怪しい雲行き ― 2017年07月20日 22:54
怪しい雲行き
北朝鮮が、またICBMを発射しそうだとか、核実験をしようとしているとか、そういう話ではない(そういう話もあるようですが)。
(海面水温・海流1か月予報)
http://www.data.jma.go.jp/kaiyou/data/db/kaikyo/ocean/forecast/month.html
このURLだと、新しい情報だけが表示されてしまうようだ。
内容の一部を抜粋する。
「(7月21日から8月20日までの北西太平洋の海面水温と海流の見通し):
1.海面水温
・日本の東、四国・東海沖、沖縄の東の海面水温は、平年より高いか、かなり高いでしょう。
・日本海、東シナ海、沖縄の南の海面水温は、平年よりかなり高いでしょう。
・オホーツク海、カムチャツカの東、日本のはるか東から日付変更線付近、南鳥島近海から日付変更線付近、南シナ海、フィリピンの東、マリアナ諸島近海、ミンダナオ島の東からニューギニア島の北の海面水温は、平年より高いでしょう。」
で、何が起こっているかというと、日本の近くで台風が発生しようとしているということだ。
(台風はどうやって発生するの?)
http://www.jma-net.go.jp/nara/knowledge/saijiki2/14typhoon.htm
「1 熱帯などの海域では、太陽の強い日射により海水温が高くなっています。この暖かい海域に接した大気は、気温が上昇すると同時に海面から多量の水蒸気の補給を受け、大気の状態が次第に不安定になります」
「2 太平洋高気圧におおわれた海域の大部分では安定成層となっており、下層が不安定でも強い上昇流は生じません。しかし太平洋高気圧から吹き出す北東貿易風と赤道越えの南東貿易風などが集まる低緯度の熱帯収束帯付近の所々では、下層の不安定な空気が収束し(集まり)、強い上昇流を生じます」
「3 多量の水蒸気を含んだ下層の空気はこの上昇流によって上空に運ばれ凝結し、多数の積乱雲などが発生します。これらの雲は集まって、雲のかたまり(クラウド・クラスター)を形成する場合があります。」
「4 この雲のかたまりができる時に出る多量の凝結熱が上空を暖めて気圧を下げ、熱帯低気圧が形成される場合があります」
「5 この低気圧の中心に向かって周囲の高温多湿の下層大気が反時計回りに吹き込み、上昇流となって、多数の積乱雲などを生成します。さらに4と5のサイクルが繰り返される場合は、熱帯低気圧が明瞭となり雲も組織化され、台風が発生するのです。」
ずいぶん丁寧に書いてあるな。
もちっと、簡単に書いてみよう。
1 高い海水温→気温の上昇+水蒸気の補給=不安定な下層空気ができる。
2 不安定な下層空気→高気圧周辺に風の力で集まる→強い上昇流を生じる。
3 下層空気が上空に運ばれる→水蒸気が凝結し、多数の積乱雲などが発生→雲のかたまりを形成
4 凝結熱が上空を暖めて気圧を下げる→熱帯低気圧の形成
5 周囲の高温多湿の下層大気が中心に向かって吹き込む→(4に戻る)→4と5が繰り返されて、風速がおよそ17.2mを超えると台風の出来上がり。
うーん、まだ長いな。
(スタート)高い海水温
→大量の水蒸気を含んだ暖かい空気
→高気圧周辺に集まり上昇
→水蒸気の凝結で積乱雲が発生し、かたまりを作る
→凝結熱が上空を暖めて気圧を下げる
→熱帯低気圧の形成
→周囲の高温多湿の下層大気が中心に向かって吹き込む
→台風に発達(ゴール)
まだ、ピンとこないが、だいぶ見通しが良くなった感じだ。
渦を巻くのは、地球の自転によるコリオリの力が働くからだという。
いずれにしても、暖かい湿った空気(なんか、CCRの宣伝文句みたいだな)が、物理の法則で上昇し、上空で凝結するというところがミソだ。
ふつーは、ここで雲が出来て、雨になって降っておしまいなんだが、周りからどんどん原料(暖かい湿った空気)が供給されるわけで、気圧の差を動力とする巨大な積乱雲の集合が出来てくる。
どのくらい巨大かというと、半径が800km以上に及ぶことがある(超巨大台風)。
山が大きいとか、そういうレベルではない。
ちなみに、世界最高峰エベレストをはじめとする7000m級以上の山々が連なるヒマラヤ山脈の延長は2400kmだが、こんな台風もある。
(台風の強さ歴代ランキング 史上最大の記録は●ヘクトパスカル!:強風域が大きい台風(直径))
http://iroiro-kininaru.com/archives/2595.html#i-7
「平成9年台風13号 強風域直径2,400km」
直径がヒマラヤと同じかよ!?。
「「強風域」とは、毎秒15m以上の風のことです。」
そりゃ、「強風」だろ?、などと突っ込んではいけない(もちろん、領域のことです)。
吹いてる風の強さも半端ない。
最大瞬間風速100mを超えるものもある。
(平成25年台風第30号)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B3%E6%88%9025%E5%B9%B4%E5%8F%B0%E9%A2%A8%E7%AC%AC30%E5%8F%B7
「最大風速87.5メートル、最大瞬間風速105メートルとしている」
べらぼうな大きさと強さだ。
そういう大気の構造を生む力の源は、太陽のエネルギーと地球の自転なんだが、地球の自転はとりあえず置いておくとして、太陽エネルギーに温められている海水温は、そのいい指標になる。
台風の出来方でも、高い海水温というのが、そもそもの始まりだしな。
浮沈子が、こんな記事を書き始めたのは、3日先の予想天気図に怪しげな台風の画像を見つけたからだ。
この台風(たぶん、平成29年台風5号)は、ゆっくりと高気圧の縁を回りながら西進している。
位置は北緯30度東経150度辺りになる。
こんなところに出来るかよ的な場所だな。
南鳥島の北だ。
べらぼうだな(最近、このフレーズが気に入っている)。
まあ、どうでもいいんですが。
このまま、どんどん本州付近に近づいてくると困る。
早いとこ、ジェット気流に捕まって、北東方向に放っぽり出されるのを期待するしかない。
「日本の東、四国・東海沖、沖縄の東の海面水温は、平年より高いか、かなり高いでしょう」(再掲)
今年の台風は、ロクでもないところで発生する可能性が高いということだ。
ちなみに、周辺の海水温は29度から30度(平年より2度高い)。
台風を発達させる原料である「周囲の高温多湿の下層大気」も、たっぷりあることだしな。
この台風の進路や発達情報には要注意だ。
北朝鮮が、またICBMを発射しそうだとか、核実験をしようとしているとか、そういう話ではない(そういう話もあるようですが)。
(海面水温・海流1か月予報)
http://www.data.jma.go.jp/kaiyou/data/db/kaikyo/ocean/forecast/month.html
このURLだと、新しい情報だけが表示されてしまうようだ。
内容の一部を抜粋する。
「(7月21日から8月20日までの北西太平洋の海面水温と海流の見通し):
1.海面水温
・日本の東、四国・東海沖、沖縄の東の海面水温は、平年より高いか、かなり高いでしょう。
・日本海、東シナ海、沖縄の南の海面水温は、平年よりかなり高いでしょう。
・オホーツク海、カムチャツカの東、日本のはるか東から日付変更線付近、南鳥島近海から日付変更線付近、南シナ海、フィリピンの東、マリアナ諸島近海、ミンダナオ島の東からニューギニア島の北の海面水温は、平年より高いでしょう。」
で、何が起こっているかというと、日本の近くで台風が発生しようとしているということだ。
(台風はどうやって発生するの?)
http://www.jma-net.go.jp/nara/knowledge/saijiki2/14typhoon.htm
「1 熱帯などの海域では、太陽の強い日射により海水温が高くなっています。この暖かい海域に接した大気は、気温が上昇すると同時に海面から多量の水蒸気の補給を受け、大気の状態が次第に不安定になります」
「2 太平洋高気圧におおわれた海域の大部分では安定成層となっており、下層が不安定でも強い上昇流は生じません。しかし太平洋高気圧から吹き出す北東貿易風と赤道越えの南東貿易風などが集まる低緯度の熱帯収束帯付近の所々では、下層の不安定な空気が収束し(集まり)、強い上昇流を生じます」
「3 多量の水蒸気を含んだ下層の空気はこの上昇流によって上空に運ばれ凝結し、多数の積乱雲などが発生します。これらの雲は集まって、雲のかたまり(クラウド・クラスター)を形成する場合があります。」
「4 この雲のかたまりができる時に出る多量の凝結熱が上空を暖めて気圧を下げ、熱帯低気圧が形成される場合があります」
「5 この低気圧の中心に向かって周囲の高温多湿の下層大気が反時計回りに吹き込み、上昇流となって、多数の積乱雲などを生成します。さらに4と5のサイクルが繰り返される場合は、熱帯低気圧が明瞭となり雲も組織化され、台風が発生するのです。」
ずいぶん丁寧に書いてあるな。
もちっと、簡単に書いてみよう。
1 高い海水温→気温の上昇+水蒸気の補給=不安定な下層空気ができる。
2 不安定な下層空気→高気圧周辺に風の力で集まる→強い上昇流を生じる。
3 下層空気が上空に運ばれる→水蒸気が凝結し、多数の積乱雲などが発生→雲のかたまりを形成
4 凝結熱が上空を暖めて気圧を下げる→熱帯低気圧の形成
5 周囲の高温多湿の下層大気が中心に向かって吹き込む→(4に戻る)→4と5が繰り返されて、風速がおよそ17.2mを超えると台風の出来上がり。
うーん、まだ長いな。
(スタート)高い海水温
→大量の水蒸気を含んだ暖かい空気
→高気圧周辺に集まり上昇
→水蒸気の凝結で積乱雲が発生し、かたまりを作る
→凝結熱が上空を暖めて気圧を下げる
→熱帯低気圧の形成
→周囲の高温多湿の下層大気が中心に向かって吹き込む
→台風に発達(ゴール)
まだ、ピンとこないが、だいぶ見通しが良くなった感じだ。
渦を巻くのは、地球の自転によるコリオリの力が働くからだという。
いずれにしても、暖かい湿った空気(なんか、CCRの宣伝文句みたいだな)が、物理の法則で上昇し、上空で凝結するというところがミソだ。
ふつーは、ここで雲が出来て、雨になって降っておしまいなんだが、周りからどんどん原料(暖かい湿った空気)が供給されるわけで、気圧の差を動力とする巨大な積乱雲の集合が出来てくる。
どのくらい巨大かというと、半径が800km以上に及ぶことがある(超巨大台風)。
山が大きいとか、そういうレベルではない。
ちなみに、世界最高峰エベレストをはじめとする7000m級以上の山々が連なるヒマラヤ山脈の延長は2400kmだが、こんな台風もある。
(台風の強さ歴代ランキング 史上最大の記録は●ヘクトパスカル!:強風域が大きい台風(直径))
http://iroiro-kininaru.com/archives/2595.html#i-7
「平成9年台風13号 強風域直径2,400km」
直径がヒマラヤと同じかよ!?。
「「強風域」とは、毎秒15m以上の風のことです。」
そりゃ、「強風」だろ?、などと突っ込んではいけない(もちろん、領域のことです)。
吹いてる風の強さも半端ない。
最大瞬間風速100mを超えるものもある。
(平成25年台風第30号)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B3%E6%88%9025%E5%B9%B4%E5%8F%B0%E9%A2%A8%E7%AC%AC30%E5%8F%B7
「最大風速87.5メートル、最大瞬間風速105メートルとしている」
べらぼうな大きさと強さだ。
そういう大気の構造を生む力の源は、太陽のエネルギーと地球の自転なんだが、地球の自転はとりあえず置いておくとして、太陽エネルギーに温められている海水温は、そのいい指標になる。
台風の出来方でも、高い海水温というのが、そもそもの始まりだしな。
浮沈子が、こんな記事を書き始めたのは、3日先の予想天気図に怪しげな台風の画像を見つけたからだ。
この台風(たぶん、平成29年台風5号)は、ゆっくりと高気圧の縁を回りながら西進している。
位置は北緯30度東経150度辺りになる。
こんなところに出来るかよ的な場所だな。
南鳥島の北だ。
べらぼうだな(最近、このフレーズが気に入っている)。
まあ、どうでもいいんですが。
このまま、どんどん本州付近に近づいてくると困る。
早いとこ、ジェット気流に捕まって、北東方向に放っぽり出されるのを期待するしかない。
「日本の東、四国・東海沖、沖縄の東の海面水温は、平年より高いか、かなり高いでしょう」(再掲)
今年の台風は、ロクでもないところで発生する可能性が高いということだ。
ちなみに、周辺の海水温は29度から30度(平年より2度高い)。
台風を発達させる原料である「周囲の高温多湿の下層大気」も、たっぷりあることだしな。
この台風の進路や発達情報には要注意だ。
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