自転車のカギ2017年07月23日 00:40

自転車のカギ


自転車のカギを落とした。

いろいろ探してみて、見つからず、そういえばガソリンを入れたな(もちろん、クルマに)と思って、行きつけのスタンドに戻ってみたら、しっかりと落とし物になっていて、保管されていた。

嬉しい。

素直に嬉しい。

落とした原因は、バッグに付けていたカラビナが壊れてしまったから。

形あるものは、いつか壊れる。

新しいものと取り替えて、今度はロック付きのタイプにした。

また壊れるかもしれないが、もちろん、予備のキーは確保してある。

浮沈子の手元から消えていった、数々のアイテムのうちで、戻ってきたことがあるのはわずかだ。

物には、あまりこだわりがないのだけれど、それでも失えば悲しい思いをする。

手元で壊れてしまったものは、なるべく直すようにするが、それでも直らなければ捨てるしかない。

捨てきれずに、ガラクタとして手元に置いてあるものもある。

思い出の詰まったアイテムの数々・・・。

それも、いつか思い出と共に処分することになる。

もう少し、手元に置いておきたい。

それは、人生の一部だし、失ってしまった時間の記憶だ。

この世界とのつながりを保つ、ガラクタたち。

共に時間を過ごした相棒たち。

物に価値があるわけではないと分かっている。

それと共に過ごした時間、人生の一部にかけがえのない価値がある。

そのシンボルとしてのアイテムだから、手放すことが出来ない。

プライスレス・・・。

まあいい。

失ったものは、戻らない。

それが、半世紀以上生きてきた結論だ。

そう思えば、悲しみは少し癒える。

そして、懲りもせず、新しいものを求め続ける。

それも、そういうものだと、諦めるしかない。

自転車のカギは出てきた。

そして、新しいカラビナを買って、古い物は捨てた。

それだけのことだが、そこには本質的な何かが潜んでいるような気がする。

小さな自転車のカギに、きちんと落とし物のタグを付けて管理していたガソリンスタンドにも感心した。

もう、20年近く通っている。

プライスレスだな(もちろん、ガソリン代は払ってますが)。

一日が、パッと明るくなったような気がした。

こんな日が、続くといいな・・・。

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