ロケットとCCR2017年07月16日 02:07

ロケットとCCR


コアステージが真ん中にあって、両側にブースターを抱えて離陸するロケット。

サイドマウントダイバーに見えなくもないし、トラベルフレームに酸素とディリュエントを付けたCCRに見えなくもない。

そういう見た目の話ではなく、ロケットとCCRには共通の要素がある。

酸素だ。

水素やケロシンといった燃料と結びついて、その化学結合のエネルギー(正確には、結合エネルギーの差分)を運動エネルギーや位置エネルギーに変換する装置がロケットだ。

CCRの場合は、もっと穏やかな反応を、人間という化学反応系で行う。

それでも、前の日にしこたま食ったどんぶり飯を、酸素と化学反応させて筋肉動かしたりすることに変わりはない。

人間は、水中の溶存酸素を利用できないからな。

タンクに詰めて水中に持ち込み、薄めガスと混ぜて水中で吸うしかない。

宇宙と同じで、燃料と酸素は持ち込みになる。

燃料の方は、人間の身体の中に溜め込んで置ける。

水中で燃やして、筋肉を働かせる(脳も働かさないと潜れませんが、浮沈子は余り使ってないかも)。

酸素が無くなれば、ロケットはそれ以上飛ばなくなる。

宇宙空間を漂うだけ。

弾道飛行をするか、衛星となって回り続けるか。

宇宙のかなたに飛んで行ってしまうか。

水中で酸素が切れると、チョイヤバだな。

ディリュエントもあるから、浅いところなら浮上も出来る。

減圧停止とかも含めて、ベイルアウトタンクの範囲で浮上できるように計画する。

もちろん、そのバックアップのタンクの中にも、酸素は入っているわけだから、スカになったということではない。

それもないということになると、水中を土座衛門になって漂うことになる(勘弁してくれ!)。

ロケットと同じだな。

使い捨てロケットは、それでいいかも知れないが、ダイビングの度に命を捨てていてはたまらんからな。

酸素があるうちに戻って来るのがよろしい。

ロケットも、最近は酸素を使い切る前に戻ってきて、燃料ともども詰め替えて再使用できるようになってきた(一部ですが)。

スペースシャトルの時代もあったけど、使い捨ての方が安上がりだということで、再び使い捨てに戻ってしまったが、また、再使用の流れが出来つつある。

ダイビングは、使い捨ての時代はなかった(はず)。

オープンサーキットだって、タンクはちゃんと繰り返し使える。

CCRは、吐いたガスを使い捨てにしないで、再使用しているが、これはロケットとは関係ない。

作用反作用の法則で飛ぶロケットは、噴射したガスを回収するというわけにはいかない。

原理的に、捨てなければ飛べないわけだ。

(身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ)
http://kotowaza-allguide.com/mi/miwosutetekoso.html

「犠牲にする覚悟があってこそ、初めて窮地を脱して物事を成就することができるということ。」

あんま、関係ないか。

まあいい。

ちょっとピントがズレた。

一般によくある誤解の一つが、ダイバーは水中でタンクの中の酸素を吸っているというものだ。

もちろん、普通の場合はただの空気か、最近はエンリッチドエアナイトロックス(縮めて、ナイトロックス:酸素を少し濃くしたガス)を圧縮して詰めたものを吸っている。

そのうち、ヘリウムガスを混ぜたトライミックスや、窒素を抜いたヘリオックスを吸うようになるかもしれない。

CCRは、そういったガスを、原料である酸素と薄めガスから製造する機械だ。

空気は、概ね窒素が78パーセント、酸素が21パーセントのガスで、アルゴンとかの微量元素が1パーセントということになっている。

これをそのまま吸うと、浅いとこで短時間ならともかく、深いところや、浅いところでも長時間ということになると、いろいろややっこしい話が出てくる。

酸素も、窒素も、それなりに悪さをする。

ヘリウムも、当然悪さをして、いろいろな問題を起こす。

それらをうまくコントロールして、身体的な負担を軽くして潜る技術があるらしい。

が、まあ、そういうのはここでは書かない。

ロケットとは、あまり関係ないからな。

燃焼に伴うガスの急激な膨張を利用して、反作用で飛ぶロケット。

重力に逆らって物理的な結果を得るために、勢いよく噴射しなければならない。

CCRでは、そんな必要はない。

適正に調製された酸素を肺に送ってやって、体の中の燃料(炭化水素)をゆっくり燃やしてやればいいのだ。

フィンを掻く程度のエネルギーで十分だ。

それを制御する脳も、ちっとは動かす。

持ち込んだ酸素を使い切る前に、水面に出てくればよろしい。

CCRに限らず、オープンサーキットでも、同じことなわけだな。

持ち込んだガスの中の酸素を使って、燃料燃やして水中を移動する。

そのガスを水中に捨ててしまうのがオープンサーキットで、もう一度吸うのがCCR。

一度だけじゃないけど。

二酸化炭素除去して、吸った分の酸素を足すけど。

水中に酸素を持ち込むCCR。

宇宙空間に酸素を持ち込むロケット。

似ているところは、そこまでだ。

ちなみに、宇宙服の中は純酸素で満たされている。

気圧は、0.3気圧くらい。

ISSの中は、1気圧の空気(宇宙遊泳する前には、気圧を下げるようです)。

宇宙服を着るためには、空気中の窒素で飽和した体の中から、窒素を抜かなければならない。

宇宙服を着るためには、減圧が必要なわけだ。

浮沈子は知らないんだが、宇宙服を脱ぐ時って、急速潜降しているようなもんだからな。

何か手順があるんだろうか?。

いつか調べてみよう。

ロケットの打ち上げを見ていても、概ね人間が乗っていることは少ないから、何かが起こらないかなとか、不埒なことを考えている。

特に、発射の瞬間とか、最大動圧が掛かるマックスQとか、1段目が分離するところ、2段目の着火辺りが見どころになる。

フェアリングの分離や、衛星の放出も、イベントが期待できる。

ダイビングのトラブルは、潜降開始でバルブ開け忘れているとか、冷たい水に入って心臓が止まってしまうとか、吸うガスを間違えてるとか、CCRなら、いきなり機械が壊れて変なガスを吸ってしまうとか。

ほかにも、ありとあらゆるトラブルが考えられるからな。

こっちの方は、期待したりはしていないし、整備や点検、ダイビング時の確認、ダイビング中の監視も怠りなく行う必要がある。

見世物ではない。

ロケットの打ち上げだって、見世物じゃないはずだ。

成功して当たり前だし、失敗を期待するなど、もってのほかだな。

それでも、爆発的なエネルギーの開放を行うわけだから、人の作りしものの究極な姿を見せることになる。

見世物としても、十分に見応えがある。

水中は、そういう意味では限られた世界だ。

潜水艇とかに積んだカメラで撮った映像で楽しむしかない。

それでも、実際に水中に行って、そこで水中眼鏡越しに見る生の世界に勝るものはない。

ほんの十数メートルの浅い水深であったとしても、それは驚異の体験だ。

タオ島ツアーや小笠原の準備に余念がない今日この頃。

ロケットの打ち上げも、スペースXについては、暫くないしな。

酸素持ち込むだけが似てたとしても、それは、全く別の世界だ。

そのことを、改めて確認した。

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