CCRの季節 ― 2017年07月22日 01:14
CCRの季節
このブログでは、時々何の脈絡もなく、CCR絡みのネタが出てくることがある。
浮沈子が、ダイビングで使っている器材だが、我が国では多くても200人、常時使っている人は数十人(十数人?)と推測されるマニアックな潜水器だ。
通常のダイビングでは、オープンサーキットといって、タンクの中の圧縮空気や酸素を幾分濃いめにしたエンリッチドエアナイトロックスという混合ガスを吸う。
吸ったガスは、水中に吐き出す。
吐き出したガスは、人間が使った分の酸素は減り、二酸化炭素が増えているわけだ。
水中では、酸素は貴重だからな。
まだ使えるのに、吐き出すというのはもったいない。
そこで、自分の吐き出した呼気を、循環させて、減った分の酸素を足し、増えた分の二酸化炭素を取り除いてやればいい。
理屈はそうなる。
細かいところは全部飛ばして、泡の出ない潜水器といわれる仕掛けが出来上がる。
これがCCRだ。
よく似た仕掛けに、SCRとかもある。
CCRにも、いくつか種類があって、作られた時代や目的によって使い分けられている。
吸って吐いているだけのオープンサーキットと異なり、電気仕掛けを伴う機種が多い関係で、操作はややっこしい。
いや、正確には、ややっこしいことにならないように、電気仕掛けで管理する必要がある。
通常のレクリエーショナルレベルの環境で潜る分には、適応する器材を選択して、それなりの練習を積めば使えるようになる。
使えたからといって、認定された範囲を超えて運用すれば、ヤバイことになる。
限界は厳守しなければならない。
器材の限界ではなく、トレーニングによって与えられた運用限界だ。
その方が常に低いレベルだ。
器材の限界は、例えば水深100mオーバーとか、そういうことになる。
ふつーのダイバーは、そんな深度には潜らないし、そのための訓練も受けていない。
ガスや器材について、特別の教育を受ける必要がある。
CCRも同じだ。
通常のダイビングにおいても、かなり面倒な手順を踏む必要がある。
しかも、ここだけの話だが、よく壊れる・・・。
壊れるというのは、正確な表現ではないな。
正常に作動しなくなる。
常にメンテナンスし、日常点検し、使用時にもチェックする。
昔の自動車のように。
クルマの周りを一周して、異常が無いか、タイヤの空気圧は大丈夫か、ひび割れしてないか、下回りを覗いてオイルの漏れがないか見たり、ハンドルを回してガタがないかを確認したり・・・。
今時は、全て車載のコンピューターが行う。
冷却水やウォッシャー液のレベルもチェックし、異常があれば警告する。
何でもやってくれるCCRもある。
ポセイドンセブンは、かなりオートマチックだ。
それでも、人間が確認しなければならないことはある。
そして、ようやく使える。
それでも、具合が悪くなることはあるのだ。
水中で。
最も壊れて欲しくない時に壊れる。
で、当然、そういう時の対応も練習して、何かあっても無事に浮上できるようにする。
CCRを運用する時の細かい話は、全部省略して、なぜ、こんな面倒くさい代物を使って潜るかという話だ。
潜水時間が長いとか、湿った暖かいガスを吸えるとか、泡が出ないから静かでいいとか、仕掛けがややっこしいのが好きとか・・・。
まあ、どうでもいいんですが。
別に、CCRでなくても、ふつーのダイビングは可能だし、深く潜るにしても、世界記録はオープンサーキットだし、洞窟潜水とかでは、あまり流行っていないようだし、要するに、適材適所という話になるんだろう。
浮沈子は、せいぜい水深30m位までで、流れがなく(弱く)、明るく暖かい海で、残圧とかを(あまり)気にしないで、半日くらい(約3時間)潜っていられるので使っている。
乗り合いのボートでも、ガイドさんによるのかもしれないが、ユニークなスケジュールで潜ることが出来る。
先に飛び込んで、その他大勢が来ない深場(30m位)に行って、徐々に浅く上がってきて、その他大勢がいなくなったころにメインのポイントを独占し、その他大勢が安全停止を終わって船に上がったころに、そのままゆっくり浮上して船に戻る。
次のポイントでは、その他大勢が水面休息時間でボート上にいる時に先に潜降して、誰もいない水中を独占する。
みんなが船に戻って上がったころに、最後に浮上する。
浮沈子は、1日2本しか潜らないけど、それで3本潜ってもいい。
呼吸回路を循環する自分の息の音が聞こえ、いままで泡の音に隠れていた、水中の豊かな音の世界に耳を澄ませる。
まあ、大部分が船のスクリュー音だったりするんだがな。
それでも、イワシの群れが向きを変える時の音、クロスズメダイの威嚇音などが聞こえてくる。
水中は、饒舌で豊かな音の世界だ。
沈黙の世界ではない。
ボーっと泳いでいるだけでも、未知の体験をすることがある。
魚が、こっちの存在を無視して目の前を通り過ぎたり、トルネードに巻かれたり、流木か何かと間違えて、身体の陰でいつまでも泳いでいたり、コバンザメに纏わりつかれたり・・・。
ブラックチップシャークが、突進してきたりしたこともあるからな。
泡吐いてないので、他の魚と間違えたのかもしれない。
そういう癒し系のダイビングが向かないダイバーには、あまりメリットはないかもしれない。
ガチでテクニカルダイビングをやりたい方は、また別の話だ。
浮沈子は、オープンサーキットのテック40やって、ビビってしまって足踏みしている。
CCRで60mまで行きたいから、いろいろトレーニングを重ねているが、なかなか難しい。
すんなりと行ける方もいるだろう。
向き不向きもあるかもしれないし、この器材を使うメリットを生かせるダイビングと、そうでないダイビングもある。
費用の問題は、趣味の世界である以上、避けて通ることは出来ない。
ハッキリ言って、高い。
浮沈子は、CCR使って潜る方が多かったが、最近はオープンサーキットの方が増えている。
暇はあっても金はない・・・。
それでも、機会を作って、なるべくスキル維持程度には潜ろうと思う。
もう少し、基礎的なスキルを身に付けないと、先に進めない気がする。
苦手や不安を残していては、リスクを取ることは出来ない。
自分自身がリスクになる。
イントラに言われた、ダイビングの基礎が出来ていないというのは、確かにその通りだからな。
中性浮力、トリム、フィンワーク。
その上に、いろいろなスキルを乗せていく。
何をやっていても、基本を崩さずに出来なければ、足踏みするだけだ。
何度やっても変わらない。
同じところでジタバタするだけになる。
基礎から積み上げなければだめで、そこを飛ばして、途中から何かをやるわけにはいかない・・・。
まあいい。
ダイビングは、浮沈子にとっては遊びだ。
楽しくなければ意味がない。
ダイビングを楽しむ手段として、CCRを選んでいるに過ぎない。
そりゃあ、サイドマウントで2本差ししていけば、大概のところではCCRと似たようなプロファイルで潜ることは出来るだろう。
遥かに手軽に、安価に、ダイビングを楽しむことも出来る。
似たような・・・。
何かが違うような・・・。
それでも、CCRで潜りたいのだ。
地球の酸素分圧では足りない脳細胞が、そう言っている。
CCRの季節は、もう少し続きそうだな・・・。
このブログでは、時々何の脈絡もなく、CCR絡みのネタが出てくることがある。
浮沈子が、ダイビングで使っている器材だが、我が国では多くても200人、常時使っている人は数十人(十数人?)と推測されるマニアックな潜水器だ。
通常のダイビングでは、オープンサーキットといって、タンクの中の圧縮空気や酸素を幾分濃いめにしたエンリッチドエアナイトロックスという混合ガスを吸う。
吸ったガスは、水中に吐き出す。
吐き出したガスは、人間が使った分の酸素は減り、二酸化炭素が増えているわけだ。
水中では、酸素は貴重だからな。
まだ使えるのに、吐き出すというのはもったいない。
そこで、自分の吐き出した呼気を、循環させて、減った分の酸素を足し、増えた分の二酸化炭素を取り除いてやればいい。
理屈はそうなる。
細かいところは全部飛ばして、泡の出ない潜水器といわれる仕掛けが出来上がる。
これがCCRだ。
よく似た仕掛けに、SCRとかもある。
CCRにも、いくつか種類があって、作られた時代や目的によって使い分けられている。
吸って吐いているだけのオープンサーキットと異なり、電気仕掛けを伴う機種が多い関係で、操作はややっこしい。
いや、正確には、ややっこしいことにならないように、電気仕掛けで管理する必要がある。
通常のレクリエーショナルレベルの環境で潜る分には、適応する器材を選択して、それなりの練習を積めば使えるようになる。
使えたからといって、認定された範囲を超えて運用すれば、ヤバイことになる。
限界は厳守しなければならない。
器材の限界ではなく、トレーニングによって与えられた運用限界だ。
その方が常に低いレベルだ。
器材の限界は、例えば水深100mオーバーとか、そういうことになる。
ふつーのダイバーは、そんな深度には潜らないし、そのための訓練も受けていない。
ガスや器材について、特別の教育を受ける必要がある。
CCRも同じだ。
通常のダイビングにおいても、かなり面倒な手順を踏む必要がある。
しかも、ここだけの話だが、よく壊れる・・・。
壊れるというのは、正確な表現ではないな。
正常に作動しなくなる。
常にメンテナンスし、日常点検し、使用時にもチェックする。
昔の自動車のように。
クルマの周りを一周して、異常が無いか、タイヤの空気圧は大丈夫か、ひび割れしてないか、下回りを覗いてオイルの漏れがないか見たり、ハンドルを回してガタがないかを確認したり・・・。
今時は、全て車載のコンピューターが行う。
冷却水やウォッシャー液のレベルもチェックし、異常があれば警告する。
何でもやってくれるCCRもある。
ポセイドンセブンは、かなりオートマチックだ。
それでも、人間が確認しなければならないことはある。
そして、ようやく使える。
それでも、具合が悪くなることはあるのだ。
水中で。
最も壊れて欲しくない時に壊れる。
で、当然、そういう時の対応も練習して、何かあっても無事に浮上できるようにする。
CCRを運用する時の細かい話は、全部省略して、なぜ、こんな面倒くさい代物を使って潜るかという話だ。
潜水時間が長いとか、湿った暖かいガスを吸えるとか、泡が出ないから静かでいいとか、仕掛けがややっこしいのが好きとか・・・。
まあ、どうでもいいんですが。
別に、CCRでなくても、ふつーのダイビングは可能だし、深く潜るにしても、世界記録はオープンサーキットだし、洞窟潜水とかでは、あまり流行っていないようだし、要するに、適材適所という話になるんだろう。
浮沈子は、せいぜい水深30m位までで、流れがなく(弱く)、明るく暖かい海で、残圧とかを(あまり)気にしないで、半日くらい(約3時間)潜っていられるので使っている。
乗り合いのボートでも、ガイドさんによるのかもしれないが、ユニークなスケジュールで潜ることが出来る。
先に飛び込んで、その他大勢が来ない深場(30m位)に行って、徐々に浅く上がってきて、その他大勢がいなくなったころにメインのポイントを独占し、その他大勢が安全停止を終わって船に上がったころに、そのままゆっくり浮上して船に戻る。
次のポイントでは、その他大勢が水面休息時間でボート上にいる時に先に潜降して、誰もいない水中を独占する。
みんなが船に戻って上がったころに、最後に浮上する。
浮沈子は、1日2本しか潜らないけど、それで3本潜ってもいい。
呼吸回路を循環する自分の息の音が聞こえ、いままで泡の音に隠れていた、水中の豊かな音の世界に耳を澄ませる。
まあ、大部分が船のスクリュー音だったりするんだがな。
それでも、イワシの群れが向きを変える時の音、クロスズメダイの威嚇音などが聞こえてくる。
水中は、饒舌で豊かな音の世界だ。
沈黙の世界ではない。
ボーっと泳いでいるだけでも、未知の体験をすることがある。
魚が、こっちの存在を無視して目の前を通り過ぎたり、トルネードに巻かれたり、流木か何かと間違えて、身体の陰でいつまでも泳いでいたり、コバンザメに纏わりつかれたり・・・。
ブラックチップシャークが、突進してきたりしたこともあるからな。
泡吐いてないので、他の魚と間違えたのかもしれない。
そういう癒し系のダイビングが向かないダイバーには、あまりメリットはないかもしれない。
ガチでテクニカルダイビングをやりたい方は、また別の話だ。
浮沈子は、オープンサーキットのテック40やって、ビビってしまって足踏みしている。
CCRで60mまで行きたいから、いろいろトレーニングを重ねているが、なかなか難しい。
すんなりと行ける方もいるだろう。
向き不向きもあるかもしれないし、この器材を使うメリットを生かせるダイビングと、そうでないダイビングもある。
費用の問題は、趣味の世界である以上、避けて通ることは出来ない。
ハッキリ言って、高い。
浮沈子は、CCR使って潜る方が多かったが、最近はオープンサーキットの方が増えている。
暇はあっても金はない・・・。
それでも、機会を作って、なるべくスキル維持程度には潜ろうと思う。
もう少し、基礎的なスキルを身に付けないと、先に進めない気がする。
苦手や不安を残していては、リスクを取ることは出来ない。
自分自身がリスクになる。
イントラに言われた、ダイビングの基礎が出来ていないというのは、確かにその通りだからな。
中性浮力、トリム、フィンワーク。
その上に、いろいろなスキルを乗せていく。
何をやっていても、基本を崩さずに出来なければ、足踏みするだけだ。
何度やっても変わらない。
同じところでジタバタするだけになる。
基礎から積み上げなければだめで、そこを飛ばして、途中から何かをやるわけにはいかない・・・。
まあいい。
ダイビングは、浮沈子にとっては遊びだ。
楽しくなければ意味がない。
ダイビングを楽しむ手段として、CCRを選んでいるに過ぎない。
そりゃあ、サイドマウントで2本差ししていけば、大概のところではCCRと似たようなプロファイルで潜ることは出来るだろう。
遥かに手軽に、安価に、ダイビングを楽しむことも出来る。
似たような・・・。
何かが違うような・・・。
それでも、CCRで潜りたいのだ。
地球の酸素分圧では足りない脳細胞が、そう言っている。
CCRの季節は、もう少し続きそうだな・・・。
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