よく考えれば2017年06月24日 17:07

よく考えれば
よく考えれば


ブルガリアサット1の打ち上げは、何とか成功した。

まあ、無事に成功したとはいえ、ドローン船のセンターから大きく外れてしまい、あわや、海中へドボンと行きそうな雰囲気だったな。

衛星重量約4トンだとしても、静止軌道に打ち上げての回収というのはリスクを伴う。

フルスラストになってから成功しているというものの、殆どギリギリなのではないかあ?。

映像は途中で途切れ、着陸後の映像が後から出た。

(BulgariaSat-1 Launch Webcast:動画出ます。)
https://www.youtube.com/watch?v=Y8mLi-rRTh8

25分40秒くらいに、着陸した映像が出る。

まあ、この辺りも、ブロック5になれば、ヒヤヒヤせずに見ていられるようになるんだろう。

まあいい。

当たり前のように打ち上げられ、当たり前のように回収されて再使用に回される。

そういう時代になったということだ。

2度目の成功は、その意味では意義深い。

前回、たまたま成功したとか、運が良かったとか、そういうことではなくなったわけだ。

まだ、再使用までの期間は半年近くかかっているし、コストがどの程度削減されるかも公表されていない。

今は、まだ実験段階だからな。

再使用を前提に設計されたブロック5の運用が定着すれば、その辺りも明らかになるだろう(たぶん)。

今回はフェアリング周りの部品の不具合から、打ち上げが延期になるなど、まだまだ安定性には課題を残している。

もう、スペースXの打ち上げなんて、つまらないから見る必要がないというくらいにならないといけないんだろう。

今回も、実際見たのは録画だったがな。

それで十分だ。

赤熱したグリッドフィン、途中で途切れてしまう1段目からの中継映像、ドローン船からの映像も、着陸寸前に途切れるという、失敗したときのパターンに、思わず身を乗り出したが、多少ずれて着陸したとはいえ、無事に降り立っている映像が出た時には、正直ガッカリした(そうなのかあ?)。

惜しかったな・・・。

ここで、転倒して、木っ端微塵に砕け散る映像が出るかと、本心では期待していたんだがな。

何事もなかったかのように、すまして立っている1段目は、エントリーバーンとランディングバーンの際の煤で黒く汚れているが、それが、上空119kmの宇宙空間から降りてきた何よりの証だ。

映像を見ると、上空約59kmでエントリーバーンを開始したときの落下速度は時速約8600kmと、超高速だ。

エントリーバーンが終了する43km辺りでは、時速6600kmに落ちている。

その後、高度22km辺りでテレメトリーが途絶えてしまった。

激突か!?。

それとも、空中分解か!?。

ランディングバーンがスタートしたというアナウンスの後、ドローン船の向こう側の海面が波立つ。

おおっ、無事だったのか。

だが、再び、画像が切れて真っ暗な画面。

オーディエンスのため息・・・。

で、前述のように、着陸した1段目が映し出され、ため息は歓声に変わる。

解説の人は、3エンジンランディングバーンと言っていたが、本当なんだろうか?。

また、後日、詳細が明らかになるんだろう。

日曜日(25日)の夜中(つーか、26日の早朝?)には、イリジウムの打ち上げがバンデンバーグから行われる。

こっちは、新品のロケットだが、同じくドローン船による回収が行われる予定だ。

低軌道への打ち上げで、ドローン船による回収というパターンだからな。

浮沈子の見立てが確かならば、この1段目も先々再使用される見込みが高い。

それは、ファルコン9になるのか、それともファルコンヘビーになるのか。

さもなければ、見込みは外れて、低軌道打ち上げにおける、陸上回収の1段目が使われるのかもしれない。

チャレンジとしては、今回のように燃焼時間が長く、洋上輸送距離も長い静止軌道への打ち上げの回収ロケットを、再使用するというのもあり得る。

どのパターンになるんだろうな?。

まあ、どうでもいいんですが。

年内には、10回以上(12回)の打ち上げが予定されているそうだが、どれが再使用に当たるのか、それは、いつ打ち上げられたロケットなのかは未公表だ(たぶん)。

順調にいけば、年内にはブロック5が出来上がるという。

そうなれば、そっちのブースターを回収して再使用した方が、整備性等の理由で経済的なんだそうだ。

よくよく考えてみれば、博打のような現在の運用は、必ずしも望ましい姿ではない。

再使用を想定して設計したとはいえ、初めて回収に成功した機体だ。

ソフトウェア的な改修が行われているとはいえ、その後の知見を踏まえて、ハードウェアから見直したわけではないだろう。

そういえば、最近の打ち上げでは、以前頻発していたヘリウム系のトラブルによる遅延は見られなくなってきたな。

打ち上げロケットを回収するということは、システムに掛かる負荷や、それに伴う不具合の発生を、実際に直接見ることが出来るというメリットがある。

地上試験で確認したり、センサーを仕込んでデータを送ったりしても、使用済みの現物を目の当たりにすることには敵わない。

再使用ロケットは、その意味でも信頼性の向上に資することが出来る。

更には、過剰な部分を削ぎ落して最適化できるという点では、コストの削減にも貢献できる可能性がある。

ちゃんとしたエビデンスを得ながらのコスト削減だからな。

ブロック5で、ド派手なイベントを期待するのは、益々難しくなるに違いない。

何かが起こるなら、今しかない・・・。

フライトプローブンでない、出来立てほやほやのロケットが、月曜日(日本時間)には打ち上げられる。

今や、新品のロケットの隠れた瑕疵に期待するしかない。

実際のストレスを与えた後に、その部分を修理したり交換してしまった再使用ロケットでは、何かを期待することは逆に難しくなったと言えよう。

ひょっとすると、ゆくゆくは、新品ロケットでの打ち上げの方が安くなる可能性もある(未確認)。

もちろん、打ち上げ前には、スタティック・ファイア・テストを行っているし、品質管理には万全を期しているんだろうが、それでも実際に打ち上げてみなければ分からないことはたくさんあるに違いない。

月曜日の朝か。

どんな映像がみられるか、楽しみだな・・・。

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