リブリーザーは大丈夫なのか ― 2017年06月12日 01:37
リブリーザーは大丈夫なのか
去年の秋、名古屋のダイビングプールでリブリーザーの体験会に参加させていただいた件は、たぶん、このブログにも書いた。
(リブ体験会)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2016/10/23/8234731
「エクスプローラーがどういう器材なのか、カウンターラング内蔵のSF2の吸い心地はどうなのか、エボリューションのバックマウントタイプのカウンターラングの操作性はどうなのか。」
「3つの課題の確認は全てできた。」
お礼を兼ねてメールを出したら、ブログに乗せてくれた。
(TDI リブリーザー体験会 名古屋事務局ダイビングプール)
http://www.sditdierdi.jp/tdi-blog/entry-227.html
「参加されたリブリーザーダイバーさんからのコメントです。」
内容は、浮沈子のブログの要約版だな。
ほぼ、メールした通りの記事になっている。
20代女性の体験者の感想が出ている。
「説明の後、実際にリブリーザーを体験してみると、それまでの不安は無くなりました。まず、呼吸が本当に楽でした。小さめの呼吸で良く、口の乾きもありませんでした。自分の呼吸の音も静かで、いつものダイビングと違っていて不思議な感覚でした。ブクブクとした泡もなく、静かに潜っていられるので、まわりの音がよく聞こえました。これで海の中、魚たちに警戒されずに様子を見ていることができると想像すると、ワクワクしました。」
そのワクワクが現実になったかどうかは知らない。
確かに、浮沈子の経験でも、初めてリブリーザーを咥えた時の驚きは鮮烈だった。
これは、ふつーのダイビングとは違う!。
使えば使う程、潜れば潜るほど、その違いを感じる。
サカナが寄って来る(ダイバーが寄らなくても)とか、サカナの鳴き声が聞こえる(クロスズメダイの威嚇音とか、イワシの群れの方向転換の音とか)。
何より、爆音である排気音がしない。
絶対的な静寂ではないんだが、つーか、他の音がよく聞こえるので、水中の賑やかさを感じるんだが、あの、轟音のような排気音がないというのは、全く別の世界だ。
中性浮力の難しさ、コントロールを失ったときのリスク、器材の不具合への対応、コスト、めんどくささ、使える場所が限られているなどなどを差し引いても、チャレンジし甲斐のある器材には違いない。
このところ、浮沈子の周りでは、CCR絡みの事故が相次いでいる。
器材に不具合があったという情報はない。
避け難いリスク、ダイビング環境への不適合、ダイバーの原疾患(トリガー不明)。
しかし、器材がCCRであったということで、その器材を使うダイビング全てが否定的に捉えられてしまうのは残念な話だ。
正しいトレーニングを受け、正しい器材を正しく使っている限り、現代のCCRで致命的なトラブルに巻き込まれることは稀有な話だ。
不十分なトレーニングで、誤った改造をされた器材で、(器材的にも、トレーニング的にも)適合しない環境で使用すれば、CCRでなくても致命的なトラブルに巻き込まれる確率は高まる。
どんなダイビングでも、それは同じで、CCRに限った話ではない。
そもそも、オープンサーキットとリブリーザーは、似て非なる器材だ。
ガス源として、シリンダーの中に充填した高圧ガスを携行するところまでは同じだが、タンクから決め打ちで減圧だけして吸うオープンサーキットと異なり、CCRは吸うガスを製造する機械だ。
しかも、正しいガスが製造されているかどうかを確認する義務は、ダイバー側にある。
メーカーは、吸うとこまでは面倒見れない。
そして、ダイバーは、モニターなどで確認した出来立てほやほやのガスを、自分の責任で吸う。
吸いたくなければ(吸うべきではないと判断すれば)、バックアップで携行した決め打ちガスに切り替えて、さっさと浮上することが出来る(し、そういうベイルアウト手順をトレーニングしなければならない)。
吸って良いと、自分で確認できた時だけ吸えばいい。
そう、水中では、息をするのも自己責任だからな。
それを、機種にも依るが、最低でも2分に1回は確認しなければならない。
それを確認するコンピューターが正しく作動しているかどうか、センサーに異常がないかどうかも含めて、ダイバーに確認の義務がある。
疑わしければ、そう、直ちにベイルアウトだ。
麗しいリブリーザーダイビングが行えるのは、全てが正しく動作し、それをダイバー自身が確認出来ているという幸せな時間に限られる。
環境が良く、ストレスのない状況で、全ての器材が正しく作動している限り、これ程楽しいダイビングはない。
レクリエーショナルレベルに留まる限り、その可能性は無限だ(無限圧だしな)。
長時間の連続ダイビング、排気音の(ほとんど)ないダイビング、中性浮力を取り辛いダイビング(!)、ハイポキシア、ハイパーオキシア、ハイパーカプニア、回路内への浸水に見舞われるリスクを抱えたダイビング(!)。
湿った暖かいガスの恩恵を感じたことはまだないけど、減圧症のリスクを下げると言われている。
それだって、保証されているわけではない。
元々、暖かく、明るく、浅い海でしか潜らなければ、それ程のメリットは感じないかもしれない。
それでも、そういうリスクに対しても、相対的に安全性は高くなる。
マトモに動き、マトモにコントロールできている限り、CCRは有り難い器材だ。
少なくとも、水中では・・・。
陸上での準備、終わった後での片付け、最終日のお支払いの事さえ別にすれば、麗しいダイビングの日々が待っている。
しばらくCCRで潜った後で、オープンサーキットでダイビングをすると、息を吐きだした瞬間に、なんじゃこりゃあ、ということになる。
まあ、すぐに慣れちゃうんですけど。
そんでもって、しばらく、そういうふつーのダイビングを楽しんだ後、久しぶりにリブリーザーを吸うと、とろけるような吸い心地を味わうことが出来る。
これぞ、久しぶりーザー・・・。
もう、半年以上、吸ってない。
禁断症状が激しい。
この記事を書いていると、余計吸いたくなる。
依存症だな。
否定しない。
否定できない!。
この依存性がある限り、リブリーザーは不滅だ(そうなのかあ?)。
近代的な全自動コントロールのCCRは、20世紀末に生まれて、21世紀になって怒涛の如く広まるはずだった。
しかし、PADIがテコ入れしても、他団体が導入に踏み切っても、普及には程遠い状態が続いている。
浮沈子は、レクリエーショナルレベルでの普及に可能性を見ているんだが、売り込む方が、そのポテンシャルを生かし切れていないのではないか。
従来のファンダイビングの延長としてではなく、全く異なるアドベンチャーとして、別の切り口を見出さなければならないのではないのか。
こてこてのテクニカルダイビングの器材としては、全く異なるアプローチが必要だろう。
浮沈子は、まだ、その世界の入り口に立って、こわごわのぞき込んでいるに過ぎない。
たぶん、もう、CCRなしでは、ディープ系のテクニカルダイビングは、成立しないのではないか。
それを、どう組み合わせて使うかという、デュアルCCRの時代に突入しているような気がする。
身の回りで起こる出来事と、ロングスパン、ワールドワイドで進行していることを、よく見極めなければならない。
現在のところ、器材的に根本的な問題は報告されていない。
既知のリスクは、トレーニングや運用で補い得ることは分かっている。
リブリーザーダイビングが、本質的に否定されるということにはならない。
正しく学び、正しく選択し、正しく運用することに尽きる。
どだい、水中では、人間は生きていくことは出来ないのだ。
それを、器材の力を借りて、不可能を可能にしているに過ぎない。
CCRは、当分大丈夫だ。
水中世界への健全な憧れと、謙虚な態度、CCRへの依存症(!)があれば十分だな。
まあ、水深1500mくらいまで潜れる小型潜水艇と、そこからスマホで操縦できる水中ロボットのセットが、100万円くらいで手に入るようになるまでは・・・。
去年の秋、名古屋のダイビングプールでリブリーザーの体験会に参加させていただいた件は、たぶん、このブログにも書いた。
(リブ体験会)
http://kfujito2.asablo.jp/blog/2016/10/23/8234731
「エクスプローラーがどういう器材なのか、カウンターラング内蔵のSF2の吸い心地はどうなのか、エボリューションのバックマウントタイプのカウンターラングの操作性はどうなのか。」
「3つの課題の確認は全てできた。」
お礼を兼ねてメールを出したら、ブログに乗せてくれた。
(TDI リブリーザー体験会 名古屋事務局ダイビングプール)
http://www.sditdierdi.jp/tdi-blog/entry-227.html
「参加されたリブリーザーダイバーさんからのコメントです。」
内容は、浮沈子のブログの要約版だな。
ほぼ、メールした通りの記事になっている。
20代女性の体験者の感想が出ている。
「説明の後、実際にリブリーザーを体験してみると、それまでの不安は無くなりました。まず、呼吸が本当に楽でした。小さめの呼吸で良く、口の乾きもありませんでした。自分の呼吸の音も静かで、いつものダイビングと違っていて不思議な感覚でした。ブクブクとした泡もなく、静かに潜っていられるので、まわりの音がよく聞こえました。これで海の中、魚たちに警戒されずに様子を見ていることができると想像すると、ワクワクしました。」
そのワクワクが現実になったかどうかは知らない。
確かに、浮沈子の経験でも、初めてリブリーザーを咥えた時の驚きは鮮烈だった。
これは、ふつーのダイビングとは違う!。
使えば使う程、潜れば潜るほど、その違いを感じる。
サカナが寄って来る(ダイバーが寄らなくても)とか、サカナの鳴き声が聞こえる(クロスズメダイの威嚇音とか、イワシの群れの方向転換の音とか)。
何より、爆音である排気音がしない。
絶対的な静寂ではないんだが、つーか、他の音がよく聞こえるので、水中の賑やかさを感じるんだが、あの、轟音のような排気音がないというのは、全く別の世界だ。
中性浮力の難しさ、コントロールを失ったときのリスク、器材の不具合への対応、コスト、めんどくささ、使える場所が限られているなどなどを差し引いても、チャレンジし甲斐のある器材には違いない。
このところ、浮沈子の周りでは、CCR絡みの事故が相次いでいる。
器材に不具合があったという情報はない。
避け難いリスク、ダイビング環境への不適合、ダイバーの原疾患(トリガー不明)。
しかし、器材がCCRであったということで、その器材を使うダイビング全てが否定的に捉えられてしまうのは残念な話だ。
正しいトレーニングを受け、正しい器材を正しく使っている限り、現代のCCRで致命的なトラブルに巻き込まれることは稀有な話だ。
不十分なトレーニングで、誤った改造をされた器材で、(器材的にも、トレーニング的にも)適合しない環境で使用すれば、CCRでなくても致命的なトラブルに巻き込まれる確率は高まる。
どんなダイビングでも、それは同じで、CCRに限った話ではない。
そもそも、オープンサーキットとリブリーザーは、似て非なる器材だ。
ガス源として、シリンダーの中に充填した高圧ガスを携行するところまでは同じだが、タンクから決め打ちで減圧だけして吸うオープンサーキットと異なり、CCRは吸うガスを製造する機械だ。
しかも、正しいガスが製造されているかどうかを確認する義務は、ダイバー側にある。
メーカーは、吸うとこまでは面倒見れない。
そして、ダイバーは、モニターなどで確認した出来立てほやほやのガスを、自分の責任で吸う。
吸いたくなければ(吸うべきではないと判断すれば)、バックアップで携行した決め打ちガスに切り替えて、さっさと浮上することが出来る(し、そういうベイルアウト手順をトレーニングしなければならない)。
吸って良いと、自分で確認できた時だけ吸えばいい。
そう、水中では、息をするのも自己責任だからな。
それを、機種にも依るが、最低でも2分に1回は確認しなければならない。
それを確認するコンピューターが正しく作動しているかどうか、センサーに異常がないかどうかも含めて、ダイバーに確認の義務がある。
疑わしければ、そう、直ちにベイルアウトだ。
麗しいリブリーザーダイビングが行えるのは、全てが正しく動作し、それをダイバー自身が確認出来ているという幸せな時間に限られる。
環境が良く、ストレスのない状況で、全ての器材が正しく作動している限り、これ程楽しいダイビングはない。
レクリエーショナルレベルに留まる限り、その可能性は無限だ(無限圧だしな)。
長時間の連続ダイビング、排気音の(ほとんど)ないダイビング、中性浮力を取り辛いダイビング(!)、ハイポキシア、ハイパーオキシア、ハイパーカプニア、回路内への浸水に見舞われるリスクを抱えたダイビング(!)。
湿った暖かいガスの恩恵を感じたことはまだないけど、減圧症のリスクを下げると言われている。
それだって、保証されているわけではない。
元々、暖かく、明るく、浅い海でしか潜らなければ、それ程のメリットは感じないかもしれない。
それでも、そういうリスクに対しても、相対的に安全性は高くなる。
マトモに動き、マトモにコントロールできている限り、CCRは有り難い器材だ。
少なくとも、水中では・・・。
陸上での準備、終わった後での片付け、最終日のお支払いの事さえ別にすれば、麗しいダイビングの日々が待っている。
しばらくCCRで潜った後で、オープンサーキットでダイビングをすると、息を吐きだした瞬間に、なんじゃこりゃあ、ということになる。
まあ、すぐに慣れちゃうんですけど。
そんでもって、しばらく、そういうふつーのダイビングを楽しんだ後、久しぶりにリブリーザーを吸うと、とろけるような吸い心地を味わうことが出来る。
これぞ、久しぶりーザー・・・。
もう、半年以上、吸ってない。
禁断症状が激しい。
この記事を書いていると、余計吸いたくなる。
依存症だな。
否定しない。
否定できない!。
この依存性がある限り、リブリーザーは不滅だ(そうなのかあ?)。
近代的な全自動コントロールのCCRは、20世紀末に生まれて、21世紀になって怒涛の如く広まるはずだった。
しかし、PADIがテコ入れしても、他団体が導入に踏み切っても、普及には程遠い状態が続いている。
浮沈子は、レクリエーショナルレベルでの普及に可能性を見ているんだが、売り込む方が、そのポテンシャルを生かし切れていないのではないか。
従来のファンダイビングの延長としてではなく、全く異なるアドベンチャーとして、別の切り口を見出さなければならないのではないのか。
こてこてのテクニカルダイビングの器材としては、全く異なるアプローチが必要だろう。
浮沈子は、まだ、その世界の入り口に立って、こわごわのぞき込んでいるに過ぎない。
たぶん、もう、CCRなしでは、ディープ系のテクニカルダイビングは、成立しないのではないか。
それを、どう組み合わせて使うかという、デュアルCCRの時代に突入しているような気がする。
身の回りで起こる出来事と、ロングスパン、ワールドワイドで進行していることを、よく見極めなければならない。
現在のところ、器材的に根本的な問題は報告されていない。
既知のリスクは、トレーニングや運用で補い得ることは分かっている。
リブリーザーダイビングが、本質的に否定されるということにはならない。
正しく学び、正しく選択し、正しく運用することに尽きる。
どだい、水中では、人間は生きていくことは出来ないのだ。
それを、器材の力を借りて、不可能を可能にしているに過ぎない。
CCRは、当分大丈夫だ。
水中世界への健全な憧れと、謙虚な態度、CCRへの依存症(!)があれば十分だな。
まあ、水深1500mくらいまで潜れる小型潜水艇と、そこからスマホで操縦できる水中ロボットのセットが、100万円くらいで手に入るようになるまでは・・・。
遅れに慣れる ― 2017年06月12日 14:02
遅れに慣れる
(ファルコンヘビー:沿革)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%98%E3%83%93%E3%83%BC#.E6.B2.BF.E9.9D.A9
「ケープカナベラルの複合発射施設からの初打ち上げは2013年末頃から2014年にかかる時期になるでしょうね。」
この発言は、2011年4月5日だからな。
エイプリルフールではない。
あれから、既に6年の歳月が流れているが、組みあがったファルコンヘビーの姿を見た者は誰もいない。
「アメリカのスペースX社が2017年夏の初打ち上げを目指して開発中の宇宙飛行用の大型ロケット(打ち上げ機)である」
このロケットの顧客は限られている。
空軍の巨大衛星か、NASAの深宇宙探査か、月周回観光くらいだ。
もっとも、2個とか3個とかの衛星をまとめて打ち上げるのにも使えるからな。
S社のコスト削減には、大いに貢献するだろう。
懸案の2段目のロケットの再使用にもチャレンジすることになる。
しかし、打ち上げが遅れることで被害を被る顧客は限られている。
(「ファルコン・ヘビー」3〜4ヶ月後に打ち上げへ スペースXのマスク氏ツイート)
http://sorae.jp/030201/2017_06_12_x.html
「All Falcon Heavy cores should be at the Cape in two to three months, so launch should happen a month after that」(2〜3ヶ月後にロケットのコアがケープ・カナベラルに準備され、1ヶ月後には打ち上げられるだろう:ソラエの翻訳)
9月から10月の打ち上げを予告している。
もちろん、それを鵜呑みにするわけにはいかない。
何らかの遅延が起こらないとも限らないからな。
S社では、ファルコン9ブロック5の開発も進行中だし、火星移民用の巨大ロケットの構想もある。
ISSへの有人宇宙船の開発は佳境を迎えているはずだし、それを使用してファルコンヘビーに乗せて月を回って帰ってくる話もある。
いくつもの計画が同時進行しており、ファルコンヘビーの開発に全力を投入できるかどうかという、資源配分の問題もある。
1段目だけで、27個ものロケットを、ちゃんとコントロールできるのかどうか。
左右のブースターの分離については、初物になる。
2機同時に着陸させるというのも初めてだ。
2段目の回収、フェアリングの回収もチャレンジングな要素である。
それらの要素技術を統合して、トータルとしてのロケットシステムを完成させなければならない。
既に、打ち上げロケットはスマホ化している。
巨大なエンジンや燃料タンク、それを収める見上げる様な本体は、スマホから駆動されるデバイスのようなもんだ。
つーか、ロケットにスマホが積まれていて、その指示で動く。
そのスマホのアプリがちゃんと動かなければ、ロケットは発射台で爆発四散して一巻の終わりだ。
地上システムも、大幅な変更が必要だろう。
それらの統合テストをクリアして、初めて実機の運用が可能になる。
浮沈子が気になっているのは、ブースターを両脇に抱えたファルコンを、どうやって直立させるかという話だ。
もちろん、燃料は後から入れるわけだが、エンジン着いた状態だからな。
27個も。
2段目も、フェアリングも付けたまま立ち上げられる。
SLSやサターン5型などの巨大ロケットは、垂直組み立て棟で、起立状態で組み上げられ、発射台に運ばれる。
SLSの前倒しが出来ない理由の一つが、垂直組み立て棟の改修が間に合わないということだったからな。
まあいい。
ファルコンヘビーは、水平組み立て棟から出て、よっこらしょと立てかけられて、燃料を詰め込み、点火されてリフトオフする。
2段目の回収が、どのように行われるかについては、何も明かされていない。
回収可能な条件や、構造的な変更があるのかどうか(現状では、着陸脚の装着は難しいのではないか)。
9月とか10月とか、楽観的なスケジュールを表明しているが、来年になったとしても浮沈子は驚かない。
その間に、通常版ファルコン9の事故が起これば、さらに1年程度は先延ばしになるだろう。
そもそも、現在の開発プロセスの中での最優先は有人宇宙船の運用だからな。
ここに穴をあけるわけにはいかない。
通常打ち上げの中での1段目の回収、再使用はルーチン化してきている。
そのプロセスの最適化も行われる。
そのリクスも懸念材料で、何かが起こり、ファルコンヘビーの足を引っ張る可能性は否定できない。
全てがうまくいって、何の直接的、間接的障害がない場合でさえ、今年の夏といわれていた打ち上げ時期は、今回の発表で1か月以上ずれ込むことになった。
当初、2013年と言われていた初打ち上げからは、4年間ずれ込んでいる。
ただ、準備は進行しており、最終段階に近づいていることは確かだ。
延期があったとしても、あと4年待たされるようなことはないだろう。
ファルコン9のブロック5が完成し、大型静止衛星の打ち上げで1段目の再使用が実現されれば、ブースターについては、そっちから回されることもあるのかもしれない(未確認)。
現行のファルコン9バージョン1.2は、1段目回収という点では、あくまでテストベッドだからな。
ブロック5になって初めて、本格的な回収再使用の仕様になる。
その1段目を、ファルコンヘビーに適用するというプロセスが考えられるが、現状はそうなっていない。
細かいすり合わせがどうなっているのかは不明だが、コスト削減と生産効率を考えれば、2系統の1段目を作り続ける意味はない。
ファルコンヘビーは、とりあえず、現行の1段目をブースターにして、統合テストを行おうとしている。
それは、たぶん、仮の姿だ。
本物の、ブラッシュアップされたファルコンヘビーが登場するのは、来年以降ということになる。
すべては、統合テストの成功の後ということになっているのかもしれない。
ロケットの開発に失敗はつきものだし、運用が安定するまでには時間がかかる。
今週末には、2度目の再使用ロケットによる衛星打ち上げが予定されている。
再使用回数は、前回と同じ、2回目ということになる。
現行のバージョン1.2は、繰り返し使用回数を意識して設計されていないので、整備コストもそれなりに掛かっているのだろうが、ブロック5は、整備コストの削減も考慮されているんだろう。
それでも、2段目の回収については、ファルコンヘビーを待たなければならない。
打ち上げ回数が限られるファルコンヘビーでは、回収のための実験にも制約が加わることになる。
2段目の回収は難航が予想される。
そもそも可能なのか。
現在のところ、2段目の回収を計画しているのは、スペースXだけだ。
他は、どこもそんなことは言っていない。
まあ、どうでもいいんですが。
常に何らかのチャレンジを自らに課し、遅延や失敗をものともせずにトライし続けるスペースXの姿勢に共感する人々は多いだろう。
度重なる遅延があったとしても、サボタージュや意欲の減退でないことだけは確かだ。
予想が楽観的過ぎるということはあるかも知れないが、そのくらいのオプティミズムがなければ、宇宙開発などというリスクの塊のような事業に乗り出す資格はない。
今年中にファルコンヘビーが発射台に立つことが出来れば上等だ。
世界中のオーディエンスが、その姿を待ち望んでいる。
そんでもって、点火直後に火だるまになってぶっ飛ぶのも期待しているに違いないのだ(そうなのかあ?)。
全てが予定通りに進み、何のトラブルもなく恙なく進行するのが当たり前になってきたロケット打ち上げ。
スペースXの生中継を見る楽しみは、常に何らかの挑戦を行う同社ならではの、ド派手なイベントを期待しているからに他ならない。
もちろん、それは心に秘めた楽しみであるべきだがな。
挑戦者の成功を見届ける、歴史の証人の一人になりたいというのが第一の理由である。
遅延に慣れた世界中の観客は、その歴史的瞬間に立ち会うために待っている。
少なくとも、これで夏の間はダイビングに専念することが出来るわけだしな・・・。
(ファルコンヘビー:沿革)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%98%E3%83%93%E3%83%BC#.E6.B2.BF.E9.9D.A9
「ケープカナベラルの複合発射施設からの初打ち上げは2013年末頃から2014年にかかる時期になるでしょうね。」
この発言は、2011年4月5日だからな。
エイプリルフールではない。
あれから、既に6年の歳月が流れているが、組みあがったファルコンヘビーの姿を見た者は誰もいない。
「アメリカのスペースX社が2017年夏の初打ち上げを目指して開発中の宇宙飛行用の大型ロケット(打ち上げ機)である」
このロケットの顧客は限られている。
空軍の巨大衛星か、NASAの深宇宙探査か、月周回観光くらいだ。
もっとも、2個とか3個とかの衛星をまとめて打ち上げるのにも使えるからな。
S社のコスト削減には、大いに貢献するだろう。
懸案の2段目のロケットの再使用にもチャレンジすることになる。
しかし、打ち上げが遅れることで被害を被る顧客は限られている。
(「ファルコン・ヘビー」3〜4ヶ月後に打ち上げへ スペースXのマスク氏ツイート)
http://sorae.jp/030201/2017_06_12_x.html
「All Falcon Heavy cores should be at the Cape in two to three months, so launch should happen a month after that」(2〜3ヶ月後にロケットのコアがケープ・カナベラルに準備され、1ヶ月後には打ち上げられるだろう:ソラエの翻訳)
9月から10月の打ち上げを予告している。
もちろん、それを鵜呑みにするわけにはいかない。
何らかの遅延が起こらないとも限らないからな。
S社では、ファルコン9ブロック5の開発も進行中だし、火星移民用の巨大ロケットの構想もある。
ISSへの有人宇宙船の開発は佳境を迎えているはずだし、それを使用してファルコンヘビーに乗せて月を回って帰ってくる話もある。
いくつもの計画が同時進行しており、ファルコンヘビーの開発に全力を投入できるかどうかという、資源配分の問題もある。
1段目だけで、27個ものロケットを、ちゃんとコントロールできるのかどうか。
左右のブースターの分離については、初物になる。
2機同時に着陸させるというのも初めてだ。
2段目の回収、フェアリングの回収もチャレンジングな要素である。
それらの要素技術を統合して、トータルとしてのロケットシステムを完成させなければならない。
既に、打ち上げロケットはスマホ化している。
巨大なエンジンや燃料タンク、それを収める見上げる様な本体は、スマホから駆動されるデバイスのようなもんだ。
つーか、ロケットにスマホが積まれていて、その指示で動く。
そのスマホのアプリがちゃんと動かなければ、ロケットは発射台で爆発四散して一巻の終わりだ。
地上システムも、大幅な変更が必要だろう。
それらの統合テストをクリアして、初めて実機の運用が可能になる。
浮沈子が気になっているのは、ブースターを両脇に抱えたファルコンを、どうやって直立させるかという話だ。
もちろん、燃料は後から入れるわけだが、エンジン着いた状態だからな。
27個も。
2段目も、フェアリングも付けたまま立ち上げられる。
SLSやサターン5型などの巨大ロケットは、垂直組み立て棟で、起立状態で組み上げられ、発射台に運ばれる。
SLSの前倒しが出来ない理由の一つが、垂直組み立て棟の改修が間に合わないということだったからな。
まあいい。
ファルコンヘビーは、水平組み立て棟から出て、よっこらしょと立てかけられて、燃料を詰め込み、点火されてリフトオフする。
2段目の回収が、どのように行われるかについては、何も明かされていない。
回収可能な条件や、構造的な変更があるのかどうか(現状では、着陸脚の装着は難しいのではないか)。
9月とか10月とか、楽観的なスケジュールを表明しているが、来年になったとしても浮沈子は驚かない。
その間に、通常版ファルコン9の事故が起これば、さらに1年程度は先延ばしになるだろう。
そもそも、現在の開発プロセスの中での最優先は有人宇宙船の運用だからな。
ここに穴をあけるわけにはいかない。
通常打ち上げの中での1段目の回収、再使用はルーチン化してきている。
そのプロセスの最適化も行われる。
そのリクスも懸念材料で、何かが起こり、ファルコンヘビーの足を引っ張る可能性は否定できない。
全てがうまくいって、何の直接的、間接的障害がない場合でさえ、今年の夏といわれていた打ち上げ時期は、今回の発表で1か月以上ずれ込むことになった。
当初、2013年と言われていた初打ち上げからは、4年間ずれ込んでいる。
ただ、準備は進行しており、最終段階に近づいていることは確かだ。
延期があったとしても、あと4年待たされるようなことはないだろう。
ファルコン9のブロック5が完成し、大型静止衛星の打ち上げで1段目の再使用が実現されれば、ブースターについては、そっちから回されることもあるのかもしれない(未確認)。
現行のファルコン9バージョン1.2は、1段目回収という点では、あくまでテストベッドだからな。
ブロック5になって初めて、本格的な回収再使用の仕様になる。
その1段目を、ファルコンヘビーに適用するというプロセスが考えられるが、現状はそうなっていない。
細かいすり合わせがどうなっているのかは不明だが、コスト削減と生産効率を考えれば、2系統の1段目を作り続ける意味はない。
ファルコンヘビーは、とりあえず、現行の1段目をブースターにして、統合テストを行おうとしている。
それは、たぶん、仮の姿だ。
本物の、ブラッシュアップされたファルコンヘビーが登場するのは、来年以降ということになる。
すべては、統合テストの成功の後ということになっているのかもしれない。
ロケットの開発に失敗はつきものだし、運用が安定するまでには時間がかかる。
今週末には、2度目の再使用ロケットによる衛星打ち上げが予定されている。
再使用回数は、前回と同じ、2回目ということになる。
現行のバージョン1.2は、繰り返し使用回数を意識して設計されていないので、整備コストもそれなりに掛かっているのだろうが、ブロック5は、整備コストの削減も考慮されているんだろう。
それでも、2段目の回収については、ファルコンヘビーを待たなければならない。
打ち上げ回数が限られるファルコンヘビーでは、回収のための実験にも制約が加わることになる。
2段目の回収は難航が予想される。
そもそも可能なのか。
現在のところ、2段目の回収を計画しているのは、スペースXだけだ。
他は、どこもそんなことは言っていない。
まあ、どうでもいいんですが。
常に何らかのチャレンジを自らに課し、遅延や失敗をものともせずにトライし続けるスペースXの姿勢に共感する人々は多いだろう。
度重なる遅延があったとしても、サボタージュや意欲の減退でないことだけは確かだ。
予想が楽観的過ぎるということはあるかも知れないが、そのくらいのオプティミズムがなければ、宇宙開発などというリスクの塊のような事業に乗り出す資格はない。
今年中にファルコンヘビーが発射台に立つことが出来れば上等だ。
世界中のオーディエンスが、その姿を待ち望んでいる。
そんでもって、点火直後に火だるまになってぶっ飛ぶのも期待しているに違いないのだ(そうなのかあ?)。
全てが予定通りに進み、何のトラブルもなく恙なく進行するのが当たり前になってきたロケット打ち上げ。
スペースXの生中継を見る楽しみは、常に何らかの挑戦を行う同社ならではの、ド派手なイベントを期待しているからに他ならない。
もちろん、それは心に秘めた楽しみであるべきだがな。
挑戦者の成功を見届ける、歴史の証人の一人になりたいというのが第一の理由である。
遅延に慣れた世界中の観客は、その歴史的瞬間に立ち会うために待っている。
少なくとも、これで夏の間はダイビングに専念することが出来るわけだしな・・・。
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