサイル2017年03月05日 01:22

宇宙ロケットとミサイル
宇宙ロケットとミサイル


このところ、米国の宇宙開発について調べていて、その出自が弾道ミサイルの開発と密接に結びついていることが分かってきた。

そんなことも知らなかった浮沈子。

有人宇宙船を打ち上げるロケットといえば、アポロのサターン5型とスペースシャトルくらいしか知らなかったが、未だ現役のソユーズ宇宙船をはじめ、マーキュリー宇宙船やジェミニ宇宙船も、大陸間弾道弾の先っちょに乗っていたわけだ。

うーん、ヤバ過ぎ(そうかあ?)。

核弾頭の代わりに、人間乗せたカプセル付けて打ち上げてたわけだな。

しかし、弾道ミサイルではない、いわゆるふつーのミサイルは、宇宙ロケットと関係ないんだろうか?。

原理的には、ジェットエンジンを使用する巡航ミサイルは別にして、ロケットの原理を使用していれば、宇宙空間を飛ぶことが可能だ。

そんな、キワモノ的なミサイルもある。

有名どころでは、弾道弾迎撃ミサイルがそれに当たる。

(弾道弾迎撃ミサイル)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BC%BE%E9%81%93%E5%BC%BE%E8%BF%8E%E6%92%83%E3%83%9F%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%AB

「1950年代に開発が開始された核ミサイル系と、1990年代から現代に至るまで開発が続いている通常弾頭型がある。」

大気圏外を飛んでくる弾道ミサイルを迎撃するんだから、こっちも大気圏外に出ていかなければならないということか。

開発の歴史は、紆余曲折だが、現在の所、核弾頭を使用するロシアタイプと、通常弾頭を使用する米国タイプがある。

計画、構想は別としても、通常弾頭を使用するタイプで、ものになりそうなのは、MD(ミサイルディフェンス)ということになる。

(ミサイル防衛)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%AB%E9%98%B2%E8%A1%9B

「主に弾道ミサイルからある特定の区域を防衛することである。」

・早期警戒と指揮統制
・・DSP衛星
・・統合情報配布ネットワーク

・上昇段階(ブースト・フェイズ)
・・使い物になりそうなものはない。

・中間段階(ミッドコース・フェイズ)
・・イージスBMD(海上)
・・SM-3(海上:陸上にも配備か?)
・・Xバンド・レーダー(陸上・海上)
・・GBI(陸上)

・終末段階(ターミナル・フェイズ)
・・THAADミサイル・システム(大気圏外)
・・パトリオットPAC-3システム(大気圏内)

パック3は、射程短いからな。

この際、パスだ。

で、SM3とGBI、サードくらいが対象になる。

浮沈子は、大気圏外飛翔ロケットという観点から見ているので、何パーセント撃ち落とせるかなどという実用性における評価には関心がない。

(RIM-161スタンダード・ミサイル3:現役)
https://ja.wikipedia.org/wiki/RIM-161%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%9F%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%AB3

「製造業者:レイセオン、エアロジェット」

「最大高度:70-500km(44-310マイル)」

「第一段: MK 72ブースター、固体燃料ロケット(エアロジェット製)」

「第二段: MK 104固体燃料デュアル・スラスト・ロケット・モーター(DTRM)(エアロジェット製)」

「第三段: MK 136固体燃料第三段ロケット・モーター(TSRM)(ATK製)」

「第四段: 固体燃料軌道修正・姿勢制御装置(SDACS)(ATK製)」

(GBI (ミサイル):開発中?)
https://ja.wikipedia.org/wiki/GBI_(%E3%83%9F%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%AB)

「主契約企業:ボーイング」

「迎撃高度:未詳 (2000km?)」

「推進装置:3段式固体ロケット」

(THAADミサイル:現役)
https://ja.wikipedia.org/wiki/THAAD%E3%83%9F%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%AB

「製造業者 ロッキード・マーティン」

「最大高度:40-150km」

「推進剤:1段式固体ロケット」

「操舵方式:TVC+サイドスラスタ」

なんか、大陸間弾道弾とか、SLSの仕様を見てきた感じで比較すると、ショボショボの感じだ。

サードミサイルは、1段式とあるが、もちろん体当たりするためのキルステージは、上空で分離される(たぶん)。

これらは、結局、弾道ミサイルを防衛するための仕掛けだ。

相互確証破壊の悪夢から逃れ、核ミサイルの恐怖から解放するというシナリオなんだが、ICBMに対して完全に有効性が確認されているシステムはない。

いずれも、短距離弾道ミサイルや中距離弾道ミサイルなどの限定的な破壊に留まる。

広大な国土をカバーすることも出来ないし、そういう目的でもない。

あくまで、拠点防御、限定的な対抗手段だ。

何もしないわけではない、やれることはやるという程度。

政治的にはともかく、枕を高くするという話にはならない。

開発や配備には、莫大な投資が必要だが、その投資に見合う効果を確認することは出来ない。

ハッキリ言って、気休めだな。

しかし、その心理効果は無視できない。

じゃあ、何もしないでいいのか、やられっぱなしでもいいのかと開き直られれば、そのとおりとは言いづらい。

そういう商品だ。

家に鍵をかけるという話とは異なる。

多くのカギがかかっていれば、泥棒は他の家に入ってくれるだろうが、ドンパチやる時に、この国はガードが堅いから、他の国にしようというわけにはいかないだろう?。

確かに、一定の抑止力にはなる。

ガードを破るためには、それ相応の攻撃力を必要とするし、経済的な負担を強いることになる。

その閾値を、十分高くすることが出来れば、抑止力として機能する。

しかし、それは一時的、或いは限定的なものに過ぎない。

相手に対して、更なる攻撃力を持つことを正当化する効果(逆効果?)もある。

こういうのは、お安く、完全な性能が発揮されるものじゃあない。

一家に一台、サードミサイルというわけにはいかないのだ。

宇宙空間を飛ぶことが出来るミサイルだが、衛星や人間を乗せて飛ぶことは出来ない。

回収して再使用するなんてことも、想定の範囲外だ。

大陸間弾道弾は、その巨大な推進力を使って、地球の重力を振り切り、衛星や宇宙船を宇宙空間に運ぶことが出来た。

だからいいということじゃない。

良し悪しの問題ではない。

しかし、MDに使われるロケットには、そういう発展性はない。

まあ、GBIミサイルなら、固体燃料ロケットとして、小型衛星打ち上げに使えるかもしれない。

しかし、GBIは迎撃ミサイルとしての開発は難航している。

ひょっとすると開発中止に追い込まれかねない。

「GMD as the nation's only ground-based defense against limited ICBM attacks.」

米国は、MDを堅持するために、この中間段階でのミサイルを止めるわけにはいかないだろう。

ブースト段階や上昇段階で、マトモな仕掛けが登場して来れば別だけどな。

攻撃兵器、迎撃兵器としてのロケットは、まだ暫く飛び続けるに違いない。

今は、宇宙空間にそういう兵器を置くことは表立っては検討していないだろうが、浮沈子は、裏では絶対に何かやってるに違いないと確信している。

いつでも、好きな時に、地球上のどこでも、特定の場所をピンポイントで攻撃できるような兵器は、為政者の夢だ。

地べたを這って近づくこともなく、海の上をえっちらおっちら漕いでいかなくても、高い高いお空の上から、正確に狙えればいい。

現代は、衛星搭載兵器が登場するまでの、束の間の休息時間かも知れない。

それは、もちろん、条約かなんかで禁止されているんだろうが、そんなもんは破るためにある。

技術的に可能なことを、いつまでも封印し続けることは出来ない。

MDの封印が解かれ、世界は新たな時代に入った。

ロケットが、平和の宇宙を飛ぶ時代が来ることはないだろう。

高エネルギー指向性兵器を搭載した攻撃衛星が実用化されれば、それを飛ばさないということは有り得ない。

うーん、それを考えると、暗澹たる思いだな・・・。

(Lockheed THAAD Extended Range (THAAD ER):動画出ます:追加)
https://www.youtube.com/watch?v=Q3SMs_IR1vc

こう上手くいくかよ、というロッキードマーチンの次期サードの宣伝。

4割2017年03月05日 03:51

4割


(軍事研究しない原則、4割が支持)
http://jp.reuters.com/article/idJP2017030401001758?il=0

「日本学術会議が1950年と67年、過去の戦争協力への反省を踏まえ「軍事研究はしない」と誓った軍学分離の声明について、4割の大学が「堅持するべきだ」と考えていることが4日、全国の国公私立大95校を対象とした共同通信のアンケートで分かった。」

(軍事研究制度容認のトップに「取材対応禁止」要請 内部でさや当て)
http://www.sankei.com/politics/news/170301/plt1703010018-n1.html

「最終報告がまとまる7日開催の委員会に向けて賛否両派によるさや当てが激化しそうだ。」

「首相が会員を任命し国費で人件費が賄われる学術会議が委員会を昨年5月に設置し、適否を協議してきた。」

産経が言わんとするところは、あれだな、アゴアシ付きで任命されたんだから、言うこと聞くのは当然ということだろうな(そうなのかあ?)。

共同通信が行ったアンケートの中身は良く分からない。

念のために、反対派(?)のページも拝んでおこう。

(大学の軍事研究に反対する会)
https://gunjikenkyu-no.jimdo.com/

なんか、スゴイ感じのトップページだな。

ロイターのニュース記事にあった声明というのも拝んでおこう。

(戦争を目的とする科学の研究には絶対従わない決意の表明:1950年)
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/01/01-49-s.pdf

1-49とあるのがそれだ。

短いので、全文を引用しよう。

「日本学術会議は、1949年1月、その創立にあたって、これまで日本の科学者がとりきたった態度について強く反省するとともに科学文化国家、世界平和の礎たらしめようとする固い決意を内外に表明した。
 われわれは、文化国家の建設者として、はたまた世界平和の使として、再び戦争の惨禍が到来せざるよう切望するとともに、さきの声明を実現し、科学者としての節操を守るためにも、戦争を目的とする科学の研究には、今後絶対に従わないというわれわれの固い決意を表明する。」

1967年のも拝んでおく。

(軍事目的のための科学研究を行わない声明:1967年)
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/04/07-29-s.pdf

「われわれ科学者は、真理の探究をもって自らの使命とし、その成果が人類の福祉増進のために役立つことを強く願望している。しかし、現在は、科学者自身の意図の如何に拘わらず、科学の成果が戦争に役立たされる危険性を常に内蔵している。その故に科学者は自らの研究を遂行するに当たって、絶えずこのことについて戒心することが要請される。
 今やわれわれを取りまく情勢は極めてきびしい。科学以外の力によって、科学の正しい発展が阻害される危険性が常にわれわれの周辺に存在する。近時、米国陸軍極東研究開発局よりの半導体国際会議やその他の個別研究者に対する研究費の援助等の諸問題を契機として、われわれはこの点に深く思いを致し、決意を新たにしなければならない情勢に直面している。既に日本学術会議は、上記国際会議後援の責任を痛感して、会長声明を行った。
 ここにわれわれは、改めて、日本学術会議発足以来の精神を振り返って、真理の探究のために行われる科学研究の成果が又平和のために奉仕すべきことを常に念頭におき、戦争を目的とする科学の研究は絶対にこれを行わないという決意を声明する。」

うーん、長い・・・。

まあいい。

情勢は刻々と変化し、この声明(67年)から、既にちょうど半世紀が経過した。

現在は、国防予算の中から研究費が支給され、戦争遂行のための研究が制度的に行われるようになっている。

科学の研究が真理探究や人類の福祉の向上を目指しているにしても、その結果が軍事目的に応用されることは止めようがない。

そこに具体的に1本の線を明確に引くことは不可能だ。

さらに、一人一人の科学者が、節操を守ったり、戒心(用心)することにも限界がある。

これは、個人の倫理の問題ではない。

社会の変容と共に、変化しうる専門集団の規範の問題なのだ。

アンケートによれば、過半数の大学は、直ちに軍事研究に反対する表明を避けている。

賢明だな。

風向きが変わりつつあることを、敏感に感じ取っているのだろう。

大学経営は、そうでなくてはならない(そうなのかあ?)。

生命科学や情報管理など、それでなくても大学はややっこしい問題を抱えている。

研究結果を公表できない研究は、別に軍事研究に限らないだろう。

ヒトの遺伝子操作とかも、いろいろ制約がある。

軍事研究の問題は、それらの中に紛れ、社会の変化と共に変わっていく一つの要素になっている。

浮沈子は、無定見に軍事研究を受け入れるべきとは思わない。

核爆弾作ったり、毒ガス作ったり、殺人ウイルス作ったりする研究を、バンバンやれとも言わない。

どこかで線を引きつつ、現実的な問題として、真面目に取り組むべきだと考える。

防衛省から金が出るからダメとか、民間企業からならOKとか、そういう形式論は、科学的ではなかろう?。

学問・研究の自由と、目的による制約は相反する。

科学の水準や、それを利用する社会のあり方によっても変わって来る。

その変化にコミットしつつ、あらまほしき姿を描くことが必要だ。

頭の悪い浮沈子には、何もいいアイデアは思いつかないけどな。

戦争は、二度と起こしたくないという思いは、誰もが共通の思いだろうが、その実現の方法は異なる。

4割の明確な反対というのは、意外な数字だ。

浮沈子は、8割くらいは反対かと思っていた。

世間に疎い学者先生たちだからな。

それも仕方ないと・・・。

そしたら、4割だと!。

科学者が世間ずれしてきたのか、それとも、何か別の要因があるのか。

「大学側は防衛・軍事研究に慎重な姿勢が浮き彫りになった。」(ロイターより)

相変わらず、ロイターは頓珍漢な解説を載せているな。

逆だろう!?。

科学者が節操を失い、戒心を怠る時、災いが訪れる。

半世紀前の声明を拝んで、精進しなければなるまい・・・。

冥王星だあ?2017年03月05日 08:47

冥王星だあ?


今年打ち上げになるといわれている、スペースXの重量級ロケット、ファルコンヘビー。

(Falcon Heavy)
http://www.spacex.com/falcon-heavy

本家のページは、実はあまりよく見たことはない。

たまには、ちゃんと見ておこうと思って、ずーっと下の方まで流してスクロールして、おったまげた!。

「Technical Overview:
・HEIGHT:70m/229.6 ft
・STAGES:2
・BOOSTERS:2
・PAYLOAD TO LEO:54,400kg/119,930 lb
・PAYLOAD TO MARS:13,600kg/29,980 lb
・TOTAL WIDTH:12.2m/39.9 ft
・MASS:1,420,788kg/3,125,735 lb
・PAYLOAD TO GTO:22,200kg/48,940 lb」

まあ、火星とか書いてあるが、シャレだろうと思って気にも留めなかったが、次の項目を見てボー然とする。

「PAYLOAD TO PLUTO:2,900kg/6,390 lb」

冥王星かよ!?。

そういえば、ニューホライズンズは、今頃冥王星を超えて、なんとかいうエッジワースカイパーベルト天体に向かって飛んでるはずだ。

(ニュー・ホライズンズ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%9B%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%BA%E3%83%B3%E3%82%BA

「第一候補として選定された2014 MU69へ向かう場合は、2019年1月1日に到着する予定。」

「質量:465 kg」

ファルコンヘビーなら、6倍の重量を送り込めるというわけだな。

なるほど、月周回ツアーだけが、使い道ではない。

今後、太陽系内の探査機の打ち上げに、ファルコンヘビーを売り込もうということかもな。

NASAは、益々追いつめられていくだろう。

安定した打ち上げを続けるアトラス5や、重量級のデルタ4ヘビーも捨てがたいが、ファルコンシリーズが安定してきたら、使わないわけにはいかないかもしれない。

「打上げ機:アトラスV 551型」

(アトラス V:形式)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%B9_V#.E5.BD.A2.E5.BC.8F

「全てのアトラスロケットはロケットの構成から決まる3桁の数字の名称を持つ。100の位の数字はノーズコーンフェアリングの直径 (4 m / 5.4 m) を表し、4または5のどちらかである。10の位の数字は第1段に取り付けられる固体燃料補助ロケットの本数(4mフェアリングならば0本から最大3本、5mフェアリングの場合は0から最大5本まで)を表す。最後に1の位の数字はセントールロケットに搭載されるエンジンの個数(1基または2基)を示している。」

551というのは、フェアリング直径5.4m、固体燃料補助ロケット5本、セントール上段ロケットのエンジン1基というコンフィギュレーションということだ。

構成上は552もあるが、使用されたことはない。

今のところ、デルタ4ヘビーが最大の打ち上げロケットだが、スペースXのページでは、低軌道で22560kgということになっている。

551は、18510kg。

ウィキでは、18814kgとある。

まあいい。

で、気になるのは、ファルコンヘビーはちゃんと上がるのかという点だ。

初めの予定では、2014年位に上がることになっていたような気がする。

(ファルコンヘビー:打上げ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%98%E3%83%93%E3%83%BC#.E6.89.93.E4.B8.8A.E3.81.92

「スペースX社は当初ファルコンヘビー・デモンストレーションロケットを2012年カリフォルニア州ヴァンデンバーグ空軍基地に運び込み、2013年に打ち上げる構想を練っていた」

よく言うよ・・・。

まあ、ファルコン9の2度の失敗とかもあったしな。

4年遅れ位は、イーロンマスク的感覚では、オンスケジュールのうちだろう。

現在では、今年前半に上がることになっている。

まあ、スケジュール通りに行くなんて、誰も期待しないで待ってるに違いない。

ウィキの記事にある推進薬クロスフィード方式は、当面実現しないようだ。

「Shortly after liftoff the center core engines are throttled down. After the side cores separate, the center core engines throttle back up to full thrust.」(スペースXのページより)

まあ、出力のコントロールなら、簡単だからな。

燃料をコアの間で移送するということになれば、加速上昇しながら流体を制御するという厄介な問題を抱え、分離後の燃料系の遮断というトラブルの種も抱えることになる。

そう、スペースシャトルと同じ感じだ。

最終的にその構成を取るかどうかは分からない。

開発リスクと需要を考えれば、採用されないような気もする。

このロケットは、最初から有人用に設計されている。

つまり、トラブルに対する冗長系を備えている。

デルタ4ヘビーやアトラス5のテンコ盛りバージョンは、有人用ではない。

また、アトラス5を有人用に改造する模様だが、具体的な情報はない(スターライナーは、これで上げる予定)。

(Human-rating the Atlas V Centaur for NASA’s commercial crew program:追加)
http://www.thespacereview.com/article/3048/1

「Until ULA’s Vulcan rocket finally supersedes the Atlas V, Boeing’s Starliner capsule will rest on the shoulders of ULA’s Atlas.」

次期ロケットであるバルカンは、多分貨物専用だろう(どうやら、人間も上げるようです)。

有人重量ロケットの具体的な話は、SLSとファルコンヘビー位なものだ。

後は、全部ヨタ話。

ブルーオリジンのニューグレンなんて、絶対に飛ばない。

(ニューグレン)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%B3

「ロケットの設計は2012年から開始されており、2020年までの初打ち上げが目標とされている。」

メタンエンジン開発して、たぶん終わりになる。

エンジンは、バルカンで使えるしな。

巨大ロケット市場は限られている。

SLSでさえ、追い込まれている。

ファルコンヘビーが上がれば、価格的に太刀打ちできるかどうかは分からない。

再使用という離れ業を繰り出すスペースX。

バルカンで、エンジンを再使用できれば、コストは下がるだろうが、機体は海の藻屑だ。

(ヴァルカン (ロケット))
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%82%AB%E3%83%B3_(%E3%83%AD%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88)

「ULAはエンジンを停止後に機体から切り離して空力加熱から保護し、パラシュートで降下させてヘリコプターで回収するための技術を開発する予定である」

「2015年4月、ULAは再使用可能エンジンを採用する事で1段目の費用を90%、1段目の製造費を65%低減できると試算した」

まあ、当初は全部使い捨てのようだ。

スペースXの開発力は、いったいどうなっているのか。

他の追随を許さないスピードと、現実離れしたコンセプト、決して達成されたことのないスケジュール(!)、イーロンマスクのぶっ飛んだ発想。

1段目の回収を安定して成功させている実績は、ゆるぎないものだ。

たまに、ド派手に爆発してくれるけどな。

まあ、なるべく早くメタンエンジンを開発して、貴重なヘリウムを湯水のごとく使って液酸を加圧するのだけは止めてもらいたいもんだな・・・。

この惑星の移ろい2017年03月05日 19:54

この惑星の移ろい


空ばかり見上げて、ロケットだとか、火星だとか、冥王星だとか、人工衛星ばかり追いかけている今日この頃。

気が付けば、季節は移ろい、浮沈子が棲息するこの惑星の北半球でも、春が進んでいる。

今日は啓蟄。

(啓蟄)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%95%93%E8%9F%84

「陽気地中にうごき、ちぢまる虫、穴をひらき出ればなり」

ちぢまる虫とは、浮沈子の事かあ?。

風邪をひいては、治りかけ、治りかけてはまたひき直しを繰り返している。

先週の水泳教室には、なんとか復帰したが、その後は引きこもり状態。

久々に、500Eのエンジンをかけ(一発ですな)、車検が近いことを確認する。

やっべ!。

まあいい。

このクルマだけは、いつでも稼働可能な状態にしておかなければならない。

車検期間中は、03ボクスターを待機させるが、あれで遠出は避けたいところだ。

一応、車検は通してあるし、いつでもフル稼働可能にはしてある。

やれやれ・・・。

明日はJ-AUTOが休みだからな。

火曜日に、忘れずに連絡して、調整しなければならない。

ロタツアーに行くのに、成田まで頑張ってもらわなければならないからな。

まあ、最悪、03ボクスターでもいいし、何なら電車でもいい。

シングルのサイドマウントで、荷物も少ない。

キャリーバッグも買ったしな。

電車で行こうかな。

春だしな。

穴から出て、うごめくのもいい。

でもなあ、混む時期だからなあ。

少し考えて決めよう。

いずれにしても、83タルガと03ボクスターを入れ替えておなかければならない。

理想は、両方手元に置きたいんだがな。

そんな贅沢は許されない。

1台は、疎開先だ。

「啓蟄のことを日本以外の漢字文化圏では驚蟄と書く。また日本でもそう書く場合がある。」

皇帝の名前だったからということだが、一時期元に戻ったらしい。

が、使い慣れていたということで、驚蟄に再度変わったという。

「二十四節気の名称のうちで日本と中国で異なっているのはこれだけである。」

ほほう・・・。

知らなかったな。

「啓蟄の期間の七十二候は以下の通り。

・初候:
・・蟄虫啓戸(ちっちゅう こを ひらく):冬蘢りの虫が出て来る(日本)
・次候:
・・桃始笑(もも はじめて わらう):桃の花が咲き始める(日本)
・末候:
・・菜虫化蝶(なむし ちょうと けす):青虫が羽化して紋白蝶になる(日本)

・初候:
・・桃始華(もも はじめて はなさく):桃の花が咲き始める(中国)
・次候:
・・倉庚鳴(そうこう なく):山里で鶯が鳴き始める(中国)
・末候:
・・鷹化為鳩(たか けして はとと なる):鷹が郭公に姿を変える(中国)

せっかくなので、日本と中国で纏めてみた。

中国は、啓蟄(驚蟄)なのに、虫に関する記述がなく、花と鳥なところが面白い。

日本で、桃の花がはじめて笑うというのも、なるほどと思える表現だな。

単に咲き始めるというよりは、人の心を映している。

ものごとは、目で見るだけではなく、心で見る。

厳しい冬の季節を乗り越え、春の訪れにウキウキする人の心を、的確にとらえているような気がする。

桃笑う スモモもモモも モモのうち(浮沈子)

おそまつ・・・。