好ましからざる人物2017年03月06日 03:23

好ましからざる人物


(ペルソナ・ノン・グラータ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%83%AB%E3%82%BD%E3%83%8A%E3%83%BB%E3%83%8E%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%82%BF

杉原千畝について調べていた時にも、この言葉は出てきた。

ウイーン条約については、以前にも調べたことがある。

もう、はるか以前で、ブログなどを始める前だ。

(外交関係に関するウィーン条約)
https://ja.wikisource.org/wiki/%E5%A4%96%E4%BA%A4%E9%96%A2%E4%BF%82%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%B3%E6%9D%A1%E7%B4%84

第9条には、こうある。

「第九条:
1 接受国は、いつでも、理由を示さないで、派遣国に対し、使節団の長若しくは使節団の外交職員である者がペルソナ・ノン・グラータであること又は使節団のその他の職員である者が受け入れ難い者であることを通告することができる。」(前段)

「その通告を受けた場合には、派遣国は、状況に応じ、その者を召還し、又は使節団におけるその者の任務を終了させなければならない。」(中段)

「接受国は、いずれかの者がその領域に到着する前においても、その者がペルソナ・ノン・グラータであること又は受け入れ難い者であることを明らかにすることができる。」(後段)

「2 派遣国が1に規定する者に関するその義務を履行することを拒否した場合又は相当な期間内にこれを履行しなかつた場合には、接受国は、その者を使節団の構成員と認めることを拒否することができる。」

外交文書は、コンピューターのプログラムのようなもんだから、勝手に区切ったりしてはいかんのだが、まあ、どーせ日本語訳は正文じゃないからいいか。

日本語訳には、官報掲載時に誤植があったと言われている。

(外交関係に関するウィーン条約:備考)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%96%E4%BA%A4%E9%96%A2%E4%BF%82%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%B3%E6%9D%A1%E7%B4%84#.E5.82.99.E8.80.83

「上記誤りは、2008年7月9日に官報の正誤訂正欄で印刷誤りとして字句訂正が行われた」

ウィキソースは、訂正後の日本語訳を載せていることになるな。

まあいい。

マレーシアと北朝鮮のつばぜり合いは、とうとうペルソナ・ノン・グラータの発動にまで発展した。

まあ、事件に関する国家関与はともかく、行った先の国の刑事捜査について、国を代表する立場で言いたい放題言ったんだから、そのくらいの覚悟は出来ているんだろう。

本人が気にしているのは、本国に帰国してからの処分だけだ。

マレーシア政府が何と言おうと、そんなの関係ない!。

帰国したら、やっぱあれかな、粛清されちゃうのかな。

ヤバイと思って、第三国経由で帰国することにして、そこから亡命するのかな。

条約(第4条)では、アグレマンという言葉も出てくる。

「第四条:
1 派遣国は、自国が使節団の長として接受国に派遣しようとする者について接受国のアグレマンが与えられていることを確認しなければならない。」

「2 接受国は、アグレマンの拒否について、派遣国に対し、その理由を示す義務を負わない。」

業界用語だな。

部外者には、なんのことやらさっぱりだ。

解体新書を翻訳している、杉田玄白の心境だな。

(杉田玄白・本居宣長~江戸の学問~)
http://www2.nhk.or.jp/school/movie/outline.cgi?das_id=D0005120230_00000

「scene 04 困難をきわめた翻訳作業
玄白は仲間たちと『ターヘル・アナトミア』の翻訳(ほんやく)を開始します。しかし辞書もなくオランダ語がわからないため、作業は困難をきわめました。」

「玄白は語ります。「鼻は顔の中でフルヘッヘンドしたもの」という文章がありました。しかしその「フルヘッヘンド」がわかりません。ある本には、「木の枝を切り取るとそのあとがフルヘッヘンドとなる」、また「庭をそうじするとごみが集まりフルヘッヘンドする」とあります。」

「うず高く」という訳語を当てることになるのだが、よく知られた話だ。

(アグレマン)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%9E%E3%83%B3

「外交用語の一つ。フランス語で「同意」「承認」「承諾」。外交関係に関するウィーン条約における規定であり、接受国が派遣されてくる人物に対し、外交使節の長として承認すること。」

NHKつながりで、ニュースと解説を見ておこう。

(マレーシア 大使に国外退去求めるも 北朝鮮の反応なし)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170305/k10010899631000.html

「もしも派遣国側が国外退去を拒否した場合などには受け入れ国側は、さらに、「アグレマン」と呼ばれる外交官を受け入れる同意を取り消すことができます。その場合その人物は、外交官とは認められず、それまで与えられていたすべての外交特権を失うことになります。」

「仮に北朝鮮が、カン・チョル大使の国外退去を拒否し、マレーシア国内に駐在させ続ければ、マレーシア側の対応しだいでは、大使としての外交特権を失う可能性もあります。」

さて、大変なことになってきたな。

たかがマレーシアとなめてかかったんだろうが、東南アジアにおける重要な拠点を失いかねない事態だ。

「15人という外交官の数は、隣国のタイの北朝鮮大使館の8人と比べ、2倍近くで、マレーシアが北朝鮮にとって重要な対外活動の拠点」

銃殺、間違いなし!。

決まりだな(そうなのかあ?)。

(国外追放 北朝鮮大使、動きなく...)
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00351617.html

「日が暮れてからは、大使館では1部屋だけ明かりがともっているが、国外追放の通告に対し、ひっそりと沈黙を保っている。」

かわいそうに。

一人で遺書でも書いてるんだろうか?。

「今後の対応次第では、国交断絶まで発展する可能性も出ている。」

浮沈子には、マレーシアがそこまでやるとは思えないし、北朝鮮も戦略的に東南アジアとの関係は保っておきたいだろう。

ここは、大使の首と引き換えに、ことを収めるに違いない(あくまでも、予想)。

それとも、クララルンプールめがけて、弾道ミサイルぶっ放すのか。

届かないけど。

それはないな。

とすれば、銃殺の線は、ますます濃厚だ。

(マレーシア、北朝鮮との断交に現実味)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM05H3E_V00C17A3FF8000/

「夜にはわずかに開けた大使館のカーテン越しに屋内で館員らがビリヤードらしき遊びを楽しむ姿を見せる」

ありゃあ?、遺書書いてんじゃないのかあ?。

「すでに北朝鮮籍者の入国ビザ(査証)免除の停止を決め、大使の国外追放という厳しい措置も取った。残るのは国交断絶だけだ。北朝鮮はかつて爆弾テロを主導したとしてビルマ(現ミャンマー)に断交されたことがある。」

まあ、国交断絶なんて、屁でもないんだろう。

ほとぼりが冷めれば、またどうにでもなると思っているのかもしれない。

そうすると、あれかあ、大使は銃殺じゃなくて、祖国の英雄になれるかもしれないなあ。

非難を顧みず、断固として最高尊厳を守ったとかなんとか。

胸には銃弾ではなく、勲章ということになる。

まあ、コストはあまり変わらんしな。

材料も、安いもんだ。

銃弾は、売れれば外貨獲得になるが、勲章は国外じゃ売れないしな・・・。

それにしても、事件の解明は進まない。

せっかく逮捕したスリーパーは釈放しちゃうし、実行犯の女性2人は、たぶん何も知らずに雇われただけだろうし。

死亡者の親族からは、何の音沙汰もないし。

科学分析の最終結果と、今までの捜査で得られた証拠で、立件するしかなくなる。

証拠不十分、真犯人は分からず、遺体は結局大使館に引き渡されて、幕引きになる。

マレーシアも、時が経てば、北朝鮮との国交を再開するに違いない。

魚心あれば水心。

水清くして魚住まず。

「俗用:
英語では、職場の部署で村八分に遭った職員を指す用法もある」(ペルソナ・ノン・グラータより)

なんかなあ、暗い思い出が蘇ってきそうだな。

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