勝てないトヨタ ― 2017年07月17日 10:29
勝てないトヨタ
クルマが遅いわけではない。
ポールポジションは取れる。
ドライバーだって悪くない。
しかし、何故か、勝てない。
(WEC第4戦:ポルシェがワン・ツー。トヨタ、ニュルブルクリンク初優勝ならず)
https://www.as-web.jp/sports-car/142860?all
「8号車トヨタのスローダウンは、燃料ポンプに起因するエンジントラブル」
「交わされた7号車トヨタのロペスも3秒前後の僅差で続いていったが、徐々にギャップが拡大。」
「3時間を過ぎた頃には1号車ポルシェ919ハイブリッド(ニール・ジャニ/アンドレ・ロッテラー/ニック・タンディ)にも交わされ3番手まで後退」
「前を行くポルシェ勢とのギャップが25秒近くまで広がってしまう。」
タイヤの選択の問題なのか、時間が経つほどに遅くなる(相対的に)という悪夢のような話だ。
(【WEC】 トヨタ:第4戦 ニュルブルクリンク6時間 決勝レポート)
https://f1-gate.com/toyota/wec_37633.html
「朝から雨に見舞われたニュルブルクリンク。しかし、午後1時のスタート時間が近づくと雨は上がり、スタートを前にコースは完全にドライコンディション。」
「この天候に翻弄された各チームは、スタート間際に急遽ドライタイヤへと交換した。」
「TS050 HYBRIDは、2台共に空力的なバランスの低下に見舞われペースダウン。」
「着実に選手権ポイントを獲得することに集中。」
「このレースで今年のWECヨーロッパ・ラウンドは終了。」
トヨタに何が起こっているのかは分からない。
つーか、ポルシェがハイダウンフォースシャシーを完成させたことが大きい。
お台場のメガウエッブで車体を見た時に感じた直感。
作っているモノが違う・・・。
部分最適化を追求したトヨタ車は、それなりに理屈が通っていて、要素ごとに見ればレーシングカー然としている。
対して、919は、全体が一つの塊感に溢れ、統一されて破たんがない。
今にも走り出しそうな、いや、停まっている姿から走りを想像することが出来るような雰囲気だ。
レーシングカーというよりも、自動車の新しい形を見ているような気になる。
もちろん、1周のタイムを競う予選では、そんなフィーリングよりも、リアルな性能がものをいう。
トヨタは速い。
作っているのは、紛れもないレーシングカーだからな。
しかし、それは、ここを削り、あそこを継ぎ足した結果の賜物だ。
インゴッドから削り出したような919は、細部を見ていてもあまりカンドーはない。
余りにも当たり前過ぎて、もう、ここはコレしかないだろうという形になっている。
切った貼ったの痕跡はないのだ。
それが、レースでの差になっているのかどうかは分からない。
トヨタのトラブルは、燃料ポンプとか、そういう中身の話だからな。
しかし、タイヤとのマッチングとか、そっちの方でも問題を抱えている感じだ。
要素技術で傑出していても、トータルでのまとめが上手くない。
何かが欠けているのではなく、作り上げようとしているものが違うような気がする。
トヨタが作ろうとしているのは、レースが終わったら壊れてもいいレーシングカーだ(最近は、レーシングカーも、交換部品に制限があるそうですが)。
ギリギリの耐久性、ギリギリの性能、ギリギリの軽量化(そうなのかあ?)。
919だって、そりゃあそういうことに無頓着に作っているわけじゃないだろう。
ルマンでも、レース中にしっかり壊れてるしな。
しかし、作ろうとしているのは、24時間走ったら壊れるような代物じゃあない。
100時間でも、1000時間でも走り続けられるクルマだ(そうなのかあ?)。
今年のレースを見ていると、そのことを強く感じる。
タイヤを履き替えた時の影響が強く出るというのは、それだけ最適化を追い込んでいるからだが、そもそもその影響が出にくいようにする設計の妙があるのかもしれない。
ポルシェがWECから撤退するという話の裏には、もう、このステージで得るものがないと考えていることがあるんだろう。
勝ち負けではなく、技術的に。
少なくとも、レースにおいては、トヨタは敵じゃない。
ああ、プジョーが参戦して、トヨタとガチで走ったら面白いかもしれないな。
速くて、すぐにぶっ壊れるクルマを、なんとかギリギリで持たせる思想・・・。
スプリントタイプのレーシングカーの思想だ。
耐久レースにおけるアプローチの違いがそこにはあるように感じる。
ポルシェだって、当初は壊れまくっていたから、一皮むけば同じことだったのかも。
しかし、作ろうとしているものが違うとすれば、その差は永遠に埋まらない。
スポットで速いクルマは、要素技術の集合で作れる。
シーズン通して速いクルマは、違うものが必要な気がする。
ましてや、連勝し続けるということになれば、設計思想そのものが違うということになる。
何かが足りないのではなく、作ろうとしているものの違いが、勝敗に現れているのではないか。
山登りでいえば、高さの違う別の山に登ろうとしているようなもんだな。
低い山のてっぺんに上ってしまって、何が足りないのか分からないトヨタ。
もともと高い山に登ろうとしていて、8合目でも十分高いところに行ってしまっているポルシェ。
レースでの運営とか、開発体制とか、いろいろあるんだろうが、ニュルの結果を見ると、何か本質的な違いがあるような気がしている。
トヨタは、WECに勝つことは出来るだろう。
既に、シリーズチャンピオンにもなっている。
問題は、今後シリーズチャンピオンになれたとして、20年連続でその座を維持する気でやってるかどうかだな。
ポルシェとの差は、その辺にもあるだろうな・・・。
クルマが遅いわけではない。
ポールポジションは取れる。
ドライバーだって悪くない。
しかし、何故か、勝てない。
(WEC第4戦:ポルシェがワン・ツー。トヨタ、ニュルブルクリンク初優勝ならず)
https://www.as-web.jp/sports-car/142860?all
「8号車トヨタのスローダウンは、燃料ポンプに起因するエンジントラブル」
「交わされた7号車トヨタのロペスも3秒前後の僅差で続いていったが、徐々にギャップが拡大。」
「3時間を過ぎた頃には1号車ポルシェ919ハイブリッド(ニール・ジャニ/アンドレ・ロッテラー/ニック・タンディ)にも交わされ3番手まで後退」
「前を行くポルシェ勢とのギャップが25秒近くまで広がってしまう。」
タイヤの選択の問題なのか、時間が経つほどに遅くなる(相対的に)という悪夢のような話だ。
(【WEC】 トヨタ:第4戦 ニュルブルクリンク6時間 決勝レポート)
https://f1-gate.com/toyota/wec_37633.html
「朝から雨に見舞われたニュルブルクリンク。しかし、午後1時のスタート時間が近づくと雨は上がり、スタートを前にコースは完全にドライコンディション。」
「この天候に翻弄された各チームは、スタート間際に急遽ドライタイヤへと交換した。」
「TS050 HYBRIDは、2台共に空力的なバランスの低下に見舞われペースダウン。」
「着実に選手権ポイントを獲得することに集中。」
「このレースで今年のWECヨーロッパ・ラウンドは終了。」
トヨタに何が起こっているのかは分からない。
つーか、ポルシェがハイダウンフォースシャシーを完成させたことが大きい。
お台場のメガウエッブで車体を見た時に感じた直感。
作っているモノが違う・・・。
部分最適化を追求したトヨタ車は、それなりに理屈が通っていて、要素ごとに見ればレーシングカー然としている。
対して、919は、全体が一つの塊感に溢れ、統一されて破たんがない。
今にも走り出しそうな、いや、停まっている姿から走りを想像することが出来るような雰囲気だ。
レーシングカーというよりも、自動車の新しい形を見ているような気になる。
もちろん、1周のタイムを競う予選では、そんなフィーリングよりも、リアルな性能がものをいう。
トヨタは速い。
作っているのは、紛れもないレーシングカーだからな。
しかし、それは、ここを削り、あそこを継ぎ足した結果の賜物だ。
インゴッドから削り出したような919は、細部を見ていてもあまりカンドーはない。
余りにも当たり前過ぎて、もう、ここはコレしかないだろうという形になっている。
切った貼ったの痕跡はないのだ。
それが、レースでの差になっているのかどうかは分からない。
トヨタのトラブルは、燃料ポンプとか、そういう中身の話だからな。
しかし、タイヤとのマッチングとか、そっちの方でも問題を抱えている感じだ。
要素技術で傑出していても、トータルでのまとめが上手くない。
何かが欠けているのではなく、作り上げようとしているものが違うような気がする。
トヨタが作ろうとしているのは、レースが終わったら壊れてもいいレーシングカーだ(最近は、レーシングカーも、交換部品に制限があるそうですが)。
ギリギリの耐久性、ギリギリの性能、ギリギリの軽量化(そうなのかあ?)。
919だって、そりゃあそういうことに無頓着に作っているわけじゃないだろう。
ルマンでも、レース中にしっかり壊れてるしな。
しかし、作ろうとしているのは、24時間走ったら壊れるような代物じゃあない。
100時間でも、1000時間でも走り続けられるクルマだ(そうなのかあ?)。
今年のレースを見ていると、そのことを強く感じる。
タイヤを履き替えた時の影響が強く出るというのは、それだけ最適化を追い込んでいるからだが、そもそもその影響が出にくいようにする設計の妙があるのかもしれない。
ポルシェがWECから撤退するという話の裏には、もう、このステージで得るものがないと考えていることがあるんだろう。
勝ち負けではなく、技術的に。
少なくとも、レースにおいては、トヨタは敵じゃない。
ああ、プジョーが参戦して、トヨタとガチで走ったら面白いかもしれないな。
速くて、すぐにぶっ壊れるクルマを、なんとかギリギリで持たせる思想・・・。
スプリントタイプのレーシングカーの思想だ。
耐久レースにおけるアプローチの違いがそこにはあるように感じる。
ポルシェだって、当初は壊れまくっていたから、一皮むけば同じことだったのかも。
しかし、作ろうとしているものが違うとすれば、その差は永遠に埋まらない。
スポットで速いクルマは、要素技術の集合で作れる。
シーズン通して速いクルマは、違うものが必要な気がする。
ましてや、連勝し続けるということになれば、設計思想そのものが違うということになる。
何かが足りないのではなく、作ろうとしているものの違いが、勝敗に現れているのではないか。
山登りでいえば、高さの違う別の山に登ろうとしているようなもんだな。
低い山のてっぺんに上ってしまって、何が足りないのか分からないトヨタ。
もともと高い山に登ろうとしていて、8合目でも十分高いところに行ってしまっているポルシェ。
レースでの運営とか、開発体制とか、いろいろあるんだろうが、ニュルの結果を見ると、何か本質的な違いがあるような気がしている。
トヨタは、WECに勝つことは出来るだろう。
既に、シリーズチャンピオンにもなっている。
問題は、今後シリーズチャンピオンになれたとして、20年連続でその座を維持する気でやってるかどうかだな。
ポルシェとの差は、その辺にもあるだろうな・・・。
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