つまらん打ち上げ2017年05月17日 05:46

つまらん打ち上げ


ロケットの打ち上げは、見世物じゃない。

とはいえ、ファルコン9の打ち上げの生中継は、可能な限り見てきた。

最近は、録画で見る方が多い。

出かけてたり、用事があって見られなかったりする。

昨日も、走行会に参加したので、生で見ることはできなかった。

録画(といっても、ふつーのユーチューブ)で見る。

(Inmarsat-5 Flight 4 Launch Webcast:動画出ます)
https://www.youtube.com/watch?v=ynMYE64IEKs

1段目の回収もなく、さらには、衛星の放出シーンも映らなかった。

見どころなし・・・。

つまらん・・・。

特に、1段目の回収が見られないということが、これほどつまらないとは思わなかったな。

やっぱ、あれがないと、盛り上がりに欠ける。

巨大なロケットが、宇宙空間から飛来して、地上に降り立つ。

しかも、垂直に、着陸脚を開いて、ピンポイントで降り立つのだ。

降臨する。

パラシュート開いて、風に任せて落ちてくるのとは違う。

今回は、その中継はない。

着陸脚や、ハエ叩きのない、つるんとしたファルコン9の、外連味のない外面を眺めても、面白くもなんともない。

数年前なら、民間企業が独自に開発した宇宙ロケットが、静止軌道に衛星を打ち上げるということ自体が大ニュースだったが、もう、そんなことは当たり前になった。

NASAの下請けではなく、自前で商売している。

6トンを超える衛星を打ち上げるということで、回収は無理だったらしいが、ファルコンヘビーが実用化されれば、たやすく上げることが出来るだろう。

ブースター再使用して。

来月行われるブルガリアの衛星の打ち上げは、2回目の再使用ロケットと伝えられている。

(スペースX、インマルサット衛星をロケット打ち上げ成功 着陸は実施せず)
http://sorae.jp/030201/2017_05_16_x.html

「2017年6月に打ち上げるブルガリアの人工衛星では2回目となる再利用ロケットの利用を予定しています。」

予定では、その前に、3回の打ち上げが入っている(そんなにこなせるのかあ?)。

・NET MAY 31:CRS-11
・NET JUN:SES 11/ECHOSTAR 105
・NET JUN:IRIDIUM NEXT FLIGHT-2

いずれも、新品のロケットということになる。

回収が試みられることになるかは分からない。

しかし、ロケットの回収が当たり前になり、再使用が標準になって来るのは間違いない。

その低コスト、高頻度の打ち上げを前提にして、地球近傍の宇宙空間の利用が推進される。

年間10機程度の打ち上げでは、仮に低軌道衛星を10個積むことが出来たとして、5000機の衛星コンステレーションを展開するのに50年掛かるということになる・・・。

衛星寿命が10年あったとしても、維持することすらできない。

年間50機打ち上げられて、やっと維持できる。

つーことは、毎週打ち上げなければならないわけで、発射台の整備に2週間かかるとして、少なくとも2か所の打ち上げ場所が必要ということになる。

それ専用として。

使い捨てロケットでは到底無理な話だし、再使用するにしても、整備のコストや期間を徹底的に管理して圧縮する必要も出てくる。

何か月もかけてメンテしなければ再使用できないのでは、話にならない。

再使用ロケットとしての性能が問われる時代が、目前に迫っているのだ。

再使用?、当たり前だよね。

いくらで整備できるの?。

再打ち上げまでの期間は?。

打ち上げ場所は確保できるの?。

毎週打ち上げできる運用能力はあるの?。

で、それを前提にして、その次にやっと値段の話になる。

5000基の衛星コンステレーションを使うインターネット衛星の話は、打ち上げロケットありきの話ということになる。

イーロンマスクが強気なわけが分かるな。

世界中の、どこのロケット会社も、こんなことは実現できない。

構想とか計画はあったとしても、それを現実の形にして、商売に結び付けられていないのだ。

スペースXだって、実現できるかどうかは分からない。

ただ、今のところ、その可能性が一番高いだけだ。

低コストで、毎週10基の衛星を打ち上げ続けることが出来る能力がなければ、低軌道低遅延のインターネット衛星の実現はない。

衛星も、ロケットも、大量生産される時代になる。

商品やサービスを全世界に送り届けることが出来る、夢の販路の開拓だな。

砂漠のど真ん中でも、エベレストのてっぺんでも、大海原のただなかであっても、同じサービスが受けられる。

いまでも、それは可能だ。

高いコストと、やや長い遅延を我慢すれば。

昨日打ち上げられたインマルサット5号機は、そういう衛星だからな。

遅延はともかく、3基あれば極地域はともかくとして、全地球をカバーできる静止軌道衛星と張り合うには、コストをざっと1000分の1にしなければならないということだ。

中軌道衛星とのベストミックスを探るという話は、現実的な解にならざるを得ないだろう。

ロケットの打ち上げ頻度とコスト、衛星自体の低価格化が、この企画のポイントということになる。

衛星の値段が数百億円もしているようでは、到底無理な話で、基本的には1基1千万円くらいで出来なければ話が始まらない。

5000基では500億円になり、毎年新たに50億円を投資し続けることになる。

静止衛星の寿命は15年位だから、500億円の衛星のコストと比較すると、トントンか、やや有利ということになるが、問題は打ち上げコストということになる。

予備機も含めて、5基の静止衛星が必要だとして、3年に1回打ち上げればいいのに対して、年間500基の打ち上げということになれば、1回に10基打ち上げたとしても150分の1のコストにしなければならないことが分かる。

ファルコン9では高過ぎる。

逆に言えば、静止衛星を利用した通信が、どれだけ効率的かという話だ。

同時にさばくことが出来るチャンネル数の問題とかがあるわけだが、その辺りは良く知らない。

明日にも、インターネット衛星が実現するかのような話は、眉唾だというのが、浮沈子の今の認識だ。

コストの問題は別にしても、少なくとも、毎週ロケットが打ち上げられるような時代にならなければ、現実の話にはならないことだけは分かる。

打上げコストを150分の1(4千万円くらい)に出来るかどうかは分からないが、少なくとも再使用ロケットでなければ実現できないことだけは確かだ。

衛星の寿命を飛躍的に伸ばすことが出来るかどうかも問題だな。

イオンエンジンで軌道維持して、何とかするしかない。

軽くした分で打ち上げ基数を増やした方が得策か、衛星寿命を長くした方が得策か。

他にも、様々な技術要素がありそうだ。

ファルコン9の次の打ち上げは、2週間後だそうだ。

打ち上げコストは、(新品だから)70億円くらいだろう。

インターネット衛星なんて、夢のまた夢だな・・・。

バビロンの魔法2017年05月17日 08:57

バビロンの魔法

バビロンの魔法

兼ねて宿題にしていた、バビロニア人の方法による平方根の求め方を、C言語で書いてみる(という程のものかあ?)。

元ネタは、ここ。

平方根のアルゴリズム

「私のように数学の知識を持たない人間にも理解できるはずである。」

この一言に、自信を得る!(たんじゅん・・・)。

まあ、その通りなんだがな。

こんな簡単なアルゴリズムで、所用の値を得ることが出来る。

<2の平方根の場合>
xを2の半分(=1)にとりあえず決める。

(1回目)
1と2÷1の平均=1.5
1.5をxとする

(2回目)
1.5と2÷1.5の平均=1.416666666666667≒1.416667とする
1.416667をxとする

(3回目)
1.416667と2÷1.416667の平均=1.41421568685125≒1.414216とする
1.414216をxとする

(4回目)
1.414216と2÷1.414216の平均=1.414213562375196

ちなみに、平均を計算しているウインドウズの電卓で平方根を求めると(初めからそうすればあ?)、 1.414213562373095になる。

たった4回で、小数点以下10桁までの精度で計算できるという優れものだ。

さっそく、Cで書いてみる。

1 #include <stdio.h>
2
3 int main() {
4         int s;/*平方根を求めたい数*/
5         float x;/*うーん、敢えて言えば、sの平方根にしたい変数*/
6         float last_x;/*前のxの値*/
7         int i; /*単なるカウンター*/
8         s = 500;/*←ここでsを入力*/
9         /* xの初期値はsの半分にする(テキトー)。*/
10         x = s / 2;
11         last_x = 0;
12         /* xの値を計算する。*/
13         /*結果を比較して、以前のxの値と変わらなくなるまで繰り返す*/
14         for (i = 1; x != last_x; i = i + 1){
15                 last_x = x;/*計算前に、以前のxの値を格納*/
16                 x = (x + (s / x)) / 2;/*バビロニア人の方法*/
17                 printf("%d: %f\n", i, x);/*印刷*/
18         }
19
20         return 0;
21 }

行番号を取り込んでみる。

これなら、math.hをインクルードしなくてもいいので、コンパイルの際に-lmを後ろに付けなくてもいい。

パクった記事のC++をCに書き換えただけ。

sの値は500にしてあるが、8回目には7回目と同じ値で収束している。

とりあえず、動くことは動いたので、これでいいことにしよう。

追記:この記事は、wiki記法でアップしてみたが、面倒くさいのと1行改行が出来ないこと、段落開始の際に、強制的に字下げさせられることから、浮沈子的には好みではない。

プログラムは、整形済み文に指定すると、ちゃんと字下げされて出てきたので、見やすくなった(字は小さくなるので困るなあ)。

引用も、URLがゴチャゴチャしなくてスッキリする(これはいい!)。

うーん、迷うなあ・・・。

一筋縄2017年05月17日 18:12

一筋縄


ブルーオリジンのエンジンが、開発中に吹っ飛んだらしい。

(Blue Origin’s BE-4 engine test hardware suffers failure)
http://www.spaceflightinsider.com/organizations/blue-origin/blue-origins-be-4-hardware-suffers-failure/

あまり情報が出てこない会社なので、詳細は分からないようだが、失敗について報じられるのは初めてではないか。

このエンジンは、ロシア製のエンジンの代替として注目されている。

(BE-4)
https://ja.wikipedia.org/wiki/BE-4

「液体酸素と液化メタンに推進剤を変更した」

「同社は2014年9月まで開発していることを公表しなかった」

「BE-4はアトラスVのRD-180換装計画でAR-1と競合している。」

(RD-180)
https://ja.wikipedia.org/wiki/RD-180

(エアロジェット・ロケットダイン:AR-1)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%A2%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%B3#AR-1

「ケロシン/液体酸素を推進剤とするロケットエンジン」

冒頭のスペースフライトインサイダーの記事には、ULAはAR-1を選択するかのように書かれている(そうかあ?)。

まあ、どうでもいいんですが。

ULAに卸すかどうかは別にして、ブルーオリジン独自のロケットであるニューグレンに搭載が予定されている。

スペースXの2番煎じのようなビデオを公開して、ド派手にアピールしているが、ホントに飛ぶんだろうか?。

(Introducing New Glenn:動画出ます)
https://www.youtube.com/watch?v=BTEhohh6eYk

浮沈子的には、スペースXの独走を許さないためにも、是非とも頑張って欲しいところだ。

このロケットは、今はまだ、影も形もない。

スペースXが、ファルコン1の開発から、現状に辿り着くまでに15年を要している。

それを考えれば、早くても2020年代後半、下手をすれば、2030年代の実現になる。

まあ、ジェフベゾズは、調子のいいことを言うだろうが、それをまともに信じる人間はいないだろう。

スペースXの、次期ロケットと燃料の選択ではガチで当たることになる。

(ラプター (ロケットエンジン))
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%97%E3%82%BF%E3%83%BC_(%E3%83%AD%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3)

「液化メタンを燃料とするロケットエンジン」

液化メタンの燃料は、コストの点でも保存の点でも、ケロシン系に対して優位に立つことが出来る。

スペースXは、地球外の天体(火星とは限らない)における調達の容易さから選択したと言われている。

荒唐無稽だな・・・。

ロケットエンジンの開発は、一筋縄ではいかない。

開発に成功するかどうかも、今のところ分からない。

宇宙ロケット用としての液化メタン燃料の使用は、たぶん、初めてだろう。

メインエンジンとしては、少なくとも初めてのはずだ。

これが成功すれば、画期的な開発ということになる。

一筋縄でいかないのも無理はない。

浮沈子的には、ブルーオリジンに頑張ってもらって、スペースXの鼻を明かしてもらいたいものだ。